マイペースにアップしている拙作ですが、大層励みになります。
あわただしい起床からの朝食会でしたが、食事に関してはいたって和やかな時間となりました。
出された料理を美味しい美味しいと、沢山食べて満面の笑みになられる旦那様を微笑ましく見守る一時……
口のはしについたソースをオリビアに拭われた時なんて……もうっ、最高でしたわ!
「あっ、ごめんなしゃぃ……」
「いえいえ、作った料理をこんなに美味しいと食べて頂き私も嬉しゅう存じます」
ああ、普段はそんな抜けた所をお見せすることの無い凛々しい旦那様ですものね……同じ旦那様でありながら、肉体年齢相応の隙だらけな振る舞いに私共のお姉さん回路がキュンキュン♥️しております。
オリビアにいたっては、正にメイド冥利に尽きると言わんばかりの御奉仕加減。流石に「あーん」で食べさせるのは断られていましたが、あの時の旦那様の様子から「押せば押しきれる……!」と見定めている様子。
きっと食事の度にアタックを仕掛ける腹積もりですわね……メイド、おろしい子っ!!
「ごちそうさまでした、美味しかったですオリビアさん」
「……さんは不要です。元々のまま、リビィとお呼びください」
「えっ、あの、でも……大人の人を呼ぶ時は……」
ごちそうさまを言えて料理を作った人にお礼も言うなんて……!? それに年上の人を敬称で呼ぶ心がけ……
なんて出来た男の子なのでしょうか! ご家族の方の教育がしっかりしてましてよ! そんな素敵な奥さまは誰!?
……奥様はわたくしでしたわ!?
そんな自問自答を繰り広げている合間にも、事態は進展致します。
「……でしたらリビィお姉さんと」
「りびい……お姉さん……? ですか?」
「リビィお姉さんです、さあ……」
「り、リビいお姉さん……」
「はい、大変よろしゅうございます♥️」
……な、なんてことですの!?
瞬く間にこの幼くも愛らしいピュア旦那様から、流れるように「略称+お姉さん呼び」の地位を確立させるなんて…………!
「あ~、それなら私もリリお姉さん♪ って呼ぶんだぞ~」
「えと、……リリお姉さん?」
「んふふ、はーい♪」
……はっ!? 恐ろしくスムーズな便乗……
わたくしでなければ見逃してしまいますわね!?
この流れ、乗るしかありませんっ!
お待ちになって、そのビックウェーブ!!
「旦那様、わ、わたくしも!! わたくしの事もフィ、フィ、……フィオと……!!」
「は、はい……ふい、ふぃ……フィオ、お姉さん?」
ハブ────ッ!?!?
「お姉さん!?」
「フィオナ様!」
「フィオナ!?」
い、いけませんわ……!
幼き旦那様の口から放たれるソレのなんたる破壊力っっっ!!?
わたくしの要望にキチンと答えようとしてくださる姿勢、慣れないながら「フィ」の発音に最初手間取るお口、そしてやはり少し照れているのか、朱がさした柔らかなはにかみほっぺ……!!
全ての威力が倍……いえ、乗掛けとなってわたくしのハートにらぶズッキュン♡
はしたなくもわたくし……、興奮でお鼻から血がっ!?
そして、驚いたお顔の旦那様がテーブル越しに遠ざかって行き……
バッタ──ーンッッ!!
「キュゥゥゥ……」
椅子ごと後ろに倒れたわたくしの意識は、そこで一端途切れたのでした。
────
──ー
──
ー
ぴとり……
何かヒヤリとしたものが、わたくしのおでこに触れたのを感じます。
「うう……ん?」
「あ、目がさめましたか?」
はて、わたくしは今までどうしていたのだったかしら? 確か朝起きて、皆で食事を……まぁ!
「大丈夫ですか? 痛いところとかありますか?」
目を開けたらそこには心配そうにわたくしの様子を見る若き日の旦那様♥️
そうでしたわ、わたくしったら興奮のあまり気を失って……
「う、うう~ん、……お、おでこが何だか痛みますの……どなたかに撫でて頂けたら、この痛みもきっと……あいたたた……」
「痛むんですか!? 今、オリビアさんを呼んで──!」
「あ~~! 今すぐ! 今すぐお若い殿方のお手てを当てられないと耐えられませんわ~! とてもメイドを待って居られそうもありませんわ~~っ! イタタ……あ~れぇ~~」
「わぁぁ!? わかりました! おでこですね!?」
さっとおでこに乗っていた濡れタオルを手に取って寄せ、少し水気が残ったおでこをすかさず差し出します。
「こ、ここですか? まだ痛みますか……?」
「あぁぁ~♥️痛みが引いてゆくぅぅ♥️どうか、そのままでお願い致します旦那様……♥️」
「は、はい……!」
ナデリコ、ナデリコ……
ペタペタ、ナデナデ……
それはいつもの少し硬くて、男らしい大きな手と違う…折れてしまいそうに細く、小さな柔らかい手。
それでもその手から伝わってくる温かさと、わたくしを思ってくださる優しさは変わらず感じられる……
それだけで、胸の奥がキュン♥️と脈打って、乙女心が高鳴るのを感じます。
「あ゛あ゛ぁぁぁ……♥️あっ♥️あ、いいぃ~~ですわぁぁぁ♥️」
「ほ、本当にそれ大丈夫ですか!? フィオナさん!?」
「フィオお姉さん♥️と、お呼びになってぇぇ~……♥️」
「あの、えぇぇ……」
そうしてしばらく旦那様のミニサイズなでなでを堪能し心を落ち着けました所、わたくしは今置かれた状況を正しく認識するに至りました。
どうやら朝食時に気を失ったわたくしの介抱を買って出てくださった旦那様が、こうして目を覚ますまで側にて下さったとのこと。
……ズキュン♥️
……もう! こんなに乙女心をトキ☆メキ! させるなんてなんて罪作りなお方でしょうか!
