後編は日付けが変わるまでに投稿しますので、楽しみに待っていてください。
また活動報告のリクエスト募集も続けておりますので、皆様のリクエストをお待ちしております。
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俺ことハジメ・グシオンは上級悪魔だ。
そして一族復興のために眷属を探してるわけだ。
だが、今は俺一人、森の中にいた。
…ははっ、なぜって!?
「あいつらどこ行ったんだよぉおおおおお!!!!!」
俺は叫びながら森を走り回っていた。
そう、あいつらが急にいなくなりやがったんだ!
俺を置いて!!
確かに妖精が信仰されてる村だからって興味津々なのはわかるが突っ走るな!そして俺を置いていくな!
「はぁ…」
まぁ、喚いたところであいつら戻ってくるかわかんねぇし、とりあえず進むしかないよな。
それに、あいつらは俺の眷属だ。
そう簡単にやられるようなやつじゃない。
…でもやっぱり置いていったことに関しては許せねぇ!!
あいつら…、今日の晩飯ピーマンづくしにしてやるからな…!
「ん?」
ふと、何かが降ってくるのが見えた。
そして、それが俺の目の前に着地した。
そいつは小柄な少女で、全身をメタリックブルーの鎧を包み、両手にはトンファーと盾が合体した武器を持っていた。
長い白髪を棚引かせたその少女の顔は鎧と似たバイザーが取り付けられている。
「…やぁ、君がハジメ・グシオンだね?」
「そうだが、お前は誰だ?」
「失礼。
ここはちゃんと顔を出して挨拶するよ」
そう言うと、顔に取り付けていたバイザーが胸元までスライドして、その素顔が露になる。
それは、とても整った顔をしていて、どこか人形のような印象を受ける。
それでいて幼さの残る顔立ちで、2つの金色の瞳は綺麗で、鏡のように俺の姿を写してるようだ。
「私はメリュジーヌ、この先にある村で騎士をしているものだよ。
君の眷属を名乗る子たちから話を聞いて、迎えに来たのさ」
「おーう、そりゃありがてぇ。
俺はハジメ・グシオン、上級悪魔だ」
「うん、聞いているよ。
では行こうか、みんな待ってるよ」
メリュジーヌと名乗る少女についていきしばらく歩くと、急に周りを何者かが囲みこんだ。
「おいおい、まだ村に着いてねぇのに、随分なご歓迎だな」
「違う!
こいつらは…!」
「ほう、村の騎士に、ハジメ・グシオンまでいるじゃないか」
「ひひっ、鴨がネギを背負い込んでやがるぜ!」
現れたのは黒いフードを被った連中で、全員武装している。
数は20人ほどか?
どう見ても友好的じゃなさそうな連中だな……。
「あぁ、そういう事か。
つまりテメェらの狙いは俺の首ってことだな」
「そういうことだ。
貴様のような下衆な悪魔があるせいで、信者たちもただただひよってしまうのでな」
「生贄だの何だの言っておいて、目的のためなら無関係なやつすらブチ殺す下衆共が言えた口かよ。
鏡見て物言えよバーカ」
「ふん、そんな減らず口を叩けるのも今のうちだけだぞ。
我らが崇高なる使命のために死ねぇ!!」
一斉に襲い掛かってきた奴らを返り討ちにしようとした瞬間だった。
ザンッ!!
「は?」
そんな音と共に、奴らの内一人の首が飛んだのだ。
一瞬のことでわからなかったが、今ようやく理解した。
俺の隣にいたメリュジーヌが、とてつもない速さで俺の前に立ち、奴の首をトンファーで斬り飛ばしたのだと。
首から上がなくなった奴の体は断面から血飛沫を撒き散らしながら倒れる。
その光景を見て他の連中の動きは止まり、数秒遅れて悲鳴を上げる。
「ぎゃああぁぁぁ!?」
「な、なんだコイツ……!?」
「速すぎんだろ……!」
「これでわかったかな?
この人は僕の大事な恋人、いや客人なんだ。
それ以上近づくなら、今みたいになるけど?」
「ん?
お前今一人称変わったか?
…てか恋人ぉ!?」
こいつ、今耳を疑うこと言ったぞ!?
…ってそんなことを考えてる場合じゃない!
むしろ奴らは自棄になって襲い掛かろうとしていやがる。
「くっ、良くも同胞を!
掛かれっ!!殺せっ!!そして同胞への手向けにするのだぁ!!」
リーダー格の男が叫ぶと、連中は一斉に動き出す。
だが、次の瞬間には全員がバラバラになっていた。
「へ?」
リーダーが間抜けな声を出した。
なぜなら、いつの間にか俺の周りを囲っていたはずの敵が、バラバラに斬り刻まれたからだ。
もう先程まで人間の形をしていた肉片が、辺りに散らばっている。
メリュジーヌが、一瞬消えるように移動して斬り込んだのだ。
「言ったはずだよ?
