一ヶ所だけ流血表現があるので、そこだけご注意を。まあ、そう大したもんでもないですが
じゅぷっ、じゅぷっ、じゅぽっ。
光の届かない闇の中、淫らな水音が響き続ける。
「……あっ、あああっ、あぁっ……」
触手の海に溺れるようにして、快感を享受している少女──日向美海が嬌声をあげている。
衣服は身に付けておらず、秘部には触手が深々と突き刺さっており、両手には別の触手をつかんでいる。
「あっ、あうぅ……っ、気持ちいい……気持ちいいですっ……ご主人様ぁっ……!」
秘部の触手が蠢き、突き上がるたびに美海の思考は希薄になっていく。
愛おしげに手にした触手を舐めしゃぶり、その先端から分泌される液を飲むたびに、思考が悉く砕け散っていく。
「は、あっ……! ああっ、あっ……!」
さらに別の触手が、固く尖った乳首へ伸ばされた。
ざらざらとした質感に撫でられ、美海は絶頂に浮かされながらその全身を震わせる。
「あは、あ、あぁっ……あ、あ……!」
何度絶頂を迎えようとも、触手から解放される事はない。
無限にも思える時間、既に崩壊した思考。
全ての現実が瓦解した美海にとっては、その触手──ウロボロスから与えられる快感だけが全てだった。
全身に巻き付いた触手が、力ずくで美海の体勢を変えていく。
触手が両足を持ち上げて頭部側に止め、秘部をよりさらけ出す格好で固定した。
「あぅ、あ、は、あ──」
より強く、より深くへと触手は美海を突き続けている。
一つ突き上げられるたびに、脳髄が蕩けていく。
何か大切な事があったはずなのに、頭の中は泥で埋め尽くされたかのように、何も思い出せなくなっている。
「あ、あっ……あぁぁっ……!」
秘部を蹂躙するウロボロスが、体液を叩き込む。
注がれる絶望──否、それは今の美海にとっては喜びそのものだ。
「熱いぃっ……嬉しいですご主人様ぁっ……」
艶めかしい喜声をあげ、美海もまた絶頂を迎えた。
ウロボロスも一時的に満足したのか、美海を嬲っていた触手たちがその姿を消し、闇の中に美海だけが残される。
「……は……ぁ……っ」
息を吐き出して、新たに酸素を取り込んだ。
虚ろな視線の先には一面の闇。
ここはどこなのだろう──気がついた時にはここでひたすらに犯されていた。
泣き叫んで、喚いて、抵抗した。
それをものともしないウロボロスに、嘲笑うかのように犯された。
踏みにじられて、砕かれて、壊された。
今まで大切にしていたもの、願っていたものも、何もかも。
全ては無意味な事だと、人の身ではお前たちに勝ち目はないと──犯しながらそんな毒のような思想まで流し込まれた。
「…………あ」
思考の中の泥が溶けていく。
自分が誰で、どうしてここにいるのかを思い出し──そして、諦観の溜息を一つついた。
今更そんなものを思い出して、何になるというのか。
エクシード能力は真っ先に奪われて、肉体もまたウロボロスの淫毒に溶かされきっている。
そして何よりこの身体で嫌というほどに理解させられている──人は決してアレには勝てない。
それはもはや、何者にも覆すことのできないただの事実。
いくら策を講じても、物量で攻め立てたとしても、ウロボロスが破れる事は決してない。
ウロボロスは、絶えず獲物を求めて青蘭島に潜んでいる。
わずかな隙をついて、捕らえエクシード能力も何もかも全てを奪い取り、その代わりに絶望的な快楽を叩き込む。
そうして壊されて、ウロボロスのモノになったプログレス達は、もはや優に百を越えている。
そのプログレス達は密やかに青蘭島へと戻されて、それがまだ毒牙にかかっていない者を拐かしてくるのだ。
ウロボロスはエクシード能力を奪い、人を壊すたびにその強さを増していく。
最初の段階ならば、まだ勝ち目はあったのかもしれない。
だがもはや、戦況は絶望的だ。
自分が殊更に、ウロボロスの寵愛を受けているから理解できてしまう。
