※この作品はR-18です。

アンジュ・ヴィエルジュ 短編集   作:黄昏の魔人

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祝、15話目記念。今回は皆大好き、王道を行く美海さんです! アニメのifになるのか、最初にウロボロスのところへカチコミにいった時に闇美海さんを撃退できなかった世界線になるのだろうか。
一ヶ所だけ流血表現があるので、そこだけご注意を。まあ、そう大したもんでもないですが


深淵に溶けた嘆き (闇美海)

 

 じゅぷっ、じゅぷっ、じゅぽっ。

 光の届かない闇の中、淫らな水音が響き続ける。

 

「……あっ、あああっ、あぁっ……」

 

 触手の海に溺れるようにして、快感を享受している少女──日向美海が嬌声をあげている。

 衣服は身に付けておらず、秘部には触手が深々と突き刺さっており、両手には別の触手をつかんでいる。

 

「あっ、あうぅ……っ、気持ちいい……気持ちいいですっ……ご主人様ぁっ……!」

 

 秘部の触手が蠢き、突き上がるたびに美海の思考は希薄になっていく。

 愛おしげに手にした触手を舐めしゃぶり、その先端から分泌される液を飲むたびに、思考が悉く砕け散っていく。

 

「は、あっ……! ああっ、あっ……!」

 

 さらに別の触手が、固く尖った乳首へ伸ばされた。

 ざらざらとした質感に撫でられ、美海は絶頂に浮かされながらその全身を震わせる。

 

「あは、あ、あぁっ……あ、あ……!」

 

 何度絶頂を迎えようとも、触手から解放される事はない。

 無限にも思える時間、既に崩壊した思考。

 全ての現実が瓦解した美海にとっては、その触手──ウロボロスから与えられる快感だけが全てだった。

 

 全身に巻き付いた触手が、力ずくで美海の体勢を変えていく。

 触手が両足を持ち上げて頭部側に止め、秘部をよりさらけ出す格好で固定した。

 

「あぅ、あ、は、あ──」

 

 より強く、より深くへと触手は美海を突き続けている。

 一つ突き上げられるたびに、脳髄が蕩けていく。

 何か大切な事があったはずなのに、頭の中は泥で埋め尽くされたかのように、何も思い出せなくなっている。

 

「あ、あっ……あぁぁっ……!」

 

 秘部を蹂躙するウロボロスが、体液を叩き込む。

 注がれる絶望──否、それは今の美海にとっては喜びそのものだ。

 

「熱いぃっ……嬉しいですご主人様ぁっ……」

 

 艶めかしい喜声をあげ、美海もまた絶頂を迎えた。

 ウロボロスも一時的に満足したのか、美海を嬲っていた触手たちがその姿を消し、闇の中に美海だけが残される。

 

「……は……ぁ……っ」

 

 息を吐き出して、新たに酸素を取り込んだ。

 虚ろな視線の先には一面の闇。

 ここはどこなのだろう──気がついた時にはここでひたすらに犯されていた。

 泣き叫んで、喚いて、抵抗した。

 それをものともしないウロボロスに、嘲笑うかのように犯された。

 踏みにじられて、砕かれて、壊された。

 今まで大切にしていたもの、願っていたものも、何もかも。

 全ては無意味な事だと、人の身ではお前たちに勝ち目はないと──犯しながらそんな毒のような思想まで流し込まれた。

 

「…………あ」

 

 思考の中の泥が溶けていく。

 自分が誰で、どうしてここにいるのかを思い出し──そして、諦観の溜息を一つついた。

 今更そんなものを思い出して、何になるというのか。

 エクシード能力は真っ先に奪われて、肉体もまたウロボロスの淫毒に溶かされきっている。

 そして何よりこの身体で嫌というほどに理解させられている──人は決してアレには勝てない。

 それはもはや、何者にも覆すことのできないただの事実。

 いくら策を講じても、物量で攻め立てたとしても、ウロボロスが破れる事は決してない。

 ウロボロスは、絶えず獲物を求めて青蘭島に潜んでいる。

 わずかな隙をついて、捕らえエクシード能力も何もかも全てを奪い取り、その代わりに絶望的な快楽を叩き込む。

 そうして壊されて、ウロボロスのモノになったプログレス達は、もはや優に百を越えている。

 そのプログレス達は密やかに青蘭島へと戻されて、それがまだ毒牙にかかっていない者を拐かしてくるのだ。

 ウロボロスはエクシード能力を奪い、人を壊すたびにその強さを増していく。

 最初の段階ならば、まだ勝ち目はあったのかもしれない。

 だがもはや、戦況は絶望的だ。

 自分が殊更に、ウロボロスの寵愛を受けているから理解できてしまう。

 青蘭島は、アレに勝てない。

 早かれ遅かれ、ウロボロスによって滅ぶしかないのだと。

 

