※この作品はR-18です。

R18 才能の権化が才能を無駄遣いしていることを嘆くのは間違っているだろうか   作:柔らかいもち

7 / 13
 本編の方はまだ歓楽街まで進んでないので、これにはどうなるかなどのネタバレが含まれます。

 それが嫌な人は本編が更新されるまで待て! エロが見たいなら行け!

 追記。ごめん、ネタバレもクソもなかった。

 ご都合主義なところもあるけど、どうぞ!



春姫

その青年は春姫が見たことがない人だった。

 

 娼婦としていつものように張見世の中に座り、先輩に叩き込まれた教えで通りに立ち止まる男達に美しい人形のような笑みを送っている時、その中の一人が自分のいる張見世に繋がる妓楼に入っていく人物を見た。これから自分が身体を売ることになると思っていた客がジークである。

 

 予想通り、春姫はジークに指名されていた。ただし想像もしていなかったのは、部屋に入ってかけられた言葉だった。

 

『お前の名前は春姫で合ってるか?』

 

 畳の上で三つ指をつき、自分が告げるよりも先に口にされた名前。驚いた春姫が勢いよく顔を上げてジークをまじまじと見つめると、彼はこう答えた。

 

『ちょっと迷惑をかけた極東のヤマト・命っていう少女に頼まれたんだよ。「春姫という名の狐人(ルナール)を探してほしい」ってな』

 

 彼に依頼をした者の名前を聞いた途端、春姫は絶望するほどの嘆きと娼婦になって消えてしまったと思っていた羞恥に包まれた。

 

 幼い頃の同郷の知己がオラリオにいて、娼婦に身を堕とした自分を探している。このことは目の前にいる男によって命に伝えられるだろう。もしかしたら彼女の家族同然に育っていた幼馴染達にまで。

 

 顔色が青くなっていく春姫の喉は震え、客(ジーク)がいなければ自傷行為に走ってしまいそうな衝動に駆られた。その様子を見てジークは、

 

『……胸糞悪い事情がありそうだな』

 

 と呟いた。ぽつりと零された言葉に何かを考える暇もなく、立ち上がったジークのセリフに春姫は諦念を抱かずにはいられなかった。

 

『しばらく依頼人にはお前のことは黙っておく。その代金は身体で払え』

 

 ……思い返せば身体で払えと言いながら何もせずに出て行った時点でこれまでの欲望剥き出しの男達とは違うとわかりそうなものだが、この時の春姫はジークに何度も抱かれ続けることになりそうだ、と恨むことも怒ることも嘆くこともなく、ただ諦めていた。

 

 違うと気付けたのは、再び彼と会ってからだ。次の日の夜、彼は大量の本――英雄譚好きの知り合いに勧められて買い込んだ代物――を持ってきたかと思えば、

 

『読んでくれ。なんというか自分で読むと目が滑る。美少女に読み聞かせてもらえば覚えられるかも』

 

 訳の分からない理由を聞かされた。混乱する春姫は言われるがままに、同時にもう目にする機会も資格もないと思っていた英雄譚や御伽噺に目を輝かせながら物語を詠んでいった。

 

 物語が一つ終わるとジークは帰る。一晩分の代金を払っているのにも関わらずである。娼婦は絶対に逃がしてもらえない事情があるとはいえ、底辺の格(ランク)に位置する自分であっても馬鹿にならない金がかかる。上級冒険者でも稼ぎが消えてしまうほどの大金をジークは毎日払っていた。春姫を指名して金だけ払って来ない日もあった。

 

 ジークは自分を守っている。ここまでされれば春姫は嫌でも気付いた。

 

 娼婦になってから一度もなかった夢のような時間だった。明日はどんな男に身体を売ることになるのかを考えないことがどれほど救いになっただろう。たくさんの物語に囲まれながら眠れることがどれほど幸せな気持ちにしてくれただろう。与えられた幸福が大きすぎて、夢を見ているんじゃないかとすら考えた。

 

 ある日、春姫は幸せな時間を失ってしまうことを覚悟しながらジークに、何故自分を抱こうとしないのかを尋ねた。すると彼は何でもないように答えた。

 

『かわいそうなのは抜けないんだよ、俺』

『え、と……それはどういう意味でございますか?』

『春姫……本当は娼婦になんてなりたくなかったし、身体も売りたくないんだろう?』

『!!』

『合意の上で、相手も自分も気持ちよくなる。一方だけがいい思いをするなんて嫌だし、レイプなんか論外。そんな真似する奴死ねばいい。……ふたなりとホモとレズはマジで勘弁してください』

