神裂火織は何かよく分からない物と戦っていた。
それは、黒くブヨブヨしていて、輪郭がはっきりせず、煙か霞のように揺らめいている。
そして、目や耳や鼻などの器官は見当たらない。しかし、それには形象があり、明らかに知性がある。
神裂火織と黒い物体は、刀で戦闘を繰り広げていた。
しかし、神裂は苦戦している。動き、剣捌きが鈍っているどころか、どんどん遅くなっているように思える。
黒い物体は、神裂火織の刀を、あろうことか、かいくぐって、神裂を斬った。
黒い物体は、神裂から距離を取って、また構える。ひたすらに気持ち悪いまるで自らの動きをコピーしたかのような動きに、神裂は追い立てられているようだった。まるで自分と戦っているようだ。姿は違うのにまるで呼吸さえも同じタイミングだ。神裂は、自分の刀を見て、小さく呟いた。
「気持ち悪い…一体…何なんですか……これは……」
神裂は、刀を大きく振る。黒い物体は、その一撃をよけて、神裂へと肉薄する。
神裂は、それを受けようとするが、その直前、黒い物体が神裂の身体にまとわるように、うねった。
黒い物体はそのまま神裂の身体に巻き付くように取り付いた。そして、そのまま神裂の動きを鈍らせていく。
その気持ち悪さに、顔を苦しそうに歪める神裂。だが、その表情さえも同じタイミングだった。まるで鏡を見ているかのようだった。
「この感じ……どこかで……」
神裂は、ハッとした表情を一瞬浮かべた後、すぐに苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。
「まさか……あなたは……」
神裂は、歯を食いしばった。そして、刀を持つ手により一層力を加えた。しかし、黒い物体はさらに巻き付き、神裂を弱らせる。黒い物体は神裂の顔に張り付き
、視界さえも奪う。
神裂は刀を振るが、その一撃も鈍ったもので、相手に当たる気配はない。
そうこうしているうちに、黒い物体が神裂の全身を包み込んだ。そのまま、神裂を拘束する。まるで、粘土のように自在に形を変化させる黒い物体に完全に全身を取り込まれたようだ。
「まずい……これは……」
神裂は身体を動かそうとするが、身体は完全に黒い物体に飲み込まれ、動かすことはできない。しかも、その形状は、神裂が先ほどまで、斬り合っていた物の動きそのものである。神裂は、刀を振り回すが、まったく無駄なことであった。
そして、次の瞬間には黒い物体は神裂ごとぐにゃりと溶けたように形を変えた。まるで液体のように自在に形を変化させられるようだ。
「!!!?」
次の瞬間、黒い物体は神裂の全身を包み込んだ。そして、そのまま形状をまた変え始める。
「う……あうっ……」
神裂は、苦しそうに声を漏らす。
次の瞬間には、黒い物体は完全に神裂の全身を覆い尽くしてしまった。もはや、どこが手なのか、足なのか、頭なのかも分からないほど完全に混ざっている。まるで粘土で型を作っているかのようだ。「う……くっ……」
神裂は、苦しそうなうめき声を漏らしている。顔まで完全に黒い物体に覆われて、表情すら見えない。唯一動かせるのは、頭と胴体だけだった。しかし、それも胴体に巻き付いてくる黒い物体によって締め付けられることによって、すぐに動きが止まってしまう。
神裂は呼吸をしようと口を開くが、入ってくるのは、ドロドロとした黒い液体だけだ。呼吸できないので、苦しくて仕方がない。
しかも、身体も締め付ける力はどんどん強くなっている気がする。このまま圧力で潰されてしまうのではないだろうか?神裂は恐怖を感じた。しかし、どうすることも出来ない。ただひたすらに、黒い物体によって圧迫されるしかなかったのだ。
「くっ……うっ……うぁ……」
神裂は苦しそうなうめき声を上げることしかできない。完全に身動きが取れなくなってしまった彼女に対して更なる追い討ちをかけるかのように、彼女の身体の中に入った黒い物体が、彼女の身体を侵食し始めた。まるで、粘土で型を作るように、神裂の身体の形が変わっていく。
「う……くぅ……」
神裂は苦しそうな声を出す。しかし、抵抗すらできない状態だ。
手足の先から頭の先まですっぽりと包まれて、自由を完全に奪われてしまった。
呼吸しようとしても、口の中に入ってくるのはまた黒いドロドロとした液体だけだ。彼女は、自分の肉体が粘土のように形を変えられていることを理解していた。その恐ろしい感覚は神裂を恐慌状態へと導いた。しかし、どうすることもできない。彼女は絶望的な状況に置かれていた。
そして、ついに限界が来たのか、彼女の口から黒くなった液体が大量に吐き出された。それは、彼女の口から吐き出されたというよりも、まるで彼女の身体の内部から湧き出て来たかのようだった。
「……っ……う」
だが、それは紛れもなく神裂火織の身体の一部であり、彼女が体内に取り込んだものだ。それが今すべて吐き出されたのだ。
黒い液体が、彼女の口から流れ落ちて、地面に溜まっていく。彼女は息も絶え絶えで、今にも気絶してしまいそうだった。だが、それは形をなし、人型になっていく。足が生まれ美脚ともいえる脚が伸びていく。腕が生まれ彼女の細くすらりと伸びた肢体を覆うように、腕ができあがり手が形成されていった。最後に頭が作られて、神裂火織の顔が出来上がった。それはまさに神裂そのものだったが……しかし、完全にコピーされたわけでは無いようだったが……その肉体は変化していた、まるで神裂の身体を再現するかのように形作られた身体は、まるで全裸の姿を晒しているように見えた。胸もちゃんとできあがっており 、豊満な胸が揺れていた。
「うぅ……こ、これは……一体……」
神裂はそれの姿を見て絶句した。そして、青ざめた表情を見せる。それは紛れもなく神裂自身と同じ姿をしていたのだ。そして神裂と同じ露出の多い格好の衣服が覆われ、なんと髪が生え始めた。それは紛れもない神裂の黒髪だったのだ。こんな漆黒の闇の中でも艶めき、光を反射する神裂の美しい髪が、今、全く同じものが、目の前の神裂にもあったのだ。
「う……そ……」
神裂は絶望に満ちた声を上げた。自分の完全なコピーと相対してしまったことに衝撃を受ける。そして同時に恐怖が湧いてくる。世界に20人といない聖人たる一人の神裂が二人存在していることに対する恐怖だ。しかも、目の前にいる彼女は、神裂と同じく聖人だ。恐らく実力は互角だろう。先ほど自分は『黒い何か』に襲われたではないか。それによって何かされたのかもしれないと考えるのは自然なことだったかもしれないが・・・
「…そんな……もう一人の私が……一体……?」
しかし考える暇はない。すぐに目の前の自分と同じ姿をした何者かが、襲ってくるかもしれないのだ。それは彼女への対処を考えるよりも行動に移したほうが早いということだ。とにかく先手を取るしかないと神裂は、すぐに行動に出たが、瞬間、神裂の身体に異変が起きた。全身に電流が走ったかのような感覚に神裂は襲われたのだ。それと同時に体が熱くなっていく感覚があった。まるで媚薬を飲んだかのようだった。
「う……くぅ……」
同時に身体から力が抜けていく感覚が襲ってくる。
「な、なんですかこれは……?」
何か魔術をかけられたような感覚。だが、特に肉体や魔力に変化は感じられない。しかし、身体の奥底からこみ上げる衝動に神裂は戸惑っているようだった。身体が疼き出し、頭がボゥ~とするような感覚だ。
「ど、どういうことです……」
神裂は困惑するように呟くが、答えるものは誰もいない。その間にも次々と異変が起こる。今度は自分の頭に何かが入ってくるような違和感と視界が歪むような感覚。そして、もう一人の神裂が同じ表情を神裂に見せてくるように、神裂は表情を歪ませてそれを見ればまた同じく表情を歪ませた。それを見ればまた同じく表情を歪ませた。ひたすらに気持ちが悪い感覚であった。
「私の姿を……コピーするだけじゃないのですか……?」
神裂は、不愉快そうな表情をしながら言う。
(一体……私をどうするつもりなのですか……?)
神裂がそう思いながら睨み付けると、もう一人の自分から返って来たのは
「?私の姿を…コピーしたのはあなたの方でしょう」
という台詞だった。それを聞いた神裂は驚愕に目を見開く。そんなはずはない、頭がかき回されるかのような衝動に、神裂は
「何を言って……貴方が私の姿を真似ているじゃないですか……」と、反射的に答えてしまったのだ。そう答えた瞬間、神裂は身体が熱くなるような感覚を味わってしまう。思わず吐きそうになるほどの衝動が襲い掛かるが、それをぐっと堪える。神裂がそう答えると、また同じセリフが返ってくる。
「?何を言っているんですか?私の姿をコピーしたのはあなたでしょう?」
(くっ……)
神裂は、自分に起きている異変に気付きながらも、それを表に出さないようにして反論する。
「何を根拠にそのようなことを言っているんですか?あなたは……」
彼女は冷静に相手を牽制するように返すが、心の中ではかなりパニックになっていた。それは相手も同じのようだった。
「?だから!私の姿をコピーしたのはあなたでしょう!」
(な、なんなんですかこれはっ・・・!)
