2Bの一件もあり、ミカヅキは現在分かっている教会での実験生物に関する調査を行っていた。
その中で判明しているだけでも英雄シグルドの血を引く者の中から、魔帝剣グラムを扱える「真の英雄シグルドの末裔」を生み出すことが目的であるシグルド機関などが問題視していた。
この機関で行われた実験で産まれた試験管ベビーであり、倫理的に問題のある行為も数多く行われていたらしく、同じくエクスカリバーを扱う為の子供を生成している事が、ミカヅキ達の調査で明らかになった。
「本当に面倒な事になっているな」
本来ならば、ミカヅキ自身は放浪の旅を好んで行う。
その為に様々な所からの依頼を口実に旅を行っていたが、先日の一件で、それが行えなくなった。
「それならば、後悔するか?
2Bを眷属にした事を」
「2Bを眷属にしたのには後悔はない。
まぁ、あるとすれば、こういう厄介事をさっさと片付けたい時に、俺自身が動けないってところだな」
「それは仕方がないじゃろ。お主は一応は最上級悪魔だからな」
「そうだけどよぉー」
ミカヅキは不満そうな表情を浮かべる。
「それにしても、まさかエクスカリバーを扱う為に、こんな事をするとはな。
リアスの奴から、それ関連の話は聞いた事があったが、まだやっていたとは」
ミカヅキの言葉を聞きながらキスショットも同意する。
そもそもの話として、今回の件に関しては、ミカヅキ達は当事者ではない。
何故なら、今回起こった事は、全ては教会内部での出来事なのだからだ。
しかし、それでも教会という組織が関わっている以上は無視できない案件だった。
そうして、ミカヅキ達が向かったのは、エクスカリバーで有名なブリテン。
そこの教会周辺にある街へと訪れた。
イギリス特有の空気にミカヅキとキスショットは懐かしい気分になる。
そして、ミカヅキとキスショットは宿を取ろうとしたが。
「んっ?」
街の道の隅で何かが倒れている。
それに気づいたミカヅキは近づく。
そこには黒い布同然の衣服だけを身に纏っている女性で、包帯で巻かれた巨大な槍のような何かだった。
女性の容姿は、はっきり言えば美人である。金色の髪に同じ金色の瞳をしており、顔立ちは非常に整っておりスタイルも良い。
そんな女性がなぜここに。
そう疑問に思いながら、ミカヅキは近づくと
「んっ?」
その耳が聞こえたのは空腹を意味する音だった。
「お腹、減りました」
「・・・・」
その言葉にミカヅキは先程まで心配したのがバカバカしくなり、その場から去ろうとした。
しかし、ミカヅキはその場から動く事ができなかった。
それは、彼が罪悪感に押し潰されて、動けなくなったのではなく
「おい、離せ」
「お願いします。
何か食べ物をください」
先程の女性がミカヅキの足を掴んでいたからである。ちなみにこの女性は全身に怪我をしている上に服もボロボロであり、正直なところ目の毒であった。
ミカヅキはその手をなんとかしようとしたが、まるで万力のように、その手は離さなかった。
「あそこから脱出して、金を持ち出す事を忘れて、早数日。
このチャンスを逃す訳にはいかないんです」
「いや、それを子供に向けて言う台詞か」
見た目は完全に子供であるミカヅキに対して、女性は容赦なく言う。
「とにかく、私を匿って下さい」
「断る」
「なんですか、あなたは! 人がこんなにも困って頼んでいるのに!」
ミカヅキの即答に対し、女は怒鳴り声を上げる。
それに対してミカヅキは冷めた視線を向ける。
「はぁ、分かった。
とりあえず、飯ぐらいは奢る。
だから、その手を離せ」
「本当ですよね、嘘をついていませんよね」
そう言いながら、彼女はミカヅキの足を掴むのをやめた。
「ああ、約束する。
だから、手を離せ」
「ふぅ、良かったです」
そうして、ようやく女性の手が離れる。
正直に言えば、この女性が近くにいた時から、ミカヅキの体調は優れなかった。
それは、彼女の背中にある槍のような何かの影響か、分からない。ただ、ミカヅキの直感が、あの槍からは異様な気配を感じた。
しかし、それでも見捨てる事ができない辺りが、彼の良さでもあり欠点でもあるだろう。
そうして、彼女を連れて、レストランに向かう。
「にしても、よく食うな」
そこで彼女はミカヅキ達よりも多くの料理を食べていた。
しかも注文した料理を全て食べるのでなく、少しずつ摘まんでいく。そのペースはかなり早い。
(こいつ。どれだけ食い溜めすれば気が済むんだ)
内心では、ミカヅキは引き気味になりながら、彼女を見ている。
「はぁ、助かりました。
教会から逃げたのは良いんですけど、やはり外では金が必要でしたか」
「教会から逃げただと」
その一言と共に、ミカヅキは女性を睨み付ける。
「紹介が遅れました。
私はアルトリアです」
「どうやら、思ったよりも早く見つける事ができたか。
