しかしこれはR-18のなんちゃってファンタジー!!
エロとファンタジーの配合比率は秘伝の割合でお送りいたします。
美しき森の妖精と呼ばれる種族(希少種)【挿絵リンク有】
「せいや!」
ザンッと一息に振り下ろした刃は大した抵抗もなく獲物の体を切り裂いた。
「ぐぉぉおん!」
体には既に何ヵ所か切り傷や矢の後があり、大量の出血でふらふらだった獣型の魔物は、遂に地に倒れ動かなくなる。
「……っ。……よし!」
死んだ事を確認。俺は残身を解き、魔物の解体へと移る。
「いやー、なかなかやるじゃない! 久々にパーティーを組んで正解だったわ、見違えたわよ!」
「あー、まあそりゃ色々あったもんでな。……あんがとよ、リリ」
少し後ろで援護してくれていた女性が、駆け寄ってきてバシバシ背中を叩く。
動きを阻害しない軽装、胸当て、フード付きマント、そして緑を基調とした宝飾品。
ハンターやスカウトといった職名で呼ばれる後衛職。
エルフ族の娘、名をリーリヤ。
森の妖精と人々にそう呼ばれる麗人が、今日の俺のパーティーメンバーだ。
……といっても。
「これで依頼は達成だし、討伐報酬受け取って一杯やろうよ!」
「おう、さっさと引き上げるとしようか」
昔の感覚で受けた依頼は、思いのほかあっさりとこなせてしまった。
体は軽く、気配は研ぎ澄まされ、武器まで良いものになったのだから当然と言えば当然か……。
よって依頼は既に最終盤、これでクリアなので俺とリーリヤの巧みな討伐クエストの様子は割愛させていただこう!
「さー! 飲むぞ~!」
後衛の癖に堂々と先人を切って帰路につく相棒。
マントの端がヒラヒラ、時たま見えるショートパンツに包まれた形のいい尻を目印に、俺はその後を追うのであった。
ー
「うぃぃ~、まだまだいけるわ、もっとブドウ酒もってこ~い!」
「ばっか、背中で暴れるな! てか、家の前だぞ! もうそろそろ降りろって!」
「えー、やだー♪」
月夜の下二人。
俺達二人での酒盛りは店の閉店まで続いたが、まだまだ足りないと豪語するリリが自宅での延長戦を希望。
俺は酔っぱらいを背負いつつ、彼女の家へと向かいようやくたどり着いたといった所でござい。
「ん~♪ 相変わらず君はマイナスイオンが多くて良いな~♪」
「なんじゃそりゃ!」
森に住まい、木々と共に生きるエルフらしからぬぶっ飛び発言。
しかしこんなところが彼女らしいと笑いつつ歩く。
玄関までたどり着いたが、自ら歩く気は無いようなのでそのまま扉を開け中にお邪魔する。
「おじゃまするぞ~」
「あ~い、いらしゃい~! あとただいま~!」
家主に背後から歓迎されつつ廊下を進む。
居間にたどり着き、テーブルの前に鎮座するソファーにリリを下ろしてやると、俺もやっと腰を下ろせる。
ドシャリ、ゴロゴロ……
せっかくソファーに座らせてやったというのに、そのままずり落ちるリリ。
立ち上がりもせず芋虫の様にゴロゴロと移動し始める。
「うぃ~、マントとベスト重たい~、ちょっと外してくる~」
イモイモエルフリーリヤさん、微速全身。
「おーい、森の芋虫と呼ばれる種族さーん、だらしがないぞー」
「うるへー、キッチンからお酒とグラス出しといて~」
「かー! イメージ崩れるわ~!」
エルフ族は長い時を生きるが為に、生きてるうちに恥もへったくれも無くなり、だらしがない困った性格になると言う(本人談)
……俺の知る限りではエルフでは彼女だけなので、彼女はとんでもない確率でレアな存在なのかもしれない。
「こんなところでもレアを引くんだな、俺」
素直にキッチンへ向かう俺。
なんどかこの家にはお邪魔しているので酒の置き場所くらいは分かる。
ついでにつまみを皿に取りつつ居間に持っていく。
盆を置き、そういえばと呼びかける。
「おーい、昔言ってた秘蔵の500年物ワインってもう飲んじまったのかー? あれも出そうぜー」
「君ね~、あれはあと200年は寝かせるんだからダメダメ~」
寝室の扉の前まで進んだ芋虫が気の長いことを言いながら扉を開いた。
ガチャ
「なんだよケチくさいなー」
「ダメなものはダみやぁああああああ!?」
突然リリが扉の先へ引きずり込まれる。
「リリ!?」
なんだ!? 盗人でも中に忍び込んでいたのか!?