それ以上近付くと、今みたいになるって。
そんなこともわからないの?ふざけてるの?」
そう言いながら、また一人、敵の体を真っ二つにしていた。
「ひっ、ヒィイイッ!?」
そして、ついにリーダー以外の連中が全滅し、腰を抜かしてしまっていた。
「最後は君一人だけど、どうするの?
このまま無謀に立ち向かって今みたいになるか、大人しく去るか、どちらか一つ選ばせてあげる。
まぁ、僕としては仲間の増援が来る前に君を始末しておきたいけど」
メリュジーヌの言葉に、リーダーの男は恐怖で震えていた。
無理もないだろう、目の前にいる少女は、今まで見てきたどんな存在よりも恐ろしかった。
「ぐうっ!
この、化け物がぁああああああああ!!!!!!!!」
恐怖のあまりに、自棄になったリーダーが突っ込んできた。
だが、そいつを今度は俺が銃で頭を撃ち抜いた。
やつは目を見開いたまま、地面に倒れた。
当然、頭を撃ち抜いた時点で即死だ。
「…何も、わざわざ君まで手を出さなくて良かったのに」
「いいんだよ、こいつら俺のことも狙ってたわけだしな」
「まぁ、たしかにそうだけどね。
でも、僕たちはこいつらに何度も襲撃されてるんだ。
だから、村に危害を加える輩は許してはおけないんだ。
実際、僕たちと同じく、妖精を信仰する他の村でも同様にはぐれエクソシストに襲われてたって聞いたことあるしね」
「どんだけお前らを殺したいんだよこいつらは…」
「そんなの、僕だって知りたいよ。
僕たちは、ただこの村でひっそりと暮らしてるだけで何も悪いことなんてしてないのに…」
そう言って、彼女は俯いた。
……確かに、こいつの言う通りだな。
「あー、その、なんだ……。
さっきは助けてくれて、ありがとな」
「ううん、気にしないで。
僕も当たり前のことをしたまでだから」
「そうか。
…なぁ、話変わるが、お前さっき一人称が私だったのに、何で今僕になってるんだ?」
「えっこれ?
…あぁ、これはまぁ公私の切り替えみたいなものだよ。
個人としては私、騎士としては僕ってね。
どちらも私だし、根本が変わるわけじゃないから、安心して?」
「…そういうのもあるんだな。
ところで、これが一番気になってたんだが、さっき俺のこと恋人だって言ってたろ?
あれって、どういうことだ?
俺たち、初対面だろ?」
すると、メリュジーヌは少し顔を赤らめながら答える。
「えっと、その……一目惚れっていうのかわからないけど、君を見たときにビビッときちゃったんだ。
それに、私は相手を見た瞬間に、直感的に未来を見ることができるんだ。
だからね、君は私の恋人にしてつがい。
君は私を眷属にして、私は君を恋人として愛する。
それが私たちの運命であり宿命であるって、見えたの」
「…………は?」
俺は思わず素の反応をしてしまった。
だが、仕方ないことだろう。
出会って数分の女にいきなりプロポーズされたんだぞ?
こんな経験、誰もしたことないだろう。
「いや、あのな……。
いくらなんでもそれは突拍子もなさすぎるだろ……」
「あ、あぁ…うん、確かに君は信じられないかもしれないけれど、本当なんだよ? 僕は、嘘なんかついてないし、ましてや君を騙すつもりもないよ。
ただ、どうしても僕の気持ちを伝えたかっただけだから」
「……ん? ちょっと待ってくれ。
それじゃあお前は、本当に俺を恋人にしたいと思ってるのか?」
「うん、そうだよ!
それに、僕は強いし、最強なんだ!だから、絶対に君のことを幸せにするよ!」
「さいですか……」
「ねぇ、ハジメ。
お願い、僕を、私を信じて?」
「ぐぅっ!?」
潤んだ瞳で上目遣いをしながらそう言われてしまい、俺は一瞬言葉に詰まってしまった。
くそっ、反則だろこれ……。
「わかった、信じるよ。
俺も、眷属探しをしてるわけだし、お前が俺の眷属になりたいなら、なればいいさ」
「ほんとにっ!? やったぁ!! ありがとう! 君ならそう言ってくれると思ったよ!!」
そう言うと、メリュジーヌは満面の笑みを浮かべ、俺に飛びついてきた。
「ちょっ! おまっ! 抱きつくなって!!」
「えぇ~いいじゃん別にぃ。
はぁ〜、君の身体あったかいし柔らかい……♡」
「おいこら、胸を押し付けてくるんじゃねえ。
離れろって、そのチクチクした鎧が当たって痛いんだよ!」
「あっごめんね?
…ここだといつまたあんな連中が来るかわからないからねぇ。
そうだ、ここは君を連れて、ひとっ飛びで村まで連れて行ってあげるね?」
「えっ、おいそれってまさかって、うぉおおおおおおおおおおお!!!!!!!????????」
俺はメリュジーヌに抱き着かれる形で、そのまま村へとマッハレベルで向かうのであった。