実弥の前におはぎが置かれた。
まさに今脳内に思い浮かべていた物が目の前に出されたのだ。
思わず声に出そうになるのを、実弥は留める。
「はい、これは長期任務のご褒美!疲れた時は甘いものがいいらしいですよ」
満面の笑みを向ける斗和は、実弥がどんな反応をするのか気になっている。
「へェ、随分気ィ利くじゃねェか。どうもなァ」
黒文字は添えられていたが、実弥は使わず手に取り一口頬張る。
食べてすぐ、いつも斗和が買ってくる甘味屋のものだと分かった。
こし餡と粒餡が半々に乗せられており、一つで二種類楽しめるようになっている。
茶と共に食せば至福のひとときだ。
実弥が美味しそうに食べるのを見て、斗和は嬉しくなる。
好物だとは決して言わないが、本当に好きなのだと分かる。
斗和は満足し、座卓に置かれていた高級緑茶を飲む。
(あー美味しい)
すると正面からの視線を感じ、斗和は顔を上げた。
目の前には実弥の顔があり、斗和の顎がくいっと持ち上がる。
「疲れた時は甘いもんなら、こっちも貰いてェ」
「ん…!っ…ん、ふ…」
実弥は斗和に口付け、性急なまでに舌を絡め取る。
久方ぶりの恋人の甘い口唇をしばし堪能した。
食べたばかりの小豆の甘さが、互いの口内を行き交う。
「はっ…ん…」
時折漏れる甘い吐息に、実弥は欲を掻き立てられた。
徐々にその口唇は下がり、首筋を掠め斗和の喉元で一旦止まる。
野良着隊服を開き肩口まで出すと、首筋を這い鎖骨に何度か口付けた。
実弥はその間にも斗和の簡易帯を解き、隊服を脱がせていく。
すると、胸に巻いたサラシが見える。
結び目を解けば、あっという間に乳房が露出した。
思わずゴクリと喉が鳴り、実弥は自身の中心に熱が集まる。
(美味そうだ…)
斗和の背に手を回し引き寄せる。
頂きを口に含めば、すぐに甘く鳴く声がする。
「あんっ…」
何も考えずしばし夢中で貪る。
片方の乳房の先端を空いてる手で軽く弾いたとたん、斗和は身を捩った。
「あっ、っ…やんっはあっ、っも、っだめ…」
力が抜けた斗和は、後ろに着いていた手が耐えられず畳を滑る。
「っとォ…!」
実弥はすぐに背中の手に力を入れ、抱き留めた。
そのまま二枚並べた座布団の上に横たわらせる。
隊服を脱いだ実弥と斗和は、視線が交わる。
斗和は実弥の上半身にそっと手を這わし、温もりを確かめた。
再び口付けすると、斗和が誘うように実弥の首に手を回す。
実弥は斗和の乳房を触り、腹と腰を快感を誘うように撫で上げた。
「あ、っ…ん」
漏れる吐息が熱い。
先程とは逆の乳房を揉みしだき頂きを口に含み転がすと、斗和は大袈裟なまでにびくりと仰け反った。
そこで実弥は気付く。
斗和は胸が弱いのではないかと。
特に先端を刺激すれば、あっという間に力が抜ける。
すぐにとろんとした気怠げな目に変わり、実弥の性欲を誘う。
それがまた普段の斗和からは想像できない為、新鮮だった。
早くその目が見たいと今度は両の手で揉みしだき、片方の頂きは舌で転がしもう片方はこねくり回す。
「あぁっ、やっ…」
頂きは口に含んだまま、実弥は斗和の下の隊服を剥ぎ取った。
敏感な部分に指を滑らせ、濡れそぼったそこから蜜を絡め取り上の蕾を触る。
「やぁっ…はっあっんん…」
「相変わらず乳弱ェのなァ。ここ触んのこれからなのにすげェ濡れてるぞォ」
耳元で囁くと、斗和は顔を赤らめる。
「言わないでっ…」
蕾を弄っていた指が、その下の小さな穴に移動し中に侵入する。
斗和は体が強張り、膝を立て侵入を拒む。
そうはさせないと、実弥は途中から二本目を入れるが、きつくて奥に進まない。
「きつッ…」
痛くて力んでいるのだ。
そこはぎゅうぎゅうと二本の指を締め付ける。
「斗和、オイ大丈夫かァ?」
斗和は首を縦に振るも、相当耐えているのが見てとれる。
まだ破瓜したばかりの小さな穴は、慣れていないのだ。
「解すから力抜けェ…」
そう声をかけた実弥は、斗和の股に顔を埋める。
舌で蕾を弄ると同時に、二本入れていた指をゆっくり動かす。
「んっ、や、あぁっ、」
刺激が強く、斗和は腰を浮かせ逃れようとする。
だが実弥が片足を押さえている為に動けない。
すると今まで出ていた甘く喘ぐ声がしなくなる。
実弥が指をかなり動かしているのにだ。
(まさか口塞いでんのかァ?)