急いで扉に向かい、部屋をのぞき込む。
「誰かいるのか!? おい、リリ! 無事……か……?」
「もご……もご……ぷはぁ! た~すけて~」
部屋を覗くとそこには、緑の蔦に捕縛された芋虫エルフがそこにいた。
-
「動けないよ~、助けて~」
「えぇぇ……」
蔦に縛られたリーリヤさん。
これではまるで、蜘蛛の巣に囚われた蝶々と言っても過言では……
「今の私はまるで、フォレストスパイダーに捕まった美しくも可憐な妖精……♡」R18挿絵
……自分で言うんかい、やっぱ森の芋虫さんだわ。
自分の美貌には絶対の自信を持つリーリヤさん。
いつだって俺の想像の三歩先を行きます。
「リリ……お前趣味の家庭菜園も度が過ぎるんじゃねーか?」
「こんな生きのいいの栽培しとらんわー! いいから外してー」
自分では動けない自称可憐な妖精。
えー、でも俺までこの謎の蔦に捕まったら詰みじゃね? と、少し距離を取って観察していたのだが。
「……ん? 俺には興味ないのかコイツ……」
蔦はリーリヤに絡まるもの以外はおとなしいのに気が付く。
彼女の周りをユラユラと、まるで様子を窺うように垂れさがっているだけだ。
「んっ……、ん──-! ……ちょっと、君ってば!」
「あー、ハイハイ。わかったから暴れるなよー?」
そうと分かれば簡単だ。
剣を取り出し、蔦を斬る。
スパッ!
いとも簡単に切れる蔦。しかし……
シュパパッ!!
「おっ!?」
蔦がそれ以上の速度でリーリヤを捕縛。
……きりがなさそうですね。
「なんで~!? 切れたのにまた縛られた~! これじゃきりがないわねー……アッハハ!!」
極寒の妖精リーリヤさん、まだアルコールが抜けてません。
「んー、リリ? お前今体苦しいとか、痛いとかあるか?」
仕方がないのでマジもんの緊急性があるかだけ確認する。
最悪蔦ごと燃やすとかも考えないといけないかもしれんし。
「えー? いや全然そんなのはないけど……蔦も棘とか無くてつるつる? で気持ちいいし、吊るされて苦しいわけでもないし……」
ぶらぶらリーリヤさん、まるでブランコを楽しむ少女の様に体を揺らす。
ふむ、どうやらそこまで逼迫した状況ではないのかもしれない。
「というか、さっきから私のいい所に蔦が……♡この蔦何っ♡……ちょっと♡♡」
頬を赤らめリーリヤさん。今度は快感に体を揺らす。
ふむ、どうやら全然逼迫した状況ではないようだ。
「……どっこいしょ」
一安心した俺はひとまず扉へ。
「待ってー! 君、私を置いていかないで!? あっ♡」
「ちょっと!? ほんとにこのまま放置するつもり!? やめて、カムバ──ーク!!!」
うるさい美しき可憐な妖精。
もう深夜回ってるんだから大きい声出すんじゃないの!
そして俺は居間へ戻り、お盆を手に取ると再び寝室へ入る。
「あっ、戻って来た! うん、私は君を信じてたよ!!! ……てか、お酒持ってるぅ!? えっ、ウソッ!?」
サイドテーブルに酒とつまみを置きベットに腰掛ける。
二つのグラスにワインを注ぎ、片方を持つ。
目の前では美しく可憐な妖精が蔦に絡まれ艶声を上げるといった肴付き。
実にいい宅飲みになりそうじゃないか!
「そんじゃ3次会始めるかー、カンパーイ!! 」
「うっそー!?!?」
夜はまだまだ長い。
楽しい酒盛りは元気な掛け声で始まった。