ビヘイリル王国での戦いから数年が経ち、グレイラット家は平穏な日々を過ごしていた。
その家の主人、ルーデウス・グレイラットの三人の妻の中の一人、エリス・グレイラットもその平和を謳歌していた。夫との間に二人の子供も産まれた。子育てや家事の手伝い、ルード傭兵団や魔法大学での剣術の指導、夫の護衛にと生活も充実している。ある一点を除いては。
最近、あまりルーデウスとできていないのだ。彼が同じく妻の一人、シルフィとの三人目を作るために他の妻との回数を減らしているためだ。
エリスとて、順番は理解している。もし、自分との子が先にできてしまったら、シルフィは長耳族の血のせいで子供ができにくい己を責めるかもしれない。かつて頑張りを認めてくれ、色々と相談にも乗ってくれる彼女を、エリスは落ち込ませたくはなかった。
「ルーデウス……」
夜遅く、自分の部屋で枕を抱いて彼を想う。今頃、ルーデウスはシルフィとしている最中だろう。エリスは少々の嫉妬を覚えたが、今は我慢しなければと思い直した。だが、いつまで我慢できるだろうか。このままでは仕事中、衝動的にルーデウスを押し倒してしまうかもしれない。
しゅる……
寝間着のボトムスを下した。パンツの中に己の指をすべり込ませる。
パンツの中は湿度を帯びていた。指を下の口に持っていき、気持ちいいところを探した。ルーデウスとの情事を思い出しながら、指を動かした。
「ハァ、ハァ……んッ……」
くちゅくちゅと秘所が音を立てる。
ルーデウスにされたエッチなことを思い出す度に興奮は強くなり、自然と指も激しく動かしていた。
「あ、あっ……んッ、はぁ……!」
身体がびくりとして、軽く達したのがわかった。だが、ルーデウスとの情事での快感と満足感には遠く及ばない。とても足りない。自分でいじるのはあまり上手くないし、ルーデウスにされた時はもっと良かったのだ。
右手を見ると、愛液に塗れている。このまま寝る訳にもいかないので、部屋を出て流し台へ向かう。手を洗ってから、戻る時のことだった。
「……!何だ、エリスですか。あなたも起きてたんですね」
ロキシーだった。一瞬驚いたような表情をしてから、いつものすまし顔になる。暗くてよくわからないが、顔が少し赤いような気がした。
「そっちこそ、なんでこんな時間まで起きてるのよ」
「何だか眠れなくて……。もしかして、エリスもですか?」
「……そうよ。なんだか落ち着かなくて」
エリスが自分の部屋に戻ろうとすると、ロキシーから声をかけられた。
「眠れないのなら、せっかくですし……二人でお話ししませんか?」
「構わないわ」
このまま部屋に戻っても、火照った身体を持て余して眠れそうになかったし、今夜はおしゃべりして過ごすのも良いかと思い、エリスは頷いた。
◆ ◆ ◆
ロキシーの部屋で二人は最初、他愛のない話をしていた。子供たちについて、仕事であった出来事、お互いの冒険についてなど……。
発端は、シルフィの話題になったことだった。
「そう言えばシルフィ、今頃はルディにどんなことをされているんでしょう」
「知らないわよ。後で会議の時にでも聞けばいいわ」
「そうですね。でも、最近わたしたちはしてませんから、会議の時にあまり話せるネタがありませんね」
「そうね」
ロキシーが少し考えるような仕草をした。エリスはきょとんとして彼女の顔を見つめる。
「エリスは、ご無沙汰な時にどうしてますか?」
「急になによ……」
「わたしはその……一人でしちゃうんですけど、エリスはどうなのか気になりました」
先ほどまでしていた行為を思い出し、エリスは顔が熱くなるのを感じた。
「……そうね。私だってすることもあるわよ」
「ふふっ、エリスもそうなんですね。エリスは一人ではしないのかと思ってました」
「そんなに一人ですることはないわよ。……ルーデウスにしてもらうほど気持ち良くないもの」
ロキシーもエリスもなんとなく変な空気になってきたのを感じてきていた。お互いに欲求不満なせいだろうか。