「くっ……うっ……」
神裂は苦しそうな声を上げる。自分が二人に増えるという状況は、あまりにも不自然だし気持ちが悪い。こんな不可思議なこと普通は起こりえないことだからだ。しかし、目の前にいるのは自分と全く同じ姿をした存在。一体、何が起きているのだろう?苦しそうな表情で神裂を見るもう一人の神裂
「「くっ……うっ……私の真似しないでください」」
神裂は、不快そうに睨みつける。その表情を真似するもう一人の自分。
「「っ……や、やめてください!本当に迷惑なんです!」」
神裂はその自分の姿のコピーに不快感を感じてしまい激しく拒絶するが、そんな感情すらコピーされており、ますます気分が悪くなってきた。
「「とってつけたようなセリフで私を追い詰めようたって……」」
そう言いかけたところで、またも身体が熱くなったように感じてくる。神裂は言葉を途中で止めた。
「「ま、また……私真似するなんて!やめなさい!!」」
神裂は、声を荒げながら叫ぶ。まるで自分が本当にもう一人増えたような気分だ。
「「ぁっ・・・!もうやめなさいっ・・・!」」
神裂は、苦しそうな声を上げるが、もう一人の神裂も苦しみに悶えていた。もう一人の神裂を排除しようとすると、激しい頭痛、吐き気が襲い掛かってくる。
(うっ・・・だ、だめです……意識が……飛びそうです……)
神裂は意識が朦朧とし始めてしまう。
「はっ……!っはぁ……!」
神裂は、息も絶え絶えの様子で呼吸を整えようとするが上手くいかないようだ。身体は熱湯の中に放り込まれたかのように熱く火照ってしまっているというのに、顔は青ざめているという不思議な状態になっていた。そしてなによりも、吐き気や頭痛のせいで思考が鈍ってしまっていた。神裂は何とか立っているものの、ふらふらとしていて足元がおぼつかない状態になっていた。
「うっ……はぁ..っは……んっ..」
神裂はまるで発情してしまい呼吸さえもままならないというように艶かしく呼吸をしていた。その姿は、とてもエロティックで背徳的なものだったが、本人にとってはそれどころではなかった。今まで感じたことのない未知の苦痛と嫌悪感。それが神裂の精神を蝕んでいく。
「う・・・く・・・くぅ・・・」
神裂は苦しげに声を漏らす。身体の奥底から湧き上がってくる衝動に耐えかねて、身体をくねらせると、衣服が肌に擦れる感触が余計に不快感を与えてくる。しかし、それを止めることなど出来ないし、止める余裕もなかった。『ドップリとした快感を感じてしまっていた』。しかもその量は尋常ではないくらいに多い。まるで自分が自分ではなくなる感覚を覚えるほどに。
「ぁ・・・はぁ・・・」
神裂が呼吸をする度に、口から吐き出される吐息には快楽の色が混ざり始めていた。そのことからも、それがただの不快感でないことは誰から見て明らかだっただろう。事実、彼女の身体は快楽によって反応しているのだ。
(くっ……ま、また身体が熱くなってきました……!)
彼女は必死に抵抗しようとするものの身体は言うことを聞いてくれない。
それはもう一人の神裂も一緒のようで、とてもエロティックで背徳的光景であり、見ているこちらが目を背けたくなってしまうが、しかし視線を外すことは出来ない。それほどまでに神裂と酷似した姿であるために、まるで鏡を見させられているかのようだったのだ。そして気付けば綺麗な顔同士が触れ合いそうなほどに接近しており、鼻先がくっつきそうだ。しかし、鏡合わせのように同じなのにも関わらず、その表情すらも同じだった。
「くぁ……あ……はっ……」
「ふぅ・・・あっ……くっ・・・!」
神裂ともう一人の神裂は完全にシンクロしながら声を上げる。自分の考え、記憶、思想に仕草に至るまで何から何まで全く一緒なのだ。そして、自分が自分を見つめているという状況はあまりにも奇妙であり、まるで夢でも見ているような錯覚を覚える。それは悪夢のような光景だが、しかし同時にとても甘美な夢のようでもあった。
「あっ……あぅ……はぁ……」
「うっ……ふぅっ・・・ん」
二人の神裂の息づかいは段々と激しくなっていく。だが、その動きすらシンクロする有様だ。
(な、なんですかこれは?)
(一体、どうなっているのです?)
二人は心の中で問いかけるように言葉を発したが、それも全く同じタイミングだった。そしてそれすらも同じなのが救いようもなく鬱陶しい。彼女たちは必死になってその不快感と嫌悪感を耐え凌ごうとしていた。だが、その苦痛から少しでも逃れるためにどうすれば良いのか、そんなことも分からないままに動き始めていた。
「っ……はぁ……」
「ふー・・・んぁ……」
神裂は、苦しげな表情をしながらも、殴りかかる。もう一人の神裂も同じように拳を振り上げるが、その動きも同じであった。そして同じように相手の拳を払い除け、同じように蹴りを入れると、全く同じ動きで避けようとする。それもまた全く同じであり、まるで鏡合わせのように拳を打てば自分の顔にヒットするし、蹴られれば自分と同じ場所を蹴られているために痛みを共有してしまうような状況だ。
「んくっ!!」
「っ・・・ん!」
全く同じ動き、全く同じ痛みを与えられるというのは想像を絶する苦痛であり、それこそ神裂は吐き気を催しそうになる。だが、吐くことも出来ない。互いとんでもない威力を同じ身体に与えられているせいで、ダメージも全く一緒なのだ。
「はぁっ……はぁ……」
神裂は苦しげに顔を歪ませながら、もう一人の自分を見た。そして同じように顔を歪めてこちらを見ているもう一人の自分を見てしまう。腹の立つほど同じな相手に、不快感を抱かない方が異常だ。だが、その苛立ちと嫌悪感を全く同じものを共有してしまうために、神裂は怒りが抑えきれずに拳を振るう。しかしまたも全く同じタイミングで同じように攻撃してくるため、当然二人の拳はぶつかり合い、痛みを共有してしまう。
「くっ・・・う・・・」
「くぅっ・・・!」
神裂たちは、苦しげな声を上げながら、再びぶつかり合う。そして全く同じように痛みを共有してしまう。それが何度も何度も繰り返されることによって、神裂の身体はボロボロになっていた。
「「う・・・くぅ・・・」」
同じ苦痛を何度も与えられ続ける、あらゆる攻撃が鏡合わせのように同じ相手によって返される、そのような状態に陥っては、いかに神裂とはいえ耐えられなかった。
「「いい加減に!」」
二人の神裂は全く同じように声を荒げるが、そんな状態であってもやはりシンクロしてしまうのだ。その光景はもはや滑稽でしかなかった。
「私の姿をコピーして、一体どうするつもりなんですか!?」
「私の姿をコピーして、一体どうするんですか!」
同時に同じセリフを口にしてしまう。そのことが更に彼女の不快感を増大させていく。しかし、それに構わずもう一人の神裂は続ける。
「コピーしたのは貴女の方でしょう?いい加減にしてください!」
「コピーしてきたのは貴女の方でしょう?いい加減にしてください!」
二人の神裂は、全く同じことを同じ声で口にしながら睨み合う。相手が自分と同じ顔なため、苛立ちは三倍増しだった。そう言ってくるもう一人の神裂に対し、神裂は思わず言い返してしまう。そうしなければ気が済まなかったのだ。
「私が、貴女の真似をしているというのですか!?ふざけたことを言わないでください!」
そう言ってもう一人の神裂を睨み付ける神裂だったが、その行為もまた相手の感情を逆撫でするだけだった。
(くっ・・・また……!)
神裂は苦々しく思いながらも再び苛立ちを募らせていく。もう一人の自分が目の前にいるだけでどうしようもない不快感に襲われるのだ。しかし、同時に相手に対する怒りもあるのだが、それは自分自身に対する怒りでもあった。何故、自分と同じ姿なのか?何故、自分と同じように考え、感じているのか?そのことに対する憤りは止めようがなかった。
「私が貴女の真似をしていると言いたいんですか!?そんな訳ないでしょう!」
もう一人の神裂はそう叫びながら、再び殴りかかってくるが、全く同じタイミングで拳を振るってくるため
「ぐっ!?」
「いっ・・・!!」
全く同時に顔を殴られ、口から悲鳴が漏れる。だが、痛みも全く同じだ。腹を殴り合い、蹴られたのも同じタイミングであり、衝撃も全く同じだった。
神裂ともう一人の神裂は苦しげにうめき声を上げたが、それでも攻撃を止めなかった。そうしなければ自分が壊れてしまうとでも言うかのように、何度も何度も殴り続けた。
「っ……くぅ……!」
「うっ……くぅっ!」
そして再び同時に拳を振り上げる二人。全く同じタイミングで腹に向かって拳を放つが、やはり結果は同じだった。
「ぐっ・・・!」
「うぁっ・・・!?」
激しい苦しみと嫌悪感を覚える二人だったが、それでもやめることが出来なかった。それほどまでにもう一人の自分が許せないのだ。鏡写しのように寸分違わず同じ動きをするもう一人の自分が目障りで仕方なかったのだ。たとえそれが自分自身の姿だとしてもだ。そして再び攻撃を再開するのだが、その行動も全くの同時なので意味がない
「いい!加減に!してくださいっ!」
「いい加減に!してください!!」
神裂ともう一人の神裂はほぼ同時に叫ぶと、互いにお互いを掴もうとし抱き合うような形になってしまった。
「くっ……!」
「うっ!」
またも不快な接触をしてしまったことに、神裂たちの表情が歪む。そして、次の瞬間には互いに身体を密着させたまま殴り合いを始めるのだ。
「ぐっ!ぎっ!」
「うっ!あっ!!」
拳がぶつかり合うたびに、鈍い音が響く。同時に自分の胸が相手の胸に叩きつけられる音だった。
(なんて、嫌な感触ですか……!)
