二人は布団の上で向き合う。
「斗和…」
名前を呼んだ実弥は、斗和の頰を優しく撫でる。
すぐに抱き寄せ口付けると、斗和はとろんと瞼が重くなり閉じた。
互いに、ほわほわと幸せな気持ちに包まれる。
「実弥さん…好き…大好き」
「あァ…俺も好きだァ…」
何度も好きと囁き、口付けを交わす。
それが深くなると、もう止まらない。
実弥により寝間着の帯が解かれ、口付けされながら乳房を揉み込まれる。
先端を摘む実弥は、どこをどう触り刺激を与えればいいか把握済みだ。
「はぁっ、んっ、あっ…」
斗和は口から声が漏れ、それすらも実弥の口唇に絡め取られた。
首筋、喉に下がる実弥の口唇と共に、斗和の体も横たわる。
両の乳房を片方ずつ口に含み、実弥は愛撫を繰り返す。
身を捩り快感を受ける斗和は、いつになく艶めいている。
実弥の右手が斗和の腹や腰を撫で下に降りると、探し当てた秘部へ指が入り動く。
濡れたそこはクチュッと水音がし、すぐに二本目が挿入された。
実弥の人差し指と中指が、斗和の膣内で蠢く。
親指でその上の蕾を擦ると、斗和の体がビクンと跳ねた。
「きゃっ」
同時に実弥は、空いている左手で片方の乳房を鷲掴みにし、先端を摘んだ。
室内にあられもない声が響き渡る。
「はあっ、ん、あっ、あんっ…」
斗和はぐねぐねと盛大に身を捩り、快感に悶えた。
実弥は斗和がよがる姿を見て、性欲と加虐心が湧き上がる。
目の前の女を、めちゃくちゃにしてやりたい。
声が枯れるまで喘がせ、何度も気を遣り盛大に果てさせたい。
足腰が立たなくなるまで斗和を貫き、揺さぶり抱き潰してやりたい。
「ハッ、斗和…斗和…」
実弥は興奮し、呼吸も荒くなる。
空いている片方の乳房の先端をぺろりと一舐めした瞬間、斗和は気を遣った。
「あぁんっ…!」
あまりの快感に頭が真っ白になり、斗和はしばらく呆然としていた。
「よかったかァ?」
実弥は斗和の額に口付けする。
「うん…とっても気持ちよかった。ありがとう。ねえ、今日は久しぶりに私が上になってもいい…?動きたいの…」
斗和は大胆にも実弥を見つめ告げる。
すると至極嬉しそうな顔になり、実弥は寝間着を乱雑に脱ぎ自ら寝転んだ。
「苦しくなったら止めろ…絶対に無理はするな、分かったなァ?」
気遣う実弥に、斗和は無言で微笑んだ。
跨がり、実弥がいつもするような行動を真似る。
斗和は触れるだけの口付けをした。
そして実弥の首筋を通り、厚い胸板にある乳輪に舌を這わせ周囲の傷を指で優しくなぞる。
「っ、斗和…」
腹に付きそうな程に勃ち上がった実弥の男根は、透明な液を出していた。
斗和は昂りに両手を添え、人差し指で液体をくりくりとなぞる。
「うっ…」
反応を見て、先に口で扱おうとした。
だがそれを実弥が止める。
「早く斗和ん中に挿入りてェ」
「ん、分かった…」
斗和は実弥に跨がり、場所を探り当て少しずつ腰を下ろしていく。
その姿は官能的で、斗和が実弥の昂りをぐんぐんと呑み込んでいるようだ。
すると実弥は、誘導するように斗和の腰を支えた。
瞬く間に絡み付く襞は、実弥の精を一刻も早く求めているように思えた。
「はぁっ、あん、」
息を吐きながらゆっくり腰を下げていた斗和だが、実弥は我慢できずにズンッと下から突く。
「きゃぁっ、あ、…あぁ」
根元まで全て内部に呑み込んだのを確認し、斗和は自らの下腹部に手を当てる。
腹に実弥の存在を感じ、どうしようもなく愛おしくなり優しく撫でた。
「ね、ここ、触って…?」
言われるがまま、実弥は斗和の下腹部に手を添える。
「分かる?実弥さんの大きいから、圧迫感がすごいの…」
すると実弥は少しその腹を押した。
「あっ、」
「っ、すげェ俺にも刺激が…堪らねェ。斗和、動けるかァ?」
(ああ…私たち一つになっている…)
「うん…実弥さん…私ね、とても幸せ…」
斗和の両眼から、はらりと涙が頰を伝う。
そして腰を浮かせ動き始めると同時、考える。
どう動けば実弥は快感を得るのか。
どう動けば実弥に体を覚えて貰えるのか。
斗和はそれだけを考えた。
腰に添えられた実弥の手、絡んだ指。
必死に腰を上下に振る斗和の姿は、実弥の目に丸映りだった。
「はぁ、ああ…」
興奮し、一回り膨張し硬くなった昂りは、斗和の内部を圧迫する。
(んっ…実弥さんの、大きくなった?)
