-フォオナ視点-
おねシトTHE・ビギニング
柔らかな朝日と小鳥のさえずりが窓から届く頃、深く夢心地であった睡眠から意識を起き上がらせ、わたくしは目を覚ましました。
「ふぁぁ……朝……ですわね……ふ────っ……ふぅ……」
寝起きは良いほうだと自負いたしておりますわたくしですが、昨夜は旦那様との情熱に満ちた営み♡にて意識を失いながらの就寝でしたので少しだけ寝起きに手間取ってしまっています。
「ふふふ、この様子ですとわたくしは意識を失いながら旦那様の御前で全て出し切ってしまったのかしら……♡ああ、折角頂いたお子種をもう少し留めておければ……♡」
いつもと変わらぬ様子のお腹を撫でながらその奥に感じる残滓が僅かであるのを察し、意識を失った後にこの身から
さらに体を覆うガウン、これは営みの最中に脱ぎ去ったはずの物。しかしそれをまた羽織っているということは旦那様がこの身を清めた後に羽織らせて下さったのでしょう。
「お優しい旦那様…………♡」
まったくお恥ずかしい……♡
きっとイキ果てながら種を乞うような、淑女たらぬ痴態をお見せしてしまった事に間違いないのですが……
それに幻滅するどころか、よりこの身を大切にしてくださっているのを感じます。
「ああ、いいお天気ですわね……」
窓を見れば晴れやかな空!
ああっ、愛しき旦那様っ……!
今日もきっと素晴らしい一日となること請け合いなお天気でしてよ!?
こんなに良いお天気の日は、オリビアにサンドイッチを包んで貰って見晴らしの良い丘にでもピクニックなんていかがかしら?
そしてちょっと木陰に隠れて、食後の運動を……♡よし! これで決まりですわね!!
わたくしの王女イマジンが練り上げた無敵プランを早速提案しようと、横にいらっしゃる旦那様に手を伸ばします。
「……はて、旦那様?」
しかしこの手は空を切ります。
いつも「ああ、おはよう……どうしたんだい? 愛しのハニー(イケボ)」と返してくれる凛々しいお顔が見当たりません。
「まあ! 今日はお早くお起きになられたのかしら……? でしたら目覚めのキッスを下さったらよろしいのに……♡」
並べた枕の上は空。
こうしてはいられません、すぐにでもこのデートプランを提案して実行に移さねば!
そうしてわたくしが善は急げ! と、ベットから起きだそうとしたその直後ですわ!
……モゾモゾ
「…………ううん」
寄せたシーツの中でうごめく塊と小さな声。
「あらっ……? …………まぁ!?」
そこには、小さな体に合わない大人用のナイトウェアに埋もれる小さな男の子が……!?
「うーん……」
わたくしの声がうるさかったのか、その子はもそもそと体を起こして小さな手で目元を拭います。
……パチリ
「……はえ?」
「……え?」
目と目が合い窓からの日差しでそのお顔がよく見えます。
あら、とっても可愛らしい男の子……将来男前になりますわねこれは……
というか、何か見覚え……いえ、見知った方の面影が……?
互いに見つめ会うこと数瞬。
わたくしが王女ブレインをひねっている間に、一足先に少年が口を開きます。
「え……、お、お姉さん、誰ですか……? ……あれ、ここどこ?」
まだ声変わりを迎えていないソプラノボイス。
しかしやはり聞き覚えのある話口調と声質。
わたくし達の寝室、そのベットの隣で寝ていた男の子。
着ているナイトウェア、見覚えのある面影、それより導き出された答えは!!
