一方でエロ部分が意外と淡白なのは、執筆活動を始めた当初の作品ということがあるのかもしれません。最近もこれくらいあっさりでいいのかなぁ……とか思うことがあるものです。
「真希ちゃん、8番テーブルのお客様オーダーです。」
「はい。」
「真希ちゃん、入ったら5番テーブルに前菜をお願いね。」
「はい、分かりました。」
夜。真希が働く店は十二分な客で詰まっていた。彼女はここでウェイトレスとして働いている。
「11番テーブルにロゼのボトルを、2番テーブルにスパークリングを2本お願いします。」
社交的というほど明るい性格ではないものの、何でもそつなくこなすことが出来る才能があるためか、真希の接客は概ね好評であった。
「お待たせいたしました。こちらご注文の赤ワインでございます。……はい、追加のご注文ですね。少々お待ちくださいませ。」
軽い会釈をして応対していたテーブルから離れてフロアカウンターへ戻ると、チーフの男に声を掛けられる。
「真希さん、オーダーが入りました。30分後に5号室へお願いします。」
「……はい、わかりました。」
男にそう言われると、彼女はそのオーダーを受諾して2階へと向かった。そして、自らが本来の仕事とする業務を行うため、スタッフルームへと入る。
「……ふぅ。」
ウェイトレスとして着用していた制服を脱ぎ下着姿となる。
「今日は……誰が来たのかしら?」
上下の下着も全て脱ぎ捨て、一糸纏わぬ姿となる真希。そして、衣装ラックから黒のガーターベルト下着を手に取り足へと通す。
「なんだか、嫌な感じがする……」
ブラは着けずにショーツと同じく黒のショートドレスも着ると、彼女は若干癖のある長い黒髪を整えて、スタッフルームを後にした。
◇
「失礼致します。」
真希がノックをして部屋に入ると、ベッドには細身の中年男が座っており、タバコをくわえながら入ってきた彼女の姿へ顔を向けた。
「久しぶりだな、マキ。」
「はい、お久しぶりです。辻堂さん。」
「とりあえず、座れ。少し話がしたい。」
辻堂と呼ばれた男は真希を見るや否や、自らが座るベッドの隣へと腰を掛けるよう促し、彼女もその言葉に従ってベッドに腰を掛ける。
「例の話、考えてくれたか?もう1ヶ月も良い返事を待っているのだが。」
「……は、はい。」
「俺に抱かれるのが嫌、というわけじゃないのだろう?現にお前は俺とのセックスで毎回イきまっくているからな。」
「……っ!それは……!嫌ではありません。ですが、それと、その……辻堂さんの話とは別の問題ですから。」
辻堂の下品な物言いに苦い顔をしながらも、真希は彼の言葉を否定することはなかった。
「金のことなら心配はするな。少なくとも、この店の給料よりは与えてやる。いや、お前が望むものなら、何でもくれてやる。だからマキ……」
「……んっ!」
真希の乳房をドレスの上から弄りながら、辻堂は彼女を求める言葉を言い放つ。
「俺の女になるんだ。俺だけを求める女になってくれ。」
「わ、私は……あっ……!」
乳房を揉みしだく手が次第に激しくなり、真希は辻堂への受け答えよりも先に喘ぎ声を漏らし始め。
「んんっ……ふぅ……んんんっ……ああんっ!」
「胸を揉まれるだけこんなに感じやがって……どうだ、マンコだってもう濡れているんだろう?」
「やっ……ダメです……そこは……いっ……ああんっ!」
空いていた左手を彼女の下半身へと伸ばし、ショーツの中へとすべり込ませて秘部を始める辻堂。その行為に僅かな抵抗を見せながらも、真希はより大きな嬌声を上げてしまう。
「んっ……はぁ、はぁ、はぁ……ああっ……!」
「もう我慢出来ないって顔してるな。いいだろう……すぐに挿れてやる。」
「ああんっ……!」
辻堂自身も息を荒くしながら衣服を脱ぎ捨てて下着姿となる。欲情している真希をベッドへと押し倒すと、ドレスの肩紐を乱暴に下ろし、彼女の大きな乳房を外気へと晒す。
「今日こそ俺のチンポで、お前の全てを俺のものしてやる……!」
「あっ……ああ……ああっ……!」
彼が下着を脱ぎ捨てると、雄々しく反り返った肉竿が真希の目へと入り、彼女はそれから目を離すことが出来なくなっていた。
「マキ……俺の……俺だけのマキ……!」
「そ、それは……私は……あっ、あぁぁぁぁんっ!」
辻堂の言葉を否定する間もなくショーツをずらされ、真希は彼の剛直によって濡れていた秘裂を貫かれる。挿入された彼女は、より大きな声で喜び喘ぐのであった。