斗和は動きが鈍り、呼吸が浅くなる。
限界を迎える前に、斗和は繋がった部分にきゅっと力を入れた。
すると内部で実弥が一度大きく跳ね、びくびくと何度も中で震えた。
子を宿す入口に、実弥の欲望が幾度も注ぎ込まれる。
斗和は腹が熱くなるのを感じた。
「ん…はぁ…実弥さん…」
実弥の顔は、うっすら赤くなっていた。
(満足してくれたのかな…?)
跨がっていた腰を浮かせ、実弥は引き抜こうとした。
「いや!中にいて…」
斗和は実弥と離れるのが嫌で、初めてとも言える駄々をこねる。
「斗和…」
「実弥さんとずっと繋がっていたいの…」
懇願するように縋り付いた。
実弥は驚き、肘を立て僅かに起き上がる。
「重い…?重いなら…」
「重くなんかねェ」
そのまま起き上がった実弥は、斗和を股の上に乗せて下から突き上げた。
「はぁんっ!」
角度が変わり、また違う快感が斗和を襲う。
「んっ、おくっ、あたる…っあっ、ああんっ…」
奥を刺激された斗和は、実弥の肩に手を置き仰け反った。
「すげェ…」
「えっ?」
その声に斗和が下を見れば、実弥の眼前で乳房が上下にゆさゆさと揺れていた。
実弥はそれに恍惚とした眼差しを向けている。
あまりに官能的な斗和の姿に、実弥の性欲は爆発する。
再び膨張し硬さを増した昂りは、斗和の体内を圧迫する。
「あっまた、実弥さんのおっきいのっ…すごい…」
実弥は乳房の先端に吸い付き、もう片方を弄った。
「んぁっ!あ、はぁっ、いっしょ、はっだ、めっ…おか、しくっなる、あん」
「…っ、俺のっモノが斗和ん中入ってんだァ、ハ…ッおかしく、なりゃっいい」
「あっあっ、あぁんっいやあっ…」
更に下からの突き上げにより、斗和はあっという間に再び気を遣ってしまった。
「はぁっ、ん…」
気を遣り、ぐったりとした斗和。
実弥は精を全て吐き出すと、斗和と繋がったまま寝転んだ。
斗和は実弥の上になり、片頬を付け目を瞑っている。
起きる気配がなく、気を遣り失神してしまったのだ。
実弥は斗和の艶めかしい姿が目に焼き付き、興奮が治まらない。
二度吐き出した欲も、再び湧き上がっている。
このまま斗和の中から去り、眠ることはできない。
だが斗和は眠ったまま起きない。
抜くのも惜しい、さあどうする?と実弥は葛藤した。
胸板には斗和の柔らかな乳房が吸着しており、この姿で眠れるわけがないのだ。
実弥はしばらく考え、斗和を支え体勢を入れ替えた。
斗和はそれでも起きないので、こうなればと動いて起こすことにした。
実弥は斗和の太ももを持ち上げ、律動を開始する。
始めはゆっくりと、いきなり刺激を与えないように動く。
それでも斗和は起きず、実弥は僅かでも動いたことで本格的に硬さを取り戻した。
しっかりと膨張した昂りは、斗和の中で暴れたくて仕方がない。
「くっ、…っは…」
耐えられず、実弥は本格的に律動した。
二、三度、パンッパンッと肌がぶつかり合うと、斗和が身動いだ。
「う、ん…」
乳房は揺れ動き、実弥は堪らず先端にしゃぶりついた。
「んっ…えっ…あっ、」
ついに目覚めた斗和は、体が揺れ下半身で何かが蠢いていると気付く。
実弥と目が合い、やっと気付いた。
「実弥さん、あっ、え?何…私、あんっあっ」
斗和は気を遣ったはずが、なぜ再び貫かれているか分からない。
状況を知りたくて実弥に話し掛けるも、律動はどんどん激しくなり言葉にならない。
「んあっ、あ、やんっ、どうしてっ、お願っ、」
「悪ィが、止まれねェ。くっ、もう…」
実弥は絶頂に昇り詰めるべく、更に激しく動き斗和の手首を握る。
「はっ、あぁ…」
斗和も寝起きの貫かれる快感に、自然と腰を振り応える。
実弥はそれを見て嬉しくなり、間もなく精を放出させた。
「あぁんっ…!」
