結ばれる─※R18─
二人は口付けから、勢いのまま斗和の寝室になだれ込んだ。
実弥は隅にあった布団を引っ掴み適当に敷くと、襖の前で突っ立っている斗和の腕を取り抱き締める。
「斗和…」
実弥は気持ちが急いてしょうがない。
斗和も同じく、これから起こる事に緊張でどうにかなりそうだった。
敷いた布団に腰を下ろした実弥は、斗和の肩を抱く。
以前、縁側で口付けをしたあの時と、全く同じ格好だった。
自然に互いの手が重なり、指を絡める。
まるで、決して離さないと言うように。
斗和の潤んだ目も柔らかな口唇も、何もかも以前と同じである。
実弥が閉じられた口を割り舌を侵入させると、斗和は抵抗なく受け入れそれに応える。
「んっ、っ…」
口唇の隙間から漏れる斗和の吐息が、実弥の耳をくすぐる。
そっと離れると、見つめ合う。
額にかかる前髪、くっきりとした二重の目を縁取る睫毛。
通った鼻筋、その下のやや小さめの口。
化粧も相まって引き立たせるそれらは、美しいとしか形容できない。
実弥の目に映る斗和は、相当に美しかった。
化粧をしていても分かる、左頰を真横に走る傷。
己の傷同様に耳まで伸びるそれを優しくなぞり、実弥は口付けを落とす。
「ぁ…」
斗和は、僅かに身を硬くし目を瞑った。
実弥は更に新しくできた、左目横の縦の傷にも口付ける。
少しだけ交差したそれらは、決して消えない傷だ。
斗和は女だ。
女なのに顔を二度も斬り裂かれたのだ。
つらく悲しかったはずだが、それをおくびにも出さない。
隠すこともしない堂々とした女だった。
本当は嘆いただろう、悔やんだだろう。
そう思えば愛しさは増し、実弥は何度も斗和の頰を撫でる。
「綺麗だ、斗和…どんなに傷があろうとお前は綺麗だァ」
斗和は、実弥の優しくも熱の籠もった目に吸い込まれそうになる。
胸がキュンと鳴いた。
「町で着物姿のお前を見た時、あまりに綺麗で見惚れちまったァ。俺に見せたことのない顔して微笑むお前が…愛おしくなった。好きだ、斗和」
実弥の告白に、斗和は驚いた顔になる。
「あの時、私だと気付いてたの?てっきり気付いてないと思ってたのに…」
「そんなわけねェだろォ…いくら声色変えて見た目を変えようが分かる。さっきもお前に見惚れちまってた」
照れくさそうに顔を赤くした実弥を見て、斗和は再び涙が出そうになる。
「意識不明だと聞いて、俺がどれだけ焦って心配だったか分かんねェだろォなァ…。好きだと告げないまま死ぬんじゃないかと、気が気でなかったぜェ…。だから目が覚めて感謝しかねェ…!」
実弥は繋がれた斗和との手に力を入れた。
そして引き寄せ、斗和の指に一本ずつ口付ける。
気が気でない日々は、苦痛以外の何者でもない。
もうあんな思いはたくさんだった。
実弥の想いを聞き、斗和は声を震わせる。
「胡蝶さんから、あなたが毎日来てくれてたって聞いて嬉しかった」
手に残る温もりは、縁側で指を絡めた時と同じだったからだ。
斗和は、まだ目覚めない時に実弥が来たことを知った。
「…私、本当はずっと好きな気持ちを隠していた。あの時名前を呼ばれて口付けされた時、とても嬉しくて幸せだった。だけど、こんな傷のある女だもの…私みたいな女じゃあなたに迷惑がかかる。あなたを拒絶しようとした。でも出来なかった!だって、こんなにも好きなんっ…!」
実弥は分かっていると言いたげに、斗和が全て言い終わる前にその口を塞いだ。
そのまま斗和の頭に手を伸ばし簪を抜き取ると、髪が簡単に解ける。
口唇を貪りながらも、実弥は帯に手を掛け解いていく。
女の着物のことなど分からない実弥だが、あちこち弄れば帯は外れた。
