※この作品はR-18です。

虹ヶ咲発情スクールアイドル同好会   作:カラカラダ

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宮下愛と特訓

 翌日。学校へ行くため歩いていると、璃奈が喋りかけてくる。

 

「優樹君、金曜日はありがとう」

「お、おう……」

 

 突然の感謝の言葉に、少し戸惑ってしまう。

 

「それで、土曜日に愛さんと話したんだけど……」

 

(あー、やっぱりか。ということは、スクールアイドルで間違い無いな)

 

 きっとせつ菜の復活ライブを見て、心にくるものがあったのだろう。原作でそうだったのだから、間違いあるまい。

 

「私、愛さんと新しいこと始めたい。今はまだ言えないけど、いつか優樹君にも知ってもらいたい」

 

 璃奈は、覚悟を決めたような真剣な眼差しを向けてくる。

 

「わかったよ、その日を楽しみにしてる。ただ、1つだけ言っておくけど、無理だけはするなよ?」

 

 念を押すようにそう言っておく。璃奈は頑張り屋だから、無理しすぎたりしげ倒れたら元も子もないしな。

 

「うん、わかった」

 

 その答えに満足した俺はそこで話を終え、学校へと歩みを進めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 3校時目の授業が終わって小休憩になった時、俺のスマホに通知が届く。

 

(なんだ?……ん?)

 

 画面を見ると、せつ菜からのメッセージだ。内容は、昼休みに生徒会室に来てほしいというものだった。何か相談があるらしく、弁当も持ってきていいと書いてある。おそらくだが、話の内容は同好会のことだろう。

 

(正直面倒くさいけど、行くか……)

 

お昼を璃奈と食べれないのはルーティンを邪魔されたようで気分が悪いが、せっかくの彼女の頼みなのだ、仕方あるまい。5人目の彼女だけど。

 

 

 

 昼休み。いつものように誘ってくる璃奈に泣く泣く断りを入れ、弁当を持って生徒会室へと向かう。

 

(璃奈には悪いことしたな……)

 

  一人で弁当を食べるのは、なかなかつまらないだろう。前世で嫌というほど体験した俺にはわかる。

 

(ま、そのうち友達が出来るからいいだろ)

 

しずくとかすみに焼き菓子同好会。それだけいれば、俺がいなくても寂しくないだろう。これで大手を振って、他の皆んなとランチタイムが過ごせるというものだ。

 そんなことを考えてると、生徒会室に着いた。俺はノックをして中に入る。

 

「失礼します」

 

 生徒会室の真ん中には菜々が座っており、俺を見ると声をかけてきた。

 

「こんにちは優樹さん。わざわざ来てくれてありがとうございます!」

「いえ、せつ菜先輩に呼ばれたらいつでも飛んできますよ」

「ふふっ、嬉しいです。でも、今は菜々って呼んでくださいね、もしバレちゃったらまずいので」

 

 せつ菜は嬉しそうに微笑む。その笑顔を見ただけで色々と癒される。

 

「それで、どうしたんですか?」

「どうしたって、何がですか?」

 

 せつ菜はきょとんとした顔でそう返してくる。

 

「何がって、せつ菜先輩が呼び出したんじゃないですか」

「あ〜、そうでしたね。あの、理由はですね……」

 

 歯切れの悪い様子で、せつ菜は言い淀んでいる。何か事件でもあったのかだろうか、俺は少し心配になる。その後せつ菜は少し悩んだ末に、頬をどことなく染めて口を開いた。

 

「その、優樹さんと一緒にご飯が食べたくて……」

「え、あぁ……」

 

 予想外の答えに、思わず素の声が出てしまった。せつ菜は恥ずかしくなったのか顔を赤らめている。そんな姿も可愛いのだが……。

 

「でも、普通にメールで知らせてくれればいいのに……」

「そうですよね……すみません。いきなり変なことしてしまって」

 

 せつ菜は申し訳なさそうな表情を浮かべる。そんなに悲しそうな顔をされると、俺まで罪悪感を感じてしまう。

 

「あーいや、そういうわけじゃなくてですね!ただちょっとびっくりしただけです。せつ…菜々先輩が何の用事かな、なんて思っただけで」

 