最後までしっかりと斗和の体内に出し切った後、実弥はやっと自身を引き抜いた。
連続で幾度も貫きかき混ぜられた秘部は、互いの液に塗れ、ジュボッと卑猥な音を発した。
すぐに後処理をしようと、実弥は懐紙で自身を拭き取る。
そして斗和の秘部を見れば、小さな穴がぽっかりと口を開けていた。
「いや、見ちゃだめっ…」
斗和は恥ずかしくて起き上がろうとすると、幾度も注ぎ込まれた精がじわじわと溢れ出てきた。
「あっ、やだ」
慌てて足を閉じるも、実弥はそれを許さず左右に広げる。
そして小さな穴から流れ出る白濁に、満足そうに口端を持ち上げた。
実弥は斗和の横に寝転ぶと、乳房に手を伸ばし先端を弄る。
「んっ、あ、」
「…やべェ。またやりたくなってきたァ…」
「ええっ?今、果てたばかりじゃない!もう少し待って…じゃないと私、また気を遣ってしまう…」
目を潤ませる斗和に、実弥は笑う。
「今日は斗和を抱き潰しちまうかもしんねェ。いつもよりエロいし腰振って応えるしよォ…」
その言葉に、斗和はカアッと顔が赤くなる。
「いやっ言わないで!とにかく、もう少し経ってからじゃないと…」
「あァ、分かってる。少し眠れェ…」
実弥は斗和を抱き寄せ、二人はしばし眠った。
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行灯が未だ消えない風柱邸の一室。
実弥は目を開けた。
それぞれの寝間着を掛け、何時間か眠っていた。
隣で眠る斗和は起きる気配がない。
まだ欲が治まらない実弥だが、起こすのは忍びなくこのまま寝せてやることにした。
日課になっている、斗和の心音を確認しようと寝間着を捲り耳を傾けた。
不規則ながらも鼓動が聞こえ、実弥は安堵した。
「ん…」
「!」
顔を上げた際、実弥の髪が斗和の乳房に触れたのか僅かに身動いだ。
実弥の眼下には、形の良い双丘がある。
幾度も触れ堪能してきたものだ。
実弥は無意識に手を伸ばし触れると、その頂きをフニフニと押した。
「うっん…」
斗和は声を漏らし、身動いだ。
起きたのかと思いきや、また寝息を立てる。
実弥は面白くなり、こうなったら完全に目覚めるまで乳房を愛撫しようと決めた。
片方の先端を口に含み舌で転がし、もう片方は指で擦り上げる。
ビクビクと体が動き始め、先端もあっという間に硬くなる。
「んっ、やっ…」
斗和は夢の中で愛撫をされていると思っており、現実だと気付かない。
寝ながらでも感じる姿を見ているうち、実弥は中心に熱を帯び硬くそそり勃つ。
我慢できず斗和の足を開き、昂りを宛てがった。
先端にぐりぐりと愛液を擦り付けると、未だ完全に目覚めていない斗和を貫いた。
「んあっ!」
ぐっと最奥まで侵入すると、斗和は喉元を曝け出しビクンと動く。
うっすら目を開きだしたと同時、実弥は斗和の腰を掴み、男根を押し込むようにぐん、ぐん、と打ち付けた。
一分の隙もなく、二人は繋がっている。
「あ…え…実弥さん…?」
目を開けた斗和は、再び眠っている最中に貫かれたのだと気付く。
「なんだか、…すごいの…」
斗和は気持ちいいのか、とろんとした目になり誘うように実弥に手を伸ばす。
「っ、斗和、お前…」
実弥は斗和の姿に欲情し、腰を動かし始めた。
「あんっ、あ、あぁん、…気持ちいい…」
斗和は初めてと言える程に、淫らによがる。
幾度も実弥からの愛を受け、その色香は溢れんばかりである。
あまりに官能的で艶めかしく、実弥は完全に虜になった。
律動は早くなり、部屋には肌がぶつかり合う音と斗和の喘ぎ、実弥の荒い呼吸が響く。
「実弥さん…離れたく、ない…このままでいたい…」
斗和は両目から涙を流し訴える。
実弥は斗和と指を絡め、律動しながらも口付けした。
「あァ…俺たちはずっとこのままだァ…」
