※この作品はR-18です。

高級娼館のシスター   作:Scorcher

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最終話後半です。ご主人さまとの無限セックスの終着点となります。そして最後にヒロインがある行動に出て、本作は終了となります。

ほぼバッドエンドです。救いというものは特にありません。本人が幸せだといったので、それでいいんだと思います。本当にこの作者病んでいたな。

次回はあとがきです。一応今回の投稿用に新調をする予定ですので、もしかすると時間が掛かるかもしれません。

それでは、ここまで本作にお付き合いいただき本当にありがとうございました。またいずれ、ハーメルンでお会い出来る機会を楽しみにしております。


第16話 -永遠- Part2

「……なーんか、嫌な感じがするわね。」

 

スタッフルームの椅子に座りながらも落ち着かない様子のコタロウ。既に真希がVIPルームでの接客を行う話は『下』のスタッフから聞いていたので、その相手に関することにもある程度の察しは付いていた。

 

「良い子で……不器用で、本当に危なっかしいのよね。」

 

おもむろに立ち上がり、彼は彼女の身を案じて動き始める。

 

「ナンバーワンといっても所詮は一人の従業員。でも、私がこの場所へ引き入れたからには……」

 

男女の境界に立つ娼館の管理人は、自らの責任を果たすべくスタッフルームを後にするのであった。

 

 

 

◇

 

 

 

室内に立ち込める淫臭、激しく軋むベッド、その上で彼女と彼は果てなく快楽を貪り続けていた。

 

「あひっ……あっ、あはぁっ……ひぅっ……ひぃんっ……あっ、ひぃんっ!」

「あ、ああっ……うっ……んんっ……!」

「もっろぉ……もっろひてくらはい……ごひゅじんひゃまぁ……!もっろひんぽでジュボジュボってしてぇ……」

「ま、マキ……真希……あああっ……!」

 

肉棒を突き入れる度に彼女の膣内からは白濁が零れ落ち、注ぎ込まれた子種の多さを物語っていた。

 

「あぁぁぁんっ、あっ、あっ、あぁぁぁっ!!!!!!また……またチンポぶっとくなったぁっ!ご主人ひゃまのオチンポぉっ!素敵なチンポぉっ!わら……わらひのマンコ、壊れながらイっちゃってる……いっひゃってるのぉっ!」

 

膝立ちのまま腰をしっかりと掴まれ、真希は背後から激しく男に剛直で淫裂を貫かれ続ける。男の下半身が彼女の尻にぶつかると繰り返し破裂音が鳴り、豊満な乳房は全身の悦びを表すかのように大きく弾み揺れていた。

 

「こんな……こんなに気持ちいいセックス、初めて……ですっ……!あっ……だ、らめっ……まら……まらくりゅっ……大きいの……大きいのがきひゃうっ……!あっ、あぁっ……いやぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」

 

絶え間なく達し続ける中、一際大きな絶頂を迎えた真希は声を上げながら脱力する。愛液と精液は股間からだけでなく、同じように注ぎ込まれた尻穴からも垂れ落ちるのであった。

 

「はぁ……!はぁ……!んっ……ふぅ……も、もう……わらひ、セックスのころひか考えらにゃい……!チンポ……セックス、チンポ、セックス……チンポ、チンポ、チンポぉっ!!!!!」

 

子供が覚えたばかりの言葉を繰り返し発するように、喜びの声で下品かつ卑猥な言葉を口にする真希。度重なる絶頂で疲弊しても尚、彼女は男に肉棒を求め、腰を左右に振って快楽を求めていく。

 

「あはっ……ごひゅじんひゃまぁ……・わらひ……しゃいこうのおんにゃに……なっれまふかぁ……?おひんぽ……いっぱい、きもひよくできてまふぅ……?」

 

完全に呂律が回らない状態の真希が挿入された肉棒に膣肉で刺激を与え続け、男に対して問いかけをする。性欲だけが彼女の身体を動かし、言葉を紡がせていた。

 

「ま、真希……僕も君を心から……うぐぅっ!」

「してぇ……してっ、してぇっ……おひんぽ……チンポでもっとしてくらひゃいっ!わらひの……メス豚娼婦の淫乱マンコを……もっとしてぇっ!」

 