 俺は慌ててフォローを入れる。するとせつ菜はほっと胸を撫で下ろしたようだった。

 

「よかったぁ……」

 

 心底安心したというように、せつ菜はそう呟く。そんな姿を見ていると、やっぱりせつ菜は優しい子なんだと改めて実感する。多少ブレーキが効かない所もあるけど…。

 

「じゃあ、弁当食べましょう? 時間ももったいないですし」

「はい、そうですね!」

 

 俺がそう話を切り出すと、せつ菜は満面の笑みで返事をした。

 

「「いただきます」」

 

 手を合わせてそう言うと、俺は弁当箱を開ける。今日の弁当は、昨日の夕飯の残り物がほとんどだ。ちなみに今日のメインは唐揚げである。

 

「ところで、部室の方はどうなんですか?」

 

 俺は弁当を食べながら、せつ菜に話しかける。確か、今日が部室の使えるようになる日だったはずだが…。

 

「はい、もうバッチリです! あとは私たちで掃除をしたり、物を持ち込むだけです」

 

 せつ菜はそう言って、楽しそうに話す。ってことは、今日は一日掃除で終わりそうだな。

 

「それは良かったです。放課後頑張りましょうね」

「はい!ありがとうございます」

 

 せつ菜は俺にそう言って、再び箸を進めた。

 

(そういえばせつ菜っていつもここで食べてるのか?)

 

ふと疑問に思い、せつ菜に聞いてみる。

 

「せつ菜先輩はいつもここで弁当食ったりしてるんですか?」

「はい。生徒会室ならゆっくりできますから」

「へぇ〜。その、一人でですか…?」

「はい。そうですよ?」

「そうですか……」

 

(今度からたまに弁当に誘うか……)

 

 そう思いながら箸を進めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 放課後。俺とせつ菜、そして皆は新しい部室で掃除をしていた。

 

「おりゃあ〜!」

「負けませんよ〜、先輩〜!」

 

 若干騒がしいけど、皆新しい部室を綺麗にしようと頑張っている。そういう俺は、資料などをまとめた段ボールを部室まで運んでいた。

 

「これで、終わりっと」

 

 俺は最後の段ボールを運び終えると、一息つく。すると横から声をかけられる。

 

「お疲れ様です!」

「あ、菜々せ……せつ菜先輩。先輩は何をしてたんですか?」

「余っていた椅子を貰ってました!優樹さんもお疲れでしょうし、一息ついていいですよ」

「なら、お言葉に甘えます」

 

 俺は菜々に礼を言うと、皆が作業している場所へと向かう。

 

「お疲れ様で〜す」

「お疲れ様、優樹君」

「優樹君もダンボール運び、ご苦労様です」

「ゆう男お疲れ〜」

 

 歩夢としずくとかすみが声をかけてくれる。どうやら大体の掃除は終わったようだ。

 

「もう掃除は終わりか?」

「まだだよ!」

「え、まだ何かあるのか?」

 

(掃除はあらかた終わったはずなんだが……)

 

「最後にコレ!」

 

 そう言ってかすみは廊下に向かう。そして『スクールアイドル同好会』のプレートを、ドアに立て掛けた。

 

「ようやく復活だね!」

「それじゃあ、スクールアイドル同好会始めま〜……」

 

 エマの言葉もあり、同好会復活をかすみが宣言しようとしたその時だった。

 

「やっほー!もしかして、スクールアイドル同好会の人達?」

 

 いきなり元気な声が耳に入る。と言っても、見覚えしかない声なのだが…。

 

「そうですが……?」

「二人は確か……」

「情報処理学科二年、宮下愛だよ!」

「一年、天王寺璃奈……です」

 

(ヤバいな……ついにこの時が来たか)

 

 二人の自己紹介を聞きながら、俺は途方に暮れていた。その理由は単純、二人にまだ同好会のことを言っていないのに来たからだ。

 

(3人で秘密はしないって約束したのに、結局俺が一番最初に約束を破ってしまった……)

 

 俺はそんなことを思いつつ、この場をどう切り抜けるかを必死に考える。幸いまだ二人にはバレていないようだ。

 

