口元を血に濡らした娘、ルトナを心配し抱き起こした所、逆にがっしりとしがみつかれ“何か”を流し込まれた俺ですが……特に体に変化はなく元気です。
しかし体に変化はなくとも、自分の周りには劇的な変化が訪れております。
「……ええ、どこだここ?」
驚いた事に、このお嬢さんがたは明らかに人知を越えた技をもってして俺を見たこともない空間に連れてきやがりました。
……ええ、それはもう一瞬の出来事でしたとも。
「……こうなっては仕方がありませんっ! ──女神ぱぅわぁー!!」
「うおっ!?」
そんな謎の掛け声と共に視界は白く染り、その神々しい白が晴れた時には夕暮れ間近だった林道の姿が掻き消え、周囲に壁も天井もない広々解放空間へと早変わり。
今はなぜかそこに鎮座するキングベッドの上で、吐血娘さんにほぼ押し倒されかけているのであった。
──さて、そんなびっくり誘拐劇はさておきだ。
「……はぁぁぁぁ~……」
神秘的とも思えるこの空間に感動さえ覚えている最中、聞こえてきたのは深い深いため息。
せっかくの景色をぶち壊す、例えるならば天空の園にぷかぷかと暗雲が紛れ込んだかのように。
この晴れ晴れとした絶景には似合わない、なんとも疲れきった人間が吐き出すようなジメっぽさを纏った、徒労の末の一息のようなただただ落ちていくだけの重たい吐息。
「……」
漂ってくる源を見れば、額に手を当てた金髪のお嬢さんがガックシと肩を落としている。
チラリと目が合ったかと思えば、バツの悪そうにその目を反らしながらも現状を教えてくれる。
「……もう察してるかとは思いますが、貴方をここに連れてきたのは私です。そこのアホとは不本意ながらも姉妹で……この世界の女神をやってます」
「うへ、うへへへへへ……♥️」
俺をここに転移させたと言う彼女は女神……そして先程からグリグリとおでこをすり付け、うへへと薄ら笑いを続けているこの子も女神だと仰る。
頭を抱えているまともそうなのはソルテ、頭を擦り付けている困った子はルトナだと教えてくれた。
子細は省かれたが、俺をいたく気に入った女神二人がここ最近ハマっているのが“俺観察”なのだそうだ。それが今日、更にエスカレートし
「くんくんくん……♥️んは~♥️す────っ♥️うへうへ……私の使徒様ぁぁん♥️」
胸元で全てを満喫しているルトナにされるがままの俺。……貴女そんなにダメな感じの娘だったんですね? まあ、大きな怪我とかで無くて良かったですけれども。
ここだけの話、こんな美女に抱きつかれていて悪い気はしていないのも事実だ、なんかいい匂いするし。
「本来は女神の私達が下界に干渉してはならない掟なんです……」
まるで悪戯がバレて叱られる子供の様に、しょげた様子で語る女神ソルテ。
「……なので掟に反しないように、バレないように遠くから見守ったり、ちょっと秘密裏にサポートしたり、動物に変身して罠に掛かったところを助けてもらって恩返ししたり……と、色々法の目をかいくぐってやるのが普通んですが……」
「あっ、別にヤることはやるんだ……」
神々の掟、ガバガバ。
「永遠を生きる神々がそんなお約束ごときで縛られるわけありません。掟だなんて、所詮心得みたいなもんです。皆やってますっ!」
神々の世界は無法地帯であるとは……一人間としては、なかなかにショッキングな内容であった。
「はぁ~……なんか、神様も人間臭いというか、なんというか……」
人間、理解のできない事に出会うと落ち着こうと体が動く物だ。この場合俺は、抱き付いてくる美女の頭を撫でて心の平静を保とうとしてしまった。さながら飼い犬を愛でる飼い主のように。
「はぅぅぅぅ♥️!? 使徒しゃまぁぁん♥️!!」
軽くルトナの撫でると予想以上に触り心地のよいお髪が手のひらに。そして感無量と返ってくる喜びの鳴き声。
「ひんっ♥️!? ちょっ……!!」
「……えっ?」
だが何故か
……なんで?