このように痛みを訴えた淑女を介抱してくださる優しさ、そしてグイと押せば答えてくれる
「……ハッ!? この状況、もしや……!!!」
ふとわたくしの脳裏に、王国で過ごしていた幼き日の記憶がよみがえります。
-
「良いですか姫様……王家のむすめたるもの『子宮にズキュン♡と来たおのこには、押して押して押し倒せ』ですじゃ……!!」
「えー? ばあや、ズキユンってなんですのー? あっ、お帽子のことでして?」
「いえいえ、ズキュン♡ですじゃ、そしてその後に押して押し倒すですじゃ……」
「ん~?? お母様は人を押したりしてはいけませんよって……」
「ふぉっふぉっふぉっ……いいのですじゃ。実際お母上もズキュンと来て押したことがありますのでのぉ……」
「え~~、お母様がですの?そんなのうそですわ~」
「いえいえ、ばあやは嘘をつきませんのですじゃ……」
-
「ば、ばあやっ……!! これが、この時が正にそれですのね!?」
「えっ!? ばあや……ですか?」
わたくしの独り言に反応なさる旦那様のお声、そこには困惑半分心配半分といった表情の凛々しいお顔。
今まで子宮に『ズキュン♡』どころか『バキューンッ!! ズババババーン!! ♡♡ 』と乱打を受けて続け、しかし返しに押すことのできなかった日々……
押し倒されて女の幸せを感じて満たされておりましたが、ここに来て『押して押して押し倒せ♡』の部分が実行に移せる又とないチャンス!!!
「うふふ、うふふふふふ……♡」
そもそも旦那様を元に戻すにも、このズキュン♡と来た子宮にお子種をたっぷりと頂いて新たに愛の結晶を産み出さねばなりませんし??
「あのー、フィオお姉さん……?」
「ええ、ごめんなさいまし? 少々物思いにふけってしまいました……」
旦那様にそう返事をいたしまして、むくりと寝ていた体を起こします。
「わっ!? フィオナさん……!?」
「ん~ん、『フィオお姉さん』ですわぁ……♡♡…………はて?」
体を起こしただけですのに、妙にしどろもどろになられた旦那様。
わたわたとしながらこちらをむいてらっしゃいますが、チラチラと時折目線が下がります。
つられて下を見ますと……あら大変。
「あらまあ! わたくし、いつの間にか服が……」
「あ、あの! さっき食堂でフィオナさ「フィオお姉さん♡」……フィオお姉さんが、血を流して倒れた後なんですけど! ここに運んだリビィお姉さんが服を着替えさせたんです! ぼくじゃないです……!!」
「まぁ! ……そうゆうことでしたの」
シーツに隠れていたわたくしの体はどうやら、オリビアの着替えさせたセクシィ♡で悩殺ぅ♡な夜の国で淑女に人気のアダルティなビスチェに包まれていたようです。
大切♡なところをキチンと隠しつつ、透けて肌を見通せる布地が殿方の視線を跳ね返し脳殺♡という素晴らしい一品で、「当社比1.5倍の満足度」という触れ込みらしく?
まあ、実際に試したところ3倍以上の熱い夜を実感できた代物ですわ! これは心強い……!
……どうやら鼻血を流したのは無駄では無かったようですわね! グッジョブ! グゥッジョブですわ、オリビア!!
「あ、あのぉ! その、ぼくそろそろ……」
「いいえ! お待ちになって旦那様っ!!」
ガシッ!!
「うひゃ!?」
踵を返そうとした旦那様のお腕を捕まえます。
ここまでお膳立てされた身としましては、もはや押し切る他ありませんわ!!
王家のむすめは機を逃しませんの!!
「どうやら痛みは引きましたが、汗をかいてしまったようなのですの……ですからこちらのタオルでわたくしの体を拭いてくださいまし♡」
「…………へ!? えぇぇぇぇぇ!?!?」
ああ、ばあや……見ていてくださってるかしら?
わたくし、……今、正に!! 教えの通りに、押して、押して押して参りますわ!!!
ローデリア王国の姫に教えを与えるばあや、ここに来てその教えが真価を発揮するっ!!
…どういうことやねん