神裂は心の中で悪態をつく。しかし、そんなことで状況が変わるはずもない。むしろ悪化する一方だ。何故なら、胸と胸がぶつかり合うということは、相手の心臓の鼓動が伝わってくるということなのだから。つまりそれは自分が生きている証拠であり、自分が生きている限り相手もまた生きているということだということになるのだ。そしてそれが分かってしまっているからこそ余計に苛立ちが込み上げてきてしまうのである。
「んっ……一体何のつもり何ですか!私と同じ姿で、同じ技を使って……一体何のつもりですか!?」
「それはこちらのセリフです!私の姿と力を使って一体何を企んでいるのですか!?」
二人の神裂は激しく言い合う。その内容は全く同じであり、互いに互いの目的が分からないために苛立ちを募らせるばかりであった。
「私は何も企んでなどいません!貴女こそ何か目的があるのでしょう!」
「私だってありません!一体何を根拠にそんなことを!」
「当然です!貴女の姿形と力は、私の力と同じであり、同じ思考を持っている者を放置しておくわけにはいきません…ですから、さっさと私の真似をするのをやめてください!」
「貴女こそ、私の真似をするのをやめてください!不愉快なんですよ!」
神裂はそう言うと、もう一人の自分に向かって回し蹴りを放つ。すると、全く同じタイミングで回し蹴りを放ってくるので、お互いの脚がぶつかり合い激しい音が響き渡る。そしてそのまま二人はバランスを崩し倒れ込むのだが、その瞬間にも互いの足がもつれあい、全く同じタイミングで転んでしまう。
「「くっ!」」
再び重なり合う声と声。抱き合うように、神裂たちは至近距離で睨み合う。
「いい加減にしてください!貴女が私の真似をしなければ、こんなことをせずに済みます!」神裂はそう言うと、もう一人の自分を強引に突き放す。しかし、相手も同じように抵抗するため、結果抱き合っているかのような体勢になってしまう。
「ぐっ……そ、そっちこそ……!私と同じ姿をしている癖に……!」
もう一人の神裂も負けじと押し返す。すると再び同じタイミングで抱き合う形になってしまう。その感触も全く同じであり、神裂は不快感と怒りで顔を歪ませた。
「いい加減に、してください……!」
「そっちこそ、しつこいんですよ……!」
二人は相手を睨みつけながら叫ぶと、再び殴り合いを始める。全く同じタイミングで拳を放ち、全く同じタイミングて防御し合う。鏡に映った自分を殴るような虚しさとむなしさをかみしめながらも、神裂たちは殴り続けるしかなかった。
「ぐっぅ!くっ……!」
「ぐっ……あぅ!」
神裂たちは、苦悶の表情を浮かべながら殴り合う腹を何度も何度も殴り続ける。そして、その痛みすらも共有してしまうために、苦しみはさらに倍増しにして二人を襲う。
「はぁっ!はぁっ!」
「くぅ……っ!」
神裂たちは肩で息をしながら殴る、既にこの体勢になって数億発以上は殴っているはずなのに、共に限界は迎えているのに、痛みは共有され、ダメージも共有してしまうが故にお互いに振り出しに戻ってしまっている。全く同じダメージを、まったく同じタイミングで受けているのだ。それがとても屈辱的なことであり、神裂たちは激しい焦燥感に襲われることになったのだが、その感情が苛立ちを掻き立て更に殴り合おうとさせてしまうのだった。
だが、そんなループを繰り返しているだけでは全く無意味であり何の解決にもならないことは明白だ。しかしそれ以外に神裂たちが取れる手段はなかった。神裂たちは何度も拳を重ね合わせた後、今度は腕を広げて抱きしめ合おうとするかのように身体を寄せ合うことになった。またも胸と胸が重なり合い、二人の顔は更に近くなるがすぐに互いから離れまた拳を握ることになる。
「「くっ……はぁ……っ」」
「「はぁ……ぐっ……!」」
神裂たちは苦しげな息を吐きながらも、殴り合いを再開する。全身は既にボロボロで、赤黒い痣が痛々しく刻み込まれていた。だが、それでもなお殴り続けられてしまう現実こそが二人の心を容赦なく痛めつけていった
(一体いつまで続くのでしょうか……!)
神裂は心の中で叫ぶようにして問いかけるも、当然答えは返ってこない。ただ目の前にいる自分と同じ姿をした女を殴るだけだった。
「「くっ……くぅっ!」」
「「ぐっ、ぐぅぅっ!」」
二人の神裂は苦悶の声を上げながらも殴り合いを続けていく。しかし、どれだけ殴っても相手のダメージは自分のものになるだけで、全く意味がないものだった。ならばいっそと額をぶつけあったり、頭突きをしたりしても結果は同じだった。ただ、額から出血し、痛みが増えるだけであり、何の意味もない行動だったのだ。
「はぁ……っ!」
「う……っ」
神裂は、額から血を流しながらも憎々しげにもう一人の自分を見つめる。相手も同じように血だらけの顔で、自分を睨んでいるようだった。もはや鏡合わせのようにしか見えない自分たちの顔貌だったが、その瞳に映る感情はまるで別人のもののように違った印象を受けた。そしてそれがより一層神裂の心を不快にさせるのだった。
「いい加減にしてください……!」
神裂は怒りに満ちた声でそう言うと、もう一人の神裂は顔を近づけながら睨みつけてくる。
「それはこっちのセリフです!いい加減にするのは貴女でしょう!?」
もう一人の神裂も、もう一人の自分に対して同じように叫んだ。お互いに睨み合い、そして同時に拳を振るう。鈍い音が響き渡り、二人の唇から血が流れ落ちるがそれを無視して殴り続けてゆく。
「くっ……はぁ!いい加減に、してください!」
神裂は同じ姿をして、同じように怒りを抱くもう一人の自分に対し言い放った。しかしそれを聞いたもう一人の自分もまた口を開くと、同じような言葉で返してくるのである。
「そっちこそさっさとやめればいいでしょう!?」
二人の神裂は激しい嫌悪感を覚えながらも睨み合うと「貴女こそ……!」と、またも同時に言い放ち
「「……ッ!!いい加減にしろって言って言ってんだよ!」」
同時に怒声を上げて、拳を振りかざした。その瞬間、二人の神裂は自らの腹に向かって全力で拳を突き出したのだ。鈍い音が空間に響き渡り、二人の口から血の混じった唾液が飛び散る。そしてまた殴り合いを続けようとするのだが、その前に二人同時に頭突きを食らわすかのように、勢いよく相手のおでこに向かって振り下げた。
「「がっ!?」」
鈍い音と同時に脳天を突き抜けるような痛みが襲ってくる。まるで剣山を頭に突き立てられているかのような鋭い痛みに、二人の神裂は額を抑えながら悶えるしかなかった。
「ぐぅぅっ、一体どこまで真似をするつもりなんですか!」
「ふざけないで!私が本物だって言ってるでしょう!?」
二人は額から血を流しながら、頭突きを食らわせ合ったことで距離が縮まった分、相手を罵りあう。
神裂たちは互いにもう限界を迎えているはずだったが、それでもまだ止まれなかった。たとえこの行為に終わりなどないことを理解しながらも、それでもやめることなど出来るはずがなかった。いや、正確にはやめることも出来ないのは分かっていた。
「いい加減にしてくれませんか!?真似をしないでください!」
「それはこっちのセリフです!いい加減に認めてください!私が本物の私っ!!」
そして再び激しい腹の殴り合いが始まる。だが、それもまた延々と続けてしまうことも神裂たちは理解していた。だからこそ少しでも早くやめてしまいたいと思っていたはずだったがそれも叶わなかった。神裂たちは同じ動作を繰り返し、全く同時に殴っては殴り返され、血を流していく。
「「……っ!このぉっ!!」」
「はぁ……はぁ……っ!?」
「ひぅ……ふぅ……!あ……あぐぅぅ……!」
殴り合いを始めてから一体どれだけの時間が経ったのだろうか。数時間、いや数分程度かも知れないし、数日は経っていてもおかしくはなかった。それほどまでに二人は同じ行動をとり続けていたが、それでも二人の体力に限界が来ることはなかった。
「どうして……っ!?どうして!?どうしてなのですか!?」
神裂はもう何度目になるか分からないほどに叫び声を上げると再び自分に対して蹴りかかる。それは何度も繰り返して行っていることだが、何度やっても自分の攻撃は避けられ、相手の攻撃を食らってしまう。それが腹立たしくて仕方がなかったのだが、だからと言ってやめることなど出来なかった。
「なんで!どうして!私だけが……!私のはずなのに!私が本物なのに!!」
神裂は自分の力を全て出し切り、これまで以上の速度で攻撃を仕掛ける事にした。最早痛みなど関係ないと言わんばかりに、全身の力で一撃を放とうとするのだが、当然そんな単純な行為が通用するはずもないことを実感させられてしまう。
「「それは私も同じだと言ってるでしょう!貴女は私なんですから!!」」
二人は感情的に叫びながら、殴り合いを続けていく。互いに一歩も引かず、激しい攻撃を繰り返していくが、
数時間後、そこにはぐったりと地面に横たわる二人の神裂の姿があった。両者とも身体中が痣だらけであり、白いシャツは破れ、額からは血を流している状態で動く気力すらなかった。しかしそれでも戦意は全く衰えていなかった。抱きしめ合う格好で、身体を痙攣させ、力なく相手を見やる。
「はぁ……はぁ……っ」
「……っ……っ……っ!」
神裂は憎悪を込めた視線をもう一人の自分に向けると、歯を食いしばりながら腕に力を込める。するとおもいっきり抱き締めてくるくるものだから、神裂もまた同じ行為で答える。聖人の怪力で互いを抱き締め合う二人だが、その力は強くミシミシと骨が軋む音すら聞こえてくるようだった。二人は少しでも離れようと相手に回した腕を外そうとするものの、まるで接着されたようにぴったりくっ付いてしまったかのように、離れることが出来ないでいた。
「はなっ……して……!」
「くぅっ……!こ……のぉ!」
もはや体力はほとんどない状態なのだが、それでも無理やりに身体を動かして相手を突き飛ばしたいという思いだけで動いていた。だが、それも叶わず、代わりに胸同士がぶつかる。すると、胸が変形し合うと同時に電撃のような快楽が走り抜ける。
「「あうっ!ひぅ……っ!んん~ッ!!」」
神裂ともう一人の神裂はその衝撃に耐えられず、一瞬の甲高い悲鳴を上げた後荒い呼吸を繰り返す。そして呼吸を整えるまでも耐えて睨み合いを続けようとするのだが、今度は乳房同士が重なり合ってグニャリと形を歪め、押し潰すかのように潰し合う。
「ひぁ!?ん……くぅ……!」
(ま、また……!)
