※この作品はR-18です。

野良着の隊士・改編   作:いとめ

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襲来

ドゴッ!!!

ガタガタガタガタ…

 

 

 

「………!!っ…!?ここは!?」

 

斗和は突然の衝撃で目覚めた。

眠っていた他の乗客も一斉に目覚め、あちこちから悲鳴が聞こえる。

車内は魘夢の気持ちの悪い肉に包まれている。

 

斗和は、止めていた全集中の呼吸を復活させる。

 

「皆さん!どこでもいいから掴まって!衝撃が来ます!」

 

斗和は即座に指示を出し、自らも扉に掴まる。

その直後だった。

炎が車両から放たれ、列車が横転する。

 

杏寿郎がいくつも技を出し、被害を最小に留めようとしているのが見えた。

 

斗和は横転する前に車両から抜け出し、近くの林に飛び降りた。

素早く木の陰に隠れ、麻袋から日輪刀を取り出す。

 

ものすごい轟音と爆音がし、脱線した車両が目の前に広がる。

 

(煉獄さんはまだ後方にいるの?炭治郎君はどこ!?)

 

斗和は林を抜け、横転した車両の陰に隠れながら、炭治郎を探す。

 

(いた!)

 

斗和が見つけると同時、仰向けで苦しむ炭治郎の前に一瞬で杏寿郎が現れた。

無傷であることに、ひとまずほっとする。

炭治郎に呼吸で血管を止める方法を教えているのを見て、ここまでは同じだと頷く。

 

(時間がない、猗窩座が来る!)

 

そしてすぐに、伊之助を探した。

伊之助は軽傷なので、唯一自由に動ける人物だ。

どうなるか分からない戦いだが、念の為に言伝をしておこうと考えた。

 

(伊之助君…どこに…いた!)

 

急いで辺りを探していると、列車から乗客を引っ張り出す伊之助の姿があった。

 

斗和は素速く駆け寄り声を掛ける。

 

「そこの猪被った人!」

 

「ああっ!?なんだあお前…」

 

いきなり現れた斗和に、伊之助は誰だ?と首を傾げる。

 

「新たな敵が来ました!」

 

「何いっどこだあ!?」

 

「匂いからするに相当強い。朝日が昇るまでが勝負です。あの鬼はいつか必ず倒します!だから今は…っ!」

 

斗和は空気が変わったのを察知し、急いで炭治郎たちの近くまで戻る。

二人の姿を見つけた瞬間だ。

 

 

ドオン!!

 

 

「!」

 

(ついに来た…!)

 

斗和が列車の陰から覗いていると、噴煙の中から猗窩座の姿が現れた。

そこから思い出される描写に、斗和は神経を集中させる。

すると猗窩座は、腹を刺され起き上がれない炭治郎に攻撃をする。

 

 

─炎の呼吸 弍ノ型 昇り炎天

 

 

すかさず杏寿郎が割って入り、猗窩座の左腕を斬り裂いた。

即座に腕が元通りになるのを見て、斗和は動悸がし始める。

 

(早い!元通りになるのが思った以上に…)

 

「いい刀だ」

 

傷を舐める猗窩座は嬉しそうだ。

 

「なぜ手負いの者から狙うのか理解できない」

 

杏寿郎は率直な疑問を発する。

そこから二人は、斗和が知っている通りに会話し始めた。

斗和はそれを見ながら必死で考える。

どこで出ていくべきなのか、杏寿郎を守るにはどう動くべきなのか。

勿論これら一連の動きは、幾度となく脳内で考えた。

記憶を辿り、いつどう攻撃するか、どの技を繰り出すか。

朝日が昇るまでいかに猗窩座を退けられるか。

猗窩座の頸を斬れても、杏寿郎が死んでは無意味だ。

猗窩座はいずれ、無限城で義勇と炭治郎が倒す。

ここで最優先させるべきは、猗窩座を倒すのではなく"杏寿郎を死なせない"ことだ。

 

斗和は背中の日輪刀に手を掛けた。

 

「君と俺とでは価値基準が違う。俺は如何なる理由があろうとも、鬼にならない」

 

猗窩座は目を細めた。

 

「そうか」

 

空気が変化し、猗窩座は構える。

瞬時に繰り広げられる戦い、斗和は列車の陰から飛び出た。

 

 

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