『……』

『とまあ、そういう訳で……エッチなことに高い理想を持った男の我儘だ。嫌なら嫌でいいんだ。俺も春姫みたいに清楚で綺麗な子が汚い小太りのおっさんに抱かれていないだけで嬉しい。それに……女の子には心からの笑顔を浮かべていてほしいから――いやまあ悔しそうに歪む顔も大好物だけど』

 

 娼館に足を運ぶとは思えない男が語る理想。それは娼婦になって砕かれてしまった、少女が抱いていた幻想だった。

 

 心を通わせた者と寄り添い、愛を囁き、閨(ねや)をともにして純潔を捧げる。何度も妄想し、話した相手には現実が見えていないのかと馬鹿にされた理想。それをジークは少しだけ恥ずかしそうにしながらも、堂々と語った。春姫にはそれが、自分を肯定してくれたように感じられて――。

 

(ああ……好きだなぁ)

 

 甘く切ない高鳴りを生んだ胸元を押さえ――春姫は、ジークに対して芽生えてしまった恋心を自覚した。

 

 何度も消そうと、隠そうと思った。卑しい娼婦である自分が何を考えている。彼に抱かれてもいい身体だと思っているのか。ずっと一緒にいられる訳がない……どれほど己を罵倒して自嘲して否定しても、宿ってしまった恋心は消えてくれない。

 

 ジークの上半身なら見れるようになって、自分から膝枕を勧めるようになって、耳や尻尾を撫でられることに抵抗がなくなって、胸を触られることも気持ちよくなって……どうしようもないくらい好きになってしまった。

 

 ――彼が他の女性を抱く光景を目の当たりにしても諦められないほどに。

 

 抱かれることを嫌がっていたのに翻せば幻滅されないか、別の思惑があると取られたらどうしよう、拒絶されてしまったら……どうしても勇気が出せず、『女性は抱かれている時、どのような姿をしているのでしょう?』と、深読みしなければどこかに出刃亀(のぞき)に行こうと誘う変態としか取れないセリフを吐いた次の日。

 

 ジークは春姫の前で女を抱いた。相手は春姫ですら知っている【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタイン。

 

 抱かれる彼女は美しかった。淫靡で卑猥である以上に美しかった。抱き合いながらキスをする姿も、ジークに跨ってまぐわう姿も、後ろから突かれて喘ぐ姿も、胸を揉まれながら彼の陰茎をしゃぶる姿も、どれも綺麗だった。

 

 そして幸せそうだった。嫌がる素振りは一切見せず、髪や股を伝う白濁液を気にすることもなく微笑みながら、膝の上で眠るジークを撫でるアイズに、春姫は一丁前に嫉妬して諦めようとしない自分を嫌悪した。

 

 以前、『恋をすればわかる』と言ってとある客に熱を上げていた先輩遊女(ねえさん)の気持ちがよくわかる。情事にふける二人から欠片も目を逸らさず、それどころかアイズに自分を置き換えて襦袢(したぎ)を濡らしてしまったほどに、春姫の恋心は膨れ上がっている。

 

 だから、春姫は偽らざる胸の内をアイズに語った。春姫の告白にアイズは驚きの表情を浮かべ、

 

『……私は、構わないよ?』

『!?』

 

 なんと納得してしまった。手を出すなこの泥棒猫ならぬ狐がっ、と怒鳴られることを覚悟していた春姫の方が驚いてしまった。

 

『ジークは私の他にも女の子を抱いてるし、なんなら妊娠もさせてる……けど、皆ジークを好きなのは……多分、ちゃんと愛してくれるってわかるからだと思う。……無暗に手を出したりもしないし。んっと……だから、気にしないで?』

 

 ここまで言われてしまえば後には引けない。春姫は覚悟を決めた。

 

 朝を迎えて身支度を整えた二人がいなくなり、昼の間に部屋の準備と身支度を済ませ、夜になってやって来るジークを布団の上で待った。

 

 そして襖を開いて入ってきた彼に告げる。

 

『どうか春姫に……一夜の夢を過ごさせていただけないでしょうか』

 

 卑しいとは言わなかった。それは彼に対する侮辱になる。だから初めて出会った時と同じように三つ指をつき、願った。

 

