バフォメット村長が病弱ショタ気味青年に無知ゆえに好き放題してしまい、最終的に好き放題されて、ぐちゃぐちゃに混ざり合って最終的に二人で幸せになる話 作:五角ちくわ
息を吸い、息を吐く。
少し埃っぽい自室の空気で、少しむせた。
あれから数日、いつも通り、日進月歩、目標に向かって着実に歩んでいる。
「村長。あの、ちょっとお話が──」
「わひゃあ! 貴様! アレほどノックをしろと!」
歩んでいるはずなのだが、最近はどうも調子がおかしい。
あの日──我とあやつが、交尾をしてしまった日から、ボフマンの顔を見る度に、顔に血が上り思考が回らなくなる。
メギドとヴィータである以上恐らく子を孕むことはないのだろうが、
膣の中に射精された感触がまだ残り、なにやら下腹が疼く。
「で、話とやらはなんだ。……言っておくが交尾はせんぞ」
「え_!?_ あ、いやその……お願いします! ちょっとだけでいいんで」
「交尾にちょっとも何もなかろう!」
それに、こやつが毎日のように交尾しようとするのも困りものだ。
与えている休暇が長く、暇をしているのだろう。
村民に相談しても、顔を赤らめてそそくさと逃げるか、なにやら嬉しそうにするだけで埒が明かない。
「……バフォメットさんはしたくないですか?」
「っ!いや、まあ……一回だけだぞ」
そして毎回、なし崩し的に、そのまま交尾をしてまう。
手早く済ませるために、下着はもう履かなくなった。
椅子に腰を浮かせて座り、股を少し開き、やつの準備を待つ。
まるであやつに媚びているようで、少し苛立ちを覚える。
「ベッドに行きませんか? 腰痛めちゃう気が──」
「いいから早くしろ! こっちは仕事が残っておるのだ」
ヤツがズボンを降ろし、陰茎を曝け出す。
気が触れるほど犯されたことを思い出し、また下腹が疼いてしまった。
やつの魔羅が、膣口に当てられる。
反応を楽しんでいるのか、やつは顔をじいと見ている。腹立たしさを感じ、腰を軽く蹴りあげた。
「えっと、挿れますね」
「いちいち言わんで……んっ……くう♡」
言い終わらぬ内に、やつは奥へと陰茎を挿し込んでいく。
雁首が、膣を刮げるようにずぶずぶと押し進む。奥にコツと先端が当たった瞬間、頭にバチンと電流がはしった。
「ふっ!♡ んっ……♡ はやくっ射精してしまえっ♡」
やつがすぐにでも射精してしまえば、すぐに仕事に戻れる、何より気が触れる程の快楽に苛まれることもない。
そのはずなのに、やつはこちらを弄ぶかのように、ねっとりとした交尾を毎回してくる。
毎度、奥を責め立てられ、出したくもないのに勝手に嬌声が出てくる。
それを手で押さえるが、やつはそれを除けて、わざわざ口元へ耳を近づけた。
憧れているだのなんだのと言っておきながら、好き勝手にイジり、犯し、弄び、そして、
「……好きです! バフォメットさんっ!」
「っ!♡ きさまっ♡ シているときにっ♡ ごちゃごちゃしゃべるなっ♡ あぅっ♡ やぁっ♡」
交尾の最中に、やたらと好意を伝えようとしてくる。
やつが腰を振るたび、声を出すたびに、脳が焼けるように熱くなる。
「んっ♡ くうっ♡ ふぁっ♡ うぐっ♡」
「バフォメットさんっ! 膣内に出していいですか!」
この確認も、我がいいと言うまで続き、
「くぁっ♡ ふぅっ♡ かってにしろっ♡ はやくっ♡ だせっ♡」
びゅぐ、びゅうぅ、びゅぷ、びゅぶっ♡
結局は膣内に好き勝手に射精されることになる。
正直疲れる、けどそれよりも、なぜ断れないのかが、自分でも分からない。
「あとは、こっちで処理するから……とっとと家事に戻れ……」
「すみません、ありがとうございました」
やつが部屋から出た後に、手拭いで陰部を拭く。下腹に力を入れると、膣内に残った精液が、どろりと出てきた。
まるでハチミツのような、粘度の高い体液。
我がヴィータの女であれば、確実に孕まされたであろう濃さ。
それを丸めて放り投げ、滞り気味の書類を片していく。
