「景虎が言っていた場所はここか」
その言葉と共にミカヅキが訪れたのは、とある神社だった。
景虎との戦いを制した後、眷属となった景虎から教えられた言葉。
それはとある神社にある御神刀。
そこに取り憑いている霊の事について。
日本各地を旅する目的の一つとして、これまで未知だった事についての調査をする事になっているミカヅキは景虎の言葉を聞き、神社に訪れた。
神社は、ほとんど手入れされていないのか、辺り一面は草木が生い茂り、荒れ果てていた。
そんな境内の奥の方には、一本の古びた剣があった。
ミカヅキはその古ぼけた剣の前に立つと、おもむろに手を伸ばす。
しかし、触れる前に動きを止める。
そして何かを考えるように顎に手を当てながら呟いた。
「ふぅん、確かに霊はいるな。
なぁ、そうだろ、あんた」
そうしながら、ミカヅキは手に取った瞬間から感じた後ろにいる気配に目を向ける。
その女性は一言で言えば、まさに亡霊だった。
腰まで伸びているだろう白い髪に、赤い目。
ボロボロの着物を身に纏い、まるで幽鬼のような出立ちをしている。
「景虎から聞いた限りだと、本当のようだな。
あんたが巴御前?」
「物の怪の類が、この地で何用か。
いや、関係ない」
そう、巴が呟くと共に、その手には何時の間にか薙刀を手に持っていた。
「この地に侵入した、物の怪は滅する」
巴は薙刀を構えると、ミカヅキに向かって突撃してくる。
それを見据えるミカヅキは魔方陣から取り出したのは、巨大なメイス。
手に持ったメイスでその薙刀を受け止めようとするが、巴は薙刀を振り抜くのではなく、そのままメイスに向けて振り下ろす。
メイスは地面に叩きつけられ、轟音とともに地面が陥没する。
それを見て、ミカヅキが口角を上げた。
巴はそのままメイスを踏み台にして飛び上がると、空中から勢いよく薙刀を振るう。
それに対してミカヅキはバックステップをして回避する。
「ふむ、幽霊だと聞いたが、とんでもないな」
目の前にいる巴は幽霊だが、その戦い方はまるで炎を思わせる程の熱量がある。
そんなことを考えている間にも、巴は薙刀を連続で振るってくる。
それをミカヅキはメイスを盾のように使いながら、防ぎ続ける。
しかし、このままではジリ貧だと判断したのか、ミカヅキは巴が薙刀を引いた瞬間を狙って懐に飛び込む。
そして、メイスの先端部分を思いっきり巴へと向けた。
巴は咄嵯の判断で後ろへ下がるが、それでもメイスが掠り、服の一部が裂ける。
「ちっ」
「今のを避けるか」
「ただの霊ならばこれで終わりなんだが、流石に一筋縄じゃいかないみたいだな」
「当然」
巴は一歩前に出ると、薙刀を構え直す。
「この神社は木曾義仲様のご加護があり、我等が守り続けてきた場所。
貴様に好き勝手はさせない」
そう言うと、巴は薙刀の切先をミカヅキに向けると、突進してきた。
それにミカヅキは反応して、同じように駆け出す。
そして巴の薙刀とミカヅキのメイスとぶつかり合う。しかし、その衝撃でお互いが弾かれ、距離を取る。
「ほう? やるな」
「そちらこそ」
ミカヅキと巴は再び武器をぶつけ合い始める。
ミカヅキは巴の猛攻を防ぎ、巴もミカヅキの攻撃を受け流す。
お互いに決め手がないまま時間が過ぎるが、そんな中で巴が動いた。
「ハァッ!」
巴は薙刀を大きく横なぎに払う。
それに対してミカヅキもメイスを縦に大きく振って、巴の攻撃を防ぐ。
その次の瞬間には巴の薙刀とメイスがぶつかったまま、動きが止まる。
そのまま二人は鍔迫り合いになるが、力の差なのか徐々にミカヅキの方が押され始めた。
このまま押し切られれば負けるのはミカヅキの方なのは明らかだった。
ミカヅキもそれは分かっているのだが、巴の力が強く、なかなか引き剥がせない。
その時、巴がニヤリと笑みを浮かべた。
「甘い」
「何?」
「ふんっ」
「ぐぅ!?」
巴は薙刀を押す力を緩めると、そのままメイスごとミカヅキを蹴り飛ばした。
その一撃によってミカヅキは地面を転がっていく。
それを見た巴は小さく息を吐いた。
その表情からミカヅキへの侮りは一切感じられない。
むしろ、目の前の相手に対して敬意すら抱いている。
しかし、ミカヅキも伊達や酔狂で巴と戦っているわけではない。
「改めて、聞きます、物の怪よ」
「なんだ?」
「貴殿の目的はなんだ。
ここまでの勝負で、ある程度理解したが、貴殿は物の怪だが、邪悪ではない。
ならば、その目的は本当に御神刀か、それともこの地か?」
「どっちもいらないよ。
俺の目的はお前だよ、巴」
「私を? 一体何故だ」
「そこまで難しい訳じゃない。
この地で、死んでも、この地で、数多くの敵から守ってきたお前の強さが欲しいと思っただけだ。俺と一緒に来ないか?」
「断る」
「だろうね」
ミカヅキは苦笑いを浮かべる。
すると、巴が薙刀を構えた。
「話は終わりか? なら、そろそろ決着を付けよう」
巴の言葉を聞いて、ミカヅキも身構える。
