※この作品はR-18です。

凌辱系二次創作短編集   作:凛輪

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2.ネルは生体兵器の置き土産により捕らわれてしまう

 

 

「ギシィェエエエ~~~ッ!!!」

 

 球根型生体兵器が死の間際に放った無味無臭の麻痺花粉、それは着実にネルの身体を蝕んでいた。

嫌悪感、焦り、油断、不運、様々な要因が重なり、ネルの判断がコンマ0秒遅れてしまう。

 

(身体が……重い…さっきのヤツの仕業か……)

 

 気が付いた時には既に手遅れに近い。

ネルの指先が痺れ始め、かすりもしなかった生体兵器の攻撃に被弾してしまう。

 

「うぐぅっ……」

 

 生体兵器の打撃を紙一重で躱すが、しゅるりと角度を変えた触手がネルの足へ絡み付く。

太ももの紋章に白く濁った粘液がべちょりと貼り付き施術力を奪われる。

 

「ぐああ゛っぁ゛っっ!!」

 

 ネルは触手を切り刻み振り解くが、呼吸は荒く肩で息をする程疲弊してしまう。

渾身の衝撃波で異形を一掃するが、さびれた床が抜け落ち奈落の底に落下してしまった。

 

 

ガラガラララッ___

「くっ…床が脆かったか……」

 

 

 落下の衝撃はブニブニとした粘液の塊に吸収された。

 

(ぐっ……この臭い………)

 

 ネルは異様な空間に眉をしかめる。

目の前には先ほど倒した球根型の生体兵器が、それも先ほどより巨大な個体が鎮座していた。

 

「まずいね……」

 

 球根型の生体兵器は巨体を揺らし、獲物を歓迎するようにブルブルと震えた。

根を張り巡らせているため緩慢な動きだが、鎌首をもたげた触手だけはウネウネと素早く蠢いている。

周囲に飛び散った白濁粘液の沼が異臭を放ち、一歩踏み込めば無事では済まないだろう。

 

(……身体は動く……遠距離から一気にカタを付けるしかない!)

 

 クナイに手をかけ、冷気を込めた瞬間、足がぐらりと脱力した。

球根型の触手から粘弾が発射され、膝からつま先までを生暖かい粘液に包まれてしまう。

 

「なっ…しまった!」

 

 致命的だった___

球根型は獲物の隙を見逃す筈もなく、粘弾が四方八方からネルを襲う。

 

びぢゅっ!!ぶじゅっっ!!ぢゅぶっ!!!ぶぢゅぐぶっ!!!!

 

「くっ……ぐぅっ…!まずいっ!」

 

 ネルの紅い髪や黒衣が白く濁った粘液に塗れていく。

反撃しようと伸ばした腕が粘液の塊に胴体ごと絡め捕られ、逃れようとした右足にべっとりと伝っていく。     

 

 粘液を浴びてしまえば、全身の筋肉が溶けるような脱力に苛まれる。

指先が麻痺し始め、握ったクナイを落としてしまう。

 

(まずい……触手の届く範囲に…引きずられて……)

 

 球根型は捕獲液の粘性を利用し獲物を捕え、触手の届く距離へ引き摺り込む。

伸縮自在の分厚い粘液で包み込み、ネルがどれだけ暴れようと泥濘のような膜で逃がさない。

 

「ぐぅ……っむ………」

 

 ネルは腑抜けていく身体にムチを撃ち、懸命に踏み止まる。

ブーツの底に貼り付くおぞましい感触、粘液が意志を持つかのように機動力を奪っていく。

衣服から浸透していく生温い感触と重みに耐えるが、ズルズルと引き寄せられ後は時間の問題だった。

 

ビヂゅっ!!ぐぢゅぐじゅっ!!