一応聞くが、お前は教会とはどんな関係だ。
逃げ出したと言うと」
「そうですね。
その辺の事情に関して詳しく話をすると、長くなりますが、よろしいでしょうか?」
「構わない」
その言葉と共に、アルトリアは語り始める。
教会が聖剣『エクスカリバー』を扱う人間を造る計画で生まれたホムンクルスの一体。
アーサー王の遺伝子を使っているので聖剣や聖槍を使う因子を持っており教会が保有している聖剣と聖槍を使う事ができる。
教会はアルトリアを成功作としていたがそれ故にアーサー王由来のカリスマ性を持っているのを恐怖した一部の上層部がアルトリアを排除する事になった。
アルトリアはそれを感知し、教会が保管していた複製されたロンの槍を持って脱走した。
しかし、これまで教会内で過ごしていた為、彼女自身の金銭はほとんどなく、先程まで、生き倒れていた。
「これが、事の経緯です」
「なるほどな。
どうやら、俺が調べた案件とも関係があるようだ」
アルトリアの説明を聞いて、ミカヅキはある事が引っ掛かっていた。
(聖槍を使う因子を持っていた。
それが、教会にとっては厄介なのか?)
疑問を感じつつも、目の前で美味しそうに食事を食べる女性を見ていた。
その食べ方は豪快かつ、素早く次々と料理が口の中に入っていく。
「それで、アルトリア。
お前、これからどうするつもりなんだ」
「・・・そうですね」
同時に先程までのポンコツぶりは潜め、真剣な表情へと変わる。
「教会に対しては、特に恩はありません。
ですが、あそこにいる、私の同胞を救いたい。
だからこそ、あなたに契約をしたい」
「ほぅ、悪魔に対して契約か」
「えぇ、この身、如何様にしても構わない。
だからこそ、我が同胞を救うのに協力して欲しい」
「・・・協力ね。
ならば、断る」
「そうですか」
その言葉と共にアルトリアは少し残念そうに言う。
「だけど、俺の眷属からならば、叶えよう。
俺の眷属の願いは、俺の願いだ。
その身、如何様にしても良いならば、俺の力となってくれ」
「それは、それで良いんですか」
「聖槍を扱える奴なんて、そういない。
それをこちらに引き込めるのであれば安いもんだ」
ミカヅキの提案を聞いたアルトリアは驚き、同時に考える。
「いいでしょう。
我が槍はあらゆる城壁を打ち破る。あなたの道行きを阻むもの、すべてを打ち砕こう」
「ふっ、良いだろう」
その言葉と共に、新たな眷属を向かえる。
登場するヒロインは
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ロイガン・ベルフェゴール
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キスショット
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妖精騎士ガウェイン
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アルトリア・ペンドラゴン
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ブラダマンテ
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ナイチンゲール
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長尾景虎
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マシュ・キリエライト
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ニキチッチ
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巴御前
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玉藻の前
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ミラ
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ウィズ
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2B
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クレア・ヴィクトリアス
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カリオストロ