 とうとう言ってしまいました……恐る恐る顔を上げると、すぐそこにジークがいた。彼は春姫を抱き寄せそのまま、

 

「――ん」

 

 唇を奪った。

 

 

 

 ♦♦♦

 

 

 

「んっ……ふっ……んんん……じゅる、ちゅっ……」

 

 小鳥がついばむように唇を軽く何度か触れさせて、春姫が慣れてきたところで唇を重ねる。ガッチガチに硬直していた彼女の頭や尻尾、背中を撫でていく内に余計な力が抜けていき、閉じた瞼から静かに涙を流しながらジークに身を委ねてきた。

 

 ぐちゅぐちゅ、じゅるじゅると唾液を交換しては啜る淫らな音が極東様式の部屋に響く。獣人である春姫の舌は甘くて少しざらついていて、口内を舐(ねぶ)られるとくすぐったい。

 

 やがて息が続かなくなった春姫が離れた。交換している最中だった唾液を小振りな唇から垂らす姿は官能的で、白い喉を伝って鮮やかな紅の着物から覗く谷間に消えていく光景はジークの情欲を掻き立てる。

 

 ジークの盛り上がったズボンに気付いたのだろう。春姫は混ざり合った二人の唾液をごくりと飲み込むと、服を脱ぎ始めた。長い上衣を脱ぎ捨て、腰の帯を解き、紅の着物を脱ぎ棄てる。

 

 気合を入れるために襦袢は付けておらず……あっという間に一糸纏わぬ姿になった。胸や秘部を隠しそうになる弱い自分の意識を抑え、春姫はジークの服を脱がせにかかった。その際にほっそりとしながら肉付きの良い腕が豊満な胸をぎゅっと寄せ上げ、よりジークを興奮させる。

 

「あっ……」

 

 上着を全て脱がせ終わり、下の衣服も最後に残ったパンツを下ろした春姫は、眼前にいきり立つ陰茎に息を呑んだ。

 

(これが私の膣に……お、大きすぎるのではございませんか……!? で、ですが【剣姫】様は抵抗なく挿入しておりましたしぃ……!?)

 

 アイズとジークの情事を思い出して興奮する春姫。秘部に熱と湿り気を感じながら胸を両手で掴むと、その柔らかな双丘で陰茎を挟み込んだ。更に谷間から飛び出す先端に大きく口を開いて頬張る。

 

 春姫は先程のキスで唾液塗れになっていた口で奉仕を始める。熱とぬめりを帯びた頬の内側に擦れるように上下に頭を振り、先走り汁が滲み出した鈴口と亀頭に丹念に舌を這わせ、とぐろを巻くようにカリ首に舌の腹を当てて舐める。

 

 唾液で濡れた乳房も粘着質な音を響かせながら動かしていた。ただ上下左右に揺さぶるだけでなく、別々に擦り付けることもした。勃起した先端がジークの肌に擦れる時の快感をもっと味わえるように距離を縮めていく内に胸での圧迫感は強まっていき、ジークは射精寸前になる。

 

 口内でびくびく震える陰茎から漏れる先走り汁の量が増えていき、春姫はジークが気持ち良くなった証である白濁液を吐き出しそうになっていることを理解した。好きな人により喜んでもらうため、先輩から教わった房中術に従い、陰茎を喉奥まで突っ込んでいく。

 

 喉の粘膜の刺激がトドメとなり、ジークは精をたっぷりと放出した。

 

「むうう~~~!?」

 

 どろどろとした精液を流し込まれる胃がはちきれそうになっていると錯覚してしまう量だった。食道と胃から感じられる熱い粘液を飲み込んでいくが、呼吸を満足に行えないことに耐えきれなくなって陰茎の先端だけを口に含む格好になってしまう。

 

 射精は一度も口を離さなかった春姫の頬が膨れ上がるまで収まらなかった。尿道の残り汁も吸いだした春姫がジークに見せつけるよう口を開くと、下の歯を隠してしまうほどの精液が溜まっていた。舌を動かすとねちゃ……という音が聞こえそうな白い糸を伸ばす粘度の白濁液を、春姫は全て残さず噛むように飲み干した。

 

「ふふ……ジーク様の出したもの、おいしゅうございました」

 

 苦しい思いをしただろうにおくびにも出さず、男を悦ばせる言葉と微笑み。とびっきりの愛情を向けてくるあまりにいじらしい少女を、ジークは布団に押し倒した。きらやかな金の長髪が広がる。期待に満ちた翠の瞳と見つめ合いながら、桜色の腿を開く。蜜壺の入口に陰茎を当てればこんこんと湧き出る淫蜜で十分濡れているとわかった。