「……ちょっ♥️ちょ~~っと待ってください!? 今、すっっっごく困った妹のせいで、私まで乙女がオーバーフロー気味……で……きゅんっ♥️」
「えっ、自分の口で擬音を出すの……?」
その時は思わず突っ込んでしまったが、実際俺はそんな悠長な事をしている場合ではなかったのかもしれない。
ブレーキ役だと思っていたこの子も、実際はイケイケどんどんなアクセル気質な子だと気がついたのは、全てが手遅れになった段階になってからだ。
────
──
「ふっ、ふっ、ふぅぅぅ……そうですよ……掟がなんだと言うのです。他の神々どころか、昔は主神のじじいまでおいたしていたらしいじゃないですか……!」
(あっ、なんかスイッチ入ったぞこの子……)
もはや自己暗示に近い、言い訳じみた独り言が聞こえてきた。思い詰めた人間が悪い前例を持ち出すと、大概は悪い方向に進む。
……女神もそうらしい。
「んもぉぉぉ我慢できませんっ!! なぁんでルトナだけ彼を満喫しとるのですかっ!? 私だってギュッ♥️っとしてクッ♪ っとなってハベッ♥️!? ってしーたーいーんですっ!! ムキ──ー!!」
「……んえ?」
そこからソルテの動きは速かった。
「二度目の女神ぱぅわぁー!! ──―てぇぇい!!」
「うわ~~っととと!?」
ドシンとタックルをされて流石に堪えきれずに倒れる俺。
胸の上には先ほどと変わらずぐりぐり押し付けらるルトナヘッドと、新たに加えられたソルテヘッドの二人分の圧。
「ふぃうぅ……♥️なにぃソルテ? ルティと私の使徒様との抱擁をじゃましないでよぉ……」
「貴女はここに来る前からずっと抱きついてたでしょうにっ! そこは私の場所でもあるのですからそっちこそ退けるのですっ!! ……はふぅぅぅぅ♥️♥️」
ぐりぐり甘える犬が増えた。
それも、このままでは着ているシャツが擦り切れてしまうやもしれないという程のグリグリである。
「ちょっとぉ、ソルテまで加護与えたらルティの特別感が減っちゃうじゃんしぃ!」
「うへ、うへへへ……♥️そんなの知ったことではありませんっ……ああ、硬い立派な胸板……♥️……じゅるり!」
じわじわと胸元に広がっていた温かみ、どうやらソルテもルトナと同じく俺に対しての何か“力”を与えてしまったらしい。
……口から垂れたよだれが服に染みてきたかと思っていたが、違ったか。
「……さっきの光と同じヤツなのか? けど、体の方は特になんとも……」
しかし、またもや体には変化を感じられていない俺。
妙に神々しい光の癖に、力が溢れる……! とか、分かりやすいよう変化が無いのが凄く怖い。
そうして自身の変化を自覚できないまま、それよりもこの状況をどうすれば……と頭を切り替え──
「あらっ♥️でもしっかりと効果は表れてますよ? ルトナよりも私の方が、我が使徒と相性が良い証拠でしょうか?」
「……むう、ルティだけでも
「……うむ?」
しかし俺からは二人に隠れて見えないだけで、はち切れんばかりに自己主張していた部分があったらしい……!
モゾリモゾリ……♥️
押し乗っていた体が避けられる。左右から挟まれるように、添い寝の形でベッドに寝ている今ならば、彼女らがナニについて話していたのかがよくわかる。
「苦しそうだから早く解放してあげますっ♥️!」
「迷える子羊を救うのは女神の本分だもん……きゃっ♥️」
それぞれが片手を伸ばし、その先で山を張る自分の局部をモゾモゾと。
「ちょっ!? どこを触ってっ!?」
しかし止める間はなく、あっと言う間にかき消えるズボン。そしてその下からはね上がるようにして顔をだすソレ。
二人の神業にて白日の元にさらされてしまったマイサンはいつの間にかガチガチの臨戦態勢で、不思議なことに俺からすれば、ソコがそうなっているという自覚が全くなかった。
ビキ──ーンッッ!! ビキ、ビキッ!