彼女は男の言葉を聞こうとしなかった。聞く耳を持とうとはしなかった。聞くことが出来なかった。

 

「うっ……ぐぅぅぅっ!!!!!」

「ひゃぁぁぁぁんっ!!!!!チンポっ、チンポぉっ!勃起チンポまたきたぁっ……!あひっ……きもひいいぃ……きもひいいのぉっ……!ひゃぁんっ!」

 

四つん這いとなってベッドシーツを握り締め、真希は幾度目か定かではない激しい抽挿の始まりに身体を悦ばせる。彼女が与え、求めるセックスの快楽に男は腰を打ち付けながら言葉を口に出そうとする。

 

「ち、違う……僕は、美しく汚れた君を……」

「そうですよ……私はあなたに汚され、穢されて……女になりました。こうして……あぁんっ……あなたが求める最高の女に私は……んんっ……なって……ひぃんっ!」

 

男のほうを向いて、真希は彼に対して自らの胸の内を明かす。男が求めていた最高の女、それを体現しようとして、彼女にもたらされたものを情事に耽ったまま語り始める。

 

「なれたんですよ……!あなたに愛してもらえる女に……!あなたに犯されて……んひぃっ……!女にされて、汚された私が……ああんっ!あなたが求める最高の女に……いぃんっ……なったんですからぁっ!」

「ぐっ……あっ……!また……で、出るっ……!」

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!また、中出し……され……マンコに中出し……デカチンポからマンコに中出しされて……あっ、ああぁっ……!こ、これですぅ……ずっとこれが欲しかったんですからぁ……」

 

かつて多くの男に凌辱をされた時に等しい量の精を膣奥に注ぎ込まれ、真希は行為で満たされた表情となる。男が放った子種の量は、一人の人間が出せるものをとうに超えており、命の関わるような状態ともなっていた。

 

「ま、真希……僕は君を……愛して……いる……よ。」

「……はい、私も……愛しています。あなたを……あなたの……その大きなチンポを……愛しています。」

「っ……!!!!」

 

彼女にとっての愛とは、己の性欲を満たすだけの存在。そこに心などというものは存在せず、ただ身体の快楽を満たすための行為を意味しており、男が口にするそれとは決して同じものではなかった。

 

「分かってしまったんです。私はただ……セックスが大好きなだけ。ただずっと……この身体が男の人を求めていただけだったんです。」

 

自ら身体を動かし膣内から肉棒を引き抜くと、真希はその裸体を仰向けとして、男の顔を見ながら言葉を続ける。

 

「ご主人様……もっと私を満たしてください。あなたの愛で、私をもっと……もっと満たしてください……!」

 

足を大きく開き、これまでに数多くの男を受け容れてきた淫裂を自ら押し広げる真希。愛液交じりの精液が零れ落ちる肉穴を前に彼は彼女の腰を掴み、未だ萎えることを知らない巨根をあてがう。

 

「真希……好きだったよ。」

「はい、私もです……」

 

そう言葉を返した後に男の名前を口にする真希。そして、その言葉を最後に彼は残っていた理性を捨て去り、目の前にいる娼婦を激しく愛し始めるのであった。

 

 

 

◇

 

 

 

「イっくぅぅぅぅぅぅ!!!!!イクッ、マンコまたイクっ……いっ、いぃっイッぐぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!」

「はぁ……ハァッ……ハァ……!」

 

ただひたすらに肉棒を膣奥へ突き入れる動作。真希はその行為に喘ぎ続け、男に振らせ、快楽を貪り合っていく。

 

「これぇ……これですぅ……!チンポ……こうやってずっとチンポでイかされたいんですぅっ!マンコが壊れて……チンポで殺されるの……これが気持ちいいんですからぁっ!あひっ、んっ……ひゃぁっ……あっ……く、くるっ……!また来る……いやっ、あっ……イヤぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」

 

正面から一心不乱に剛直を突き立てる男の責めに、彼女は幾度となく絶頂を迎える。達し続けることで意識を失いかけるものの、容赦なく襲い来る肉棒の快感はそれすら許すことなく身体に喜びを与える。

 