 

 こくっ、と小さく春姫が頷くのを確認し、ジークは腰を押し出した。割れ目を二つに分けるように陰茎は少女の膣に沈んでいき……ブチッと何かを破っても進んで奥に辿り着く。

 

「いたっ、い……ぁ……」

 

 唐突な痛みに薄らと瞳に涙の膜を張った春姫は顔を上げ、結合部から見えた血に呆然とした声を漏らす。痛みを忘れられるよう白いお腹を優しくさすりながら真実を教える。

 

「アイシャから聞いたけど、毎回お前は男の裸を見てぶっ倒れていたらしいよ」

「……」

「だからお前の純潔を貰ったのは俺って訳だ……初めてをくれてありがとう、春姫」

「あ、ぁぁぁ…………はいっ……春姫も嬉しゅうございます……!」

 

 潤んだ瞳からいくつも雫を流す少女との性交を再開する。

 

 男を初めて知った春姫の膣内は溶けてしまいそうな熱さだった。滲み出る愛液は陰茎の濡れていない部分がなくなるほど満遍なく塗され、収縮する柔肉で包み込まれ、ぎゅうぎゅうと締め付けられる。

 

 子宮が下がっているのか、子宮口が先端に押し付けられる。男の本能を刺激するような子種を欲する女の本能に、放出欲が瞬く間に高まっていった。

 

 小刻みな絶頂で膣内を何度も収縮させながら、頭を真っ白にしながら春姫はジークを抱き寄せ、己の胸に閉じ込める。そして彼の耳元で甘く囁いた。

 

「――ジーク様の子種で、春姫を孕ませてくださいませ……」

 

 我慢なんてできるはずもなく、ジークの陰茎は盛大に脈動していく。子宮口に押し付けられた先端から吐き出される精液が子宮が膨張させるほど注ぎ込まれる。胃も胎も愛しい男の子種で満たされた少女は、自分の全てがジークに染め上げられていくように感じられた。

 

 でも……まだ足りない。もっと肌を重ねたい。春姫はうつ伏せになって尻を突き出すような体勢になると、陰茎が抜かれて精液と愛液の混ざった塊を吐き出し、それでも白濁に染まったままの膣を尻尾で示しながら腰を揺らす。

 

 清純でいて妖艶に微笑みながら、少女は男を誘惑する。

 

「どうぞ、自由に使ってくださいまし……春姫は、ジーク様の春姫でございます」

 

 

 

 ♦♦♦

 

 

 

「随分と懐かれたね、そのヘッポコ狐に」

 

 襖を開いて部屋に入ってきたアイシャは今まで面倒を見てきた少女の変わりっぷりにため息を吐く。視線の先では尻尾や胸に精液を滴らせる春姫が男(ジーク)に跨って腰を弾ませ、彼の胸板にキスを落としたり舌を這わせたりしていた。

 

「おまけに【絶†影】まで手籠めにしているとはねぇ……」

 

 寝そべりながら抱きしめられ、ジークの唇を貪欲に貪るのは艶のある長い黒髪と青紫の瞳が美しい少女。彼女の瑞々しい肌は秘裂から零れる精液で白くなっており、その精液が誰のものなのかは言うまでもない。

 

 無理矢理犯すことはしていない。春姫が娼館にいることを教えると娼婦をやめさせたいから連れて行ってほしいと頼まれ、言われた通り春姫に会わせると彼女は娼婦をやめることはできないと告げ、不幸ではないと見せつけるようにジークと肌を重ねた。

 

 艶やかに乱れる春姫の姿に発情し、想い人(タケミカヅチ)が何人もの女性を虜にしているのを目撃した直後で不満を溜め込んでいた命は耐えることができず――腰が砕けるまで抱かれてしまった。タケミカヅチへの恋慕の情はすっかりなくなって親愛に落ち着き、下衆笑いするツクヨミが教え込んだくノ一の淫技で奉仕することにも抵抗がなくなったので問題ないが。

 

 現に今ジークが射精し終わってから腰を上げて陰茎を抜いた春姫の蜜壺から零れる精液を愛液ごと啜り、二人でべとついた彼の陰茎を綺麗にするように舐め上げている。

 