「まぁ、だからこそだ。
巴、この勝負、俺が勝ったら、俺の眷属となれ」
「ならば、この勝負、ますます負けられないな」
「それはつまり、俺が勝てば眷属になるという事で、良いんだな」
「えぇ」
「分かった。では、始めましょう」
そう言うとミカヅキはメイスを構える。
「行くぞ」
そして、巴との戦いが決着を向かえようとしていた。
巴との距離を詰めると、ミカヅキはまず、巴に向けてメイスを振り下ろす。
対する巴も薙刀を振るう。
すると二人の武器がぶつかり合った。
その衝撃は周囲にまで及ぶ。
お互いに一歩も引かない。ミカヅキの攻撃に対し、巴の薙刀による防御が崩れない。
お互いの力はほぼ互角。
このままだと千日手になる。
(やはり、強い)
ミカヅキは自分の攻撃を防ぎ続ける巴を見て、内心で舌打ちをした。
単純な実力だけを考えるのであれば、ミカヅキの方が上である事は間違いがない。
だが、巴にはそれだけに留まらない強さがある。
ミカヅキがどれだけ攻撃をしても、巴はまるで柳のように攻撃を受け流してしまうのだ。
だが、ミカヅキの方もただ防がれている訳ではない。
ミカヅキが放つ攻撃は徐々に巴を追い詰めていく。
そして遂に、ミカヅキの一撃が巴の身体を捉える事に成功した。
その瞬間、ミカヅキと巴の間に火花が散った。
ミカヅキのメイスが、何かによって弾かれたからだ。
見ると、いつの間にか巴の手の中に日本刀が握られていた。
その刀が、ミカヅキの一撃を防いだのだった。
恐らく、あの刀こそが巴の持つ本当の得物なのだろう。
炎を纏った日本刀は、見た目以上に切れ味が良いのか、ミカヅキが放ったメイスをあっさりと切断してしまった。
しかし、これでミカヅキは切断されたメイスを握りしめ、そのまま巴に投げる。
「なっ」
その予想外の行動に対して、巴は反応が遅れてしまう。
結果、投げられたメイスは巴の顔のすぐ横を通り過ぎていった。
そして、それと同時にミカヅキは巴に向かって飛び掛かる。
巴は咄嵯の判断で手にしていた刀をミカヅキへと振るおうとするが、それよりも早くミカヅキの拳が巴の腹を捉えた。
それが決着を向かえる一撃となった。
「見事だ」
巴はそう言いながら仰向けに倒れ込んだ。
「まさか、ここまで正々堂々と戦うとは思わなかった」
「俺は戦い方で差別をしないだけだ」
「そうか。お前は私を倒した。
ならば、この巴、あなたに仕えよう」
巴はミカヅキに仕える事を決めるのだ。
「あぁ、よろしく頼む」
その言葉と共に手に取った駒を巴に向ける。
駒は巴の身体と一体化になる事で、その身体は霊体から実体を持つ。
登場するヒロインは
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ロイガン・ベルフェゴール
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キスショット
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妖精騎士ガウェイン
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アルトリア・ペンドラゴン
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ブラダマンテ
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ナイチンゲール
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長尾景虎
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マシュ・キリエライト
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ニキチッチ
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巴御前
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玉藻の前
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ミラ
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ウィズ
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2B
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クレア・ヴィクトリアス
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カリオストロ