「や……っめろ…む゛っ!!ぶむ゛…」

 

 遮二無二暴れるネルの身体にのしかかる無数の粘弾。

全身が覆われていき、突き刺さる生臭さに嫌悪感に身を捩る。

ぐにぐにと柔らかくも獲物を逃がさない厳重な拘束、自力で脱出する事は不可能に近い。

 

「ん゛……っむ…ぐぅ……」

 

 粘液はネルを包み込み、背中や太ももに施された紋章から力を奪う。

どれだけ四肢や腰を捩ったところで手応えは一切なく、体力と精神力だけがガリガリと削られる。

つるりと靴底が滑り、膝をついてしまう。

 

「まずいっ……足が…!」

 

 球根型は踏み止まれなくなったネルを一気に引き寄せた。

俊敏な健脚を包む装備を白濁液で縛り上げ、逃げる事も闘う事も許さない。

  

シュルルッ___ギヂギリリリッ!!!

 

 粘液の中を滑るように触手が巻き付き、ついにネルを捕える。

触手は歓喜に震えながら彼女の肢体に群がっていく。

球根型の範囲に引き摺り込まれた獲物の運命が確定した。

 

「ぐあああ゛ッッ!!離せっ!!!やめろっ!!!!くっ……」

 

 球根型が携えた触手はネルの力を‘‘吸収‘‘し始めた。

背中や太ももの施術紋章へ絡みつき、赤黒い発光をしながら甘美なエネルギーを吸い尽していく。

 

「っぎ……いいぃ゛っ…力が…抜けて……」

 

 ネルの本能が危険を察知した頃には既に手遅れ、触腕を振り解く手立てはない。

重くのしかかる粘液に動きを絡め捕られ、大蛇の群に締め上げられているような圧迫感だ。

筋肉の繊維が液体のように溶け、骨の髄から力が奪われ脱力していく恐怖に奥歯を噛み締める。

 

ずぢゅぎゅるギリヂギリィッ___

 

 球根型はネルを宙吊りに持ち上げ、四つに割れた大口を開き獲物を運んでいく。

 

「っぐごごぉっ……ぐ!ンっ!!んんんっっ!!!」

 

___捕食される。

生命の根源的な恐怖がネルの背筋をジワリと伝う。 

 

 ネルの頭部から胸にかけてが球根型の口に容赦なく呑み込まれた。

必死に球根型の胴体を何度も蹴り飛ばすが、粘液に包まれたキックは威力も鋭さもない。

 

(まずいっ!!こいつッ…私を捕食するつもりかっ!!!?それだけはっ…) 

 

 バタバタと悶えるネルからは、かつての可憐さや気高さが失われ、ただ「逃れたい」という衝動だけが露わになっていた。

球根型は触手と粘液を収縮させ、布の水分を搾り取るようにエネルギー吸収する。

 

「あ゛っ~~~っがっがッァっっが……」

 

 稲妻に打たれたかのようにネルの足が痙攣し、呑み込まれた頭から断末魔の如き絶叫が溢れた。

それでもなお抗う獲物に、追加の麻痺花粉が噴霧される。

球根型は彼女の沈黙を待たず、触手を巻き付けたまま体内へギュウギュウと押し込む。 

 

ゴボグボボボッ___ぐじゅんっ!ごじゅんっ!!ごぼぼっ!!!

 

 苦し紛れにのたうつネルの下半身が踊り狂う。

泡立った粘液が周囲に飛び散り、彼女は下品な水音を響かせながら呑み込まれていく。

 

じゅっぶヌっぢゅ!!ぐっじゅびゅっぢゅむ゛っぎゅ……

 

 ネルの足が球根型の中へ徐々に消えていく。

麺を啜るかのように残った足を呑み込み、完全にネル・ゼルファーを捕食した。

 

ごっぼ……ずっぶ…

 

 球根型生体兵器はゴボゴボと不気味な音を立て、左右に蠢動する。

極上のエネルギーを持つネルを丸呑みにし、自らの糧とする為に骨の髄までしゃぶり尽す歓喜に打ち震えているのだろう。

 

(身体が…動かない……)

 

 狭く暗い球根型の体内で、ネルの意識が沈んでいく。

彼女を待ち受けるのは死よりも恐ろしい地獄だった。

 

____

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