「あっ……ああっ、あぁぁっ……も、もうだめぇ……らめれふぅ……!わらひ……死ぬ、ひんじゃう……!チンポでほんろうに……ひんじゃいまふかりゃぁ……!」

「あっ、あぁぁ……うっ、くっぅ……・んんっ……!」

「あひぃっ……!で、でも……そうれふぅ……それがいいんですぅ……!チンポ……ずっとチンポでマンコされるのが……いいんですからぁ……もっろ、もっろぉ……おひんぽしてぇ……!あはっ、あはぁっ……!」

 

朦朧とした意識が覚醒すると、真希は足を絡めて肉棒を求める。男の命はおろか、自らの命さえも顧みないまま、彼女は行為に没頭をしているのであった。

 

「んぐっ……うっ、ああっ、あああっ……あっ……!」

「ひゃぁぁぁんっ!!!!!ま、まら出たぁ……チンポから白いのびゅーって……びゅっびゅーって出てるのぉ……!これぇ……なんどされても幸せにゃのぉ……えへへぇ……」

 

膣内へ注がれ続ける子種にも身体を悦ばせ、呂律が回らず目の焦点が合わない声と表情のまま満ち足りた顔となる。

 

「ハァ……ハァ……っ……ハァ、ハァ……あっ、くっ……!」

 

息も絶え絶えに腰を振り続けていた男であったが、彼もまた意識を失って彼女へと倒れ込もうとする。しかし、真希は倒れてくる男の身体を抱きとめ、その顔に手を添えると目の冴えるような口付けで意識を取り戻させる。

 

「はむっ……んぢゅっ……ぢゅぶっ……れろれろぉ……んぶぅぅっ……ちゅぷっ……んんっ……んっ……っはぁ……!」

「っ……はぁ……!はぁ……!ま、マキ……?」

「大丈夫……大丈夫ですから。まだ……大丈夫です。だからもっと……もっとしてください。」

 

度重なる激しい行為で疲弊しているにも関わらず、真希は柔らかな微笑みを浮かべて男を求め続ける。考えることをやめていた彼の目にも、その笑顔だけは眩しく映り、彼女の言葉に応じるように肉棒は膨張させ、真希を壊すように抱いていく。

 

「ひぐぅぅっ!!!!!あっ、あっ、あっ、ああっっ!!!!ま、まら……本当に……本当にきたぁ……チンポ……ぶっといチンポ、デカチンポぉ……わらひのマンコ……壊しに来たぁっ……!あっ、あひぃっ!気持ちいい……気持ちいいのぉ……マンコ穴ぁ、チンポで気持ちいいのぉっ……!オチンポでいっぱい気持ちいいのぉ……あひぃ、ああっ、ひうぅっ……!」

 

人間の性交ではない、動物の交尾のように身体を交わらせる2人。「愛」などという言葉とは程遠い、性欲を満たすためだけの行為を享受して、彼と彼女は命を燃やす。互いの身体が悲鳴を上げてもなお、行為を止めることはなかった。

 

「あっ、あああっ……あああ!!!!!!こ、殺して……殺してください……!わらひを……マキをころひて……愛してくらひゃい……!そのおっきいチンポ……チンポでわらひを……いっぱい、いっぱいころひてくりゃひゃいっ……!」

「ああっ……うっ……あっ、あああああっ!!!!!!」

「ひぐぅぅぅぅぅっ!!!!!!!いぐぅっ、いぐぅぅぅぅぅぅっ!!!!!!!!オマンコっ!マンコイっでるぅぅぅぅぅっ!!!!!凶悪チンポですっごいアクメぇっ……!イきっぱなしぃ……マンコずっとイきっぱなしになっちゃってるのぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!」

 

顔と身体を弓なりに反り返らせ、下品で卑猥な言葉を叫びながら達し続ける真希。それでも男は肉棒から精を放つことなく彼女は突き犯し、弾み揺れる乳房を鷲掴みすると、それを乱暴に揉み始める。

 

「ひぎぃぃっ……!?お、おっぱい……わ、わらひのおっぱい……マンコと一緒におっぱいは……ああっ、あひぃっ……ああああっ!!!!!!」

 

不意を突くような乳房への激しい愛撫に、彼女は驚きと戸惑いの声を上げるものの、元から感度の良い場所への責めに甘い声を漏らす。

 

「はぁ、はぁっ……ああっ、いやぁんっ!お、おっぱいも感じちゃいます。マンコと一緒におっぱい……おっぱいもされると、おっぱいもマンコになっちゃいますっ……!わらひのおっぱい……おっぱいマンコになっひゃっいまふかりゃぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」