そして纏う着物を脱がせ、布団の脇に散らす。
斗和はドキドキと高鳴る心音を聞きながら、実弥を見つめている。
斗和の長い足の先にある足袋も脱がせると、実弥は自らの隊服を脱ぎ捨てた。
斗和を布団に横たえ、顔の横に手を着いた。
二人の視線が交わり、それは熱を灯し互いを見つめる。
実弥は再び斗和に口付け、左手を絡める。
斗和の身を包む襦袢の紐をゆっくり解きながら、首筋に顔を埋めた。
「んっ…」
ピクッと斗和が身動ぎ、ふわりと化粧の香りがして実弥は鼓動が早まる。
ゆっくりと左右に襦袢を開けば、形の綺麗な乳房が露わになった。
実弥は思わずごくりと喉を鳴らす。
初めて見る斗和の双丘は想像以上だった。
すぐに欲が湧き上がり、触れたくなる。
実弥が手を伸ばそうとすると、斗和は素早く腕で隠した。
「あの、大きいわけじゃないし、その…は、恥ずかしいから…そんなに見ないで…」
斗和はよほど恥ずかしいのか、白かった顔が一気に赤らむ。
その反応が面白く、実弥は乳房を隠していた斗和の両手を掴み退けた。
「きゃあっ!」
動いたことでふるんと揺れる乳房を見て、実弥はもう我慢できなかった。
「そんなに見ないでっ、きゃ!」
見ているだけでは物足りず、両の乳房に手を置き感触を確かめた。
掬うようにゆっくりと揉みしだく。
「柔らけェ…」
思った以上に柔らかなそれ。
実弥は堪らず、桃色の頂きを口に含み舌先で転がす。
同時にもう片方の頂きを人差し指と親指で弄る。
「あんっ…」
とたん斗和はあられもない声を出し、実弥は下半身に熱が集中する。
そのまま夢中になり乳房を貪った。
いくらかして頂きから口を離し、今度はもう片方を口に含み同じように舌で転がす。
「あっ、ん…やっ…」
斗和はビクッと身を捩る。
するとあっという間にツンと先端が主張し、感じていることを証明する。
実弥はもっと声が聞きたいと舌と指を動かせば、斗和の艶めいた声は一層大きくなった。
(いい声出すじゃねェか…)
乳房でこうなら、この先へ行けば斗和はどんな声になるのか。
実弥は聞きたくなる。
中途半端に纏っていた襦袢を全て取り払うと、斗和は生まれたままの姿になった。
その裸体は美しく、女特有のなだらかな曲線を描いている。
柔らかくも引き締まった斗和の体。
実弥は膝を掴み左右に開く。
「きゃ…」
不安になったのか実弥を見る斗和は、胸の前で手を握り締める。
「ここに今から指入れて解すんだから、あんま動くなよォ…」
実弥はニヤッと笑い、斗和の太腿を掴んだ。
「そんなことはっきり…」
斗和が頭を起こし訴えるのを無視し、実弥は股に顔を近付けた。
すると、「じっくり見ないで!」と、いよいよ起き上がり阻止しようとする。
無駄な抵抗だと思いながら、また押し倒した。
「いいから力抜いて大人しくしてろォ」
そう言われるも、斗和は体に力が入り、足を僅かに持ち上げた。
実弥が見つけた小さな穴は艶やかに濡れそぼっており、中指をそっと入れる。
「やっ…!いっ、、っ…!」
ビクッと体を震わせた斗和は、痛くて足を強張らせた。
指は第一関節までしか入らず、力んでいるせいで奥へ進まない。
実弥は一旦指を抜き、上にある蕾に触れる。
そしてそこを指で左右に開き舌を這わせた。
「!?やあっ、そんな、とこっ…あっんんっ、」
ビクッビクッと何度も体を震わせる斗和は、どうにかなりそうだった。
実弥は同時に再び指を入れ奥に進み、中を少しずつかき混ぜる。
「あっ、んんっ…い、やぁっあぁ…っ」
喘ぐ声もどんどん高くなり、そのうち力んでいた足がぐったりとなる。