神裂は胸の快楽に腰をガクガク震わせながらも、相手を睨みつける。
神裂ともう一人の自分は、既に殴り合いなどで喧嘩をするような体力など残っていなかったが、それでも自分のプライドのために抱き締め合う以外の選択肢は残されていなかったのだ。二人は相手の頭に手を伸ばすと髪を鷲掴みにしようとするがサラサラ過ぎて掴めなかった。そして神裂たちは足を絡ませ合い、額同士をくっつける。少しでも顔を上に向ければ唇が触れそうな距離感だった。
そこで二人は大きく息を吸い込むと、至近距離で視線を交わらせながら声を上げる。
「はぁ……っ!あふっ……」
「ふぅ……うぅ!」
神裂たちは小さく呼吸を整えながら言った。お互いの存在を感じていることがとても不快に感じ、目の前にいる自分が偽物であることを理解しているのに、どうしても目の前の相手を自分自身だと認識してしまっていたのだ。だが、それを認めてしまえば全てが終わるであろうことを本能的に感じていた二人の神裂は、血走った目をしながら否定の言葉を投げかけてくるのだ。
「「……認めません!決して……!あなたは私じゃない!」」
二人がそう叫ぶと同時に、抱き締める力を強くさせる。そして同時に相手を睨みつけるのだが、二人の顔は真っ赤になっていた。
神裂は自分こそが本物だということを証明したいという気持ちで一杯であったが、自分自身を偽物だと認めることなど出来ないのであった。つまり二人はどれだけ相手を痛めつけ、痛みを与えようとも自分こそ本物であると思っているのだ。そのことは分かっているのに、目の前にいる自分がどうしても偽者だと思えず、自分の信念に反する行動をとらないと死んでしまうような感覚に陥ってしまうのだ。
「「はぁ……はぁ……っ!」」
神裂たちは大きく呼吸をしながらも、更に強く抱き締め合うと身体を押し付けて、密着度を高めていく。乳房が大きく変形し合い、変な感覚に変わっていくがそれでも構わずに力を込め続けた。
(気持ち悪い……!なのに苦しい!でも、気持ちいい!?)
神裂たちは同じ苦痛を共有させられながら、相手の頭と首に手をかけて絞めあげていく。
「「……っ!ん……っ!」」
「はぁ……ぁ……ああぁっ!?んんっ!?」
二人は首を絞める力を強めて行く。お互いに息を詰まらせ、その目に浮かぶのは憎悪と愉悦の混じった複雑な感情であった。神裂たちは相手の息の根を止めようと、今までで最高の力で力を込め続ける。
「く……ぅ……」
「……ッ!が……っ!」
そしてその時はやって来た。相手の肺にあった空気が完全に無くなり始めた頃、神裂たちがお互いに頭を後ろに反らし出す。やがて限界を迎えた。まるで呪いのように身体と心を蝕んでいく。
((いやだ……!私は偽物じゃない……!!))
心の中で叫び声を上げるが、それでもどちらも止めることはない。二人の意識が遠のいていき、頭が真っ白になっていくのと同時に神裂たちは勢い良く自らの頭を前に戻し、額を勢いよくぶつけ合わせた。相手の頭へ押し付けて無理矢理その距離を離そうと足掻いてはいるものの、逆に反動で自身の額は更に強い力で押されて潰れ合い、激痛が走った。だが、それでも力を緩めることはしなかった。いや、出来なかったというべきか。二人は相手の頭を押しつぶしながら自分の頭をこれでもかと食い込ませる。
「「が……あっ」」
二人の神裂は互いに悲鳴を上げながらも、何とか相手を先に気絶させようと躍起になっていた。既に限界を超えており、気力も体力もかなりすり減っていたはずなのに、それでも意地を張り合いながら相手よりも長く意識を保つように歯を食いしばるのだ。
「「……」」」
(まだなんですか!?早く……早く終わって……!)
(もう、やめてください……!お願いですから……!!)
二人はお互いの首を絞めつけ、相手の頭に自分のそれを食い込ませながら内心で悲鳴を上げるも神裂たちはどちらも引くことはなかった。その事を感じれば感じるほどに互いの心の中には屈辱感が満ちていき怒りが湧き上がってくるのだ。だからこそやめることが出来ないでいる。二人は互いの命を奪い合い、奪い合うために互いの首を絞め合っていく。
「「あ……ああっ!!」」
神裂たちは痛みと屈辱と憎悪から顔を歪めながら、声にならない悲鳴を上げるのだった。その苦痛に耐え切れなかったことで発生した悲痛な声音を聞いて、二人の神裂は意識を失った。抱き締め合ったまま横たわり、顔を向かい合わせて呼吸を繰り返している。今にもキスしそうな程の距離で神裂たちは眠ってしまった。
そして数時間後、神裂は意識を取り戻すと良い匂いに目を細める。
(……何ですか?これは、何の匂い…)
神裂はぼんやりとした意識のまま周囲を見回すが、暗闇に包まれて何も見えない。しかし鼻には良い香りが入ってきており、それがもう一人の神裂のものだと理解すると
身体を起こそうとしたが、何故か全身が重く、動くことが出来なかった。仕方なく目を開くと目の前にはもう一人の自分の姿があった。その顔は普段よりも幼く見え、艶やかな黒髪が肌に張り付いている。それは酷く無防備な姿だったが、どこか神聖めいた雰囲気を感じさせるものだった。しかし、そんな姿に神裂は思わず顔を強張らせると大きく目を見開いてしまうのであった。それはもう一人の神裂も同じだったらしく、思わず驚きの声を上げてしまう。
「な……っ!?」
何故自分と一緒に眠っていたのか、どうしてこんなに肌が密着している状態になっているのか、その答えが分からない神裂はただ混乱していた。
「あっ……」
「っ!?」
そこで二人は同時に気が付いた。自分たちの腕や脚が相手の身体に絡みついており、さらにはその下へと目を向ける。すると自身の股の間が相手とぴったり合わさっていたのだ。
神裂たちは、自分たちの性器同士で接触していることに気付くと、顔を真っ赤に染めて互いに離れるために力を振り絞る。
「離れて……くださいっ!」
「早く!離れて……!」
だが、二人の必死の抵抗も虚しく、二人は中々離れられなかった。それどころか逆効果だったのか二人は更に身体を押し付け合い快感を覚え始めてしまう。
(どうしてですか!?力が入らな……)
神裂は困惑しながらも何とか離れようとするのだが、身体が言うことを聞いてくれず、むしろ逆に力を込めてしまっていた。そしてそのせいで余計に快感を得てしまう。
(まずい……!早くここから出て行かないと大変なことにっ!)
もう一人の神裂も同じく焦りを感じており、このままではマズイと理解していた。しかし、この状態で動こうとすれば、すぐにイッてしまいそうな程の快楽が全身を襲ってしまう為、動くにも動けずにいた。
「はぁ……はぁ……っ……もう、いや……」
「うぅっ……!」
「これ以上はやめましょう……このままではおかしくなってしまいます」
神裂たちは荒い呼吸と共に呟いた。しかし、気付けば相手の顔から良い匂い。熱い体温、肌の滑らかさを感じ取ってしまうので、嫌でも意識してしまうのだ。そして、またしばらく時間が経つと下半身にじわっと、甘い感覚を覚えてしまう。
「「……っ」」
二人は顔を赤くしながら相手の顔を見つめると舌打ちをした。もう一人の神裂は憎たらしい表情をしているのに対して自分を睨み付けていたからだ。その自分を見て神裂は心の中で呟く
「(この私の顔……本当に、何なんですか。気に入らない!……)」
神裂は自分と同じ顔をした女のことを睨みつけ、歯を食いしばる。だが、結局二人は何も出来ないまま時間だけが過ぎていった。
そしてずっと抱き合ったまま数時間たった時、神裂は自分と少しでも距離を取りたくて、頭を動かしながら脱出を試みる。
(くっ……!)
