※この作品はR-18です。

野良着の隊士・改編   作:いとめ

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死闘②

斗和は勢いよく飛び上がり、日輪刀をぶつかり合う二人の技の間に振り下ろした。

 

 

─土の呼吸 㭭ノ型 土嚢城壁!!(どのうじょうへき)

 

 

ズバンッ!という音と共に、土の粒子で形成された大きな壁が二人の間に出来上がる。

これは土の壁を作り、相手の攻撃を防ぐ技だ。

二人の間に放ったが、炎虎の威力が先程より弱く、乱式の威力は同じだ。

乱式は土嚢城壁により威力は削がれるも、それを破り杏寿郎を攻撃する。

 

「煉獄さん下がって!!」

 

斗和が叫ぶと同時に杏寿郎は後方に下がるも、攻撃はその体に入る。

土煙が消えると、杏寿郎はぐっと前屈みになる。

 

「煉獄さん!まさか肋が折れたんじゃ…」

 

「大丈夫だ!俺は何ともない!君も無事で良かった!」

 

杏寿郎は頷くも、威力の削がれた猗窩座の拳をいくつも受けた。

あちこち打撲、そして肋にひびが入っていた。

斗和は杏寿郎の左腕が真っ赤なのを見てまさかと思った。

 

(左肩が赤い、同じだ…)

 

脳裏には、杏寿郎が乱式を受け満身創痍になった姿が浮かぶ。

まだ肋と内臓は無事だが、確実に同じ流れになっている。

 

(次は奥義を撃つ、そしたら…だめだ!それだけは!)

 

「またお前か…!忌々しい女の鬼狩り。邪魔だ」

 

猗窩座の怒りが頂点に達する。

女に戦いの調子を狂わせられるなど、あり得ないことだった。

女が口から血を流す姿さえ、視界に入れたくない。

 

斗和は、先程投げ飛ばされたことで確信した。

猗窩座は女を殺せないことを。

現に腕や足で斗和を投げ飛ばさず、構えていた刀を掴み間接的に投げ飛ばした。

体に触れることも避けたのは、衝撃で傷つけ又は殺す可能性があるからだ。

つまり、斗和がどんなに攻撃しようと、猗窩座は斗和に攻撃はできない。

 

(二度も投げ飛ばされはしない!)

 

斗和は猗窩座へと突進する。

 

 

─土の呼吸 壱ノ型 土龍爪・双牙(どりゅうそう・そうが)

 

 

土の粒子が龍を型取るように見え、その爪が猗窩座の肩から腕を斬り裂く。

双牙は応用技の二段構えだ。  

斗和は間髪入れず、振り下ろした刀を振り上げる。

猗窩座の頸目掛けたそれは、寸前に迫る。

 

 

バシッ!!

 

 

(腕を盾に!)

 

猗窩座は咄嗟に腕を盾にし、威力を削ぎ頸を僅かに斬らせるに留まらせた。

血がブシュッと吹き出た。

斗和は、ならばと刀を引き寄せ、曲がった刃先に猗窩座の頸を引っ掛けようとした。

 

だが既に再生した両腕がそれを止める。

猗窩座の手は斗和の刀を掴んだ。

 

「くっ…!」

 

「女だというのに物凄い力だ」

 

そこへ杏寿郎の刀が真横に走る。

 

「!?」

 

猗窩座は斗和の刀を離し体を縮め、杏寿郎に蹴りを喰らわせた。

 

「ぐっ!」

 

杏寿郎は受け身を取るも、脱線した列車まで飛ばされた。

 

「煉獄さん!」

 

(だめだ、猗窩座は隙がない!こいつを引き付けても、煉獄さんは私に技が当たると思って撃てないんだ…)

 

斗和は焦る。

猗窩座は女には攻撃しなくとも、杏寿郎には容赦なく攻撃する。

 

「女、いい加減消えろ。何度言わせる?邪魔だ!」

 

猗窩座はいきり立ち、斗和を睨む。

 

「煉獄杏寿郎を殺したいなら、先に私を殺してからにすればいい。邪魔だと言う割に、お前は私を攻撃しないんだな?」

 

斗和は挑発するように鼻で笑う。

ビキッビキッと猗窩座の顔や体に筋が入る。

斗和は後方から走ってきた杏寿郎に声を掛けた。

 

「煉獄さん!私がこいつを引き付けます!だから、炎の奥義で私ごと頸を斬って下さい!」

 

「!」

 

斗和は日輪刀を真横にした。

地面に着いた両足から、斗和を囲うように土の粒子が湧き上がる。

同時に、辺りは地鳴りと地響きがし始める。

猗窩座は咄嗟に後方へ下がり、構えた。

だが術式展開ができない。

体が斗和を、女に攻撃するのを拒否している。

 

「地面が!」

 

「すげぇ!地面が揺れてるぜ!」

 

それは炭治郎と伊之助がいる場所まで伝わる。

 

 

─土の呼吸 拾ノ型 奥義 大地ノ怒!!!(だいちのいかり)

 

 

斗和は驚異的な速さで猗窩座へと迫り、無尽蔵に刀を振り下ろす。

 

(速い!この女!)

 

避けようとするもどんどん斬り刻まれ、猗窩座はとにかく後方に後方にと下がるしかない。

斗和は無我夢中で刀を振り下ろしており、自らの速さが目で追えない程だった。

そのため、猗窩座の頸一点を狙うことができない。

 

猗窩座は絶対に攻撃して来ないので、この間に杏寿郎が奥義で抉る以外、倒す方法がない。

斗和の精一杯の時間稼ぎであった。

 

(煉獄さん早く!早く奥義を…!)

 

斗和は願いながらひたすらに刀を振るい、猗窩座を追い詰める。

斗和の周囲は絶えず地響きがしている。

 

杏寿郎も炭治郎も伊之助もその場から動くことができず、繰り広げられる二人の戦いを見ているしかできない。

炭治郎と伊之助は目で追えず、何が起きているのか分からない。

杏寿郎は刀を構えるも、奥義が撃てないでいた。

撃てば確実に根こそぎ抉り斬る最強の技・煉獄。

だが、撃てば斗和も死ぬ。

それを分かっていて撃てはしない。

 

杏寿郎は少しずつ遠ざかる二人の姿を追った。

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