やつとの交尾を思い返そうとする脳に、性欲のタガが外れたあやつ自身に、そして、疼く下腹に苛つきながら、我は塩を天秤にかけ、分量を計っていった。
§ § §
結局、書類仕事は半分も終わらずに、日が傾いてきた。
解決策が浮かばぬ苛立ちと、四六時中火照る身体の疼きで、頭がぼうっとする。
病気か毒かと思い、色々な薬を試してみたが、どれを試しても全く効果がなかった。
しかし、それらを超える問題が──
「村長ー、遅くなってすみません」
屋敷の戸が叩かれる音で、ハッとし飛び起きる。階段を駆け下りると、そこには呼びつけた村医者が居た。まばらな白髪の後頭部を掻き、バツが悪そうに猫背で佇んでいた。
「……というわけなんだがな、医者として何か思い当たる節はないか?」
「いや、まあ、ありますけどぉ……」
医者は手を揉み、目を泳がせる。貴重な品なのだろうか、だが治るならなんでも良い。
「金ならある、処方をくれ」
「あー、あ!ちょっと今切らしていてぇ……その、経過を看るということでひとつ」
さっきと言っている事が違う。そう言っても愛想笑いをして及び腰になるだけで、埒が明かない。
愛想をつかせて、医者を家へ帰す。
村人に相談したときも、そそくさと逃げるか、嬉しそうにするだけで埒が明かなかった。
かくなる上は──
「……アジトの連中たちに聞くか」
我のようにメギドラルから直接来た連中とは別に、処刑として魂を追放され、ヴィータとして生まれ変わった連中もいる。
人間としての身体の変化や病気に関しては、やつらに分があるだろう。話を聞くことが解決の糸口になればいいが……。
後ろでこそこそとしていたボフマンに言付けて、早馬に乗りアジトへと向かった。
§ § §
「……というわけなんだがな、追放されたメギドとして何か思い当たる節はないか?」
「いや、まあ、ないというか、あるというか……」
丁度ソファで寝転がっていたオリアスに、
襲われたあとに何度も行為をせがまれていること、何故か断り切れないこと、そして、四六時中体が疼くことを伝えたが、
「……もしかして、私のあげた薬飲んじゃいました?」
「この間のコレか? 開けてもおらんが」
よくわからない事を言い、胸を撫で下ろすだけで質問には答えない。再度質問をしようとすると、オリアスは急に顔を赤くしこちらを睨んだ。
「じゃあ私のせいじゃなくて、バフォメットさんがえっちなだけじゃないですか!」
「なんだ_!?_ なんのことなんだ_!?_」
急に怒りをぶつけられ、思わず後ずさる。何に対して、何故怒っているかが分からず、オリアスに三度目の質問をしようとする。
しかし、質問の続きは、マルファスが来たことによって中断されてしまった。
「とりあえず場所を移そう。今の話の前後も聞きたいしね」
髪を掻きあげ、資料室へと向かうマルファスの後についていくため、オリアスの大きな尻をつつき、奥へと向かった。
丁度、勉強会が終わったのだろう。幼いメギドたちが、軽やかな足取りで駆けている。童たちを横目に、我らは最奥の、資料室に入る。
入り口近くで資料を漁っていたフォラスに、人払いを頼んだマルファスは、一番隅の六人掛けのテーブルへと腰掛け、対面に座るよう、我らに促した。
「で、とりあえずその……どうして襲われるまでに至ったんだい? 前に話を聞いた限り、そんなことをするような奴だとは思えなかったんだけど」
そう聞かれ我は、アジトに精液の瓶を持っていった以降の経緯を話す。
直接、経口摂取したこと。結果、力を引き出すには至らなかったこと、そして実験を中止した後に、マッサージを頼んだら襲われた事を伝える。
また顔を赤くするオリアスと、眉間にシワを寄せるマルファス。
何故そのような反応をするかが分からず、もやもやした想いをぶつけようとするが、マルファスに手で制されてしまった。
「で、だ。個人的には、君にも人間的なところがあって面白いなと思うんだけど、仕事に支障をきたしているとなると、ちょっと問題だよね」
