※この作品はR-18です。

R18 才能の権化が才能を無駄遣いしていることを嘆くのは間違っているだろうか   作:柔らかいもち

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 注意!

 この話はラウル×アナキティ派の人にはお勧めしません。全力でスルーすることをお勧めします。






 ここで自分なりの時系列を発表します。
 ベル君は十七巻の時点でオラリオに来て半年とあります。十六巻の祭りの収穫物などを考えると九月半ばから十月の頭が十七巻時点の日付だと思ってます。そこからランクアップの時期などを考えて遡っていくとベル君が来たのは三月半ばから四月くらいになります。
 アミッド、レフィーヤ、アリシア、リヴェリアは原作開始三か月前くらいににゃんにゃんしてます。それ以外の子は本文から特定してみてください。より興奮すると思います。




 


 アナキティは無理かと思ってたんですが、そういやラウルの性欲に致命傷与えてたわ。おまけにベロベロにアナキティが酔っ払う時がある。ラウルはアリシア派ってネタもあった。イケる! 詳しくはダンメモ に。

 ラウルすまん…お前が竿役ってなんか嫌だ。ちょっと酷いやつにするけどお前のこと好きだよ。

 そして流石は才能の権化。作者の俺ですら忘れてた設定を利用するとは……恐れ入ったぜ。


アナキティ

 聖夜祭。異国からも大勢の観光客が訪れる冬の祭り。浮かれて人目も憚らずイチャイチャするカップルが多くみられる日。

 

 昨晩降り積もった雪に彩られるオラリオはどこからでも楽しそうな声が聞こえる。そんな日にジークは――、

 

「ひゃっはー! カップル狩りじゃべらっ!?」

「爆発しやがれリア充どもがぶるす!?」

「どぅふ、どぅふふふ、性なる夜に可愛い女の子がいっぱい……下の口でおじさんの白い自家製ジャムを食べさせてあげるからねぇぶみゃん!?」

 

 嫉妬に狂う野郎どもとイベント時には台所の黒い悪魔や鼠よりも大量発生する種付けおじさんの駆除に勤しんでいた。

 

 別に暇な訳ではない。この後は付き合っている女の子達とクリスマスパーティーをする予定があるし、その後も朝までお楽しみだ。今やっているのは仕事帰りの善行、ぶっちゃけ彼にとって誰かがポイ捨てしたゴミをゴミ箱に捨てるくらいの認識である。捨てるのは社会のゴミで、ぶち込むのはブタ箱といった違いがあるが。

 

 ちなみに仕事はフレイヤから頼まれたものだ。最初は面倒そうだったので断ろうとしていたが、幹部達にホストクラブ『美男(イケメン)☆楽園(パラダイス)』を経営させると聞いて視線だけで殺せそうな形相の勇士(エインヘリヤル)を無視して速攻で引き受けた。連中の醜態が見られるというだけで笑顔が止まらない。

 

 仕事には妥協しないのがジークの信念。期限が年末と言われても完璧に間に合わせる。既に店舗の内装や提供する飲食物の手配を終え、恋愛ハウツー本を読み込んで指導もできるようにした。更に神々でも楽しめるようDVダメ男神から寝取ったヤンデレエルフに『神酒』を買いに行かせている。抜かりはない。

 

(今日もいいことをしたなぁ……一日一善を心がけている俺にそろそろ見返りがあってもいいんじゃないか?)

 

 心中で世界全ての男を敵に回す冗談を考えながら歩くジーク。だが、タヒねと吐き捨てても文句を言う資格のない男の耳に聖夜の福音の如く物音が届く。

 

 存分に鍛え抜いた『神の恩恵(ファルナ)』による身体能力で発信源に駆け付ける。目に入ったのは一人の少女を囲って愉しもうとしている複数のチンピラ。瞬く間に制圧すると、視界に入れるのも嫌な連中から離れるために少女を抱えて走り出す。

 

 走りながら腕の中にいる少女に視線を落としたジークはおや? と片眉を上げた。

 

 何故ならばそこにいたのは、あの程度のチンピラに好き放題されるはずがないほど強いLv.4の猫人(キャットピープル)だったのだから。

 

 

 

 ♦♦♦

 

 

 

 アナキティ・オータムには気にしている同期がいる。ラウル・ノールドという周囲からは冴えないとか凡人とか散々な評価をされているヒューマンだ。

 