「えっ、ええええ!? 旦那様ですの──-!?!?」
「……ふぇ?」
わたくしの驚きの声は寝室を越えて響き渡り、この素晴らしい一日の始まりを告げる盛大な叫び声となったのですわ……
───
──
─
さて、わたくしの悲鳴を聞きつけオリビアとリーリヤが駆けつけました。
お二人とも旦那様(小)を見て、そしてそのことに狼狽えるわたくしを見て状況を察したのでしょう、以外にすんなりと事態をお飲み込みになられて、一先ず居間にて話しましょうということになりました。
「も~使徒君ってば、いつの間にかちっこい使徒君になってるなんて~」
「わあ、エ、エルフの人だ……」
「しかもお姉さんのこと覚えてないな~? このこの!」
「あ、わっ、ご、ごめんなさい……」
数日前に旦那様が拠点にお連れしたエルフのリーリヤさん。彼女は旦那様の変わりようを楽しんでおられるようで、ぷにぷにの頬っぺたをつついて笑っておられます。
「旦那さ……いえ、お坊っちゃま、ご朝食はいかがですか? お腹がすいておいでではありませんか?」
「えっ、あっ!? ……ぼ、僕ですか? あ、朝ごはんだなんて、良いんですか……?」
「勿論でございます、こちらお屋敷はお坊っちゃまのもの、当然屋敷にある食材も元よりお坊っちゃまの物ですので」
オリビアも旦那様が小さくなったら『お坊っちゃま』と呼び変え、落ち着いた様子で対応してますわね。
状況が読み込めておらず、記憶も少年時にまで戻ってしまっている旦那様を不安にさせないようにしてくれています。
「そ、それは、本当なの……?」
「本当ですよ。私ことメイドのオリビアも、お坊っちゃまにお仕えするにあたり、お坊っちゃまのモノといっても過言ではこざいませんし」
「うぇぇ!? メ、メイドのお姉さんがですか!? そ、そんなこと……」
「そんなことあるのでございます……!!」
「あ~♥️エルフのお姉さんだって、使徒君のお嫁さんなんだよ~? だから私も君のモ・ノ♥️」
「ええぇっ!? お、お姉さんが僕のお嫁さんだったんですか!?!?」
……事実! あくまで事実を教えているお二人!!
ですが、こんな純真無垢を体現させた様な旦那様(小)に、こうまでも大胆なアプローチをさせてよろしいのでしょうか?
……いいえ、全く持ってして良いですわ!! (反反語)
「旦那様! このわたくし、フィオナ・ブライト・ローデリアもお忘れになってはいけませんわ! こちらのリーリヤさんと同じく、いえ、むしろそれ以上に! 貴方様をお慕いしている愛妻がわたくし!」
「お、お嫁さんが二人も!? ぼ、ぼくどうなっちゃってるの!?」
驚きでおめめ真ん丸な旦那様、なんと可愛らしい反応でしょうか。きっと精神年齢は、お友だちとして仲良くしていた女の子が、なんとなく気になり出してしまうお年頃。
そんな思春期を迎えて間もないメンタルの少年に、わたくし達のような美人のお姉さんが熱烈ラブコール♥️なんてするもんだからお顔が真っ赤っか!
この反応にはわたくし達もニッコリ、アワアワしている旦那様には気づかれないように、互いにアイコンタクトを取ります。
……よろしい倍プッシュですわ!
おそらくこうなったのはいつものガチャが原因、ならば元に戻すにもガチャを使う他ありません。
昨晩の営み♥️でわたくしの産んだガチャに、旦那様を若返らせた何かがあったはず!
それを無効化するか、解除するか、はたまた別のアイテムを出すまで……このフィオナ! 精一杯務めを果たさせて頂きます!!
「うふふ、いきなりで驚くのも無理ありませんわ? しかし元気は食事から! 先ずはオリビアの作った朝食を頂いて、それからゆっくりとお話いたしましょう? ね?」
「は、はぃぃ……」
恐縮して縮こまりながらも、並べられる食事を食べ始める旦那様。
そう、この後に備えてしっかりと栄養と体力を蓄えていただきましょう♥️
ああ、これから忙しくなりそうですわね!! ♥️♥️
使徒君、大体10~13歳の良い子
美人のお姉さんに囲まれてドキドキ