 どくん、と闇が一際高く蠢く。

 ウロボロスの魔力が、来訪者付近の映像を映し出した。

 

「…………紗夜ちゃん、か」

 

 流れるような蒼い髪に、星のような髪飾りをつけた少女。

 光を操るエクシードを以て、この入口付近までやって来ていた。

 おそらくは、程なくしてウロボロスにやられ捕らえられるだろう。

 ならば。

 その敗北をこの手で叩きつけてやりたい。

 理想だけに追いすがり、夢を見続けるあの少女に。

 

「御主人様……私にやらせて頂いていいですか?」

 

 姿の見えない主に問う。

 返答がわりに服と剣と、奪われていたエクシード能力が返された。

 

「……ありがとうございます。必ずや、期待にお答えしてみせます」

 

 

 

「久しぶりだね、紗夜ちゃん。どれくらいぶりかな?」

 

 来訪者に笑いかける。

 その来訪者、蒼月紗夜は奥歯を噛み締めこちらを睨んでいた。

 

「日向先輩……! 今、助けます!」

 

 眼前の人間は、本気で自分を救おうとしているのだろう。

 気迫がある、気概がある。

 強く滾る闘志が、全てを焼き尽くさんとしそうな程に強い。

 

「……やってみせてよ。そんな事ができるのなら、ね」

 

 小さく呟いて、剣を構える。

 沙夜が飛ぶ──その手に光の剣を携えて。

 真っ向から受けて立つような真似はしない。

 手に発生させた暴風を投げ付けて──。

 

「なっ…………!」

 

 怯んだ所を、背後から一刀の下切り捨てる。

 血飛沫を撒き散らして、沙夜がそのまま地に落ちた。

 

「そんな……どう……して……」

 

 口の端から血をこぼし、紗夜が疑問を呈していた。

 この後、この娘もウロボロスが傷口を塞ぎ調教をするのだろう。

 一度だけ哀れむような笑みを投げ掛けて、踵を返した。

 

「紗夜ちゃん」

 

 足を止める。

 振り返る事をしないまま。

 

「これが、御主人様(ウロボロス)の力だよ」

 

 それだけを告げた。

 背後で息を飲む音や、何かが絡み付くような音──それに小さな悲鳴が聞こえた気がしたが、今の自分にはもう関係がない。

 闇の中へと、足を進めていく。

 その胸にほんの僅か、小さな哀れみを抱きながら。

 

 

 じゅぷっ、じゅぷっ、じゅぷっ……。

 光の届かない闇の中、淫らな水音が響き続ける。

 

「あふ、ぁ、あぅ……あ、ああっ……」

 

 労るように、慈しむようにウロボロスが美海の身体を這っている。

 衣服を纏っていない美海の身体は、ウロボロスの体液によって妖しくぬらぬらと光っており、より淫靡さを増していた。

 

「ください、御主人様……わたしに、全部……」

 

 口に差し出された触手を、愛おしげに口に含む。

 足元に絡み付いていた触手が徐々に這い上がり、美海の秘部へと侵入を開始した。

 

「んむ、ふ、うぅ、ん──」

 

 ぴくぴくと、身体が歓喜に震える。

 もはやこの身体は、快感を享受する事しか考えていない。

 

「ん、んく、ん、ぅ……」

 

 ウロボロスが放つ液を、一滴残らず飲み干して口を離す。

 ぼんやりと闇を見上げて、息を深く吸い込んだ。

 

「あっ、あはっ、あ、あぁっ……」

 

 秘部の触手が、暴れ回り始める。

 暴力的なまでの快感──砕かれて、流されて、何もかもが消えていく。

 

「あぁ、き、気持ちいいっ……! 気持ちいいですご主人様っ……! もっと、もっとっ……!」

 

 触手は肛門からも侵入を始めて、絶望的なまでの快感を与えている。

 

「あぁっ、あ、あああっ……!」

 

 与えられる快感に終わりはない。

 永久に閉ざされた未来なき檻の中、美海は──否、ウロボロスに隷属する者達は快感に嬌声をあげ続ける。

 何も知らない人間が見れば、それは不幸にしか映らないだろう。

 残りの一生を、化物の肉奴隷に身をやつし続けていくのだから。

 それでも、彼女の内を満たすものは爛れきった幸福感だった。

 人間では到底与えられない快楽に溺れ、その意識は遠く遠く彼方へ飛んで、幸せな夢を見続けるのだから。

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