それともまさか、マイナスにマイナスをかけるとプラスになると言う理論が働いてそうなったのでしょうか?何だかもう、いろんな要素がてんこ盛りです。
といっても、最初の1800字くらいは「終末の鎮魂歌」と全く同じなので飛ばしていただいて結構です。
いやあ、ルルーナとリーリヤはいいですねえ。この二人大好き。ひどい目に遭わせてますけど大好き。私の愛は歪んでいます。
「ルルーナがいません見当たりませんどこにいますか知っていますか」
グリューネシルト中尉、ルルーナ・ゼンティアが突如としてその消息を絶ち、既に一ヶ月が経過していた。
コンビを組んでいる赤い髪の少女──リーリヤ・ザクシードも懸命にその行方を追っているのだが、全く何の手がかりも出ては来ない。
リーリヤは一ヶ月間、不眠不休でルルーナを探していた。
最後にその姿を見たのは誰でいつどこで見たのか、調査という調査を再三に渡って繰り返して尚、手がかりと呼べるものは集まらない。
「どこに、どこに行ってしまったのですかルルーナ……!」
日を追うごとに、リーリヤの焦燥は膨れ上がる。
これだけ探しても見つからないのならば、何らかのトラブルに巻き込まれている可能性が非常に高い。
「まさか、ウロボロス……?」
未だにその正体の知れない敵ウロボロス、それに襲われ──倒された。
一瞬己の思考に浮かんだ考えを、リーリヤはすぐさま否定する。
ルルーナの実力ならば、ウロボロスごときに敗れるはずがないと。
「……何かいますね存在しますね出てきてください。今私の目の前に現れた事を後悔してください懺悔してください行きますよ」
リーリヤが愛用の武器、ヴィヒターリッタを何もない空間へと突き刺した。
「────」
短い断末魔をあげ、空間に擬態していたウロボロスが音もなく消えていく。
「すごーい。さすがリーリヤだね」
「え…………?」
覚えのある声に振り返る。
それは、いつの間にそこにいたのか。
空の色のような長髪、青を基調としたオリジナルの軍服、そしてその両腕に携えた巨大な盾。
あれだけ探し、ついぞ見つからなかったその人──ルルーナ・ゼンティアが立っていた。
「ルルーナ! 良かった無事だったのですか! 一体今までどこに──」
リーリヤが踏み出そうとした足を止める。
何かがおかしい。
確かに姿形は自分の知っているルルーナそのもの──だが、よく見てみればまず気配からして異なっている。
濃密な死の気配。
迂闊に近付けば取り返しのつかない事になると、リーリヤの勘が告げていた。
「あなたは……誰……ですか……?」
頬を伝って、冷汗が地に落ちた。
「誰って、ルルーナだよ。リーリヤが私を分からないわけがないでしょー?」
口調もルルーナそのものだ。
だが、違う──何もかも全てが。
戯言を、そう言いかけたリーリヤの思考は。
「私はウロボロス様の肉奴隷、ルルーナ・ゼンティア」
その一言によって、完全に凍りついた。
「は……? え……? 何を、何を言っているのですかルルーナ」
喉がからからに渇いて、痛い。
「意味が分からない? そのままの意味だよ。元グリューネシルト統合軍中尉で──今は青蘭島の敵」
ルルーナは虚ろな瞳で、そう語る。
その眼差しは、リーリヤの知るルルーナとは全くの別物だ。
「……だ……だ……」
ぎり、と。
ヴィヒターリッタを握る腕に力を込める。
「黙れ偽者────お前如きが、ルルーナを騙るなあァッ!」
リーリヤの繰り出した一撃を、ルルーナは手にした盾で容易く受け止めた。
「単純な攻撃だね。こんなものが、私に通用するとでも思ったのかな?」
受け流すように振り払われて、リーリヤは壁に叩きつけられる。
「嘘……嘘だ……お前なんか、が。ルルーナのはずが」
ルルーナが笑う。
リーリヤに見せつけるようにして、ルルーナは身に纏っている衣服を一つ一つ脱ぎ始めた。
「そん、な……本当に……!?」
リーリヤが絶句する。
一糸纏わぬルルーナの下腹部、そこには間違いなく紫色の淫紋が刻まれていた。
「これはね、ウロボロス様のモノである証」
ルルーナが愛おしげに、淫紋を撫でて微笑む。
背筋が凍りつくほどの恐ろしさと、美しさ。
「リーリヤも、こっちに来なよ」
どくん。
心臓の鼓動がうるさい。
「私たちと、一緒になろう?」
どくん、どくん。
だから、心臓の、おとが。
「一緒に、ウロボロス様の肉奴隷になろうよ」
どくん、どくん、どくん。
うるさくてうるさくてうるさくて、たまらないから。
「黙れええええ!」
握りしめたヴィヒターリッタを、力任せに投げつける。