 気になっているといっても親友以上、恋人未満くらいの関心だ。仲間達から付き合っているのかとからかわれれば揃って否定するが、ラウルが娼婦に騙されて娼館に通っていた頃にはもやもやとした感情が胸に巣食っていた。本当は凄い彼が馬鹿にされることはとても腹が立ったけど、自分だけが彼の凄さを知っていると思えば嬉しかった。

 

 ずっとこのままでいられたらいいのに……そんな未来はラウルが変わったことで叶わぬ夢になった。

 

 とある男から手に入れた魔導書(グリモア)。それのせいでラウルは性欲をほとんど失った。言ってしまえば常に賢者タイムだ。これでただ魔導書(グリモア)を渡してきた男を恨むことができたら話は簡単だったのに……魔導書(グリモア)は三冊あった。そして、ラウルが読んだのは二冊目だった。

 

 もうわかるだろう? アキにとってショックだったのは性欲消失はともかく、性的興奮で醜態を晒してしまうとわかっていたのにラウルが魔導書(グリモア)に手を出したことである。

 

 女性の多い【ファミリア】故に欲求を満たすのが難しかったのかもしれない。だが一時の欲望に負けたラウルは異性を恋愛対象として見ることがなくなった。同時にアキはラウルにとって特別な一人ではなく、大勢いる大切な人の一人になってしまった。

 

「ベル・クラネルゥゥゥ! 貴方って性犯罪者はいっつもいっつもアイズしゃんに不躾な視線を送ってぇ……失礼で無礼千万なんですよぉ!」

「性犯罪者ってひどくない!?」

「それにですねぇ……アイズしゃんはもう人妻なんです! 妊娠もしてます! そろそろ九か月です! 本拠(ホーム)じゃ私がお世話してるんですぅ!!」

「ふぁゑッ!?」

「旦那さんはベル・クリャネルなんかとは比べ物にならないくらい完璧ですからぁ! でもぉ、あの人は最近私と子作りしてくれないんですよぉ! 子供を産んですぐの妊娠は危ないからってぇ……わらしを大事にしてくれりゅのは嬉しいでしゅけど、恩恵でもう平気なんでしゅっ。なのに私の口と胸くらいしか使ってくれません……おっぱいがお乳で重たいし、早く次の子も欲しいのにぃ! 私は三人で満足ですけど、望むなら五人までなら大丈夫でしゅからぁ! 妊娠したらそりゃあ辛いし苦しいですよ? でもそれ以上に幸せですしぃ! でもでもあの人は私に断りも入れずいっぱい女の人を手籠めにして、フィルヴィスしゃんまで孕ませてぇ……でも好きなんですよぉ~!!」

「!? !? !?」

 

 ある時期からとても綺麗になりだしたレフィーヤ。とある事情で盗まれた『神酒』を浴びて酔っ払った彼女は、焦点の定まらない眼差しでとんでもないことを叫びながら白い少年に絡み、

 

「レフィーヤぁ! ずっと一緒にいるのぉ! 生まれ変わってもまた家族になるの~~~!」

「クラネルさぁん……あなたはぁ……いつになったらシルと結婚式をするんですかぁっ!」

 

 同じように酔っ払っている心なしか腹の膨れた黒髪のエルフと着飾った酒場のエルフがそれに続く。場所は『神酒』を盗んだ盗賊達のアジト。周りに通行人はいないが、酔っ払った上級冒険者を止められる者もいない。いるのは脱引きこもりを果たしたばかりの酒の神と、アキを介抱していたラウルのみ。

 

 以前の彼ならアキだけを見ていた。だが、今の彼は感情ではなく理屈で動く人間だった。

 

 他の酔いどれ少女と違って非常に大人しいアキから離れ、ラウルは絡まれている少年の救助に向かった。そんな彼や酔っ払いの行動の読めなさを知っていても周囲に警戒を祓う真似なんてできないソーマに、いつの間にか消え失せたアキを追いかけることは不可能であった。

 

 

 

 酒のせいで冒険者としての力を一割も発揮できなかったアキ。チンピラ達に絡まれた時、酷いことをされると彼女は理解していた。それでも欠片も抵抗しなかったのはどうなってもいいという少しの諦念と……必ず助けに来てくれるという大きな信頼があったからだ。

 

 走るのをやめたのか揺れなくなった腕の中から見上げる。蕩けた瞳に映る男(ジーク)の顔はとても整っていて、身体も触れているだけで安心してしまうほど逞しい。胎がじんわりと疼く。

 

 立ち止まった彼は腕からアキを下ろそうとする。ジークはベンチを見つけて横になった方が楽だろうと思っただけなのだが、酒に理性を奪われたアキは捨てられるのだと思い込む。

 

 彼女は悩んだ。もう捨てられたくない、この雄(・)が欲しい、でもどうすれば? 