しかしこれを見てしまえば……嫌でも感覚が戻ってきてしまう。知らずのうちに下腹部に籠り溜まった熱。それを辛うじて放熱させている息子の脈動と緊張。
……それはまるで長期に渡る禁欲生活をしていたかの様な膨張具合。熱さや苦しさのやり場を見失ったかのように、ビキビキと厳つく猛り狂っている姿。
そう、我がイチモツは女神の光によって、知らずの内にフルスロットルにまでチャージされていた。
「「──きゃぁぁぁぁぁあ♥️♥️♪」」
添い寝の状態で半身を向けていた二人が手の先を見て歓喜する。
「まるで神殺しの魔槍っ! なんて凶悪なモノを見せつけますか我使徒っ♥️」
「私の使徒しゃまぁ、カッコ良過ぎだよぉぉ♥️ひゃっ……!? 今触ったらビクッて動いたぁぁ♥️」
遠慮なく幹を掴む女神の手。
ガチガチに硬くなり浮き出る血管も合わさって節ばった魔羅に添えられる手はしっとりと冷たく、しかしその冷たさがいきり立つ息子の苛立ちを
「イヤイヤイヤイヤ!! 二人してなに人の股間を擦りあげてるんですか!? 犯罪っ! ハグで匂いを嗅ぐのもギリギリアウトなのに、大幅に飛び越えて犯罪ですよっ!?」
──る、訳ではない。なんならむしろ肝が冷えた位だ。
「えーっ!? なにを言うですか我が使徒ぉぉ~! ここで美女二人の手コキ♥️を味わわずにどうするのですっ!」
「そうだよぉ~♥️大人しくルティに御神木を捧げてよぉ♥️ちゃんとやり方は知ってるんだよ?」
さすさす、ごしごし……
スリスリ……、ギュッギュッ♥️
既に自信満々な様子で煽るように幹に刺激を与えてくる二人。
「はぷっ♥️……ちゅる、むちゅ……♥️ん~……男臭いですぅ……♥️」
「ふぅぅん♥️しゅき……私だけの使徒しゃま……♥️しゅきぃ……♥️」
女神の暴走は手による扱きに収まらず、熱に当てられたままにこちらの首を、頬を、胸をと好き勝手に味わってゆく。
「我が使徒の胸板……あばら骨も……♥️生で見るとまたなんというか……い、意外と筋肉質ではありませんか……♥️」
「使徒しゃまの臭い……♥️耳のここ、臭い強いよぉ……♥️ふ──っ♥️くんくん……っはぁぁ♥️もう舐めちゃうんだからぁ……♥️へぅ……」
「いや、ちょっ……力強いなこの娘達っ!?」
二人に挟まれて、まさにされるがままといった所。
大の大人がこんな少女と大差無い外見の娘達に抵抗出来ずにいると、流石に焦りも覚えてきてしまう。
「女神様達っ!? 確かにこれは男冥利に尽きると言いますか、嬉しい求められ方ではあるんですけど、流石に──」
これでも紳士の魂を持つと自負する俺には、このような夢物語にホイホイと乗っかってしまうほど無警戒ではないのだ。
「んちゅ……? 随分抵抗したがりますねっ? ……もしや私達のスーパーテクに身を委ねるのがこわいとかですか♥️?」
「使徒しゃま可愛い……♥️不安がるそのお顔も素敵ぃ♥️♥️でもそんな所も好きっ♥️しゅきしゅき……♥️へむっ……ちゅっ♥️」
「いや……あの……ですから……」
ルトナの熱烈な耳攻めを受けながらソルテに応答するのは少々骨が折れる。しかし頭はルトナの細腕一本で楽々と押さえられ小揺るぎもしないのだ。ならば口を動かすしかない。
ギニギニと二人によって続けられる手コキ。
溜まりに溜まった
「……あっ♥️それとも私達を高位の淫魔か何かと勘違いしてるんでしょうか? 不安がらなくて良いですよっ♥️射精したとしても死んだりしませんって♥️」
「ふぇ~? そんな、使徒様ヒドイよぉ♥️いくら私達がエッチでも、あんなのと一緒にしないでよね♥️でも、死んじゃう位気持ち良くして、全部搾り取っちゃうかもだけどぉ♥️♥️」
俺が今動けないのは、二人のテクニックによって腰砕けになってしまっているからなのだと……
俺が今戸惑っているのは、神を騙る淫魔のハニートラップに耐えねばならぬと勘違いしているのではないかと……
女神と呼ぶに相応しい美貌の持ち主達は、そう仰るのだ。
……スーパーテク?
……死ぬほど搾り取られる?
…………いやぁ、まあ。
「……いえ、それは大丈夫です。淫魔と勘違いするほど気持ちよくは……というか淫魔にしてはかなり下手────あっ!」
──ピシッ……
脱出手段を模索するあまり、問いかけに馬鹿正直に答えてしまった。ほぼ言い終わった所で気付きはしたが、もちろん既に遅く……
「……あの?」
恐る恐る見れば、カチリと凍りついた笑顔がそこに。
そしてみるみる涙目になるルトナと羞恥で朱い頬を膨らませるソルテ。
「ふぇぇぇぇぇぇえぇ……!!」
「むぅぅぅぅぅううう……!!」
「あっ……!? ……あだだだだっ!?」
あ゛ああ゛────ーっ!?!?
響き渡る男の悲鳴は天を越えた。
がしかし、まだまだ彼は地上に戻れそうにない。
ー悲報ー
女神's、アプローチからナニから色々とへたっぴだったと判明。
尚、使徒チンはそろそろ限界な模様。