ベアトリクス・ブレーメの淫靡な夢 作:雄渾
アイリスディーナは、一人書籍を脇に抱え、自宅の廊下を歩みながら思った。
数日前、兄の面前に自身の裸身を
あの日以来、義姉・ベアトリクスとは口も聞いていない。
講義中や教練の際は受け答えはするが、雑談と言う物は一切しなくなった。自分に対して思う所があったのは判る。
兄・ユルゲンもそうであった。あの日以来、兄は顔を赤らめて黙り込むだけになってしまった。
思えば幼い頃両親が離婚して以来、兄と二人で暮らしてきたが兄を男として意識したことがあろうか。
当年23歳になる陸軍中尉の兄、ユルゲン・ベルンハルト。
その兄の
18歳の少女にとって、その様な
何時の頃からであろうか、兄・ユルゲンはアイリスディーナにとって心をドキドキさせる存在になりつつあった。
別に兄への偏執とは思ってはいない。
空軍士官学校を出てからの兄は、実に
自身が思春期の真っ直中に居るのも関係して居ようか。
実際、肉親の情を除いても、兄は美男子。兄程の
件の男は、そんな兄を
男でさえも魅了する程の容姿、それ程までに兄・ユルゲンの美しさは
ふと兄の寝所の前に立ち止まる。
台所から少し奥まった所にあるこの部屋は、キングサイズのベットと机があるだけの簡素な造り。
ドアノブを回すと、正面にベットが見え、布団や毛布は軍隊の形式に則って、綺麗に畳まれ積んであった。
椅子の上に掛けてある灰色のVネックのウールセーターを手に取る。
顔を近づけると雄々しい香りが
そっと頬に近づけると、不思議と
胸一杯に送り込んだ匂いは、兄と言うより男の匂いという感じがする。
「何をしてるんだ」
低い声は鋭く尖っており、心臓を一突きするように思えた。
背後からサッと兄が忍び寄ってくると、手の中にあるセーターを奪い取る。
ユルゲンは、奪い取ったセーターを椅子の背もたれに投げると、アイリスディーナの顔色を窺う。
「こんな場所に何の用だ」
兄の瞳からは
誰であろうと断りの一つもなく寝所に忍び込まれれば怒るであろう。
だが、先程と比してユルゲンの口調は穏やかな感じに変化していた。
「あ、いや……」
言葉に詰まった彼女は、おろおろと視線を
そんなアイリスディーナの様を見て、ユルゲンは
「俺の寝所に出入りするってことは、何か物でも探してたのか」
ユルゲンは、何時もの優しい兄の声に戻っていた。
「御免なさい、兄さん」
「男の寝所に興味を持つ……。お前も年頃の娘になったという訳か」
火を灯した様に
まるで自分が
一瞬見せる遠くを見るような目。
ユルゲンのそんな表情に、アイリスディーナの胸は締め付けられるような感覚を得る。
胸がドキドキしてきた。
アイリスディーナは鼓動の高まりと共に、全身が熱波の中に据え置かれた感覚に陥る。
頭の中がボンヤリとして来て、腹の奥底から湧き上がってくる。
ユルゲンの顔を見つめながら、そわそわと落ち着かない気持ちになっていく。
頭の裏側が麻痺し、体の中を熱い何かが駆け巡る。
兄の面前で、こんな不思議な気持ちになっていることが信じられない。
しかし、アイリスディーナをそんな気にさせたのは、間違いなく兄のユルゲンであった。
ユルゲンの目の前のアイリスディーナは今までに見た事のない表情をしている。
とろんと
「えぇ……」
どうすべきであろうか、ユルゲンは思い悩んだ。
彼もまた心臓が張り裂けんばかりの鼓動に苦しめられ、
此の儘では収まりがつかないのではないか。
「兄さん、ベアトリクスと同じように私を見つめてくれませんか」
そう呟いた妹の
アイリスディーナの瑞々しく潤った眼が、真っ直ぐにユルゲンの碧眼を見つめる。
妹の表情は、
「
何を伝えれば良いのであろうか、どう接すべきか、ユルゲンは迷った。
妹の告白とも取れる一言、ユルゲンの理解の
「そうですよね、軽蔑されますよね。今だって……、兄さんの事をこんなに思う……。
ベアトリクスが言うように、私は淫らな女かもしれません」