しかし、何度頭を動かしても、目の前の自分から離れることは出来なかった。それどころかより強く抱きしめられてしまうのだ。そして同時に二人の腹部には擦れ合い刺激されるので余計に快楽が増量していく。それを何とか我慢しながらも、二人はあることに気付く。あれほど意識しないようにしていたのに一瞬匂ってしまい相手の綺麗な黒髪から良い匂いを放っていることだ。そしてそれは嗅いではいけないような、誘惑のようなものだった。二人は鼻腔に入ってくるその匂いで頭がクラクラしてしまう感覚に陥ってしまう。更に、互いの身体から熱い体温を感じる度に身体が熱くなるような感覚に襲われ始めたのだ、相手の顔を睨みつけ、憎悪の対象としながらも意識を向けることが止まらぬ相手に困惑してしまうがどうしようも無かった。
「もう……離れてください……」
「そっちこそ、くっ……!早く離れて……!」
そんな願いを呟きながらも、神裂ともう一人の自分は何時間も抱き合ったまま、離れることが出来なかった。そして相手の体温を感じながら身体を密着させていると、次第に徐々に高まっていく感覚があり、自然と息が荒くなって来るのだ。それは自分も同じであり、自分と同じ思考に嫌悪しながらも、その熱い吐息を繰り返しながら吸い込んでしまっている状況なのだ。更にはその息は甘くて良い匂いまでするのだから、神裂たちは顔を歪めながら堪えていた。
「はぁ……っ!お願い、ですから……離れて……」
「私もです……!早く離れてください!」
だが、結局互いに離すことも出来ずに、相手の体温を感じ合いながら時間だけが過ぎていった。自分と同じ顔にもう凄まじい時間見つめられ、睨み合っている。神裂たちはその状況に耐えられず、顔を逸らして相手の首から目を逸らそうとするのだが、何故か顔を見つめ合ってしまうのだった。
「「あっ……」」
そしてそこでまた無意識に同じことをしてしまう自分に嫌悪感を覚え、同時にもう一人の自分と同じ顔を見て嫌悪感を抱いてしまうのであった。二人は憎しみと屈辱に満ちた瞳で見つめ合いながらも互いに譲らず、睨み合いながらも互いの身体から伝わってくる、体温と相手の肌の感触を感じ取ってしまう。それだけでも二人はとても屈辱的であったがそれだけではなかった。二人とも互いの心臓の鼓動まで伝わって来ていたのである。しかも早鐘を打っているかのように高鳴っており、そして自分の胸にはその相手か自らの胸が擦れる音が伝わってきていたのだ。それに気付いた二人は、相手の方が興奮していると感じてしまうのであった。だが、どちらも言葉を発することはなくただ睨み合っていただけだった。神裂はもう一人の自分の顔を、もう一人の神裂は自分を嫌そうな顔で見つめており何か文句の一つでも言ってやろうかと内心で考えるのだが、それも無駄な考えだと諦めるしかなかったのである。
「はぁ……ぁ……!離しなさい…こんなに抱きついて…私の事…好きなんですか…この変態」
「くっ、そ、それはっ……あっ!あ、あなたでしょ……!や、やめてください!気持ち悪いんですよ!」
二人とも呼吸を荒げながらも罵り合うが、内心では同じように相手のことを憎んでいた。そしてそれと同時に抱き合った状態で身体が擦れ合い高ぶっていくのを感じていたのである。そして無意識に二人の身体からは熱い吐息を漏らし始めていた。その感覚と感情で徐々に理性が侵されていくことを感じ取るものの、二人の神裂はそれを否定する。
「うぁっ、あ……ぁ!違、違います……!私は……!」
「んっ……!ふ……ぅあっ!そ、そうですっ!」
二人は何とか反論しようとするも、身体の高ぶりが抑えられず理性を削り取られていく一方なのであった。そして、互いに離れようと神裂たちは、相手を押し倒そうとする。
「あぐっ!?いい加減に……!あっ!してくだ……さいっ!」
「くっ!離れ……て……!!離れろぉ!」
二人は睨み合いながら相手に組み付いていくと腕や足を絡み合わせながら押し倒そうとするが中々上手くいかずに焦りを覚える。それでも必死に相手を倒そうとしていたのだが、不意に胸同士が当たってしまい、その快感によって力が抜けてしまう。そしてそれが幸運だったのかは分からないが、神裂たちは身体を密着させながら
「「ぐっ……!」」
そのまま二人は立ち上がることも出来ずにお互いの息と体温を感じながら、ただただ睨み合いを続けていたのだが目を閉じていると不意に神裂たちは身体を擦り合わせると、快楽を得始める。だがそれは油断していただけで相手の意識は戻っており、それに気付いた二人はより一層、相手がわからなくなる。
「うっ……ぅ!このっ……!ふざ、けないでくたなっ!ぐちゅぐちゅ気持ち悪いんですよ……!」
「うぅっ……!!うるさいです……よ!」
二人は声を振動させながら悪態をつくものの、それも限界だった。
「「ふぅ……っ!!!」」
同じ事をしたのだから分かっている、二人は自分たちは相手と同じことをやっているのだと理解しているのだが、身体が勝手に動いてしまうのだ。ただ相手の身体の熱と匂いを感じて顔を火照らせている自分がいるだけで、相手は別に嫌そうな表情ではなく恥ずかしがっているように見えたこともある。そして何より相手を犯さない為とはいえ自らの身体で同じ自分の身体を抱きしめることが心地良すぎて耐えられないという気持ちになってしまっていた。そのせいだろうか、二人は何も考えられずにただ相手を抱きしめて快楽を得ようとしているだけになっていたのだった。そのことに徐々に気づきながらも、相手のことなど考えられずに身を委ねてしまっている自分たちが許せないのだ。だがそれでも身体は言うことを聞かずに勝手に動いていく。
「ふわぁ……!あ、あなたなんかとこんなこと!ふざ、けんなぁ」
「くぅう……!きしょいです……うぅ!」
そう言いながらも、二人は相手の首に腕を回して頬を擦り付け合っていた。自分の臭いを嗅がせるためなのか、相手のにおいを嗅ぐ為なのかもはや理解できてはいなかった。二人はただ本能のままお互いの身体を感じ合い貪り合っているのだ。それは自分でも信じられない程の行動であり、まるで自分の体が自分のものではないみたいに勝手に動いていくことに激しい嫌悪感を感じているのであった。
「「んっ……♡んんっ……!」」(あ、あ、な、何故っ……私はこんなものを……!)
「んっ……ふっ!」
「あっ!そこ、やめて下さぃいィ!」二人の顔は赤く染まり上がっており目は潤んできていた。それでも二人はお互いに離れることが出来ないのか、身体が動いてしまっていた。しかも胸同士を押し付け合っておりその快感で二人は身体を小刻みにバイブレーションしてしまっている。そしてもう神裂たちは意識がおかしくなっていた。無意識に抱き合った体勢のまま身体を動かしてしまっているので、二人の胸の弾力がぶつかり合って互いの乳房が変形しているのだ。そこから来る快楽だけでも限界に達しかけていたのだが、それだけではなかった。
「あ!あなたの胸が……!ひゃっ!?」
「いっ、今動いたらぁっ!ああっ♡」
自分の胸と相手の胸に挟み込まれたことによって快感が増してしまっていたのである。そうしているうちにも二人は互いに喘ぎ声を漏らして息が荒くなり始めた頃だった。神裂たちは不意に相手をより強く抱きしめようとすると、相手の首を抱き寄せ合ってそのままの勢いで唇を近づけてしまった。
「んふ!?んんーっ!」
(なっ!!)二人は互いの顔が近づいてきた時に反射的に目を閉じてしまったのである、その結果唇が近づいてしまったのだ。しかしそれでも身体を密着させようとしている為、二人の顔はより引き寄せられていくだけで止まる気配は無かったのである。二人はただ唇同士が触れ合ってしまうのを防ごうと必死に顔を背けようとする。しかし、相手の匂いで思考が乱されてしまい、互いの熱い体温を感じたことで、本能的に身体が求め合い唇を近づけてしまうのである。そして、それは神裂たちにとって最も許せない行為であった、同じ顔の女とキスをしそうになっているのだから。
「うっ……うぅ……!」
「やめ……て……くっ!」
二人は互いに涙を浮かべながら相手の瞳を見つめていた。だが、同時に相手の潤んだ瞳を見ただけで身体が痺れるように感じてしまい動けなくなってしまう。
「「んーっ!!ん、んんっ!ちゅ……んぅ!」」
(はぁ♡あああっ♡や、やめ……!こ、こんなのでぇ……!!)
二人は相手の唇同士が触れ合う寸前、どうにか身体を反らそうとするが上手く行かなかった。二人は何とか唇が触れあうの防ごうと互いの顔を互い違いに動かして、肩に顎を乗せ合うような形になる。
「んっ、んん!!やっ!あっ……あ♡」
「んん、んっ!あっ…やめ…あ♡」
だけど今度は髪が顔に近づき互いの甘いにおいに包まれて、身体が疼き出していた。そのまま二人は、無意識でより相手を抱きしめる力は強くなり、同じ髪なのに相手のサラサラな黒髪に感じ、何故か嫌悪感よりも愛おしさを生み出してしまっていた。そうして神裂たちは抱き合い身体を重ねながら、快楽に酔ってしまっていた。相手の髪と顔から香ってくる女特有の良い匂いと互いの体の熱が汗となり肌を滑り出す感触に、神裂はどうしようもないほどの興奮を覚えていたのだが
(はぁ……っ!?だ、ダメで……す……!この気持ちは絶対に認められませ……んんっ!)
(……あ、もう、もう駄目です!これ、以上はっ……!でも、どうして身体がっ……抑えきれなっ……くぅううん♡」
かすことが出来なかった。だがそれも一時的で、二人
「「あぁうっ!!」」
互いの声に驚きつつそのままの姿勢で睨み合い続けてしまう。
(す、少し動いただけでこんなに快感がっ……!!)
(こ、こんなのもう無理ですよぉっ!)
もう限界を通り越していた。二人は相手の体を抱き合いながら、汗ばんだ身体を擦り合わせてしまい、肌同士が吸い付くような感触に身体を跳ねせていた。
「な、なめてんじゃぁないですよ?」神裂は青筋を立てながら相手を睨んだが、すぐに目を閉じた。これ以上見ていると頭がおかしくなりそうだと思ったからだ。だが目を開けた瞬間目の前にもう一人の自分を見てしまい動揺してしまうのであった。神裂たちもまた自分を見てしまっていて、二人の視線が絡みあった瞬間にゾクゾクとした快感に襲われてしまったのだがそれも一瞬の事であったので何とか耐えられたと思った矢先、神裂たちの鼻が触れ合いそうになったのである。そしてそのまま唇を突き出しあい、キスをしそうになってしまったのである。
(だ、駄目です!!これ以上は耐えられませ……んんっ!もう我慢できっ……!え?)