「あっあああっ!ああんっ!気持ちいい……チンポ、気持ちいいです……!」
「どうだ……俺のチンポは気持ちいいだろっ……!俺の女になれば……毎日このチンポを味わえるんだぞっ!」
「あっ、あっ、あっ!いっ、ひぃんっ!はい……チンポ、辻堂さんのチンポ……とっても大きくて、立派で……私のマンコが喜んでいます……!」
自らの肉棒を誇らしげに真希へと突き入れる辻堂。彼女もまた、嘘偽りのない言葉で彼を囃し立て、その肉棒から快楽を求めていく。
「どうだ……!俺の女に……なりたいと、思うようになってきただろ?」
「あぁぁぁんっ……で、でも……私は……」
喘ぎ続けながらも真希は彼に対して、再び偽りのない言葉を口にする。
「辻堂さん、あなたの女にはなれません。妻であろうと、恋人であろう、愛人であっても、あなたと一緒になることは出来ません。」
「……っ!」
彼女をよがり狂わせることで悦に浸っていた辻堂の顔が、苦虫を噛み潰したような顔へと変わっていく。
「あなたに抱かれることを拒みはしません。ですが、私はあなたのモノにはならない。なりたくないんです。」
「俺が……これほどまでに俺がお前を求めているというのにか……マキっ!」
「そういう……独り善がりなあなたのモノになんて、それにあなたは……」
真希が辻堂へ言葉を放とうとした直前、彼の右手が大きく振り上げられ、彼女の頬へと平手が襲い掛かる。
「っ……!」
部屋に乾いた音が響き渡り、真希の左頬に平手打ちの跡が残る。それでも彼女は自身を睨む辻堂の目を見ながら、言葉を続ける。
「そうやって……力で私を屈服させようとしてきた……何度も……何度も……!」
「力?こいつは力じゃなくて恐れだ。お前が俺に恐れを抱くまで、俺はお前を殴り続けるぞ。」
「同じことです……恐怖も、力でも、私はそんなものに屈したりは……んんっ……!」
頬を叩かれてもなお毅然とした態度を取っていた真希に対して、辻堂は挿入していた肉棒を力任せに突き入れる。それは既に彼女を抱くのではなく、犯すという言葉が相応しい行為であった。
「殴られてもマンコにチンポ突っ込まれて喘ぐ女が……よくもそんなことを言えるもんだな……ええ?」
「あんっ!あんっ、あんっ!ああぁぁぁんっ!!!そう……ですよ。私は、あなたみたいな人のチンポでも犯されて悦ぶ、いやらしい女……ですから。」
蔑みを含んだ言葉を吐きながらも真希は辻堂が与える肉棒の快楽を受け入れ、彼に屈するように声を上げ続ける。しかし
「ですが……私が犯されて感じるのは、あなただけではありません。」
「なに……?」
「あっ!はぁんっ……!私は……どんな人のチンポでも受け入れて感じる女です……ひぃんんっ……あなただけが私を感じさせるなどと……思わないでください……!」
「ちっ……まだ、そんなことを……!」
『思い上がるな』。真希の言葉をそう受け止めた辻堂は再び右手を振り上げると、彼女の頬を再度平手で殴りつける。
「うっ……!たまには……手を挙げずに、チンポだけで私を屈服させようとは思わないんですか?」
「黙れっ……!てめぇみたいな淫売を俺だけのモノしてやると言ったのを、お前は……!」
「うくっ……!はぁ、はぁ……はぁ……あっ、あぁぁんっ!いぃんっ、こ、こんなので私……!」
肉棒の与える快楽と暴力が与える痛み、2つの相反する感覚が真希の身体を支配して、彼女の生気を奪っていく。
「出すぞ……出すぞおらぁ!てめぇの腐れマンコに、俺のザー汁を注いでやるからよ……ありがたく思え!」
「あぐぅ……あっ、あぁぁぁっ!あっ、あっ、あっ……!あぁぁぁぁぁぁんっ!」
「くっ……うっ、くっ……!」
「あぁっ……!で、出てる……!マンコの中に……熱いのがいっぱい……!」
軽い絶頂を迎えた真希の膣奥へ辻堂が多量の精液を注ぎ込む。目からは生気が失われた彼女を睨みながら、彼は吐き捨てるように言う。
「何度でも……俺はお前が返事をするまで、諦めはしないからな。」
「あっ……あっ……あぁ……」
殴り犯した真希の秘裂から肉棒を引き抜き、辻堂がベッド傍のテーブルの煙草を手に取り、腰を掛けて一服する。
「ちっ……強情な女だ。大人しく従えば、しばらくは良い思いをさせてやれるってのによ。」
「……可哀想な人。」
愚痴をこぼす辻堂の背後でベッドに倒れていた真希が口を開く。