「あ、この間の……」

「お、二人とも同好会入ってたんだ!実は愛さんも屋上ライブ見て、何かドキドキしてきちゃってさ〜」

「わかるよ!ときめいたんだよね!?」

 

 歩夢と侑と愛はお互い面識があるためか、仲良く喋っている。

 

「本当に、凄かった」

「あ、ありがとうございます!」

 

 一方璃奈は、せつ菜相手に屋上ライブの感想を言っていた。せつ菜も感想を言われて、照れながらも嬉しそうだ。

 

「というわけで、二人とも入部希望です!」

 

 愛は璃奈とアイコンタクトを取り、ビシッとポーズを決めてそう言う。

 

「まずは、皆の名前が知りたいな〜……あれ、ゆう……ゆっきー!?」

「優樹くん……?」

 

 愛と璃奈はみんなの方を向いたことで、俺の存在に気付いてしまったらしい。俺の顔を見た瞬間固まっていた。

 

「あ、あはは……こんにちわ。愛先輩、璃奈」

「う、うん。こ、こんにちは……」

 

 俺達はぎこちない挨拶を交わす。しばらく沈黙が続いた後、愛は口を開いた。

 

「えっと、ゆっきーってスクールアイドル同好会に入ってる感じ?」

「はい……」

 

(ああ……終わった)

 

 俺の心の中でありとあらゆる感情が渦巻く。こうなる前に二人に言っておけばよかった…。

 

「そうなんだ……」

「私達……知らなかった」

 

 愛と璃奈は俺の方を向いてそう言う。その表情からは、驚きの感情が読み取れる。

 

(まぁ……当然の反応だろうな)

 

 俺はそう思いながら、恐る恐る二人の反応を待つ。怒ってないといいんだが…。

 

「そっか〜、ゆう……ゆっきーがスクールアイドル同好会にねぇ〜」

「優樹くんが同好会に入ってるなら、もっと早く教えて欲しかった」

 

愛と璃奈は驚き半分、呆れ半分のような口調でそう呟く。

 

(あれ、そこまで怒ってない?)

 

どうやら二人は、俺が思ってたよりも怒っていないようだった。

 

「あの、お二人と優樹さんはどのような関係で?」

 

 するとせつ菜が興味津々といった様子で、俺に質問をしてくる。どう答えるべきだろうか。馬鹿正直に両方恋人ですって答えたらまずいよな…。

 

「えっと、クラスメイトと友達です」

「そうですか! なら、これから一緒に活動できますね!」

「うん! 楽しみだよ!」

「私も……」

 

 せつ菜の言葉を聞いて、愛も璃奈も嬉しそうだ。とりあえずは一安心……でいいのか?

 

「ところで、スクールアイドル同好会って何するの?」

「え〜っと。実は今、それを探しているところでして……」

「ん?」

 

 愛はせつ菜の言った言葉の意味が分からなかったようで、首を傾けた。

 

「まずは部室に戻りませんか?そこで話を聞くってことで」

 

 ずっと廊下で話すのもあれだと思った俺は、そう提案をする。

 

「わかった!それじゃあ行こっか!」

 

 

 

 

 

 

 

「もちろん、やりたいことはあるんですよ!」

 

 かすみはホワイトボードを叩きながらそう叫ぶ。ボードには『ライブがやりたい!』と大きく書かれていた。

 

(妙なことになったな……)

 部室に入ったあと、同好会の活動方針をどうやって決めるかということになり、今はかすみが指揮を取って考えているところだ。

 

「スクールアイドルなんですから、やっぱりライブですよね」

「結局まだやってないしね〜」

「どんなライブにしたいか、皆で意見を出し合いましょう!」

「かすみん、全国ツアーがやりたいです!」

 

 せつ菜の言葉にかすみがそう返す。

 

(なんか、とんでもないこと言ってないか……)

 

 俺は心の中でツッコミを入れる。確かにスクールアイドルの定番かもしれないが、それが出来るのは上澄み中の上澄みだけであり、いきなり全国ツアーは流石に無理だろう。

 

「皆と輪になって踊りたいなぁ」

「曲の間にお芝居をやるのはどうでしょう」

「昼寝タイムも欲しいな〜」

「皆の大好きを爆発させたいですね!火薬もど〜んと使って!」

「火薬はちょっと…。私はもっと可愛いのがいいなぁ」

 