 

揉みしだかれる乳房と男の双方を見ながら、真希は膣肉ように感じる自らの乳肉へ責められる喜びを伝える。

 

「だ、だめぇ、だえぇ……お乳……お乳マンコがヘンになってるぅ……!おっぱいが熱い……おっぱい熱くておかしくなっひゃうよぉっ!いやぁっ、いやぁぁぁぁっ!!!!」

 

未知の快楽で不安に襲われ、目に涙を浮かべて子供のように喚く。膣肉ではない、乳房を中心に全身へ快感が伝わり、彼女は達しようとしていた。

 

「マキ……い、イって……イくん……だっ……!」

「いやぁっ!いやぁ、いやぁっ、イヤぁぁぁっ!私イくっ!オマンコじゃないのに、マンコでイかないのにイクのっ!マンコイキしないでイクのぉっ!おっぱいマンコでイくっ!イクっ!イクイクイクイクっっ!!!!イっっっくぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!!」

 

膣奥への激しい抽挿の最中、男の手によって乳房を渾身の力で掴まれた真希は悲鳴を上げて乳房で絶頂を迎える。自らの身体が迎えた初めての絶頂に彼女は困惑し、狂ったように叫び続ける。

 

「いぃやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!こんなのおかしいっ……!おっぱいのイクのなんておかしいのぉっ!いやぁっ、やめてっ!来ないでっ!来ないでぇぇぇぇ!!!!!!」

「あぐっ……ま、マキ……マキっ……!んぐっ……っぅぅんんっ!!!!」

 

淫らに喘ぎ狂う真希の姿に、男は朦朧とした意識の中で劣情を覚え、残された力で彼女に腰を打ち付け、膣肉を肉棒で扱き犯す。

 

「ふぐぅぅぅぅんんんん!!!!!くるっ……くるっ!くる、来る、来るぅぅぅぅ!!!!!チンポでも凄いの来てるぅぅぅ!!!!!マンコでイくの来ちゃうのぉぉぉっ!!!!!!おっぱいじゃないのぉ……マンコ、マンコでイっちゃうっ!またイっちゃうのぉぉぉぉぉっ!!!!!!!」

 

情け容赦のない、身体を壊して死に至らしめるような突き入れに身体を悦ばせ、真希は男と共に果てようとする。

 

「いっぱい出してぇっ!チンポから精液、いっぱい出してぇっ!わらひのマンコ……中出し大好きな変態淫乱マンコに全部出してぇぇぇぇぇぇぇっ!中出しっ……チンポ汁中出ししてっ、してぇぇぇぇっ!!!!!!」

「ああっ……・あああああっ!イっ、イっくぅ……!んぐぅ……」

「ひぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!!!!あ、あはぁっ……チンポからザーメン、いっぱい出てる……!マンコ穴の一番奥でぇ……オチンポ精子がビュービューって……あはっ、あはぁっ……!」

 

涙を零し、鼻水を垂らし、股間からは小水を垂れ流して真希は膣内射精の悦びに身体を震わせる。そして男の射精が続く中、彼女はこれまでで一番大きな絶頂を迎え、果てていく。

 

「イくぅっ!全部イクぅっ!マンコもアナルもイクのぉっ!おっぱいマンコでイきながらマンコでもまたイクぅぅぅっ!!!!!!!チンポ……大好きなチンポでイクのぉっ!チンポでイクッ、チンポでイクっ……!チンポでイくぅぅぅ!イクイクイクイクイクぅっ……イッぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!!!!!!!」

 

室内はおろか、娼館全体に響き渡りそうな声で絶頂する真希。喘ぎ疲れたことで声は枯れ、獣のような声で達し続けていた。

 

「あ゛あ゛っ……ま、まだ……イっでるぅ……オマンコ穴……まだ……トロトロしててぇ……あ゛っ、あ゛あ゛あ゛ぁ……!」

「ハァ……ハァ……、マキ……マキ……!」

「んっ……ふぅぅ……こんなに気持ち良くしていただけるなんて、私……本当に幸せです。あなたの愛を……受け入れることが出来て、本当に……本当に……!」

 