果てたなと思い斗和を見ると、両手で顔を覆い悶絶している。
反応が初々しい。
先ほど別人のように振る舞った姿とあまりにも差があり、実弥は笑う。
耳元で果てたかァ?と囁くと、斗和は赤らめた顔で睨みつけてくる。
可愛い女だと思った。
思わず口角が上がる。
実弥も限界で、当てたつもりはないが斗和の太股に主張する中心が当たった。
すると斗和は、手を伸ばしそこに触れる。
「オイッ!」
驚き、実弥は思わず腰を引いた。
斗和は、遠慮がちにとんでもないことを言い出す。
どこでそんな知識を入れてきたのかと思う実弥だが、とにかく早く斗和と一つになりたくて先を急ぐ。
「それより、もう斗和の中に入りてェ。…いいかァ?」
一刻も早く欲しくて斗和を見つめると、恥ずかしそうに小さく頷く。
「私も不死川さんと…」
「実弥。実弥だ、斗和」
「…実弥…さん、と一つになりたい…」
斗和は、そっと実弥の頰を両手で包み込む。
実弥は短く口付けすると、斗和の足を持ち上げ、まだ小さなそこに己の中心を宛てがい侵入した。
「は、あっ、っんっ…!」
かなりきつく、斗和は全身に力が入っているのが分かる。
ほんの少しずつ進めながら斗和を見れば、痛みに目を瞑り堪えている。
実弥を受け入れようとする、いじらしい姿だった。
目尻に涙が溜まっており、実弥はそれを口で吸い取った。
「斗和、怖いかもしれねェが…力を抜け」
実弥が緊張を解すように囁くと、斗和はそっと目を閉じ小さく息を吐く。
その瞬間、実弥は一気に腰を奥に進めた。
「あぁっ!あ、…」
斗和の両目から涙が流れる。
根元まで入りはしたが、斗和は実弥をぎゅうぎゅうと締め付ける。
動けずに耐えていると、斗和は徐に実弥の後頭部に手を回し口付ける。
「斗和…」
「力、抜くから…耐えなくていい…動いて…?」
涙を溜め微笑む斗和を見た実弥は、何かが弾ける音がした。
「おまっ…!あんま煽るんじゃねェ」
「だって…嬉しいの。あなたと一つになれて、とても嬉しい…」
斗和は儚くも美しく微笑む。
実弥は、そこからはもう止められない。
一度動いてしまえば、更に更にと追い求める。
「斗和っ…斗和…」
「あぁっ、あ…さ、実弥さ…ん…」
実弥はふと斗和の顔を見ると、溜まっていた涙が目の横を幾筋も伝っている。
指一本をやっと受け入れたそこに、それ以上のものが入ったのだ。
だがその表情は扇情的で、実弥はもう止められない。
尋常じゃない締め付けに、欲を放つのも久方ぶりで長く持たなかった。
「クッ…」
最奥まで強く何度か突き、実弥は自身を引き抜いた。
そのまま斗和の腹のあたりに精を放つ。
斗和は呆然としている。
実弥は多少上がった呼吸を整えつつ、鏡台にあった懐紙で白濁を拭き取り屑入れに捨てた。
近くにあった寝間着を取り斗和に掛けると、その隣に横になった。
斗和は、実弥と結ばれたことに胸の高鳴りが治まらない。
「悪ィ、無理させちまったァ。体、つらくねェかァ?」
実弥に体を向けている斗和は、口に手を遣り恥ずかしそうに頷いた。
「うん、大丈夫。あの、実弥さんは…?その…気持ちよかった…?」
情事後の斗和の上目遣いの破壊力に、実弥は目を見開く。
再び欲に火が点いてしまう。
精を放ったばかりの中心は、あっという間に勃ち上がる。
(やべェ…すぐに二度目はまずいかァ?)
実弥は脳内で葛藤する。
「あァ、すげェよかった…ありがとなァ」
愛おしそうに伸ばしてくるその手を掴み、絡め取る。
「斗和…」
実弥は再び斗和を組み敷き、もう一度求めた。
出会いから三年。
紆余曲折を経て、実弥と斗和はついに結ばれた。
互いにこの上ない幸せを感じていた。