 かすみの発言を皮切りに、次々と皆がアイデアを出していく。

 

「白熱してる」

「皆言ってること全然違うけど、すごいやる気だね」

 

 愛の放った言葉に、皆の手と口が止まる。

 

(やっぱりそう見えるよな……)

 

愛の言う通り、皆が言っていることは全く違っていた。しかし皆の瞳はキラキラと輝いており、自分がしたいという軸がしっかりあるのが分かる。

 

「……で、結局どれにするの?」

「まぁ、別に急いで決める必要はないと思います。ここまでバラバラだと、意見もまとまりづらいでしょうし」

 

 愛の問いに、俺は若干苦笑いしながらそう答える。

 

「それもそうだよね〜。じゃあ、普段は何やってるの?」

「えっと、私たちもつい最近戻ったばかりですので、練習内容はわからないんです。優樹君なら知ってると思うんですが……」

「私たちも自己紹介しかしてなかったから、練習はやってないよ」

「でも、きっとゆう男なら考えているはずです!」

 

 そう言うかすみの言葉により、9色の瞳が期待の目で俺を見てくる。

 

(みんなの期待の目がすごい…。土日にメニュー考えていてよかったな……)

 

 作曲メインだし目的がハーレム作りとはいえ、一応マネージャーとしての仕事もしている。同好会が復活したので、俺は今後のメニューなんかも土日に考えていた。基本的には旧同好会でやってたことを、スケールアップさせた感じだ。

 

「基本的には基礎練習がメインです。歌ったりダンスしたり、体力つけたり。後は個人で足りない部分を補ってもらいます」

「例えば?」

 

 そう聞くかすみに、俺は考えていた案を喋っていく。

 

「歌唱力だったら校内の収録スタジオでボイストレーニング、ダンスだったら練習や筋トレ、体力作りはひたすらランニングしてもらうって感じですね。このプリントに大体載ってます」

「結構しっかりしてるんだね、早くやってみたい!」

 

 愛は俺の話を聞いて楽しそうにし、他のみんなも興味津々といった様子だ。

 

「なるほど……。では、その練習をやりつつ、ライブに向けて何をするか考えるってことにしますか?」

「それでいいと思います。優樹さん、他に何かありますか?」

 

 しずくの言葉にせつ菜が賛同し、さらに質問してくる。

 

「今後の話ですが、作曲の時にイメージとかを聞いたりするんで、出来るだけ考えておいてください」

「任せてください!大好きを出来るだけ表現してみせます!」

「かすみんも、可愛いをたくさんゆう男に伝えるから!」

 

 2人は明確なアイドルイメージを持っているからか、自信ありげに俺に言ってくる。まだ他のメンバーは決まってないようだが、原作通りに進めればなんとかなるだろ。

 

「じゃあ今日は、基礎体力が知りたいので特訓してもらいますね」

「特訓って、歌とダンスとかですか?」

「そんな感じ。あと軟体も」

「ダンスに軟体もかぁ……」

 

 今日の計画を口に出すと、彼方が気だるげな様子でそう言う。と言っても、いつも眠そうで気だるげだが。

 

「私はまだ、歌の練習がしたいな」

「だったら、グループに分かれてやりたい練習をするのはどうかな?」

「いいアイデアですね」

「私たち、全部参加してもいい!?」

 

 突然愛が手を上げそう言い出す。せっかくだし、活動内容を詳しく知っておきたいのだろう。

 

「もちろんです!」

「すっごく楽しみ! ね、りなりー!」

「うん」

「じゃあこれで、本当にスクールアイドル同好会の始まりです!」

 

 かすみの一声により、新生スクールアイドル同好会の活動がようやく始まるのだった。

 

 

 

 

「おお〜うぉおおーー!」

「もっといけそうね」

「無理無理〜〜!」

「おおお、おおおおーー」

「それが限界なの…?」

「そうみたい……」

 

 時刻はちょうど午後の4時半を指すころ。俺は璃奈と愛の案内を頼まれて、軟体練習をしている外廊下まできていた。ちなみに今は、果林が彼方の背中を押している。隣ではエマが璃奈を押しているが、ほとんど動いていない。