実弥は一旦指を抜き顔を上げると、斗和は案の定口を押さえていた。
(普段と違うこの声もいいってのに、つまんねェだろォ)
実弥は斗和の手首を掴み、口から離した。
「口押さえんじゃねェ、声聞かせろォ」
「あんっ!」
乳首を一舐めし、実弥は自身の下半身に手を掛けた。
斗和の足を左右に開き、先端を宛がう。
「声我慢するなよォ…力抜けェ」
そう言い、そのまま奥に進める。
「はっ、ああっん…」
まだまだきつく、斗和の体も強張っているのでなかなか先に進まない。
目を瞑り、下唇を噛み痛みを堪える姿がいじらしい。
実弥は斗和の頭を撫でて口付けた。
自然に互いの舌が絡まる。
すると、きつく締めていた場所が緩まってきた。
実弥はそこを狙い押し進め、ついに根元まで全て収まった。
「…全部入った、分かるかァ?」
僅かに頷く斗和は、頰を染めている。
(やべェなァこの顔…)
実弥は我慢の限界だった。
そこからまるで、飢えた獣のように斗和を求め、突き揺さぶる。
「あっ、あんっ!やっはっ…んんっ…」
手を絡ませ畳に縫い付ければ、まるで斗和が所有物であるかのような錯覚に陥った。
支配欲が掻き立てられ、実弥は優越感に浸る。
(斗和は俺のもの、俺だけの女…)
斗和は実弥の頰を撫で、愛おしそうに見つめる。
「斗和…お前に会いたくて仕方なかったァ…」
「私、も…実弥さんに会いたかった…好き…っ…あんっあぁ…!」
実弥は堪らなくなり、奥まで一気に貫く。
今までとは比べ物にならない激しさで腰を動かした。
斗和はそれを受け止め、両眼から涙を溢れさる。
甘い甲高い声は、広い風柱邸に響いていく。
実弥は達し、すぐに引き抜き斗和の腹部に白濁を放った。
懐紙で腹を綺麗にしてやり、放心している斗和の額に口付けながら囁く。
「背中、痛くねェかァ?」
二枚並べた座布団は少しずれていた。
「…ん…だ、いじょうぶ…」
斗和は、上目遣いでじっと実弥を見る。
「どうしたァ?」
「優しいし、格好いいなと思って…」
上目遣い、更に頰を桃色に染め口に人差し指を当てながらこの台詞だ。
(やべェ…!可愛いすぎる)
実弥は手で顔を覆い、背けた。
「っ…お前!その顔反則だぞォ!」
何が反則なのか分かっていない斗和は、ふと視線を実弥の奥に向けた。
そこは、障子が開け放たれ外が見えていた。
「きゃーっ!!ちょっと障子、外!丸見えじゃないの!」
斗和は実弥を押し退け起き上がると、脱ぎ捨てられた隊服を引っ掴み体を隠し後ずさって行く。
実弥は、今更かと思った。
帰宅すると障子は既に開いていたのだ。
そもそも障子を開けたのは、他ならぬ斗和自身である。
「ああッ?んなもん今更だろォがァ。それよりまだ足りねェ…」
「えっ、やだちょっと待っ…」
その後開け放たれた障子はそのままに、居間で更に二回致したのだった。