鋼の錬金術師 遭難、事故から始まった、不幸街道間、まっしぐらで始まった人生 作:木桜 春雨
海外旅行に行くの、しかも一人でと言われて彼女は少し緊張しながらも頷いた、パック旅行だし、自分の目的は観光ではない。
ネットでのマッチングアプリ、飲み会婚活と色々とあったが、結局のところうまくいかず、この際、最初から仕切り直そうと仕事もやめた。
気分を変えようと旅行を考えたのだが、どうせなら国内ではなく海外にしようと思い、好きな舞台、ミュージカル、観劇三昧しようと思い、旅行会社に行き、即決で申し込んだのだ。
暇つぶしの為の数冊の本やつまみと飲み物をスーツケースにギュウギュウに詰めて用意万端、友人に明日から旅行に行ってくるからと報告したのは前日だ。
大丈夫なのと心配されたのは、ここ最近、公共の交通機関の乗り物の事故が増えているからだ。
日本もだが、海外も多い、でも、そんな事を気にしていたら、どこにも行けない。
海外旅行に行くと知って、いい顔をしなかったのは近所の人だ。
言葉にこそ出さなかった、けど、顔を曇らせた、多分、母のことだと思ってしまった。
でも、親子だからって、娘も、そんな事になるとは限らないと思って、二週間のロンドン、ニューヨーク、舞台、観劇三昧の旅に出かけたのだ。
ところが、初っぱなから、飛行機が飛び立ってしばらくして、機内がざわつき始めた。
十時間以上、眠っていただろうか、記憶にない。
緊急着陸の機内放送、アナウンスを聞いて、えっ、どういうこと、慌ててしまった。
大丈夫だ、深呼吸をして、そのとき、機体が大きく揺れた。
誰かの声が聞こえた気がした、女の人の声に誰だろうと思いながら、思わず、ばあちゃんと呼びかけてしまった。
ずっと昔に亡くなった、たった一人の家族というか、身内。
大きく、はあっと、ため息をつきながら、あんたのかあちゃんはねと、それが、癖というか、おきまりだった。
母がどんな人なのか、聞くことはしなかったのは嫌だったとか、怖かったとかではない、面倒だったからだ。
目を開けると誰かが覗きこんでいる、頬を両手でがっちりと掴んで、思わず痛いと思ったが、声が出ない。
目を開けて、首を体を起こそうとすると、はあっと溜息が聞こえた。
だが、その後、声が聞こえた。
トンネルを抜けると、そこは雪国だったという文豪の有名な小説を思い出した、だが、この場合はどうなのだろう。
空港の滑走路ではなかった、かといって雪国でも外国らしい場所にも見えない、ごろっとした岩の塊と傾斜、枯れたような木々。
「やま、山、まさか飛行機事故、墜落ーっ」
思わず叫んでしまった、はっと我に返って周りを見回したが、飛行機の残骸はない、人もいない、自分だけだ。
落ち着いて、状況を把握して理解するのよ、木桜未佐緒、(きざくら みさお)こんなときこそ冷静になるのよと自分に言い聞かせた。
そして、このとき気づいた、スーツケースが足下に落ちて、いや、置かれていたのだ。
ああ、誰か、親切な人がと思ったが、そんなこと、あるわけがない。
信じられない、アメージングな摩訶不思議な出来事がと思ったけど、とにかく、自分に言い聞かせた、凄く幸運だが、助かったのだと。
とにかく、ここにいても仕方がない、降りようと。
ここが、海外で山なら人間ならいいが、獣、危険な生き物がいるかもしれないからだ。
日本だって山奥だと熊や猪に襲われたりして、怪我をするだけではない、死ぬ事だってある。
気をつけて注意しつつ、スーツケースを引きずりながら傾斜をゆっくりと降りていくが、その足が止まった。
人が倒れていたのだ、もしかして飛行機の乗客、かもしれないと思って近寄りながら声をかけた。
「だ、大丈夫ですか」
うつ伏せに倒れていて白い髪なので、もしかして年寄りかもしれないと思ったが、違った。
足だけでなく、腕、コートの袖も破れていて血が滲んでいる、スーツケースの中からタオルやハンカチで縛って血止めをして、あなたも飛行機に乗っていたんですかと訊ねると、いいやと言われてしまった。
どういうことだろう、とにかく、この男の人は怪我をしているし、歩いて傷口が開いたら大変だ。
「人を、誰か呼んできます、ここに居てください、動かないでくださいね」
スーツケースの中からウェストポーチを出して財布とメモ帳、これがあれば大丈夫だろうと思って山を下りる事にした。
一体、なんなんだ、状況が理解できず、スカーは呆然とした。
真理の扉を開く為の違法な実験をしている者が逃げたという通報を受けて、イシュヴァールの、鉱山近くまで来たのだ。
すると地震、いや、山の上から轟音と光が見えたのだ、原因を調べようとしているとき、再び地面が揺れて、このざまだ。
気を失っていたのか、目が覚めると自分に近づいてくる気配と声に、もしかして、自分が探している犯人なのかと思い気絶した振りをして好きあれば反撃をと思ったが。
スーツケースと一緒に降りてきたのは女だった。
「食べ物と水が入っていますから」
女は自分にスーツケースを預けると、人を呼んで来ると降りていった。
遠目からでもわかる、途中で転んだり、滑ったり、危なっかしい足取りで降りていった。
腹の音が、大きく、ぐーっと鳴った、スーツケースに視線を向けると迷いながらも手を伸ばした。
好きに食べて飲んでいいといったのだ、遠慮したところで背に腹は代えられない、というか、朝からパンと水だけで空腹だ。
パンやクッキーなどの焼き菓子、水の入ったペットボトルが数本と着替えだけでない、本も入っていた。
旅行者だろうか、しかし、上から降りてきた、後で確かめなければと思って本を開いてみたが、外国の文字なのか読めない。
どれほど時間がたっただろう、おーいと人の声がした。
数人の人間と少年少女が、あそこにいるよーと声をかけて駆け寄ってくる、助かったとほっとした、だが。
集落に着いたスカーが女はどこにいると聞くと男達は困惑した顔で連れて行かれたと気まずそうな顔になった。
「外国人で怪しいと言われて引っ張って行かれたんだよ」
実写、ハガレンを観に行ってスカーがかっこよすぎてびっくりしました。
でも、今回、色々と、キャラ全員が、そのまんまというか自分にはドツボ過ぎる。
死にネタとか悲恋はなし(なるべく)、ギャグを盛りつつ、書いていきたいと思います。
pixivにも投稿しています。