ほぼ垂直に飛ぶその槍は真っ直ぐに、ルルーナを貫いた。
「…………え?」
ざあ、と砂の流れるような音。
見ればルルーナの身体は文字通り薄れ、空間に溶け込むように消えていた。
「消えた? どこへ──」
逃げ失せたか──否、そんなはずがない。
全身に重くのし掛かり圧迫する重圧、それがまだ相手がどこかに潜んでいる事の証左。
リーリヤは武器を構える。
どこから来ようとも、即座に反撃できるだけの技量も自信も自分には備わっている。
そう思っていた──少なくとも、その時までは。
「…………え?」
黒い手が、背後から頬に触れていた。
まるで身体中が凍りついたかのように、指一本さえ動かせない。
何かが、いる。
自分のすぐ後ろに、ぴったりと密着する形で。
「リーリヤ」
囁かれる。
自分の右耳に、あまりにも妖艶な、声が。
「教えてあげなきゃ、駄目みたいだね?」
くすくすと、冷笑が響く。
まずい、まずい、まずい。
逃げなければ反撃しなければ突き放さなければ。
脳裏が抵抗を弾き出してはその悉くが消えていく。
「大丈夫だよ。すぐにきっと、全部どうでも良くなっちゃうから」
背後の何かが、晒されているうなじを舐めあげた。
「ひッ……!」
そのおぞましさに、リーリヤの口からは小さな悲鳴がこぼれ落ちた。
「あは、かわいいねリーリヤ。まだこんなの、序の口だよ?」
黒い手はリーリヤの身に纏った服をゆっくりと、一枚一枚丁寧に剥ぎ取っていく。
「やめ……やめてください……ルルーナ……!」
声を絞り出して懇願するリーリヤを。
「やめないよ?」
嘲笑混じりに、ルルーナの声音が切り捨てた。
リーリヤはそのまま一糸纏わぬ姿にされ、ルルーナの指がその肌のあちこちを這う。
「リーリヤって肌白くて綺麗だよねー。おっぱいだってこんなに大きくてさー。どんな生活をしてればこうなるのかな」
乳房を揉みしだかれて、乳首を指の腹でこねくり回されて、指でしごかれている。
「あ……あうぅ……ぅ……」
身体の芯に微弱な火が灯されて、それがじわじわと肥大化していっている。
抵抗をしようにも、身体はいつのまにか指一本として動かなくなっていた。
リーリヤの視線の先には、気付かぬ内に毒々しい濃紫色の盾が出現しており、それが何らかの形でリーリヤの動きを封じているらしい。
「ほーら、次はこっちだよ」
ルルーナの指はなぞるように下へ滑っていき、既に淫らな蜜を滴らせている秘部へと侵入を開始する。
「は、ぐ……ぅ、あぁ……!」
ひどく淫靡な音を響かせながら、ルルーナの指がリーリヤの膣内を蹂躙していく。
リーリヤにもはや抵抗は許されず、ただルルーナの責めを享受するしかない。
「あ、あぅぅ……う、ぁ……!」
リーリヤが僅かに身体を強ばらせる。
ルルーナはそれを察したのか、膣内を蠢かす指の激しさを一層増した。
「分かるよリーリヤ。イキそうなんでしょ? いいよ──存分にイッてきな?」
執拗に掻き回され、蹂躙された身体が跳ねる。
絶叫をあげのけぞると同時に、秘部からは潮を吹き上げた。
「はっ……はぁっ……あ、あぁ……」
肩で呼吸をするのがやっとのリーリヤが、力なく項垂れた。
その耳元で、ルルーナは。
「これで終わりだなんて、思ってないよね?」
死刑宣告のように、そう囁いた。
「ほら、あれを見て」
ルルーナに顔を持ち上げられる。
向かされた先には、ルルーナが普段腕につけているシュッツ・リッタよりも少し大きめの盾が浮遊していた。
その紋様は目玉を象った石が五つ縦に並べられているもので、明らかに不気味な雰囲気を漂わせている。
「あ…………」
そのうちの一つが、青白い光を放った。
その光が網膜に焼き付くの同時に、リーリヤはすぐさま己の身体に起こった異変に気付かされる。
「あ、ああぅ……!」
身体が異様なまでに熱い。
肉も骨も何もかも、全てが溶けてなくなってしまいそうなほどに。
「ひっ────」
リーリヤが大きく身をすくませる。
ルルーナが耳に、軽く息を吹きかけたのだ。
「あ……あぁぁ……」
がくがくと、リーリヤの身体が戦慄く。
辛うじて動くようになった首を、僅かに後ろへ振り向けると。
「────」
ルルーナは、笑っていた。
その唇の端を、ひどく歪ませて。
ぐちゅり、と音を立ててルルーナの指が、再びリーリヤの膣へと潜る。
「あ──う、ぁぁ……!」
先程のものよりも、何倍にも跳ね上げられた快感。
身体の反応に対して、脳の理解がまるで追い付かない。
脳髄も脳漿も何もかもが弾け飛んだかのように、世界の全てが曖昧になっている。
