※この作品はR-18です。

神技一刀´   作:TETUYA

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一章・二話:原点

 再び廃墟ビル―――

 

 屋上階に近いフロアに、寝間着姿の少女を抱く三崎が現れる。雨の所為で全身がずぶ濡

れであり、それは少女も―――絆も同じだった。

 倒れた柱の上に絆を寝かせる。絆は気絶から覚める様子が無い。

 揺ら揺らと身体をふら付かせる三崎は、厭らしい視線を絆へと向けている。

『かがみぃ・・・俺が・・・可愛がってやるぅ』

 下半身の一部が激しく熱い。それを外部へと押し出すと、既に勃起状態になっていた。

絆の前で激しく扱き出す。

『きずなぁ~~。俺の絆ぁ!!!』

 

『ふっ・・・これでいい。この後でこの女はワレが戴く』

 

 三崎の真後ろにショウキは立つ。この状況を、嘲笑を表情に浮かばせて見守っている。

 今のショウキの肌は異様に白く、薄気味悪い雰囲気すら漂わせている。この二日間の内

に何があったのかを物語る様だ。

 まるで死人の様に冷たい身体を自分自身が意識する。そして、何よりも開放的な気分に

今までに無い心地良さで満たされていた。

『絆ぁ!!―――俺の絆ぁ!!!』

『・・――――――――――ッ、!?―――!?』

 絆が目を覚ます。温かいベッドではなく冷たい柱の上に寝ている自分が不思議でならな

いが、それ以上に驚く事があり、居場所の把握など考えていられなかった。

 感情を増して叫びを上げる三崎が、目の前で下半身を晒している。そして、肉棒を激し

く扱き立てているのだ。

『っ・・!?――――!!』

 咄嗟に避けるのは、三崎が射精して白濁液を飛ばして来たからだ。しかし、慌てて避け

た所為で柱より落ちてしまう。

 お尻を打ち付けて痛そうに擦りながら立ち上がる。その直後、後ろよりショウキが抱き

しめてくる。

『そう暴れるな。女・・・今からワレの女にする』

 暴れる絆を力任せに押さえ付ける。抱き締める腕に力を籠めれば、絆は苦痛の表情を顔

に出して呻く声を発した。

 ショウキに押さえ付けられる絆に、三崎はゆっくりと近付いて来る。確実に迫ってくる

三崎の顔は欲情で激しく歪んで気持ち悪ささえ絆は抱いた。

『きずなぁ・・・俺に見せてくれよぉ・・絆の“女”を』

 すっと両手を絆の寝間着のズボンに掛ける。そして、一気に下げた。か細くも繊細に満

ちる様な絆の生足が外気に晒される。

 白の下着姿の絆を見て、興奮する二人であり、三崎はそれすらも脱がそうとする。

『!!――――ッ!!!!!』

『避けんでも無駄だ。前からワレが目を付けていたお前を・・・ワレは手に入れたかった

のだからな』

『えへぇ~~。えへぇぇ~~~きずなぁぁ~~~きずぅ~~~』

 下着に手を掛けられ、ゆっくりと下げられていく。艶やかな肌を伝うように下げられて

いく中、いよいよという所で。

 その時だった。強烈な空気の変化が窓際より訪れたのは。

 明らかな殺気をショウキが理解する。三崎も徒ならぬ雰囲気を感じ取っており、手を止

めてしまっている。

『・・・・何だ。この殺気・・・確か以前に?』

『・・・・ギャッ!!?』

 ショウキが殺気の正体を探ろうとした時だった。三崎が突然に吹き飛ばされる。その突

風の衝撃をショウキが感じた時、既に・・・

『その手を離せ―――――』

『お、お前は!?』

 一瞬にして出現したといっても過言でない忍―――悠也が、まさにショウキの右側面に

立ち、手刀を首筋に当てていた。

 あまりの突然の出来事に、絆は殺気を受けて驚愕しながら恐怖する。間近に見える忍の

正体が解らないだけに一層の恐怖を誘う。

 悠也の息は荒い。まるでずっと全速力で駆け出してきた風だ。忍頭巾で顔を隠し、薄布

地で口元を覆っているが、明らかに口で呼吸するのが、布地に伝う唇の動きで分かった。

『何故・・この場所が・・・・』

『・・・!?』

 ショウキは、悠也の殺気を受けながら絆を手放していく。代わって絆を悠也が抱き寄せ

て守る。数歩下がり、右手に持つ「草」を見せる。

『草に含まれた呪詛だ・・それがオレの知る「呪朽ち」ならば、呪詛を被った者は必ず目

的を果たそうと動く、そして、―――被った最初の場所(原点)に還る習性がある』