「う、ん…」
斗和は嬉しくて何度も頷いた。
抱きしめたくなった実弥は、繋がったまま斗和を持ち上げ足に乗せる。
眼前にある乳房を啄みながら、細くなった裸体を抱き締めた。
実弥は強烈な寂しさを覚えた。
このまま斗和が消えてしまうのではと、不安だった。
「斗和…今日は朝まで離さねェ」
実弥は精を全て出し切るまで、斗和を解放しないと決める。
すぐに斗和を横向きにし、右足を持ち上げズンズンと動いた。
「あんっ、やぁっ、」
違う角度からの刺激に、斗和は仰け反り喘ぐ。
斗和の内部はとろとろになっており、無数の襞が実弥の男根を捕まえ扱く。
激しい動きに二人は夢中で愛し合った。
「うっ、」
「あぁっ…!」
実弥は幾度目になるのか、斗和の中に精を放出させる。
いっときたりとも離れたくない実弥は、なかなか抜こうとしない。
斗和がぐったりすると、実弥は繋がったまま正常位になり、とどめとばかりに激しく動き出す。
実弥の衰えない性欲に、斗和は驚くも嬉しさが湧き上がる。
「斗和、斗和…!」
「実弥…実弥さぁんっ、あぁっ…」
互いの名を何度も呼び、手を合わせ指を絡め夢中で貪り合う。
実弥は容赦なく斗和を奥まで激しく何度も突いた。
「や、あぁっ!あぁ、あん…すごい、奥、くるっ」
意識が飛びそうな程の快感に、斗和は目を瞑りそうになる。
だが実弥を目に焼き付けたい一心で手を伸ばす。
その手を絡め取り、頰に擦り寄せた実弥。
苦しそうに耐えるように斗和を見つめた。
「斗和…愛している…」
「私も愛してる…ありがとう、実弥…」
斗和は初めて実弥をそのまま呼んだ。
限界まで激しくなった律動と共に言葉も出なくなり、そのまま二人同時に果てた。
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──────
翌日、陽もとうに高く昇った頃。
斗和は目覚めると、実弥の胸の辺りに顔を埋めていた。
ぼんやりと胸板や腹の傷を見ていると、頭上から声がする。
「…体、つらくねェか?」
「うん…」
二人は朝方まで幾度も睦み合い、互いの愛を確かめ合った。
実弥は斗和の僅かな違いに、何かを感じ取っていた。
このところ苦しみ、顔色が悪かった斗和だが、ここ数日は元気だった。
まるで、死の間際にいっとき元気になるような、それとよく似ていた。
斗和の命は残り僅かだ。
まだこうしていたい。
ずっとこうしていたい。
実弥も斗和も共にそう願った。
だが、そんなことは口にできないと分かっている。
斗和はゆっくり起き上がり、寝ぼけ眼の実弥に"おはよう"と笑顔を向けた。
「午後から冨岡んとこ行って来る」
「分かった」
斗和は頷く。
別れの時が迫っていた。
これから起こることを知らない実弥に、言えることは何もない。
ただ、いってらっしゃいと送り出すしかないのだ。
◇
玄関を開け、二人は外に出た。
実弥は何も言わず、斗和を見つめる。
「実弥さん…?んっ!」
腰を抱き寄せ、実弥は斗和に口付けした。
長くも短いそれは、最後の触れ合いだと互いに理解していた。
そっと離れると、実弥は斗和の頬に触れる。
「夕刻までには帰る。誰か来たら適当にあしらっとけェ」
「はい。…気をつけてね。いってらっしゃい!」
斗和は門の前で手を振る。
【殺】の字が書かれた背中が見えなくなるまで、その場に立っていた。
「ふっ、う…っあ…」
堪えていた涙が溢れ出て、斗和はしゃがみ込んだ。
笑顔で見送れたことに感謝した。
それから着物を脱ぎ野良着隊服に着替え、化粧を落とす。
持参した荷物を纏め、再び玄関を出ると庭から鴉が飛んで来る。
「令和、お待たせ。さ、帰ろう」
斗和は慣れ親しんだ風柱邸を後にした。
そして斗和は、二度とこの場所に足を踏み入れることはなかった。