「「……ん?」」
二人の顔の距離は既に数センチしか無いほど近く、相手の表情がはっきりとわかるほどの距離で二人は呆然としてしまう。その距離は唇同士が触れ合うまで僅か1センチもなかった。
「「……!?」」
あまりの距離の近さに、神裂たちは動揺してしまう。そしてそれは同時に、相手も自分と同じような事を考えてしまっていたのだということになるのだが……相手の顔を見つめていた。そして二人の顔が接近すると慌てて離れようとする神裂たちであったが、それでも唇が自然と近づきあってしまうという妙な感覚であった。だけど女同士…更には自分同士という屈辱的な行為であった筈が、何故か不快感を感じない事に神裂たちは驚きを隠せないでいた。
(こ、これはっ!?何故……で、ですがこのままではいけませんっ!!)
神裂は混乱するも何とか唇を相手から遠ざけようとするのであったが、それでも相手の顔に吸い込まれていくように距離が近づいていきつつあった。そしてとうとう二人の唇が触れ合ってしまいそうになるともう一人の神裂の息の甘くて良い匂いと女の熱い呼吸を肌で感じてしまって、神裂の頭の中は何も考えられなくなった。
「んっ♡」
「ん♡」
(くひっ!?……ああっ♡き、気持ちいいっ♡♡)
二人の身体は完全に硬直した。あまりの快感に身動きが取れなくなっていたのである。
(わ、私は今何をぉ……こ、これは夢?それとも私の、せ、せいい……?うぅっ!もう考えられません!!)
「う、うう……」
(でも、これは夢です。でなければこんな恥ずかしいこと、あるはずが無いです……!あぁもう認めましょう!今私……気持ち良すぎてどうにかなってしまっていますぅっ!)
「ぁ…離れなくちゃ……ぁあ♡」
「ぅ…そっちこそ…ぉ…離れな、ぃ……んぁ♡」
二人は必死の形相で引き離そうと身体を動かそうとするのだが、身体に全く力が入らず動くことが出来ないどころか、少しでも動かす度に快感が全身を襲ったのである。
(んっ♡だっダメですってぇ!動けませんよっ!!)
「くっ……!」
(身体が言うことを聞いてくれない……!!それに気持ち良すぎます……も、もう我慢できませぇん♡♡♡もっとし、ては……いけません、ぉ♡)
「う、うう……ッ!」
「い、嫌ぁッあ……!」
「ぁあぁああ!!」
(……。……♡♡)、
神裂たちの理性は一度崩れてしまうと留まることができないようであった。それは今まで耐えていたものが一瞬にして溢れ出してしまった、それだけであったのだろうと神裂たちは後になって思うことになるのだが、それは今は重要ではない。何故なら今二人が最優先で考えるべき事はどうやって相手から自分を引き離すことが出来るか、それだけなのだから。
しかし、現実は無情である。
「んっ……はぁっ……!」
(ど、どうしましょう!ま、全く動けませんよぉお!)
「はあ、あっ……!くうう!!」
(な、何てことぉお!!ち、力が抜けてっ……!!)
「くっう……!」
(こ、このままじゃ……!ああぁッ♡もぅどうでも良くなってしましまいますうぅうう♡)
「だめ、駄目ぇええ!!ああぁあぁぁあ!!」
(で、でもっ……ま、待ってくだひゃっ♡はぁぁああぁあ♡♡)
神裂たちの心の中での葛藤を他所に、二人の身体が勝手に動き始めててしまう。そしてそれが更なる快感を生み出していたのだった。もうお互いに身体の疼きが我慢できなかったのだろう。それに加え互いの汗と体温を感じて身体が反応してしまっているのかもしれない。そして、神裂たちは相手の感触を確かめるように触れながら、唇を重ねる寸前にまで顔を近づけていた。
「ゆ、許しませ……んんっ!」
「くっ、うぅ……!」
あと少しで唇が触れるところまで来ているというのに互いの体は動かないどころか更に激しく絡み合っていく一方であった。やがて二人の鼻は重なり合い吐息を混じらせた生暖かい吐息が相手の顔に吹き付けられると二人の目が大きく見開く。そして
「こ……こんな酷い姿にされた責任を取ってもらいますからね……!」
もう一人の神裂はそう言って歯を食いしばるが、すぐに唇の隙間から唾液が流れ落ちてくると苦痛そうに顔を歪ませる。
「そ、それは…私の言葉です…こんな酷い姿にされた責任を取ってもらいますからね……!」
その言葉を最後に二人の唇は完全に重なり合った。そして二人の脳内に火花が散るような感覚が襲いかかると同時に、身体が激しく痙攣するように跳ね上がってしまう。その衝撃的な快楽と悦びを受けた神裂たちは、呆然としてしてしまうお互いの唇は瑞々しくて柔らかくて、その感触に夢中になってしまう。
(ひゃ!?あ、ああ♡すごいっ……あぁっ♡♡)
(んっ……♡な、なにこれぇえ♡♡わ、私ぃいいいッ♡♡♡)
二人の神裂は、ただ相手の唇を感じ合うことしか出来ないでいた。そしてその間にもお互いに自分の唇を押しつけ合っていき、貪るように吸い付き合うという行為に夢中になってしまっていき
「「……んんっ♡んっ♡ンん~~♡♡」」
神裂はもう考える事等忘れたかのように、神裂と熱い接吻を交わしてしまった。それは最早自分の意思では止められない程、気持ちが良いモノであった。
「「……はぁ……あ♡」」
そんな背徳な行為に溺れた二人は、夢中で唇を合わせ
「んんっ♡ちゅっ、っ……んっ♡」
「むぐっ!?んっ……」
(ああぁぁあっ♡♡だめっ、ああぁっ♡♡)
キスを続けていた。唇を激しく舐めまわすように動かされ、その快感に酔いしれて腰砕けになる神裂たちであったがそれでも口付けをやめようとはしなかった。そしてやがて唇はより激しく求め合うようになると
「んっ!んッっぅ……うんんっ!?」
(ああぁあぁあ♡♡♡♡)
激しいリップ音をたてながら激しく神裂たちの唇を奪い合うようにして絡みついていく。それを繰り返すうちに、二人の身体に熱が籠もり、息も荒くなり始めてしまうがそれでも止めようとはしない。
「っ、んんっ!!ふぁああっ!!」
(こ、これはぁああ!!ンンッ……あっ♡)
神裂たちは互いの唇を求めていくあれほど嫌がっていたキスが、今こうしてしてしまうとたまらなく気持ちが良く感じてしまい、止めなくてはいけなかったのにどんどん相手の唇を求めるようになっていた。
(あ、ああぁっ!す、吸い付かないでくださぃいぃいい!!)
神裂たちは互いの唇を求めあいながらも、相手の唇に夢中になっていった。そしてそれは次第に激しさを増していき、二人の思考能力を更に奪っていく。そして遂には理性が完全に吹き飛んでしまった彼女はキスに溺れながらも、自分同士で求めあってしまうようになっていた。
そして二人はそのまま自身の唇を激しく相手に押し付けていく。それをきっかけにして二人の体は熱く火照っていくにつれて、意識がぼーっとしていくのを感じた。それでもまだ足りないのか神裂たちの目はもはや焦点が合っておらずに蕩けてしまっていた。
「んちゅ、ちゅっ♡……れろっ」
(ああっ♡♡も、もうこれ以上は……っあ!?)
「んっ、ちゅるるっ♡♡」
(くっ、だめぇえ♡♡)
もう理性が振り切れてしまっていたせいで、神裂たちはキスを止めようなどという思考が生まれなくなっていた。それどころか彼女たちの頭の中からは相手の存在を完全に排除しきっており、ただただ相手の唇を求め合うだけだったのである。
「はむっ♡ちゅ、れろっ……あぁ!」
神裂たちはもはや快楽以外何も考えられない。ただひたすらに相手に吸い付き続け、唇を使ってお互いの口を蹂躙していく。そしてもっと快楽を得ようとして、神裂たちの手は自分の胸を揉んでいた。そしてその快感に耐えきれず唇を離す神裂たちだったがその息はあがっており、顔も真っ赤に紅潮させてしまっていたのである。
(んっ!こ、これではもう私というより、お、女同士など……変態以外の何物でもありません!!ですが、も、もうっ!)
「くふぅうっ!」
(……っ!これ以上は我慢できません!もぅいっそこのままおかしくなってしまいたいくらいです……!)
神裂たちはそう思いながら自分の胸の頂を指先で摘まんでいく。それだけで神裂たちの体は大きく跳ねあがってしまうのだ。そしてその刺激によって神裂たちは絶頂を迎えそうになってしまうが、それでも手を止めようとはしなかった。それどころか逆にどんどんと激しくなっていく一方であり、遂には胸での絶頂を迎えてしまったのである。
「あっ、はぁぁああぁん!!」
(ひゃっ!あひぃいいいっっ!!)
「くっ♡んぁあぁぁあっ!!」
そして神裂たちはとうとう達してしまった。しかしそれでも飽き足らず自分同士で互いの敏感になった胸を刺激していった。そして二人は絶頂を迎えたばかりだというのに再び胸の突起を愛撫していく。
「ちゅるっ、あむっ♡」
(き、きもち……いいいっ♡)
「くちゅっ、んんんっっ♡♡♡」
しかしいくら自分が気持ち良くなろうとしても神裂たちは互いの口を離すことができなかった。いや、離そうとしなかったというのが正しいか。それほどまでに相手の唇を求めてしまっていたのである。だから神裂たちはもっと強く相手を欲するようになっていった。同じ身体を抱き締め合って、胸を押し付け合い、身体を重ね合っていく。
「ぁ、はあっ♡もっ、とぉ……」
「もっと……!!」
二人は自分の気持ちが抑えきれないくらいに高ぶっていくのを感じながらも相手の体に触れていき、そしてついには互いの股間へと手を伸ばしていった。だがそれはただ触るだけでは終わらなかった。
「あはぁあっ!?」
「ひっ、ひゃうん!!」
(くぁああっ!!)