「いや、そっちは村人にまかせてしまえば問題ないのだが……それよりも重大な問題があってな」
「これ以上の問題って……まさか子──」
また騒ぎそうになるオリアスを杖で小突き、話を続けていく。
仕事が手に付かない事以上の問題──仕事中も、食事中も、起きても寝ても、ボフマンの事がチラつき、そして、
「ヴァイガルド征服の事が考えられなくなってしまったんだ……」
それは、メギドをメギド足らしめる、己が矜持を失いかけていることを意味していた。
「我が、我でなくなってしまうような。『個』が消えてしまいそうな感覚が……」
死ぬよりも怖い、息が出来ないほど苦しい。
「なるほど……僕らみたいに追放された連中にとっては、成長の過程で起こりうる普通のことなんだけど、そうじゃないメギドにとっては、個の消失に繋がりかねないのか」
「ええい、他人事だと思って……」
一人納得しているマルファスに、思わず舌打ちをする。すると、普段どおりのシラけた目をする顔に、冷笑を浮かべ肩をすくめた。
「まさしく他人事だからね」
「チッ……で、一体何なのだコレは、流行病かなにかか?」
「えっと……病と言えば病ですけど……」
オリアスは目を泳がせながら、腕を組んだ。我と同じくらいの大きさの胸部が、ぐにぃと押しつぶされる。
やつがオリアスを見たら興奮するのだろうか、と考えてしまい、何故か胸が苦しくなってしまう。
すると、我の顔を覗き込んでいたオリアスが、ガバリと立ち上がった。
「バフォメットさん!」
「お、おお? なんなんだ急に」
「バフォメットさんが陥っている病、それは恐らく──」
突然、オリアスが視界から消えた。代わりに目の前に現れたのは、クチナシ色の髪を上で結び、バラバラに枝分かれさせている、ギンガムチェックのスカートのメギド──シャックスが現れた。
消えたオリアスを探すと、シャックスに吹き飛ばされ床転がっている。あれは痛そうだ。
「あれ? オリオリどうしたの? だいじょぶ、だいじょぶ?」
「シャックス!」
マルファスは、オリアスに手を貸しながら、悪びれもせずに笑う少女の名を呼ぶ。
シャックスは、声をかけられたことも気にせず、我の方を見みて、手を振った。
傲慢である事は自覚しているが、彼女の自覚なき傲慢の強さには流石の我も負けてしまう。
「あ、バフォバフォもいたんだ! いつから居たの?」
「……バフォメットは最初から居たよ、お前もしかして鳥目なんじゃないか?」
オリアスを椅子に座らせた彼は、キョトンとした顔をするシャックスに最大限の皮肉を浴びせた。
しかしシャックスはと言うと、特段気にもせずにケラケラと笑う。
口撃をへらへらと躱し、受け返しでまたマルファスが口を尖らせる。
そんな応酬が暫く続いた。いわゆる犬猿の仲というやつだろうか、何時まで経ってもいがみ合いが終わらない。
「でもでも、あたしマルマルの事は見逃さなかったよ?」
「……馬鹿、いいんだよ。そういう事は言わなくて」
そして結局、シャックスの一言で言い合いが収まった。いつもの光景のはずなのに、今日は何故か苛ついてしまう。
すると、同じく苛ついた様子のオリアスが、出入り口へつかつかと進んでいった。二人共こちらの様子すらみておらず、彼女は余計腹立たしそうに床を踏みならす。
「……我も残ってる仕事があるのでな、またそのうち相談に来る」
我の言葉も届いていない様だったので、一言、届いてないだろう別れの挨拶をし、その場を発つ。
結局、頭の中を支配するボフマンの影は拭えず、早々とアジトを後にすることになった。
そういえば、とオリアスから貰った風邪薬を取り出す。マゼンタピンクに発光するそれはラベルが剥がれており、ずぼらな魔女らしいな、と溜息を付いた。
まあいい、頭がぼうっとするなら風邪の可能性も高い。我は、小瓶の半分程を飲み干し、早馬で村へと駆けていった。
「……あ、バフォメットさんに渡していた薬、返してもらうの忘れてた」
「あれ、媚薬だったのよねぇ、飲んでないといいけれど……」