『くっ、・・・・呪朽ちをそこまで・・・・貴様、霧生一族の・・・抜忍か!?』

『・・・・・・・・』

 絆を強く抱き締める。抱き締められた絆は驚きながらも、この今感じている温もりを何

処かで感じた気がして、また、しっとりと忍装束が湿った感触は、雨に濡れたよりも汗で

濡れているとふとした様子で理解した。

 抱き締められる事で感じる心臓の鼓動音。早く鼓動し、その鼓動を聴く内に不思議と安

堵感を覚え、そして、眠るようにして気絶していく。

『・・・・っ、・・』

『きず・・―――彼女は無事に帰す』

 気絶した絆を優しげな瞳が見守る。

 ショウキが改めて悠也の前に立ち、苛立ちを露にする。

『出来るかな?――――ワレはショウキなり。霧生一族の血を受け継ぐワレに、貴様の様

な抜忍程度が勝てると思うな!!』

 ショウキが名乗りを上げて叫びながら悠也に襲い掛かる。絆を抱く態勢ではとても戦闘

など出来る状態でないと思われたが、悠也はあくまでも冷静で、また、絆を守る姿勢を崩

さなかった。

『お前の敗因だ。―――オレが誰であるのか、先に探るべきだったな!』

 

 ――――神技ッ!!

 

 左腕に絆を抱き直す。空いた右腕を上げて向かってくるショウキへと向けた。

 悠也の右拳に赤い光が集まっていく。拳内で草が燃えて炎を上げる。

『――――ッ、迦具土!!!』

『なっ!?――――――――なっ!!ぎゃっぁぁ!!!!!』

 ショウキが悠也に激突する間際、悠也の方がショウキよりも早く動いた。右拳に宿らす

炎を突き出し、その拳をショウキの胸へと叩き付けた。

 絶叫するショウキであり、燃える胸を驚愕して見る。悠也がその場から退いた瞬間、シ

ョウキの全身に炎が上がった。

『――――ショウキ。悪く思うな・・』

『あ、あ・・・なた様は・・・まさ、か・・――――――――』

 炎に包まれる中、衝撃を持って悠也の正体を知る。しかし、既に遅かった。全身に燃え

上がる炎が全てを焼き尽くしていく。

 ショウキが倒れる。焦げ臭い不快感の匂いがフロア内に満ちる。

 夜の闇に灯された炎の光を宿す悠也の瞳は、一族への憎しみでもなければ復讐心に満た

されている訳でもなかった。ただ、死に行く“仲間”を見送っていた。

 燃え尽きていくショウキを見守る悠也であるが、暫くすると、右側面に見える壁際を睨

み据えた。

『あの時の“奴”か!?』

 強烈な勢いの空気の振動を感じる。徒事じゃない雰囲気に圧されながら、悠也は絆を静

かに下ろした。

 

『潔い覚悟を素直に決める事だ・・・ユウ・クサナギ―――』

 

『―――ッ!?何故・・その名をッ!?・・――――くっ、早い!!』

 一瞬、風が逆巻いた。男の声が聴こえた瞬間には、悠也でも遅れを取るほどの素早さで

男が動いた。

『身は疾風の如く動け・・それが見えない様では、お前の敗因となると知れ』

『がはっ!?・・・馬、鹿・・な』

 驚愕する悠也が、防御姿勢すら取れないまま、腹部に強烈な一撃を受ける。

 黒ずくめの忍装束に素顔を完全に隠す忍が、更に悠也の腹部に突き入れた拳をめり込ま

せる。かなりの衝撃があったのは、悠也の驚愕の表情を見れば明らかだ。

『安心しろ。その女も、あそこの男も無事に帰してやる・・但し、貴様は“我々”の元に

帰って貰うぞ――――――――ユウ・クサナギ・・・いや、霧生悠―――』

 朦朧とする意識と激痛が走る腹部。両者の鬩ぎ合いが続く中で次第に倒れていく。

『おまえ・・・は・・――――――――だれ・・だ・・・・・・・・・・・』

 完全に気絶して倒れ込む悠也を、忍は抱き支える。

『オレの名?――――――黒識と刻め』

 静寂が帰ってくる。フロア内に満たされる空気が緩やかに動く。

 黒識は、悠也を改めて抱き直す。

『お前の未来・・―――――――オレに見せてくれ・・・悠也』

 絆と三崎をその場に残し、黒識は悠也を連れてこの廃墟ビルの最下層へと向かう為、階

段がある方へと歩き出した。

 そして、黒識がこのフロアを出た瞬間、壁も床もある変化が起こる。全てが銀色の輝き

へと満たされ、絆と三崎の二人がまるで銀色の輝きに守られる様に輝きに包まれていった。

 

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