 

「ところで、なんで果林先輩がここにいるんですか?」

「あら、いたら悪いかしら?」

「いえ、そういうわけじゃないんですけど……」

「ふふ、冗談よ。単純にエマに誘われただけよ」

「ダンスをやるならまずは体を柔らかくしなきゃだから、果林ちゃんに教えて貰ってよかったよ〜」

 

 正直果林を相手にするのはかなり疲れる。結構鋭い所あるから、いつハーレムがバレるかわかんないんだよな…。

 

「まぁ、時間があるからいいけど…。さ、続けるわよ」

「え……」

「彼方ちゃん、壊れちゃうよ〜」

「ははは、スパルタですね……」

 

 果林のスパルタ指導に、俺は思わず苦笑いしてしまう。すると、愛が2人に近寄っていく。

 

「大丈夫だよ!」

 

 愛はそう言って手をマットに付け、足を広げていく。

 

「「おお……」」

 

 数秒後180度開脚をした愛に、俺たちは感嘆の声を上げる。

 

「よっと! じゃあ、もう一回やってみようか!」

「わかったよ〜」

「頑張る……」

「息を大きく吸って、ゆっくり吐いて〜」

「ふぅ〜、はー」

 

 2人が息を吐いたタイミングで、愛は背中に力を加える。すると前よりもかしかだが、確かに背中が動いた気がした。

 

「お…」

「あ…」

「どう? ちょっとでも出来るようになると楽しくない? 続けていけば、もっと柔らかくなっていくし」

「うん、頑張る」

 

 決意したようにそう言うあたり、やる気が出てきたんだろう。その調子で頑張って、Y字バランスが出来るぐらいになってくれ。

 

「流石部室練のヒーローね」

「ヒーロー?」

「愛先輩は色々な体育会系の部活で助っ人してて、結構運動部では有名なんですよ」

「へぇ、そうなんだ」

 

 そう言えばクラスメイトが、才色兼備な上に運動神経抜群とか友達と話してたな。もし虹ヶ咲でミスコンがあったら、上位に食い込むのは間違い無いだろう。

 

「そういえば彼方ちゃん、てっきり果林ちゃんも同好会入ると思ってたよ〜」

「そんなわけないでしょ、私はエマの悲しむ顔が見たくなかっただけよ」

「「へぇ〜」」

 

 それを聞いた俺たちは、ニヤニヤ笑う。本当に素直じゃない先輩だ。

 

(実際こんなこと言ってるけど、同好会に興味深々だからな)

 

ここに来てるのも、エマの頼み以外に同好会に興味があるってのもありそうだ。

 

「な、何よ……」

「ありがとう、果林ちゃん!」

「別に、いいわよ……」

 

 エマに抱きつかれて照れている果林を見てると、なんだか微笑ましくなってくる。

 

「じゃ、次は柔軟体操して、ランニングしましょうか」

「え、まだするの……?」

「当然よ、これから毎日やるんだもの」

「彼方ちゃん、本当に壊れちゃうよ……」

「ははは、頑張ってね彼方!」

「えー、もう行っちゃうの〜?」

「頑張ってください、彼方先輩……」

 

 軟体を体験し終えた2人は次の場所に行きたいようだ。俺たちは彼方を励まし、次の場所まで歩いていく。

 

「じゃあ、次に行こうぜ。時間も少ないし」

「うん、次は何するの?」

「次は部室だな。内容は……講義だ」

「「講義?」」

 

 璃奈と愛は、見慣れない言葉に顔を見合わせるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「おっほん、これより抗議を始めます!」

 

 ペチンと指示棒でホワイトボードを叩きながら、勢いよくかすみはそう言う。かすみは雰囲気を作るためなのか、眼鏡をかけている。

 ボードにはスクールアイドル概論と書かれているが、害と書かれた跡が残っている。字が綺麗なため、恐らくしずくが手直ししたのだろう。

 

「面白そう!」

「その眼鏡、どうしたの?」

「せつ菜先輩に借りました!……無断で」

「絶対怒られるよ!?」

「話の腰を折らない!」

 