「なんだと……!?」
「可哀想な人と言ったんです。お金と暴力と、セックスだけで女性を手に入れることが出来ると思っている、とっても可哀想な人……」
ベッドの上で身体を起こし、真希は妖しい笑みを浮かべながら辻堂を貶めた。
「こいつ……!」
激高した彼は真希に近寄り、煙草を持っていた右手の甲で彼女の左頬を殴り飛ばす。
「うぐっ……!あうっ……」
吹き飛ばされた真希は再びベッドへと倒れ込む。口の中が切れたのか、口元には少量の血液が流れていた。
「お前みたいな女が俺を哀れむのか?いい加減にしろよ……!たかが売春婦風情が……客に向かって……!」
手に持っていた煙草を灰皿に擦り付けて火を消すと、辻堂はそのガラス製であった灰皿を手に持ち、倒れ込む真希に近寄る。
「このクソアマ……もっと痛い目に遭わねぇと自分の立場が理解出来ないようだな。」
「………」
自らに殺意を抱いているような男を前にしても、真希は顔を逸らすことなく倒れ込みながら彼を睨みつけているのであった。
「その目……その目付きが……気に入らねぇ!」
手に持った灰皿が大きく振り上げられ、中に入っていた灰が飛び散る。そして、それが真希の顔目掛けて振り下ろされ……ようとしたその時
「は~い、そこまで。お客さま、あまり部屋を汚されては困りますよ。それに……」
「なっ……てめぇ!いつの間に部屋の中へ……ぐあぁっ!」
「ウチの大事な子……商品に傷をつけるようなおイタ。これ以上は見過ごせないのよね。」
辻堂の振り上げられていた右手を掴むコタロウ。その手は彼がコタロウの存在に気が付くと間もなく、あらぬ方向へと捻じ曲げられていたのであった。
「分かってんのか……!この店のことをサツにチクったら、お前らは全員お終いだってことを。」
「警察だなんて物騒ねぇ。お店での不始末は、しっかりとお店で済ますつもりよ。」
「う、うおぉっ……お、お前は一体何者……がっ……があっ!」
足に蹴りを入れられ、コタロウに捻じ曲げられた手を離すと、その場に崩れるように倒れる辻堂。彼がその場にうずくまってしばらくすると、部屋の中に2人の大柄の男が入ってきて。
「連れて行きなさい。マナーの悪いお客様に、しっかりとルールを教えてあげるのよ。」
「ぐっ……な、なんだっ!どこへ連れて行く気だっ!離せ、離せぇぇぇぇ!!!!」
コタロウの言葉を聞いた2人は、うずくまる辻堂を掴むと部屋の外へと引きずり出していくのであった。
「さてと……大丈夫かしら、真希ちゃん。」
「はい……すみません。お騒がせしてしまったみたいで。」
「そうよ、こういうことはもっと早く言ってもらわないと。もう少しで取り返しのつかないことになっていたかもしれないのよ。」
ショーツ1枚の真希にコタロウは自らの着ていたスーツを羽織らせる。そのまま2人はベッドに腰を掛けて、一息をつかせようとした。
「知ってたんですか?私がその……あの人に暴力を受けていたって。」
「薄々はね。いえ、分かってもいたわ。殴られた跡を見れば分かるわよ。でもあなた、本当のことを言うつもりはなかったでしょう。」
「ああいうのには、結構慣れていましたから。それに私……少し、感じてもいましたし。」
「ドMなのを吐露するのは構わないけど、仕事と個人の欲求を一緒くたにし過ぎるのは困るわ。」
「はい、ごめん……なさい。」
彼の叱りの言葉に反省を見せる真希。彼女の全てを受け入れてしまう性格に、店の責任差であるコタロウも関心する一方で危惧をしているのであった。
「今日はもう上がりなさい。後に入るオーダーは断るか、他の子に頼むから。」
「で、でも……はい、わかりました。」
「……満たされてないのかしら?」
「っ……そ、それは……!」
凌辱のようなセックスで精を注ぎ込まれていた真希であったが、自らの欲求が満たされていることなかった。
「スタッフルームでシャワーを浴びて応急処置を済ませおいて。1回のオーダーなら任せてあげるから。」
「は、はい……!ありがとうございます。」
暗い顔であった真希であったが、コタロウのその言葉を聞くと僅かに明るい顔となり、羽織っていたスーツを彼に返し、ベッドの上のドレスを着ると早足で部屋を後にした。
「本当に……危なくて、良い子なのよね。」
彼女の寂しそうな顔に安堵し、微笑んだ顔に彼は心をざわつかせるのであった。