「……わたし、ルディとするまでは何十年もずっと一人でしていたんです。だから、ルディとするほどではありませんが、気持ち良くすることができるんです。しばらくは今の状況が続きそうですし……良かったら、エリスにもやり方を教えましょうか?」
エリスとロキシーの目が合った。なんだか恥ずかしくなり、エリスは目を逸らした。女の子同士なのに、なぜ恥ずかしがる必要があるのかわからないが、ロキシーの目からただならぬ気配を感じたのだ。
「ダメよ、恥ずかしいわ」
「この前、四人でした時にあんなに乱れてたんですから、今更ですよ」
「それを言わないでよ……」
「恥ずかしがるエリスは可愛いですね。きっと、ルディもそう思ってると思いますよ」
ロキシーがエリスの手を取り、自らの秘所へ導いた。彼女のパンツの中は湿り気があった。もしかしたら、ロキシーも自分と同じように先ほどまで一人でしていたのかもしれないと、エリスは思った。
くちゅくちゅと、ロキシーに言われるままエリスは指を動かす。気持ち良い場所に触れたのか彼女がぴくりと動いたのがわかった。
「はぁ、はぁ……エリスの指遣いは力強くて、ルディの指を思い出します」
「やっぱり、女の子同士なんていけないわ……」
「二人で一人エッチをしているだけですから、問題ありませんよ。ルディにされてると思ってみてください」
ロキシーもエリスの秘所に手を伸ばした。いつもなら拒絶するところだが、四人でする時に見たロキシーの技を思い出す。彼女にいじられたら、どれほど気持ち良いのだろう……欲求不満になっていたエリスはそう思ってしまった。
「びしょびしょです、エリスも溜まっているんですね」
ロキシーがエリスの秘所をいじりながら言う。彼女の指遣いは巧みで、エリスの反応を見ながら的確に気持ちの良いところを刺激してきた。
「あッ……んんッ……はぁ……ん……!」
欲求不満で火照ったエリスの身体には気持ち良すぎる刺激だった。ロキシーのアドバイスに従い、ルーデウスにされてると思うことにして、身を任せた。
「ハァ、ハァ……あんっあっあああぁ!」
エリスが達すると、下の口から愛液の噴水が起きた。
「きゃっ!エリスは濡れやすいんですね」
エリスにとって久しぶりの絶頂だった。潮まで噴いてしまったことに恥ずかしくなる。
「さっき、わたしがしたようにエリスもやってみてください」
先ほどのロキシーの指遣いを思い出しつつ、ロキシーの秘所を刺激する。ロキシーは指遣いについてエリスにアドバイスしつつ、自らの胸をいじっている。
「はぁ……はぁ……いいですよ、気持ちいいです」
いやらしい水音と二人の荒い呼吸音が部屋に響く。その淫靡な雰囲気が二人の興奮を増幅させた。エリスの指が自然と荒々しくなる。
「ああ、ルディ……。そこ、いいです!もっとしてください」
ぐちゅぐちゅと荒々しく、ロキシーの気持ち良い場所をエリスが刺激する。間もなく肉襞が痙攣するのを感じ、ロキシーが達したのがわかった。
「はぁ……はぁ……。まるでルディのように荒々しくて良かったです」
「ロキシーもまるでルーデウスのようにいやらしかったわ」
「今度はお互いにやりませんか?」
二人は互いの秘所に手を伸ばし、残りの手で自らの胸をこねくり回した。己とは違う指先をルーデウスと思うことで火照った身体を慰め合う。
「はぁ……はぁ……ルディ!ルディ!」
「ルーデウス!あんっ……あっ……!」
想い人の名を叫びながら、二人は達した。
その後も二人は火照った身体を慰め合った。
夜更けになり、ロキシーが明日の仕事に備えて寝るまで、それは続いた。
エリスが部屋から去る時に、ロキシーが声をかけた。
「もし、一人ではダメそうな時はわたしの部屋に来てください。また、教えますから」
「……わかったわ。その時はお願いするわね」
顔を赤くしながら、エリスは頷いた。
ルーデウスが避妊具を発明するまで、二人は慰め合って家庭の平和を守ったのであった。