青蘭島は、アレに勝てない。
早かれ遅かれ、ウロボロスによって滅ぶしかないのだと。
どくん、と闇が一際高く蠢く。
ウロボロスの魔力が、来訪者付近の映像を映し出した。
「…………紗夜ちゃん、か」
流れるような蒼い髪に、星のような髪飾りをつけた少女。
光を操るエクシードを以て、この入口付近までやって来ていた。
おそらくは、程なくしてウロボロスにやられ捕らえられるだろう。
ならば。
その敗北をこの手で叩きつけてやりたい。
理想だけに追いすがり、夢を見続けるあの少女に。
「御主人様……私にやらせて頂いていいですか?」
姿の見えない主に問う。
返答がわりに服と剣と、奪われていたエクシード能力が返された。
「……ありがとうございます。必ずや、期待にお答えしてみせます」
「久しぶりだね、紗夜ちゃん。どれくらいぶりかな?」
来訪者に笑いかける。
その来訪者、蒼月紗夜は奥歯を噛み締めこちらを睨んでいた。
「日向先輩……! 今、助けます!」
眼前の人間は、本気で自分を救おうとしているのだろう。
気迫がある、気概がある。
強く滾る闘志が、全てを焼き尽くさんとしそうな程に強い。
「……やってみせてよ。そんな事ができるのなら、ね」
小さく呟いて、剣を構える。
沙夜が飛ぶ──その手に光の剣を携えて。
真っ向から受けて立つような真似はしない。
手に発生させた暴風を投げ付けて──。
「なっ…………!」
怯んだ所を、背後から一刀の下切り捨てる。
血飛沫を撒き散らして、沙夜がそのまま地に落ちた。
「そんな……どう……して……」
口の端から血をこぼし、紗夜が疑問を呈していた。
この後、この娘もウロボロスが傷口を塞ぎ調教をするのだろう。
一度だけ哀れむような笑みを投げ掛けて、踵を返した。
「紗夜ちゃん」
足を止める。
振り返る事をしないまま。
「これが、
それだけを告げた。
背後で息を飲む音や、何かが絡み付くような音──それに小さな悲鳴が聞こえた気がしたが、今の自分にはもう関係がない。
闇の中へと、足を進めていく。
その胸にほんの僅か、小さな哀れみを抱きながら。
じゅぷっ、じゅぷっ、じゅぷっ……。
光の届かない闇の中、淫らな水音が響き続ける。
「あふ、ぁ、あぅ……あ、ああっ……」
労るように、慈しむようにウロボロスが美海の身体を這っている。
衣服を纏っていない美海の身体は、ウロボロスの体液によって妖しくぬらぬらと光っており、より淫靡さを増していた。
「ください、御主人様……わたしに、全部……」
口に差し出された触手を、愛おしげに口に含む。
足元に絡み付いていた触手が徐々に這い上がり、美海の秘部へと侵入を開始した。
「んむ、ふ、うぅ、ん──」
ぴくぴくと、身体が歓喜に震える。
もはやこの身体は、快感を享受する事しか考えていない。
「ん、んく、ん、ぅ……」
ウロボロスが放つ液を、一滴残らず飲み干して口を離す。
ぼんやりと闇を見上げて、息を深く吸い込んだ。
「あっ、あはっ、あ、あぁっ……」
秘部の触手が、暴れ回り始める。
暴力的なまでの快感──砕かれて、流されて、何もかもが消えていく。
「あぁ、き、気持ちいいっ……! 気持ちいいですご主人様っ……! もっと、もっとっ……!」
触手は肛門からも侵入を始めて、絶望的なまでの快感を与えている。
「あぁっ、あ、あああっ……!」
与えられる快感に終わりはない。
永久に閉ざされた未来なき檻の中、美海は──否、ウロボロスに隷属する者達は快感に嬌声をあげ続ける。
何も知らない人間が見れば、それは不幸にしか映らないだろう。
残りの一生を、化物の肉奴隷に身をやつし続けていくのだから。
それでも、彼女の内を満たすものは爛れきった幸福感だった。
人間では到底与えられない快楽に溺れ、その意識は遠く遠く彼方へ飛んで、幸せな夢を見続けるのだから。