※この作品はR-18です。

闇夜の海の上で   作:sudachi0402

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ちょっと緩やかにして、詳しく書いていきます。
更新遅れたら申し訳ない…


真実

 

 

 

俺はこの鎮守府を任されると聞いたとき素直に嬉しかった。

父のが海軍上層部の人間だったから幼少期から艦娘と関わる事が多く、小さい頃から将来の夢は提督になることだった。

 

父は上司で彼女らは部下なのに和気あいあいとした雰囲気が俺は好きだった。

 

だからこの仕事が巡ってきたとき俺はチャンスだと感じて飛びついたのだ。

だが現実は甘くない。

初期艦とすら心を通わせる事のできない俺には提督は向いていないのか?そう考える日もあった。

 

彼女のあの過剰な反応。

気になる言葉。

 

知りたい。いや、知らなければならない。

そう決心し、俺は電話を手に取る。

 

連絡した先は今海軍のナンバー2にいる父親だ。

彼女をこの鎮守府に手配したのも父だし、出撃禁止令も父が下した。

何かを隠している。

そう感じた。

 

もしもし?という声が聞こえる。  

大学のため疎遠になってからもう何年も聞いていない父の声だ。

 

「父さん…久しぶり。俺だよ。」

 

「あぁ…久しぶりだな。元気か?上手くやれてるかい?」

 

「ちょっとそのことで相談があって…」

 

「ほう…なんだ?」

 

「一体彼女は何者だ?」

 

「それは…」

 

「経歴を少し調べた。ラバウル泊地にて誕生?その後はそこで十数年戦い、現在に至る。こんな適当な内容で納得できると思うか?」

 

「…………」

 

沈黙が続く。

俺は段々とイライラしてきた。

 

「頼む、親父。教えてくれ。」

 

「…………分かった…しかし、先に言っておく。聞いて後悔しても知らないしどうせお前には何もできないぞ?」

 

「あぁ、分かった。それでもだ。頼む。」

 

 

………

 

受話器を置いた俺は深いため息をこぼした。

何故、彼女は今まで生きてこられたのだろう。

深い。

あまりにも深かった。

 

誰かが背を得るものでもなかった。

 

ただ、見守るしか俺にはできない…

助けてやりたい。

だが、俺が勝手に踏み込んでどうなる?

逆に辛くなることもある。

 

俺は…どうすれば…

 

 

ノックする音が聞こえた。

 

入ってもいいぞ。というとドアの向こうには心配そうな顔の黒潮が立っていた。

 

「どないやったんや?なんか分かったんか?」

 

無言で頷く。

 

それで何かを察したのか、黒潮は俯きながら「そうか…」と一言呟いた。

執務室のソファにそっと腰掛ける黒潮の肩は少し小さかった。

 

「うちが…悪かったんかな…産まれてこなければよかったのかな…」

 

「な!?そんなことは!」

 

「あの娘がそう思ってなくても、うちは姉や。あの子のためになるなら…」

 

「やめろ。」

 

はっと顔を上げる黒潮。

今にも泣き出しそうな顔。

目にはうっすらと涙が浮かんでいた。

 

「ごめん…今のはうちが悪かった。」

 

「こっちこそきつく言い過ぎた…すまない。

 

それと。君は悪くない。絶対にだ。」

 

黒潮はたった数日しかともに過ごしてないが、俺には分かる。

黒潮は優しい。そして姉妹思いだ。

 

俺はあの時砲を向けてきた彼女の目を思い出した。

無表情の顔に何も写っていない目。

しかし、その奥には…

悲しみ、憎しみ…多くの感情が揺れていた。

 

俺はそんな彼女を救ってあげたかった。

彼女かそれを望んでいなくとも。

放っておける訳がなかった。

 

俺は黒潮を連れ、話をするために秘書艦部屋へと足を向けた。

ノックをすると返事が帰ってこなかった。

不審に思った俺はドアを開ける。

 

すると中には誰もいなかった。

任務で出ているとの報告は聞いていない。

手がかりを探すために部屋を見渡すと一枚の写真立てと写真が目についた。

逆にこれ以外、部屋に置物がなかった。

この部屋は女の子の部屋とは思えないほど、簡素で生活感が全くなかった。

 

写真を手に取るとそこには大勢の艦娘が写っていた。

真ん中にいるのは知らない提督だ。

横には彼女が居た。

しかし、俺には一瞬分からなかった。

何故なら今まで見たこともないほど綺麗で美しい心の底から楽しそうな笑みを浮かべていたからだ。

 

横から覗き込んでいた黒潮は驚きながら眺めていたが写真に写っている一人を見て口を開いた。

 

「これ…うちとちゃうか?なら…あの娘が言ってた失った姉というのは…」

 

俺は無言で頷く。

 

「彼女は…深海棲艦に目の前で姉妹を全員、甚振りながら殺されたそうだ。姉妹だけじゃない。この写真に映っている艦娘全員が死んだんだ。」

 

「そんな…」

口を抑える黒潮。

 

写真を見ていた俺はふと裏を見た。

裏には血痕が多数ついており、17年前の日付が薄っすらと読み取れただけだった。

 

 

部屋をあとにした俺達は一旦執務室に戻ろうとした。

すると廊下に彼女が倒れているのを発見した。

急いで医務室に運び、ベットに寝かせ診察をしてもらった。

その間黒潮はとても心配そうに彼女のことを見つめていた。

 

診察結果は疲労だった。

ほっと一息をついた。

本当に大事に至らなくてよかった。

急に彼女が、魘され始めた。

ベットで寝ている彼女の小さな手を俺は握ってやることしかできなかった。 




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