 

 アキを動かしたのは獣の本能。飛びつくように男の首に腕を絡めると、一切の隙間がないほど唇同士を密着させた。唐突なキスに驚いてバランスを崩したジークがなんとかベンチに腰かけた間も腰に回された腕に支えられているのをいいことに、ずっと唇を重ねていた。

 

「ちゅっ、んふ、じゅるる、れるっ……」

 

 一度も呼吸を挟まなかった長い唾液の交換。雪も降って空気はとても冷えているのに、アキの吐息はとても熱くて甘かった。つぅ……と二人の間で伸びた銀の糸をアキの舌が絡めとる。

 

 アキは男の膝に跨ったままこんな時期にも関わらず主神の命令で穿かされた短いスカートを持ち上げ、シミができた黒のショーツを見せつけながら、ズボンの中で膨れ上がった陰茎に臀部を擦り付けつつ口を開く。

 

「雄の凄いところ、アナキティに教えてほしいニャン♪」

 

 ショーツを下ろすように言われても、脱いだ下着を片足に引っ掛けたまま壁に押し付けられ、もう片方の足を上げられて整えた陰毛や秘部を晒させる恥ずかしい体勢にさせられてもアキは抵抗しなかった。割れ目に陰茎を当てられても嬉しそうに尻尾をくねらせる。

 

 もうそこにいるのは高貴な黒猫などではなく、ただの雌猫であった。

 

 口付けをするとアキの舌が入ってくる。まるでマーキングをするようにざらざらとした舌がジークの口内を這い回り、ぴちゃぴちゃ、ちゅるちゅると淫らな水音を響かせる。ジークはキスをしたまま瑞々しい肢体を支えているのとは逆の手でくびれた腰を掴むと、ひくひくと震える秘裂に剛直を容赦なく突き込んだ。

 

「フニャアッ!? ……ニャハハ、本当に入っちゃったニャ」

 

 発情して愛液を滲ませていたアキの蜜壺はあっさりと男の陰茎を受け入れる。処女膜を破られた時には大きな鳴き声を漏らしたが痛がる素振りは見せず、破瓜の血が滲む結合部を見ながら恥ずかしそうに頬を染めて笑った。

 

 腰を前に出すと陰茎は抵抗なく入っていく。アキの膣はとてもうねっていて、男の分身の弱い部分を刺激してくる。膣内のヒダは陰茎を奥へと引き摺りこんでいき、あっという間に子宮口に辿り着く。コツン、と先端を当てると「フニャッ」と艶やかに鳴くのが面白い。

 

 彼女の様子を見て大丈夫と判断したジークは激しめの抽挿を始めた。陰茎を引き抜こうとすると子宮口が吸い付き、熱い粘膜が押し広げた以上にぎゅうっとキツく締め付ける。それでも半ばまで抜いて再び奥に入れれば、黒猫の少女は嬉しそうな喘ぎ声を漏らした。

 

 しばらくそうしていると膣内が小刻みに痙攣し、彼女の限界が近いことを教えてきた。抜けそうなくらい陰茎を引き出し、膣の最奥を抉るような勢いで挿入するのとアキが達するのは同時だった。一拍置いて寒さも気にならなくなるほど熱い精液が穢れなき少女の胎を白く染めていく。

 

「~~~~~!」

 

 嬌声を上げる為の口は男の唇に塞がれていた。初めて味わう女の快感に尻尾は限界まで伸び、身体を支える一本の足は愛液と白濁液が混ざったものを伝わらせながらガクガクと震える。

 

「(ウニャァ~……なんか頭がぼーっとしてぇ、いい気分なのニャァ……)ふきゃんっ!?」

 

 絶頂の余韻に浸っていた彼女を襲ったのは膣内からの刺激と快感。持ち上げていた彼女の足を下ろす代わりに今度は両手でアキのじんわりと汗ばんだ尻を鷲掴みにしたジークが抽挿を再開したと理解できぬまま、アキは白い喉を震わせるしかなかった。

 

「あっ、ウニャッ、フニャンッ、これ、すごっ……アナキティ、貴方のものにされちゃうニャァ……!」

 