 しずくのツッコミも意に返すことなく、かすみは話を続ける。

 

「桜坂君! スクールアイドルには何が必要なのか、答えなさい!」

「え〜っと、自分の気持ちを表現すること?」

「正解!」

「あ、正解なんだ……」

 

 意外とノリがいいな、しずくは…。

 

「では天王寺君、同じ質問です。答えをどうぞ」

「ファンの人と、気持ちを繋げること?」

「正解!」

「一つじゃないんだ……」

 

 しずくも呆れてきたのか、ボソッと呟く。

 

「今度は宮下君!」

「あははゴメ〜ン、わかんないや」

「ピンポンピンポーン、それも正解で〜す!」

「えぇ、何で!?」

「あれれ〜しず子、わかんないんですかぁ〜?」

「ムゥ……」

 

 かすみの言葉に、しずくは少し頬を膨らませる。可愛いなおい。

 

「答えは後で言うとして……ゆう男!ゆう男は何て答えるかな〜?」

「俺?……そうだな、楽しむことか?」

「楽しむこと……」

「正解〜!」

「はぁ…それで、何で全部正解なの?」

「ふっふっふ、それはですね……今の質問にははっきりした答えなんてないんです!」

「……は?」

 

 しずくは今まで聞いたことがないような低い声を浮かべながら、かすみに呟く。

 

「ひぃっ!? しず子が怒った……」

「怒ってないよ? それよりどういう意味?」

 

 しずくは笑顔で、しかし額に青筋を浮かべている。

 

「まあまあ落ち着こうぜ、今から説明するだろうし」

「優樹君がそう言うなら……」

「え〜っと気持ちも表現することも、ファンと気持ちをつなげるのも、楽しむことも、ファンの皆さんに喜んで貰えることなら全部正解ってことです!」

「へぇ〜……奥が深いんだね!」

 

 愛は感動したような声色でそう言う。

 

「ん〜、合格!」

「それはそうと、後できちんとせつ菜先輩に怒られろよ」

「何でさ!?」

「当たり前だろ、無断で眼鏡借りたんだから」

「うぅ……」

 

 俺は苦笑いしながら、かすみを見る。

 

「まぁ、一緒に謝りに行くぐらいならしてもいいぞ?」

「本当!? ゆう男大好き!」

 

 かすみは嬉しそうな表情をしながら、抱きついてくる。それを見ていた璃奈はムスッとした顔になり、愛はニヤニヤ笑っている。

 

「ほら、離れろよ。次の場所行くから」

「もうちょっとだけだから!」

「あの2人、凄く仲がいい……」

「1度同好会が無くなっちゃった時に残ってたのは、あの2人だけですからね。お互いに支え合ってるだと思います」

「そうだったんだ……」

 

 ようやくかすみが抱きつき終わり2人の方を見ると、何やら話しをしている。一体全体何を話してたんだろうか。

 

「2人とも何の話してたんだ?」

「何でもない……」

「ちょっとした世間話ですよ」

「そうか。じゃあ2人とも次の場所行きましょう……って、愛先輩?」

 

 次の場所に行こうと愛の方を見ると、何やら思い詰めた顔をしている。

 

「どうかしましたか?」

「ん……ゆう男、どうしたの?」

「いや……なんか思い詰めてたような顔してたので、大丈夫かなって」

「大丈夫、ヘーキヘーキ! 心配かけてごめんね!」

「それならいいんですけど……」

 

 本当はもう少し詮索したいが、本人が大丈夫と言っている以上これ以上何も言うことはできない。

 

「……とりあえず次に行きますか。時間も少ないですし」

「うん、行こう」

「おぉ!次はどんなところかな〜?」

 

 

 




私用が終わったので、これから当分は投稿頑張ります。

エロは次回へ持ち越しです…。

活動報告からリクエスト募集していますので、気軽に送ってください。

新作投稿するとしたらどういうの見たい?

  • 貞操観念逆転世界でアイドルハーレム
  • ふたなり虹ヶ咲に死ぬほど犯される俺君
  • この作品のリメイク(いつかは出す)
  • ラブライブ!の短編集
  • 他の二次作品(エロ)
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