神裂たちは自分の秘所が触れるのを感じたと同時に、今まで感じたことのない強烈な快感に襲われてしまい腰を浮かしてしまう。そしてそのまま二人は、その刺激によって秘所から何かが噴き出すと感じ取ると
「あぁぁああっ!!」
(また出てしまぅっ!ま、まだ出るぅうっっ♡♡♡)
もう自分がどうなっているのかさえも理解出来なくなってきていたのだ。ただ今はこの快楽にひたすら従順になってしまう。
「あっ♡あはぁあ、あぁああんッ!!」
(ひゃっ!やめ、止めてくださぃいい!!)
神裂たちはもう自分の体が制御出来なくなっていた。そればかりか無意識に自分で刺激を与え始めると更に快感が増していき、今の快楽に夢中になっていた。それはもはや快楽に溺れて淫らになってしまっているような状態の二人が完全に自分から身体を動かしているという事である。「あぁああ♡あ、あぁあはぁあぁぁんん♡♡♡」
(はぁっ♡♡な、なんてことをぉおぁあ♡こ、このままでいたらおかしくなってしまいまぁしゅぅうう♡♡♡)
(あっあっぁああ!こ、これ以上は……っふぅうん!!やめないと駄目なのに~ッ♡♡♡)
だが二人はもう快楽を求めることに夢中で、止める事など出来そうもなかった。そして遂に神裂たちの理性が完全に吹き飛んでしまったのか、それとも元から無かったのかは分からないが、もう彼女たちは普通の判断がつかなくなってしまっていた。
「あぁああんん♡こ、こんなぁ♡」
(ひぁあ!!と、止まらないッッ♡)
「はぁぁああぁん♡♡いいぃぃい♡♡♡」
あられもなく声を上げながら、二人は互いの胸を擦り付け合いお互いの秘所を刺激し合ってしまう。もはや二人は自分の意思では決して止めることは出来ないのである。そして遂にはその瞬間が訪れてしまい、二人の身体は大きく跳ね上がった後、秘所からは大量の潮を吹き出して絶頂を迎えてしまうのだった。
「っ!?あぁっ!!ひゃぁああぁぁあぁんんん~ッ♡♡♡」
(んぁぁあ♡♡あはぁあっ♡♡♡だ、だれかたすけてぇえ~!)
「ああぁぁああ♡♡やっ、やめてぇえええええええ!!♡♡♡」
しかし、二人の身体は全く言うことを聞かず、自分同士で求め合っていく。それはもはや彼女達の意思では止められない事であり、次第に自制心さえも失いつつあった二人は、夢中になってお互いの体を求め合っていたのだった。
「ああぁあっ♡ああぁぁあ♡♡もぅだめぇぇえ♡♡♡」
(もう無理ですぅううぅ♡♡♡)「……はぁ……はあっ♡」(……わ、わたしぃい♡♡)
その後も二人は激しい絶頂を迎える度に意識を覚醒させるのだが、直ぐに快感によって支配されてしまうため、また直ぐにお互いの体で慰め合いを始めてしまうという繰り返しになっていた。だがそれでも神裂たちの動きが止まるはずもなく逆に激しさを増していくばかりだった。
(んっ、んん~ッ!)
(はぁ、ああぁん♡)
二人はもうただ相手の…神裂の事しか考える事が出来ず、自ら相手に進んでキスをすると今度は相手が自分の唇を求めてくるかのように激しく唇を重ねていった。
「はぁ、ん……ちゅ♡」
「ふふっ♪……ちゅるんっっ!!むちゅっ~~♡♡♡」
神裂たちはお互いに唇を貪るように、何度もキスをする。そしてその度に二人の身体からは力が抜けていく。もう何度絶頂を迎えたのか分からない程に神裂ともう一人の神裂は
「んちゅ、れろっ……ちゅっ♡」
「……っちゅるぅぅ♡んん~~♡♡♡」
お互いを激しく求めあっていた。しかし、いくら求めた所でまだ満足感は得られずに、神裂たちの行為はどんどん過激さを増していき、遂には
(はぁあ♡もっとぉ♡♡)
(キスしたいぃい~♡♡)
もはや自分が何をしてるのかさえも理解する事ができず、ただひたすらこの快楽から逃れることが出来ずにいる神裂たちは、
「んちゅ、ちゅっ♡れろっ」
(……むふっ♡♡)
神裂たちは唇による淫らな絡み合いを続けていた。そんな二人は淫らに溺れきった表情を浮かべながらも、相手の唇を味わい続けた。そしてその行為がこの異常な空間で繰り広げられるにつれ、二人はお互いに絶頂し続けてしまい、床には大きな水たまりが出来上がってしまっているほどであった。しかしそれでも彼女たちは止まらずに口付けを続けていってしまう……。
そんな状態がどれほど続いたのだろうか?ふと、神裂たちはキスをやめ
「んはあっ♡」
(っ!?)
(え……ここはぁ♡♡♡)
ようやく解放されたときには彼女たちは完全に快楽に支配されていて思考すらも停止してしまっおり、完全に脱力しきっていた。
神裂たちはもう体を動かそうにも全く力が入らずにいたがそれでも本能なのだろうか、無意識に唇を寄せ合うと、そのまま深いキスをしていった。
「ふぁ、ちゅる♡」
神裂たちは快楽に身をゆだねてしまっていた。もう既に理性を失い、自分自身への調教に完全に虜になってしまっているようだった。それからというもの神裂たちは自らの胸を揉み出したり、秘所を撫で回したりと、何度も何度も快楽を求めていった。
「んっ、あぁん♡ひゃぁ~~ぅうぅんっ!♡♡♡」
もはや完全にエロの虜になっている神裂たちはお互いに耽り続けていると次第に秘所の奥がきゅうっとなってきていたのである。そしてそこにそっと手を伸ばし指先を中へと入れようとするとそこはもう洪水のように愛液が出ており、ぬちゃりといやらしい水音が響いた。しかしもうそれだけでは満足できなかったのかくぱぁ……と自らの両足を開いていく。そしてそこに指を触れさせると、
「んんぁああン!!♡♡♡」
神裂たちは同時に大きく喘いでしまうくらい、強烈な快感を感じてしまったのだ。すると神裂たちの思考はこの異常な状況から脱することを考えることすらなくなり、ただ自分同士を責め立てる事しか考えられなくなってしまっていた。
「はぁ、ああぁぁ……んんッ♡あぁっ!♡♡」
「ひゃぁあっ!あはぁああァッ♡♡♡♡」
神裂たちは自分が自分を責める背徳感によってますます秘所を潤していくと再び快楽に浸っていったのである。
すると今度は自分同士お互いの胸を刺激し始めながら秘所に指を入れて、かき乱すように動かしていくと
「あはっ!!んぁっあん♡♡♡」
(やっやぁっ、だめですぅぅっ)
(ひぁああンン♡♡♡♡♡)
神裂たちは絶頂を迎えそうになるが、なんとかこらえながらもさらに激しく責め立てて行き、そして遂に限界を迎えた彼女たちは
「「ッ~~ッ!!♡♡♡」」
一際大きな声を上げながら絶頂してしまった。そしてそのまま脱力しきって床に倒れこむも、すぐに体制を戻すと再び互いの秘所を愛撫していき、それに合わせるように、自らの秘部を指で弄くり回しながら、唇や胸までも重ねて激しく求め合ってしまうのだった。
「あ、あん♡」
(はぁああ……♡♡♡)
(っん、はぁ……♡)
神裂たちは再びお互いの体を求めあうように抱き合ったまま絡み合っていくとそのままキスを交わし合ってしまう。もはやそこには羞恥心も恥辱心もなく完全に自分の世界に入り込んでしまっていて、 自分たちの事しか考える事はできなくなっていた。そしてキスが終わると自らお互いの胸に顔をうずめたり、舌を這わせたりしてお互いを慈しみながら快感を求め合い……。
「んぁああっ!!♡♡♡」
「ああぁっぁああッん♡♡♡♡」
二人はその強烈な絶頂に身体が痙攣してしまうほどに感じてしまうしかなかったのだ。しかし彼女たちは止まるどころかどんどん興奮していきそのまま何度も絶頂を迎えてしまう。もはや神裂たちの頭の中は、快楽のことしか考えられなくなり、それはまるで壊れてしまった人形の様に快感を得るためだけに活動し続けていたのだった……。
「んぁああ!ひゃぁあんんんッ♡♡♡♡」
(んんんっ~~っ!!♡♡♡)
(はぁぁんんんっー!♡♡)
しかしそれでも神裂たちは未だに止まることはない。むしろもっと激しい絶頂を求めているかのように激しくお互いを求めていた。二人は軽く身体を跳ねさせた。互いの舌が触れあい絡み合ってしまったからだった。
「はぁああぁぁ♡ぅああぁぁ!」
(ふぁああん!く、くぅうう……っ)
(んっ、ちゅる、はぁあうううん……っっ!!)
互いのあまりの舌の甘さに、神裂たちは舌が痺れたような感覚と共にその甘美な味わいに酔ってしまっていた。しかしそれでも彼女たちは止めることが出来ずに舌と舌同士を絡め合い、自らの唾液を交換して飲み干していく。
「ちゅる、んん~♪」
(ふあぁ♡そ、そんなに吸わないでくださぁい~♡♡)
二人はお互いがお互いの口に入り込んでしまっている舌を吸い合っているという異様な状況にも構うことなく、ただひたすらその快感に酔いしれているだけで、もはや自分たちが何をしているのかも覚えていないようだった。
「あむ、ちゅっ、んんっ~~!!」
(んっあぁああ……!?)