 膣の上のザラザラした箇所を擦られる度に視界がチカチカと光り、膣内がジークのものの形に変化していく。臀部を掴まれているせいで衝撃が逃がせず、アキ自身も気持ちいい所に当たるよう腰をくねらせるため、限界はあっという間に訪れた。

 

「ンニャアアアァ~!?」

 

 中に出されるのは雄の子種。一度目よりもずっと大きい快楽が頭のてっぺんからつま先まで貫く。絶頂して足がピンと伸びてすぐに力が抜け、膣を貫いている陰茎に辛うじて支えられるような状態になった。その陰茎を咥えたままの膣壁がきゅっと収縮し、子種を余すことなく飲み干していく。

 

 初めてのセックスと酔いで限界になったアキの瞼が落ちていく。彼女が最後に聞いたのは冴えない同期ではなく、後輩のエルフの声だった。

 

「あー! 遂にアキさんにまで手を出しましたねこの変態! 妊婦のフィルヴィスさんは先に帰してこの寒空の下探し回った私に謝罪してください!」

「否定できないのが辛いな。言い訳させてもらうならこの子は酔っていたのもあるが、俺が手を出さなきゃ下衆な連中に玩具にされてたぞ。何か心当たりないか?」

「ありますよ。どっかの誰かさんの魔導書(グリモア)のせいです。まぁ、効果を知っていたのに使ったラウルさんにも非はありますが……」

「ふーん。で、それは?」

「『メリーウコン』です。アキさんを酔わせた『神酒』の酔い覚ましで、これを使わないとずっと酔ったままなんですよ……っていつまで挿入したままなんですか! 早く抜いてあげて下さい!」

「はいはい。じゃ、俺が『メリーウコン』を飲ませるから口で綺麗にしてくれない? このままぐちゃぐちゃの下着で帰らないといけなくなる」

「私達にはしょっちゅう濡れた下着を穿かせてるじゃないですか。我慢したらいいのでは?」

「しょうがない。ならこの子の口で……」

「あーもう、わかりましたよ! でも絶対に今日はデキるまでやりますからね! 初めての時みたいに排卵誘発剤とかなしですから!」

 

 

 

 ♦♦♦

 

 

 

 見知らぬベッドの上で目を覚ましてアキが最初に感じたのは気怠さと寂寥感だった。何故そんなものを感じるのだろうと昨晩のことを思い出そうとし……ボンッと真っ赤になりながら頭を抱えた。夢だったんじゃないかと儚い期待をしたが、一切衣服を着てない全裸の現状だけでなく、股の痛みやべたついた全身が現実逃避を許さない。

 

「馬鹿かな馬鹿なの馬鹿でしょ私。ラウルが性欲をほとんどなくしたからってどうして適当な男に抱かれようって自棄な発想になるの死ぬの? 皆にラウルは好きじゃないって言ってるのにこんなに動揺しまくって処女捨てるどころか中出しまでさせるとかどんだけ」

「やかましい」

「ウニャア!?」

 

 尻尾を掴まれて思わず猫人(キャットピープル)の悲鳴を上げる。尻尾を掴む手はアキが感じる部分に絶妙な力加減で触れており、アキは官能的な痺れに全身を震わせながら前に倒れ込む。

 

「獣人の中でも猫人(キャットピープル)と兎人(ヒュームバニー)は発情したら大変と聞いていたが……もう一度失神するまでやるか」

 

 そんなジークの言葉は舌を口からだらしなく垂らしながらシーツを握りしめ、淫蜜を滲ませながら淫肉をひくつかせるアキの耳に届くことはなかった。

 

 それから何度もアキは犯された。雄の味を覚え、獣のメスなのだと思い知らされてしまった身体は抵抗する力を奪い、自分に覆い被さった男の身体を突き放すどころか両手足で抱きしめ、子種を子宮に吐き出される度に歓喜の悲鳴を上げ続けた。

 

 その後――。

 

「アキさーん、どうしたんですか難しそうな顔して? もしかして生理ですか? それとも妊娠!? 間食ですっぱいものよく食べてますし……まぁ流石に冗談ですけど!」

「……エルフィ」

「あっ、すいません。えっとですね、もし体調が悪いなら一緒に治療院に行きませんか? 私も近頃赤ちゃんの泣き声の空耳が聞こえてですね。同室のレフィーヤに子守唄を歌ってもらうと聞こえなくなって眠れるんですけど、レフィーヤに負担をかけるのは良くないと思いまして。どうします?」

