※この作品はR-18です。

野良着の隊士・改編   作:いとめ

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一人の日常

昼餉前に起きた斗和は、台所へ向かう。

 

ちょうど買い物から帰宅した夏世から水を貰う。

夏世はなんだか気怠げな感じがする。

それでいてそこはかとない色香を漂わせているので、斗和はもしやと思った。

 

「佳成は体力が有り余ってるようだなっす(佳成は体力が有り余ってるようだねえ)」

 

「それは言わねぇでけろ!(言わないでちょうだい!)」

 

恥ずかしそうに顔を赤らめる夏世は、本当に幸せそうだ。

 

継子だった佳成は巣立ち、斗和の家から出た。

近くに住んでいるので、夏世はこうして頻繁に会いに行っている。

 

鬼は太陽を避けて活動するので、鬼殺隊の仕事は基本的に日が沈んでから夜の間だ。

一般的な暮らしとは昼夜逆転している。

斗和は、二人が会うのは昼からだと思っていた。

 

鬼を斬り任務が終了した達成感が、そういうことに繋がるのかもしれない。

 

「佳成と暮らせばええのになー(佳成と暮らせばいいのにー)」

 

斗和はつい口に出してしまったが、夏世は、所帯を持っていないのにできるわけがないと少し寂しそうに笑う。

百年後は同棲がごく当たり前の世である。

この時代ではそれは御法度で、ついでに恋愛結婚もあまり無いと聞いた。

難儀な時代だと斗和は思った。

 

昼餉ができたら呼びに行くと言われ、斗和は庭へ行く。

 

一人で鍛錬する日々に戻り早一ヶ月だ。

この二年、斗和はずっと稽古と鍛錬とをこなしてきた。

そのせいか忙しさに慣れ、鍛錬だけになると物足りなさを感じていた。

 

そうなると思いつくのは手合わせである。

斗和はこれまで実弥と杏寿郎と手合わせをしてきたが、今後は柱全員に頼もうと考えていた。

すっかり忘れていたが、斗和は前に行冥に手合わせを頼んだ。

何の音沙汰もないので、おそらく忙しいんだろうと思った。

それでも一度はあの強さを目の当たりにしたかった。

 

思い切って文を出してみようかと思った。

それとも柱稽古のように、天元から順に頼んで行こうか。

斗和はそこで、"芋娘"と呼んでくる天元の顔がちらついた。

 

(なんか今度は芋柱って呼ばれそう…やめよう)

 

しのぶは蝶屋敷もあるので多忙だ。

義勇は何を考えてるか分かり難く、手合わせし辛い。

小芭内はネチネチ小言ばかりだ。

 

そうなると、実弥と杏寿郎しかいなかった。

 

(…不死川さんと煉獄さんか…)

 

斗和は、うーんと悩む。

実弥とは、この前おかしくなり逃げ帰ってしまった。

杏寿郎に対しては、前回勝手に槇寿郎に会ったことで罪悪感がある。

千寿郎にも申し訳ない。

結果、二人には会い難いというのが現状だった。

それでも杏寿郎には、積極的に関わっていかないとならなかった。

いずれ来るあの時の為だ。

 

(よし、また文を書こう)

 

斗和は自室に戻り筆を取った。

 

 

 

 

───────

──────

昼餉を食べ鍛錬していると、煉獄家に文を頼んだ鴉の令和が戻って来た。

 

「ありがとう!煉獄さんはいた?」

 

「……」

 

斗和が問うも、令和は何も言わない。

支給されてから、任務の伝令以外は殆ど喋らない鴉である。

今回も当然のように喋らなかった。

 

足に括りつけてあった文を解くと、それは杏寿郎からの返信ではなく、千寿郎からだった。

杏寿郎は数日前から任務で戻ってきておらず、戻り次第伝えると書いてあった。

 

本来は杏寿郎が不在の時の方が、槇寿郎に接触できる。

しかし千寿郎がいる今日は、訪ねて行くのは不自然である。

 

(煉獄さんにも会いたいから、次の機会にしよう)

 

斗和は文を懐に仕舞い、鍛錬を再開した。

 

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