「ありがとうございました」
夜。静かな受付の中で受付の女性の声が響く。
暫く進んだ所にあった宿に入る。手際よく料金を払い、背中を押されながら部屋の中に入った。小さなベッドが二つ、椅子と机の簡素な部屋。
「結婚。しようか」
メニューを操作するロイ。ベッドに腰を下ろしている僕の目の前に確認画面が現れた。それから少しの間躊躇していると無表情のロイに胸倉を掴まれ外に出されそうになる。
また、する気だ。
外に連れ出され、足を切り落とされモンスターに襲われる。脳裏に焼き付いて離れない恐怖。自身の意志に関係なく○のボタンを押してしまった。
「恋人を飛び越えて夫婦になっちゃった。性別は逆だけど関係ないよね?」
倫理コードを解除させられると、手を放し優しくベッドに導かれる。そのまま、トンと押され後ろに倒れる。その上に乗る様にして跨るとそのまま唇を合わせた。
「んん......」
「ちゅ......千影の唇甘いね」
肩を掴み引きはがそうとするが、その何倍もの力で押され離れるどころか徐々に身体が密着してく。
ただ合わせただけの口づけ。それだけで全身が蕩け、脳に霞が掛かり上手く思考が纏まらなくなっていく。それから何かキスをし終わった時にはロイの事以外考えられなくなってしまった。
顔も声も身長も
「......」
「ずっと。ずっと好きだった。出会った時からずっと貴方の事だけ思ってた」
「ん......ちゅ、れろ......」
「―――信じれないかもしれないけど。千影の事を傷つける気なんてなかった。けどね、千影が春と付き合うって聞いた時どうしようもなく貴方の事が憎くくなってしまったの。自分で自分を抑えられない。貴方の事が好きで大好きで愛しくどうしようもない」
右手で服の上から胸を掴まれ、揉みしだかれる。
「んんっ! はぁはぁ......」
「千影が怖いと思ったのなら怖がらせないように努力する。千影が私を好きになってくれるように頑張る。だから―――」
―――私を裏切らないでね?
唇を合わせながら右手で胸を弄られ、左手で私の指を操りメニューを開かせると服を脱がせる。生まれたままの姿にされる僕。男から女へ、自身の身体の変化に戸惑う暇もなく快楽の波が押し寄せて来た。
「きゃっ!」
「ふふふ、いつか千影の為にしてあげようと思って色々勉強した事無駄になっちゃったなぁ。でもまあ私も女の子だからどころをどうしたら気持ち良くなれるか知ってるから安心してね?」
「ちょっとやめっ!?」
右手はそのまま胸に左手は下に身体をいやらしく撫でながら移動し、遂に到着したその五指は自身の身体から失った肉棒の代わりにそこに存在する蜜壺に到着し丁寧に、それでいて的確に愛撫する。
「あーあ。こんなに濡れちゃって。凄いねVRって。こんなところまで現実と一緒なんだね」
「――――――ッ!!!!!」
一瞬で果てた。身体中に力が入り痙攣する。脳が余りの気持ちよさに暴走し、視線が定まらず口からは唾液が零れ落ちた。
「次は私の番。千影は男の子だったんだからこれの扱いかたも分かるよね?」
「ひっ!」
手早くメニュー画面を操作し裸になる智広。百八十近くある身長に無駄のない引き締まった身体を見ると智広が男性になったというのが良く分かる。しかし、僕が思わず声を出した原因はそこではない。もっと下、股の間に存在する豪棒だ。
現実の自分のより二倍ぐらい大きなそれは破裂しそうな程肥大しており、それを僕の中へと入れようとしていた。
冷水を頭から掛けられたかのように意識がハッキリと覚醒し、自身が置かれている状況を把握する。あれを入れられれば自分が自分でなくなってしまう気がする、それだけは嫌だ。
「早くして」
「......やだ」
「ん?」
「嫌だ」