「……私は大丈夫だから。気を付けて行ってらっしゃい」

 

 元気よく出かけていく後輩を見送ったアキ。後輩に振っていた彼女の手は下がっていき、彼女を悩ませている一見何ともない腹に触れる。

 

(……生理が来ない)

 

 あれから既に二ヶ月が経過していた。その間に彼女の味覚は変化し、胸は自分の手に収まるが勝手に貧乳(どうるい)扱いしていたティオナが嫉妬する程度に育ち、時折吐き気がこみ上げるようになっている。

 

 もう答えは出ているようなものなのに認めるのが怖くて治療院には行っておらず、酒のように胎児へ悪影響のあるものや腹部への衝撃を避けるようになっていた。このままずるずると引き摺っていれば堕胎もできなくなるのだが、彼女は未だに踏ん切りがつかずにいる。

 

(あっ、ラウル……アリシア)

 

 すぐ横の廊下からラウル、向かい側からはアリシアが歩いてくる。特に用があった訳ではないが、アキはラウルに話しかけようとして――足がつってふらついた。アリシアは主神の影響でごちゃついた廊下に置いてある何かに躓いたのか、大きくよろめいた。

 

 二人を見ていたラウルは近くにいたアキ――ではなく、アリシアの方に駆け寄った。アキの胸に激しい痛みが走る。

 

「あの、ラウル? 私はただ躓いただけです。それよりもアキの方を。もしかすれば立ち眩みや貧血かもしれません」

 

 アキを気遣うアリシアにラウルは悪気なくさらりと答えた。

 

「アキは自分なんかが助けなくても大丈夫っすよ。それよりもアリシアは足を捻ってたっすよね。医務室まで行きましょう」

 

 彼にとっては信頼からの発言。しかし、それは彼女の最後の支えを砕いた。

 

 気付いた時には本拠(ホーム)を飛び出して『ダイダロス通り』に足を踏み入れ、ふざけた名前の店の扉を開けていた。驚いた顔をする男にアキは涙を流しながら叫んだ。

 

「私を雌にして。何もかも忘れて考えられないくらい滅茶苦茶にして」

 

 

 

 ♦♦♦

 

 

 

「……夢か」

 

 瞼を上げたアキはそう呟いた。あれから一ヶ月、ジークの予想外の恋人の多さ、友人の妊娠と出産に振り回されながら、彼女も彼の女になっていた。

 

 今日は偶然自分だけが暇な日でありジークの顔を見に行ってみたところ、珍しいことに昼間から眠る彼を発見。起きた彼を驚かせてやろうとシーツに潜りこんで彼の上に覆いかぶさったのだが、どうやら一緒に寝てしまったらしい。

 

 今の彼女は股下スレスレ、背中は大きく剥き出しになったセーターを着ていた。他の少女は恥ずかしがってアイズくらいしか着ようとしないが、アキは何気にこの服を気に入っていた。

 

「……新しくブラを買わなくちゃいけないかしら」

 

 以前「男の人ってアリシアみたいに大きい子が好きなの?」と言ってからというもの、肌を重ねれば必ず弄ばれていた胸は寄せれば谷間ができるほど豊かに育ち、服を押し上げる双丘は現在ジークの胸板で潰れている。

 

 胸が痛くなった彼女はシーツから這い出てハリのある白い太腿にジークの頭を乗せる。そこでふとアキはジークに猫人(キャットピープル)の語尾を使えと言われたことを思い出した。当時は恥ずかしくて断ったが、寝ている今ならできる。ニマニマとしながら口を開く。

 

「私、貴方の子猫が欲しいニャン♪」

 

 ――目を開けたジークとがっつり目が合った。あっと思う間もなく彼女はシーツの中に引き摺りこまれ――その後は言うまでもない。

 




 ふー! 疲れた。状況を整理しよう。

 自分の中で確定しているベルの相手はフレイヤ(シル)、ヘルン、リリ、エイナ、ヘスティア、アルテミス、イリア、ティオナ、アイシャ。

 リューさんどうしようかな。深層の決死行はこの作品じゃないんだよなぁ……クノッソスが潰されたせいで。親友を裏切る不倫セックスか、失恋からの自暴自棄セックスか……迷うねェ~♥

 ジークはエルフ三人、ヒューマン三人、獣人二人を手籠めにした訳だがバランスが悪い。等比か4,3,2,1みたいにしたい。
 
 ラウルがアリシアをどう呼ぶかわからんかった。
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