愛という名の性欲を果てなく求め、彼女は幸福で満たされていると口にする。そして、かつて主であった彼に対して、真希は娼婦として言葉を続ける。

 

「もう少し……もう少しです。あなたの愛を……私にください。真希をもう少しだけ……愛してくださいっ……!」

「………」

 

意識が混濁する中、男に対してただ愛という言葉を求める真希。全てが事切れるような感覚に襲われながら、彼女は彼の顔に手を添え、最後であろう口付けをかわそうとする。

 

「愛しています……」

 

その言葉の後に男の名を呼び、唇を重ねようとした真希。しかし、それを遮るかのように2人の顔に向かっていつかのように大量の冷水が浴びせられ、彼女は一瞬にして意識を取り戻してしまった。

 

「……っ!!!!!!!!」

 

同様に顔に水を浴びた男は真希の身体に意識を失って倒れ込む。目を覚まして彼に倒れ込まれた真希は、2人の間に文字通り水差した人間に対して言葉を発する。

 

「……邪魔を……私の邪魔を……しないでください……!」

 

怒気が含まれた暗い声で言葉を放った真希。それに対してバケツを片手にしたまま、男は言葉を返す。

 

「残念だけど……あなたの願いをここで叶えることは出来ないわ。ただひたすらに身体の渇きを満たすのではなく、心を満たすことが許される場所ではないの。」

 

彼の……コタロウの言葉に真希は沈黙を貫いたまま、意識を失っている男から肉棒を引き抜いて身体を離す。そしておもむろに立ち上がると、裸体を隠すことなく彼の顔を見て口を開く。

 

「心なんて……もうありません。私の心はもう……ずっと前から壊れて、なくなっているんですから。」

 

朗らかな笑みを浮かべて、彼女はコタロウに伝える。すでに求めていたものは手に入れており、失ってもいるのであった。

 

「でも……もう少しだけ、欲張りをしていいのでしたら……」

「何が欲しかったのかしら?」

 

横たわる男を見ながら、真希は僅かに表情を曇らせて本当の願いを口にする。

 

「もっと……正しいお付き合いをしたかったですね。」

「………」

 

最初から間違っていたであろう関係を悔やもうとする彼女に、コタロウは声を発することなく、その姿を見つめていた。

 

「最後にまたご迷惑を掛けてしまいましたけど……コタロウさん、本当にありがとうございました。」

「最後って……真希ちゃん、あなた……」

 

ベッドに落ちていた黒のドレスを拾って着ながら、真希はコタロウに感謝を述べる。そして、彼と主であった男のいる部屋を後にしようとする。

 

「信じているわ。心を失っていたとしても、あなたにはまだ多くのものが残されているはずよ。」

 

背を向けた彼女に対して、彼は耳を傾けさせようとする。それは彼自身の抱えた不安を拭うような言葉でもあった。しかし

 

「大丈夫ですよ……私は、大丈夫ですから……」

 

抑揚のない声で背を向けたまま言葉を返し、真希は振り返ることなくその部屋を去っていくのであった。

 

 

 

◇

 

 

 

誰もいないスタッフルーム。真希は今日の仕事を終え、この場所へと戻ってきた。

 

「レイカさんも……他の人も接客中かな。」

 

空調音だけが聞こえる部屋の中で、周囲を見渡しながら室内を歩く。

 

「レイカさんにも……たくさんお世話になったんだから、しっかりお礼を言わないといけないのに……」

 

独り言を呟きながら事務机の引き出しを開くと、その中に置かれていたハサミを見つけて、それを手に取る。

 

「たくさん気持ち良くしてくださったお客様にもお礼しないと。お客様にも……もっと気持ちよく……」

 

感謝の言葉を述べる相手を思いつつも、それを押し潰すほどの感情が彼女の身体を突き動かす。手に持ったハサミの切っ先は、自らへと向けられていた。

 

「本当に……気持ち良かったです。こんなに満たされているなんて、私……もう……!」

 

目から零れそうになるものを堪え、彼女は笑みを絶やすことなく一人で言葉を続ける。両手で握り締めた刃の先端は、首の横に狙いを定める。

 

「ねぇ……私、いま……本当に……幸せだよ……!」

 

この瞬間、自らを満たしている幸福を永きものとするため。その言葉を最後に真希は、握り締めた刃物の切っ先を自らへと突き立てるのであった。

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