「どう? リーリヤ、気持ちいいでしょ?」
「あ……ぁ……は、あぁ……」
リーリヤの言葉にも、反応が追い付かない。
その様相のリーリヤに対してルルーナは、更なる責めを以て苛烈に追い詰める。
「聞いてるんだよ? リーリヤ、気持ちいいの? って」
ルルーナが乳首をつまみ、秘部に入れた指を大きく蠢かす。
瞬間、リーリヤの視界が大きく爆ぜた。
「ぎっ! ひあ、あうぅ! あっ! あぁぁっ!」
身体をのけ反らせて、絞り出すように叫ぶリーリヤ。
「ほら、どうなの? ねえ。答えてくれなきゃ分からないよ?」
ルルーナの声音はどこまでも冷たく、リーリヤの全てを瓦解させていく。
「ひ、あぁっ! いッ! はぁっ! いぃっ! き、気持ちいいっ! 気持ちいいですっ! だ、だから、だから──もう」
止めてください、と懇願しようとする声は言葉になる前にかき消されて。
「よくできました。それじゃ、二回目の絶頂ご案内ー」
より激しく攻め立てられたリーリヤは、もたらされる圧倒的な快感に呑まれ果て、その意識を闇へと閉ざした。
「う…………」
リーリヤの意識がうっすらと覚醒していく。
目を開けると、そこは先程までとは異なる純白の空間だった。
「ここは…………?」
どこかに移動させられたのだろうかと、周囲を見渡すリーリヤ。
見覚えのない、白一色の世界。
そんな、ひどく殺風景な世界の中に。
「よかったー、目を覚ましてるね」
よく知った声が響く。
声の主は、前からゆっくりと歩いてくる。
一糸纏わぬ裸身に、下腹部に刻まれた淫紋。
ルルーナ・ゼンティアが再び、リーリヤの前に姿を現した。
「……ここはどこなんですか、ルルーナ」
リーリヤの問いに、ルルーナは笑みを浮かべる。
「ここはリーリヤの心の中。言ってみれば、リーリヤの一番脆い部分だよ。何で私がここにいるのかって?
ルルーナの言葉に、リーリヤの顔から分かりやすく血の気が引いた。
「プログレスとαドライバーのリンク、あれがどういう条件下で繋がるかは知ってるかな? 互いの存在に対する求める心と求められる心──互いが互いに心から求め合うことで、リンクは繋がっていくんだ」
どくん、と。
心臓が高く跳ね上がる。
それを、聞いてはいけない。
「さっきリーリヤはイキたいと求め、私はイカせたいと求めた。だから繋がったんだよ。こういう形でね」
それを聞いて理解してしまったら、私は。
もう。
「その顔、いいよリーリヤ。言わなくても分かってくれたみたいで嬉しいな」
どうすることも。
「つまり、
ルルーナの背後が、轟音を立てて爆ぜる。
そこから姿を現したのは触手の化物──ウロボロスの、本体。
「ご主人様がたくさん可愛がってくれるって。よかったね、リーリヤ」
ウロボロスの触手は、あっという間にリーリヤを絡め取る。
「い、嫌──た、助けて! たすけて、ルルーナぁ……!」
泣き出しそうな声をあげるリーリヤに、ルルーナは表情に僅かな悲哀を以て返答する。
そうしている間にもウロボロスは、リーリヤの乳首を、膣を、肛門を──身体の全てを責め立て蹂躙し、その身体に快楽を叩き込んで作り替えていた。
「いや、あ──あ、あぁぁ……っ」
全てが塗りつぶされて霧散していく。
大切なものが、何もかも全部。
いや、もう──何が大切かだったかさえも失われた。
「あぅ、うぁっ、ぁ、ん──」
ウロボロスの蹂躙を受けていない唇が、ルルーナによって塞がれる。
リーリヤの口内を味わい尽くすようにその舌をひとしきり暴れさせ、ゆっくりと口を離していく。
「あ────ぅ」
交わり果てた淫靡な唾液が、ウロボロスの触手へと落ちていった。
「ずっと一緒だよ、リーリヤ」
ルルーナが、リーリヤを抱き締める。
虚ろな瞳で彼方を見つめるリーリヤへと、言い聞かせるように。
「離さない、誰にも渡さない」
ルルーナがそう呟いて、リーリヤを抱く腕により一層力を込める。
「私たちは、二人で初めて完璧なんだから」
互いに涙を浮かべながら、もう一度確かめるようにして口づけを交わし合う。
堕ちていく、どこまでも。
一人だけは寂しいけれど、二人ならどんなことだって怖くはない。
何かが、砕け散った音。
それが何だったか──リーリヤにはもう思い出せない。
けれどもう、何もかもどうでもいい。
自分の傍らにはルルーナがいる。
それだけで十分──あとはもう、何もいらない。
リーリヤが笑う。
遠く薄れ行く、どこか他人事のような光景の中。
今度は自分の舌を、ルルーナの中へと伸ばして──。
その後の二人の行方は、杳として知れない。