「……ッ!?♡♡」
(んんぅっ!ふあぁーーんん)
今度は二人は口付けながら相手の秘所を指先でなぞったのである。その瞬間、あまりの快感で意識を失いそうになったがすぐに堪えて逆に相手をより攻め立てるような手つきで責め立てていく。すると二人はビクッと反応した後に、もうとっくに敏感になっているはずの秘所からまた愛液が溢れ出すのだった。
「むちゅ、あぁ……んむぅ♡♡ちゅっ~~♡♡♡」
(ああぁああああ!!だめぇえ♡わたしぃいいぃ♡♡)
(やっやぁああぁん!あぁああんっっ♡♡♡だめえぇええ♡♡♡♡)
あまりの快感に耐えきれなくなってしまったのか、神裂たちの指先に力が入り、お互いの秘所を刺激し始める。その度に神裂たちは強い快感に襲われてしまい、あまりの強烈な刺激にとうとう身体を大きく仰け反らせてしまう。
「「っっ~~ッ!!♡♡♡♡」」
そのまま二人は絶頂を迎えたようだったがそれでも行為を止めることはなく互いの身体を刺激し合うように責め立てていく。それはもはや理性を完全に失った獣のようにしか見えず、今の二人を止められる者などどこにも存在していないように思える程だった。しかし、神裂たちにとってそんな周りのことよりも、お互いの事しか目に入らないようになつており、二人の瞳にはもはや目の前にいる相手の姿しか映ってなかった……。
「はあっ♡♡ああぁぁ!!♡♡♡」
(ひゃぁんっ!♡♡♡)
(ひぁっはぁあんんーーーッ♡♡)
二人は今自分がどこを触っているのかすらわからなくなってしまっており、身体中が熱く火照っていて、思考回路までも麻痺してしまっているようだった。互いにお互いの唾液が信じられないぐらい甘味に感じるほど、この状況下に頭がおかしくなってしまっているようだが、あまりの唾液の甘さにさらに求め合ってしまった。
「れろっ、じゅるる、んんっ♡♡んふぅー、じゅぽっじゅぽっ♡♡ちゅぅぅぅ~~~♡♡♡」
(ふあぁああぁんッ♡♡♡んぁぁあぁぁあ!!♡♡♡♡♡)
あまりの刺激に耐えきれず、二人は同時に果ててしまう。しかしそれでも互いの体を離すことはなく、快楽を求め合うように抱き合ったまま再び舌を絡ませ合ってしまう二人はそのまま夢中になって舌を絡めていきお互いの味を感じながら激しく唇を奪い合っていた。だがそれだけでは足りなくなってきたのか、今度は互いの顔に手を当てて逃げられない状態を作り上げながらも深く舌を入れたディープキスをし続ける。その度に口端から唾液が溢れ出てきたがもうそんなことなど気にならないぐらい、二人は夢中になってしまっていた。そして、まるで相手の存在を確かめるかのような濃密なキスをしていく。舌と舌、手と手、胸と胸、秘所と秘所もぶつかり合いあいながら、それでもキスを続けるのだった。
「んちゅっ♡はぁはぁあぁ、ちゅむぅ~♡♡」(っちゅ♡、むちゅうぅう)
大好きな唇を同じ大好きな唇で感じ、神裂たちは再び絶頂を迎えていた。それでも止まらずに求め合うように互いの唇と舌を奪い合ってしまっている。
「んんうぅう~~~♡♡♡♡♡」
(んぁあぁああ~♡っちゅ!んちゅっ!!)
激しく舌を絡め合ったせいで、神裂たちは少し息苦しくなっていたがそれでもやめられないのはお互いを求めあう本能なのだろうか。相手の顔を手で固定しながらひたすら舌を絡めていくと、再び二人の秘所は大量の愛液を流し出してしまっており、二人はそれにすら気づかぬ程快楽に溺れてしまっているようだった。
「んんッ~~ッ♡♡♡♡」
(んむっぅう~~~んんっ!)
神裂たちの顔はもう唾液にまみれており、相手の口の中に大量に流れ込んでしまっている唾液を味わうかのように飲み込むたびに、二人の身体がまたビクンッ!と反応してしまう。唾液が甘いと感じるのは、おかしくなっているからか…それとも本当にそういう物なのかはわからない。しかしそれでも今の神裂たちにとってはそんな事どうでもよく感じてしまう程、この異常な状況と快楽に酔ってしまっているのだろう……。
「っはぁあぁあ~んんっ!!!♡♡♡♡」
「ふぁぁ、はぁ……っ♡♡♡♡」
やっとのことで唇を離すことが出来た神裂たちは名残惜しそうに互いの唇を見ているだけだったが、そのまま再び口付けを繰り返す。神裂たちの顔はもはや蕩けきってしまい、だらしなく舌を伸ばしてしまっていた。そしてそのまま全身を使って相手の体温を感じながら舌を絡ませていくのだった……。
「ちゅぅぅん♡♡♡♡、れろっ」
(はぁ、んっ♡♡)
「はぁん♡♡ちゅる、っあぁああ~♡♡♡」(ふぁああんっ!)
(んちゅっ♡♡♡♡もっとぉ~♡♡♡♡♡)
望むままに舌を絡め合い、互いの唾液を味わい続けていく神裂たち。
「んっふぅ♡♡♡ちゅっるちゅぅ♡♡れる、ぴちゃっ♡♡ちゅぅう~~♡♡♡」
(ん、あぁんっ!あ、んん♡もっとぉ♡♡)
神裂たちの舌が絡み合うたびに強烈な快感に襲われて身体を痙攣させながら求め合う二人の姿は異様に美しくも、それでいてとても淫乱的だった。もはや神裂たちは自分たちが誰と口づけをかわしているのかすらどうでもよく感じるほど、理性が失われてしまっており、今の神裂たちには自分の唾液すらも甘く感じてしまうほどで、それを飲むたびにさらに激しい興奮を覚えてしまうようだった。
そして神裂たちは完全におかしくなってしまった頭でただひたすらお互いを求め合う事だけを考えながら激しく舌を絡ませ合っていた。その舌は絡み合ったまま離れるどころか唾液と共に更に奥へと入り込んでいく。そしてそれが引き金となり、神裂たちの舌は自然とお互いの喉にまで入り込んでいったのだった。
「んんぅっ!?♡♡♡♡」
「んんっ!?んんっ~~ッ!!」
あまりに突然の事に驚きつつも、そのまま受け入れてしまった二人は互いに舌を絡め合ったまま相手の喉を犯し合うという異常な行為に没頭していく……。しかしそれが更なる興奮を誘ってしまったのかキスはさらに激しくなり、同時に秘所は今まで以上の愛液を流し出してしまっていたのだ。そしてとうとう我慢が出来なくなった神裂たちは、相手の中に大量の唾液を流し込んでいく。すると今度は相手の舌から流れ込んでくる唾液を飲んだ瞬間に、子宮が激しく痙攣を起こし、二人はそのまま意識を失ってしまった。しかしそれでもキスを止めることなく続けながら、全身を痙攣させるのみで何も映さない瞳からは涙が零れ落ちているだけだった……。二人はキスしたまま意識を失ったはずだが、それでもまだ求め合うように身体が動いてしまっているようである。
そしてそのまま二人は、数時間が経過するまでの間、意識を戻すことは無かった……。
そして意識を取り戻した二人は、あれだけ激しく求め合っていたのにまだ物足りないのか、再び激しい口付けを交わし合っているのであった……。
「んっんぅん!♡♡ちゅっ♡ちゅっ~~♡♡♡」
「んんっ!っちゅるるんん~~!!♡♡♡♡」
そのまま二人は何度もキスを続けていき、そのたびに身体も敏感になっているらしく、軽く触れ合っただけでも反応していた。
「…愛してますよ、私」
「私も……私を愛していますよ……」
そう言って二人は再び熱い口付けを交わし、激しく求め合う。そしてそのまま互いにまたキスに没頭していく二人だった。
そしてこの空間を出た。二人は三ヶ月もこの空間にいたようだ。
二人の神裂は綺麗な黒髪のポニーテールを絡め合っていた。
「…」
「…」
同じ髪質をしているおかげなのだろうか、凄く気持ちよかった。
「っちゅっ♡ふぅ、はぁっ」
そのまま数分の間、舌を絡め合わせ続けていた二人は、互いに距離を置いて唾液に濡れた唇を離す。神裂の顔は真っ赤に染まっていた。そして吐息混じりに問いかけてきた。
「……どうでした?」
「…とても、良かったです……」
「そうですか……」
「あなたも、気持ちよかったですよね……?」
神裂は恥ずかしそうにそう告げる。すると相手の神裂も同じように恥ずかしがりながら頷いて答えた。そして二人は互いの距離を縮めていき再び強く身体を抱きしめると、そのまま口づけする……
そして次の瞬間には、今度は自分から舌を伸ばして相手の唾液の味わい尽くしていた……。
「愛しています……私」
「私も、あなたを愛していますよ……」
その後、舌を動かすたびに唾液と唾液が混ざり合う音と、甘い吐息だけが夜空に響き渡っていくのであった。
そして今度はお互いに身体を強く押し付け合った状態で舌を絡め合っていたがだんだんと息が辛くなった二人は一旦口を離すことにする。互いの瞳にはもう相手の姿しか映っておらず、それ以外のものは見えてはいなかった……。そうして二人は見つめ合ったまま再び舌を絡め合うのだった……。