「一緒にやることが好きになってるからな……アイズもリヴェリアと一緒にする時が一番乗り気だし」

 

 誰かに見られても構うことなく精を貪るようになった少女達に苦笑しつつ、ジークはアイシャに顔を向ける。

 

「それで、何の用だ? 特に用がないならそこに転がしてる兎野郎を回収しておいてほしいんだけど」

「……この坊やが用そのものなんだけどねぇ。何をしたんだい?」

「口で抜いてもらっている時に入ってきたからな。実家の秘伝で気絶させた」

「あんた家も親戚もないって言ってただろう……ったく、じゃあこの子は貰っていくよ」

「待て、これをやる。今まで春姫の世話をしてくれた礼だ」

「礼なら私の代わりに『殺生石』をぶち壊してくれたので十分なんだが……何だいこの果物と魔道具(マジックアイテム)?」

「男と女で口移ししないと効果を発揮しない頭の悪い代物だけど、莫大な栄養と精力と妊娠作用を与えてくれる一品。もう一つは受精したかどうかがわかる魔道具(マジックアイテム)だ。ペットの繁殖を確実にするためって嘘を吐いて団長にも協力してもらった」

「へぇ……面白い。この坊やは泣き顔がそそりそうだからねぇ……碌に知りもしない女と子供こさえるなんてめっぽう効きそうだ。遠慮なく使わせてもらうよ」

 

 白髪の少年を担ぎ上げ、アイシャはお得意様兼恩人兼悪友の部屋を出た。

 

『あっ、ふぅっ、ジークどのぉ……もっと突いてくだしゃいぃ……』

『ふぁぁ……命ちゃん、可愛いよ……』

「……やっぱりとんでもない男だね。以前喰いそびれて残念だと思っていたが……骨の髄まで虜にはされたくないね」

 

 

 聞こえてくる喘ぎ声に複雑な気持ちを抱きながら。

 

 

 

 ♦♦♦

 

 

 

 どうしてこうなってしまったのだろう。僕は茫然としながら考えていた。

 

「【リトル・ルーキー】って可愛い顔して立派なモノもってるわね! 出す量も多いし!」

「量はアイシャが盛った何かだろ……ほれ、三発目出たな。代われ」

「凄いニャー、このヒューマン。二十三人も抱いても全然勢いが収まらないニャ」

「本当に五十人行きそうだね、これ」

 

 本拠(ホーム)を夜遅くに抜け出した命を尾行するだけのはずだった。なのに僕はアイシャさんを始めとした沢山の娼婦に犯されていた。

 

「も、もう出ないですぅ……放してくださいぃ……」

「だーめ♡ ここにいる女、娼婦も冒険者も一般人も、みーんな貴方の子供を孕むためにいるのよ。五十人全員相手してもらうからね」

「ていうかミャーやアイシャも含めて二十二人孕ませちゃったんだから今更ニャ。……あっ、さっきの奴も無事着床したみたいだニャ♪」

「エルフも獣人も九人いたのに全員当てるとか凄いな。妊娠状態を探る魔道具(マジックアイテム)といい、どっから持ってきたんだろうねアイシャ」

 

 快楽と引き換えに男の尊厳(プライド)をズタボロにする凌辱。ただ僕の心を痛めつけたいという理由で彼女達は避妊もせずに子宮に精液をぶちまけさせている。年端もいかない少女の初めてを無理矢理奪わされ、お尻の穴を指で搔きまわされて泣き叫ぶ少女に何度も中出しを強制されたりした。

 

「おーい、量が減ってきたんだけどどうしよー」

「じゃああの果物使おっか。ほーら、お口を開けて。エルフのお姉さんのキスだぞー」

「むぐぅ……!?」

 

 心はダメだとわかっているのに身体は正直だった。好きな種族(エルフ)の口付けで僕の分身は硬さを取り戻してしまう。

 

「あははっ、まだキスで恥ずかしがるなんてピュアね。お姉さん、子宮がキュンキュンしちゃう」

「もうたっぷり精液注ぎ込まれて種付けされてんのにキュンキュンするのか?」

「うわー、次サミラだ。壊れないかな【リトル・ルーキー】」

「そういえば春姫が客との子供できたって噂あるけど本当かな?」

「あーそれガチっぽい。この前シャワー浴びる時に鉢合わせたんだけど、キスマークいっぱいついてたし、いい顔してお腹撫でてたし。あとアイシャが妊婦に悪い物を春姫の周りから取り除いてた」

