ベアトリクス・ブレーメの淫靡な夢 作:雄渾
ベアトリクスは裸身のまま、紅玉を思わせる瞳でユルゲンを見つめた。
波がかった黒髪をベットの上に広げながら、両手をユルゲンに向かって広げる。
「良いのか」
弱々しい声で、ユルゲンに返事を返す
「ええ……」
自分の上に覆い被さろうとする夫の姿を見た時、ベアトリクスは次に起こる事を理解した。
一振りの太刀を思わせるほど反り返った男根。今まさに己が体を貫こうとしている。
今まで
その事に、再び鼓動が早くなる。
この日の事をどれ程待ち焦がれた事であろうか……。
10代の処女妻にとって、この光景は鮮烈であった。
「行くぞ」
ふと、意識を現実に戻すと陽物の根元を右手で添えて待つユルゲン。
右足の膝頭を掴むと、勢いよく女陰の入り口に目掛けて押し入ってくる。
熱く燃え滾った男根が肉芯に触れた途端、ユルゲンの心の中にある蟠りが消し飛んだ。
ベアトリクスの肉体への渇望が、止め処なく噴き出して来た。
彼の肉棒がベアトリクスの花芯を貫くと、表現出来ぬ様な苦しさと身の裂ける様な痛み……。
「あうっ、ああぁっ!」
思わず声にならないような声を漏らすと同時に、後ろに頭を仰け反る。
顔が引きつり、涙が溢れた。
「大丈夫か……、ベアトリクス」
力強くシーツを握りしめ、歯を食いしばっている彼女を気遣った。
腰を動かすのを止め、男根を引き抜こうとする。
「いやぁ、やぁ、止めないで……」
彼女の一言を聞いてか、ユルゲンは腰を沈める様にして男根を陰裂に埋め込んだ。
「少し我慢しろ。一息に貫ぬく」
そう言うと、深々と差し込んできた。
陰阜に彼の体がぶつかるや否や、すぐに後ろに下がり始めた。
恐ろしいほどの速度の抽送で、膣中が抉られる。思わず悲鳴を上げた。
「ああぁぁぁ!痛い、痛いっ!」
ユルゲンは、構わずぐいぐいと腰を振る。
亀頭が、陰裂に埋没し、男根の竿の部分にもベアトリクスの温もりが伝わって来る。
目を瞑って、ひたすら耐える。身が引き裂かれるような痛み。
噂には聞いた初夜の痛みというのは、これほどの物であったのか。
『痛いというだけでは済まされない』
それが彼女の偽らざる本心であった。
彼の力強い腰の動き
女陰より滴り落ちる鮮血を認めると、以前にも増して強くなる様な気がする。
「俺はうれしいよ。ベアトリクス」
そう言って腰を引くと、再び入り込んでくる。
「お前が誰の手にも落ちなかったという事実」
首を盛んに横に振りながら、思わずシーツを強く引く。
彼は右足を持ち上げ、自身の方に乗せる様に姿勢を動かす
男根を車軸の様にして体が捩れる
「ああ……」
苦悶の声とも悦楽の叫びとも取れぬ嬌声を口にする
腰高位の姿勢で始まった性行為は次第に、松葉崩しと称される姿勢に変わって行った
ベアトリクスは、次第に淫靡な欲望の海に沈みつつあった。
体の一番深い所を鋭い太刀で貫かれるような痛みと謂うべきか……。
最初は体が真っ二つに裂けてしまったのではないかと思うぐらい痛かった。
ユルゲンが腰を振り、男根を陰裂の中にある肉壁にぶつける度に快感に変わって行った。
例えるならば、耳介を下で舐められるような快感に似た痙攣が全身を走る。
何とも奇妙な感覚だ。
それは体の奥底からほとばしる様な快楽の昂ぶり。
その感覚が少しづつ快楽へと変化し始めている。
自分で陰部を擦り付け、慰めるときの様な感覚とは、また違う。
段々と気が遠くなり、頭が働かなくなってきた時、ユルゲンの声が聞こえた。
「もう辛抱できない……、一思いに行くぞ」
ユルゲンは躊躇することなく腰を激しく抽送させ、精は放つ。
彼の体が震え、熱い何かが入ってくるのが判る。
膣中で男根が上下に顫動し、体に電撃の様な物が走る。
「あああっ……、ううぅん!」
嬌声を上げると、思わず全身の力が抜けた。
気が付くと、既に灰色の純毛毛布に身を包んで寝台の上に横渡っていた。
濃紺のネグリジェに着替えさせられていた事を恥じ、思わず両手を交差させる。
起き上がって周囲を確認すると、一人窓辺に立つユルゲンの姿が認められる。
深緑色のナイトガウンを羽織り、黒無地の革製サンダルを履いている。
近くのテーブルの上にはフランス製果汁酒の老舗ルジェ*1社のクレーム・ド・カシスの大瓶。
イギリス製のシュエップス*2社製のソーダ水と共に、筒形のアイスペール。
氷の入ったグラスを傾けながら、窓外の景色を眺めていた。
一人酒を飲んで、黄昏ている彼に声を掛けるのを憚ったベアトリクスは、じっと見つめていた。
未だあの熱い情交は忘れ難く、女陰の奥底からの痛みも癒えない……
そっとグラスを置いたユルゲンと目が合う。
「目が覚めたのか……」
目頭が綻び、此方に顔を向ける。まるで憑き物が落ちたかのような晴れ晴れとした表情。
実に何年ぶりに見たのであろうか……。
思えば12の頃、初めて水泳場でユルゲンに会った時、以来ではないか。
「お前には辛い思いをさせてしまったな」
深い溜息をつく彼をそっと見つめる。
ベアトリクスは何とも言えず、ただ彼の名を呟いた。
「ユルゲン……」
「なあベアトリクス、気が早いかもしれぬが子供は何人欲しい」
そう言うと、ベアトリクスの顔に自身の顔を近づけた。
ユルゲンの口からは、仄かに香るカシスの匂いとアルコールの臭気。混ざりあって何とも言えぬ匂いを放つ。
「そんなことは人知の及ばぬ所よ」
ユルゲンは、ベアトリクスの左肩に右手を回し、体を引き寄せる
ベアトリクスの唇に自身の唇を重ねると、彼女の両肩に手を掛けてゆっくりと押し倒した。
ユルゲンは、野獣の様に荒々しく口付けをした。
次回以降は不定期投稿になります
ご感想、頂ければ幸いです
2022年7月17日 追記
元のテキストを操作ミスで消してしまいました。
(大本の投稿は、2022年06月05日(日) 23:00です)
別の場所にとっておいたバックアップから復元し、ユルゲンの人物像や政治的な表現は削りました。
(ユルゲンの人物像や政治的な表現は、別な話に振り分けるか、『冥王来訪』本編だけにするか、検討中です)
『エッチな話を見たい!』のに、『親米反ソ』とか『戦士としての心構え』って必要かなと考え直した結果です。
男女のいいムードをぶち壊しにする政治表現は、なるべく控えます。
ご迷惑をおかけしました。