誰が主人公か分かりましたか?
大本営からの任務は威力偵察だった。
高熟練度の水雷戦隊の旗艦として、私が抜擢されたようだ。
これなら、何ら最前線と変わらない…
私は一人心のなかで呟いた。
特に損害を受けることもなく任務は完了し、私は鎮守府へと向かった。
途中手をつなぎながら歩いている姉妹を見て私は姉のことを思い出していた。
あの頃は…私も…
思い出が一瞬で黒く染まる。
ねぇ…一人にして…ごめんね…
目の前に浮かぶ姉たち"だった"ものと、壊れ、ひしゃげた艤装が私の目の前に浮かび上がる。
私を庇い、静かに笑いながら死んでいく最愛の姉や妹。
何もできなかった私。
急に思いでは一転し、今度は明るい世界になる。
あ!最近どう?ここにもなれてきた?
私達は絶対いつも一緒ですよね!
貴方は私の自慢の妹なんですから!
うちらとあんたのおかげで毎日助かってるんやで〜
また一変。
今度は私しかいない部屋が思い浮かぶ。
呼びかけても誰も返事をしない。
寂しい。心細い。後悔。誰か…私を…
許して…
あの時から私の心は動いていないのかもしれない。
鎮守府へと着くと提督が笑顔で迎えてくれた。
なにか良いことでもあったのだろうか。
私はそのまま部屋へと向かおうとする。
しかし提督について来てほしい場所があると言われしぶしぶ行くことにした。
私はその後、今このときに行かなければよかったと後悔することになる。
着いた先は工廠だった。
私は首を傾げる。
提督は得意そうにドアを開けた。
そこには、姉の姿があった。
いや、"それ"は姉だが姉ではない。
それは喋った。
「おぉ〜久しぶり。うちが黒潮や。またよろしゅうな〜」
「どうだい?君の姉だよ!部屋は相部屋でいいかな?あと、訓練を手伝ってやってくれないかい?」
私の中で何かが弾けた。
「ふざ…けるな…」
「え?」二人の声が重なった。
「これは…何のお巫山戯ですか…」
自分でも驚くほど冷たい声だった。
「え…?いや…巫山戯てなんか…」
私は無意識のうちに砲を提督へと向けていた。
勿論。実弾が入っている。
凍った空気が流れる。
口を開く。
「私の姉は死にました。この人は"私の"姉じゃない。」
静かに言い放つ。
狼狽える提督と泣きそうになっている黒潮を背に私は部屋へと向かった。
部屋へと戻った私は突如として呼吸困難に襲われた。
5分ほどで収まったが私は自分がもうすでに限界を迎える直前であることを知っていた。
写真へと手をのばす。
私も…もうすぐ…
俺には意味がわからなかった。
黒潮は相当傷ついたようでそこら辺に転がっていた椅子に座ったまま俯いている。
この原因を作り出してしまった俺は黒潮の方へ向く。
「黒潮…本当にすまなかった…俺は一人の艦娘の気持ちすら考えられなかった…提督失格だ…本当に…すまない…」
俯いていた黒潮が顔を上げる。
泣いていたようで涙の跡が出来ている。
「別に…提督が悪いわけじゃない…ただ…少し心が痛むだけや…それに、うちは生まれたとき喜んでくれたあんたが人のこと考えられないとは思えん。大方、あの子のことを思ってやろ…」
「あ…あぁ…だが…俺のせいで君は…」
「別に構わんよ…でも、うちはあの子をほっとく事は出来ん。あの子にとって私は姉でなくても。私にとっちゃ可愛い妹や。その妹が苦しんでいる。なら、うちが助けたるのが道理ってもんや」
「黒潮…そうだな…俺もできる限り協力しよう。まずは…彼女の経歴からだな…」
二人で顔を見合わせ、無言で頷く。
ちょっと余裕ができたので更新〜
イベントふれいちゃん出ない(泣)