予想外の拒否にあっけに取られている間に自分が出せる目一杯の力でロイを突き飛ばし、その隙に逃げようと身体を起こし四つん這いでベッドから降りようとする。
「―――そう言えばさっきのお仕置きの事忘れてた」
足を掴まれ、ベッドから降りられない。足から腰へ、腰から頭へ手繰り寄せる様に掴んでいくと頭を抑えつけられ動けなくなってしまう。
「どうしてこんなことするの? 何で! 昔の智広に戻ってよ!」
「言ったでしょ? どうしようもなく貴方の事が好きなの。自分から告白しなかったのは謝るし反省もしてる。でも千影を諦める選択しなんてないし、それならもう力ずくで私のものにするしかないじゃん」
「だからってこんなっ!」
「その話はまた後でしてあげる。今はお仕置きの方が先。―――こうして普通に話しているけどもう私も限界だから無理やりでもさせてもらうね」
片手で抑えつけ、もう片手で膝を立たせられると突き出した腰に豪棒をあてがい。そして、勢い良く刺し貫いた。
「あぁあああっ!!! いだいいだい! いだいよっ!! 離せ! 離して!」
極限まで熱した鉄の棒を刺されたような激痛。下半身の中に確かに感じる棒上のモノ。
「あーヤバい。想像してたよりずっと気持ちいいねこれ。癖になっちゃいそう」
頭から手を離すと髪を束で掴み、自分の顔に押し付けた。そして、息を吐くと一気に吸い込んだ。好きなモノを従える満足感と吸い込んだ時に鼻腔一杯に感じる女性的な上品な香りで思わず快感で身体を震わせる。シーツを握りしめ、ロイから離れようと抵抗するが下半身の痛みと髪を掴まれ固定されている為動けなくなってしまっていた。
「うう......んっ! あん!」
「すぅーはぁー。そろそろ馴染んできた? ―――」
じゃあいくね?
腰を引き、勢いよく押し付ける。引く、押す、引く、押す......。何度も突き入れパンパンと水水しい音が部屋中に響き渡る。
長い髪で隠れた顔から覗かせる、歯を食いしばり涙を流しながら必死に快楽に耐える自分の姿がそこにあった。
「いやっ! ん! ......っ!」
「この髪の匂いを嗅ぎながら
「嘘でしょ? 出すな! 離せ離せ!」
「気持ちい! 気持ちいよ千影」
髪を離し前に倒れると首筋に顔を押し付ける。ピストンが早くなりより音が大きくなっていく。両手でベッドと千影の肩の間に差し込み、自身から離れないようにすると仕上げにと大きく腰を引くと今まで以上の力で奥に突き入れた。
「出るぞ千影ぇぇぇっ!!!」
「イヤァァァァァ!!」
僕の中で逝き果てるロイ。中に確かに流し込まれる感覚と共に訪れる強烈な快感に痙攣する身体を上からロイが抑えつけた。
やられた。やられてしまった。男である自分が屈服される屈辱を感じながらも今まで感じた事がない悦楽を叩きこまれ心身ともに委ね切ってしまった事を、女として生きていっても構わないと思ってしまった事に深く自責の念に苛まれている。
「最高」
耳元でそう呟きながら僕の耳を舐めしゃぶる。それにすら喘いでしまう自身の不甲斐なさに死にたくなっていると肉棒を引き抜き身体を返される。汗ばんだ身体。叫びすぎて喉が痛い。せめてもの抵抗に涙目を浮かべながら智広の顔を睨んだ。
汗ばむ身体、窓から差し込む月明かりが反射し淡い光を放つ銀髪は扇状に広がり、涙ぐみながら睨み上げるその顔は怯えるどころかロイの一部に再び硬さを取り戻す。
筋肉の上を伝わる汗を手で吹き払い、力を取り戻したそれを再び僕の下半身にあてがった。
「え? もう出したじゃん! 何でまだ! ―――」
「その顔にムラムラした。もう一回しよ」
「ふざけ―――」
パンッ!
「うるさい」
頬を叩き、黙らせるとそのまま突き入れた。ベッドが軋む音と苦悶の表情を浮かべながら涙を流し喘ぐ少女の声は一晩中続いた。