「これから自分も妊婦になるのに大丈夫か、アイシャ……」

 

 頭の片隅が行きつく先は破滅だと訴える。しかし、その警告に数え切れないほど射精した身体は応えてくれることはなく、女達の欲望が満たされるまで淫欲の宴は続けられるのであった。

 

「何なんだあの集団……全員が水着とか変態なのか?」

「【恋の夜宴(ラブ・サバト)】とかいう頭の悪そうな名前の宗教集団だよ……【灰男(グレイマン)】が見た目はいいのにどこか残念でモテない女を集めて作ったらしい」

「なんで水着?」

「エロくてカッコよくてサバトっぽいからだって」

「……アホな連中に犯される【リトル・ルーキー】がかわいそうに思えてきた」

「まとめて五個もあの果物を食べさせたら何故か【リトル・ルーキー】にすげー欲情したもんな全員……腹が膨れるくらい出されてよく歩けたよねアイシャ。私達は足腰立たないのに」

「おかげで助っ人として『無責任種付けは他人事なら楽しめる』とかのたまう【灰男(グレイマン)】に連中を紹介してもらえたが……持つのか? 黒い水着のはずなのに全員が真っ白だぞ」

「ていうかもう朝なんだけど。なのにざっと百人超える女を孕むまで抱いて生きてるとか逆に怖いよ、あの子」

 

 

 

 

 

 

 

「――という夢を、見てしまったのでございます……!」

 

 新しい派閥に移った妹分の様子を窺いに来たアイシャは、適当に入った喫茶店の席に着くなり卑猥なカミングアウトをしてきた春姫に呆れた表情を隠さなかった。

 

 夢とか言っているが現実である。どのタイミングで目撃したのかは知らないがこのエロ狐、前は追い詰められ過ぎて夢と現実の区別がつかなくなっていたのに、今度は満たされ過ぎて夢と現実の区別がつかなくなっている。

 

「……あの天才(アホ)が手を回して危険が少なくて仲のいい女がいる【ヘスティア・ファミリア】に入団させてやったのに……なんてアホなことを抜かしてるんだい」

「ああぁ……! これから母親になるというのに欲求不満なんて……春姫ははしたない女でございますぅ……!」

「腹にガキがいるからこそなんじゃないかねぇ……」

 

 やけに怒気を発散させるフレイヤによって【イシュタル・ファミリア】は壊滅的被害を被った。ベルのレイプに参加した半数以上は殺された上に、残りの大部分は流産するか堕胎するかだった。

 

 ちなみにアイシャは腹パンをされたが、今は同僚になったアホ天才から魔道具をもらっていたおかげで無事だった。孕んだことを盾に、何度か兎を路地裏に引きずり込んでヒイヒイ言わせたりもしている。

 

「まっ、ちゃんとその欲求不満とやらは解消されているんだろう?」

「ええと、その……はい。ここに来る前もお情けを……」

「その分厚いメイド服にシミができるなんてどんだけやってるんだい。どうせ見えないのをいいことに出されたのもそのままにしているだろうし……このエロ狐」

「こんっ!?」

 

 

 

「ジーク殿、殿方は何を贈られると嬉しいのですか? タケミカヅチ様に贈り物をしたいので参考意見を」

「贈り物(プレゼント)か……食べ物とか?」

「食べ物ですか……はっ、私は食べ物ではありませんよ!? 今日はこれ以上抱かれると腰が砕けてしまいます!」

「卑猥な妄想力がたくましいな、極東少女……形に残るものの方がいいか?」

「かっ、形に残る!? ま、まだ一月なので後九か月ほど待っていただければ!」

「俺宛てのを考えている訳じゃないんだよな? 俺宛てになら全裸にリボン巻き付けて『プレゼントは私』とかやってくれると嬉しいけど」

「……では、今度春姫殿とやります」

(……なーんで卑猥なことを覚えさせた奴等は総じてポンコツになるんだ)

 




 ベルやタケミカヅチって自分に寄せられる好意に気付かなかったり期待させて保留にしたりしている間に、他の誰かに搔っ攫われそう。

 よかったねベル君! 夢にまで見た(集団逆レイプ)によるハーレムだよ! 年齢は十代(ロリ)から八十代(エルフ)と幅広く、種族も豊富だよ!

 でもほとんどが死んじゃったよ!

 催眠で精神だけは立て直されています。

 ……ふぅ。ベル君が凌辱されて満足。
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