「そ、そんな事はないぞ!」
ユルゲンは頭を振る。
何を答えるべきか迷ったが、それだけは違うとはっきり認識できた。
「アイリスディーナ、お前の事を軽蔑したことなんか、一度もない。
淫らな女なんて……、そんな訳あるはずないじゃないか。
お前の事が好きなんだよ!」
思えば、とんでもない事を口走ってしまった物だ。
言葉にしてみて、事の重大さにユルゲンは初めて気が付いた。
ユルゲンは、そっとアイリスディーナの体を抱きしめる。
アイリスディーナの頬は西日に当てられたかのように赤く色付く。
青くサファイアの様な神秘的な瞳で、彼女の顔を覗き込む。
兄からの見入る様な視線に、ドキドキし始めた心臓。
何時もより速い速度で鳴り響く鼓動は、当分止みそうにない。
ユルゲンの顔を直視することが出来ずに、思わず俯いた。
兄の細い指が、ゆっくりと彼女の背中を撫でていた。
全身を駆け巡る電撃と共に、むず痒い様な不思議な感覚が、下腹部に広がってゆく。
アイリスディーナは、自分が何を求め、どの様にしたいのか、良く判らなかった。
何故、兄を好きなのだと言ってしまったのであろうか……
兄が好きだという気持ちには、嘘偽りはない。
しかし、血を分けた兄に対してこんな気持ちを抱いている自身は、おかしいのではないか。
そんな思いが心の片隅にあるのも、事実だ。
「俺は狂ってる」
ユルゲンは気持ちを落ち着けると、穏やかな口調で言い放った。
「幼い頃より、父母の代わりにお前の事を立派に育て上げ、
兄は、幼子を諭すように語り掛ける
「アイリス。俺の事は、兄と思って諦めてくれ。
また辛くなった時は今の様にこの胸で
心のどこかで、何れはアイリスディーナが、ほかの男の物になるかもしれない……。
でも血のつながった兄妹が愛し合うなんて間違っているのではないか、そう考えてた時もあった。
だが、たった二人の家族。
見知らぬ男の妻となり、辱められる様を想像すると耐えられなかった。
ユルゲンは顔を上げる。今にでも夕立が来そうな暗い影を負っていた。
「今の俺は狂っている。
このまま行けば、お前と言う人間を全くの
己が心に秘めた獣性を
そう考え、彼女に諦める様に必死に
「兄さんが狂っているのならば、私も同じです。
なぜなら兄さんの事を愛しているからです。
だから、あの娘の事を可愛がるのを止めてくれませんか」
「アイリスディーナ……」
必死に想いを伝える内に、アイリスディーナは己が胸の内にある
兄がベアトリクスと熱い情交を結んでいる事が我慢できなかった。
昨日、脱衣所の入り口で見たように、兄はあの
アイリスディーナには、その事が耐えられなく成りつつあった。
それは多分、兄の事を本心から愛しているからではなかろうか。
彼女は自身の
今回より通常小説の技法に則って地の文に句点を着けるようにいたしました。
フューチャーフォンの画面で読む際、句点があると鬱陶しいと思い、今までは携帯小説の技法で排除してきました。
フリガナや句読点で読みづらいな、違和感があるなと言う場合は、ご意見いただければ幸いです。
ここでも、暁の方でも構いません。
また、最後にアンケートにお目通しいただければ幸いです。
アイリスディーナと近親相姦の展開は何処まで希望
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最後までする
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前戯のみ
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接吻
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抱きしめるだけ
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お兄ちゃん、許して