ランスが女の世界で魔人アイゼルに転生〜洗脳能力と原作知識で魔王を目指す〜 作:斧池 数馬
続きはなるべく早く出したい所存
ジェイコプスを無力化し、晴れてわたしはナギと接触出来るようになった。しかし彼女は復讐のための力を求めて世界を放浪しているため、すぐに居場所を突き止めることが出来ない。
ジェイコプスに願ったのが、ナギを犯すことであり、それを実現した瞬間ジェイコプスに体を乗っ取られるリスクがあったため、接触を断つ必要があったからだ。
「ふむ、ナギ・ス・ラガールの現在の所在地か。ゼスの元四天王というのならば義理が無いわけでもない。良かろう占ってしんぜよう」
「感謝します。ルーシー殿」
「よせ、ハム殿と同じ魔人に頭を下げられると使徒として座りが悪い」
そこでわたしが頼ったのは、ゼスの永久客人にして、未来予知の力を持つ魔人、レーモン・C・バークスハムの使徒、ルーシー・ジュリエッタであった。
バークスハムの三人の使徒たちは未来視に等しい占いの力を持つ。
ルーシー以外の二人は放浪していたり、辺境にいたりと容易に接触することは難しい。だがゼス王家付きの占い師であるルーシーに限ってはこうして会うことが出来た。
報酬として用意した菓子類に釣られてか、あるいは本当に義理を感じてなのか、占いを引き受けてもらうことに成功した。
◆ ◆ ◆
「はぁ、はぁ、アイゼルゥゥゥゥゥゥ!キサマァァァァァァ!!」
ナギがいたのは意外にも魔物界であった。それもケイブリス派が支配する領域。
凶悪な魔物が闊歩する人外の環境で、彼女は魔物の死骸の山を築き上げていた。パパイヤを私が支配し、彼女の危険な研究の成果を獲得することが叶わなかった彼女が手にしたのは魔法使いには不似合いな凶器であった。
「ふふ、お久しぶりです。ナギ。迎えに来ましたよ」
「お父様の仇ィィィィィィ!!」
ノコギリとハンマー、重心や形状の異なる二つを器用に操り、同時に叩きつけてくるのを魔剣・猿の手で受け止める。
魔物の返り血にまみれたナギの顔は憎悪に塗り潰され、理性の色はない。
「血吸いベッタンと血吸いギーコ。ジェイコプスとのつながりを絶たれても悪魔の力を求めたということですか……」
悪魔が憑依する呪具、血吸いベッタンと血吸いギーコ。兄弟のように似通った凶器であり、持ち主と悪魔の人格が融合し、レベル2の槌の技能を与える代わりに定期的に命を奪い血を吸わせなければ、失血死をもたらす。
血吸いベッタンを扱えるのは処女のみという趣味の悪い特性があるのだが、何らかの方法で彼女はその制約から外れているようだった。
あるいは血吸いベッタンはただの頑丈な凶器として使っているのみで、効果を発揮しているのは血吸いギーコのみなのかもしれないが、理性をなくした発狂ぶりと二つの武器を同時に扱う技量は、呪いが同時に発動しているように思えた。
「死ね!死ね!死ね!」
殺意と共に振るわれる武器を片手で持った剣で弾く。魔剣によって強化されたパワーは遠心力と重量がもたらす威力を片手持ちで防ぐことが出来た。
もう片方の手で発動した魔法を血吸いギーコに食らわせて吹き飛ばす。
これで呪いが発動しているのがギーコだけならば一時的に悪魔との人格の融合が解除されるはすだ。
「ああああああああっ!!!」
しかしナギに正気に返る様子はなかった。両手でしっかと握った血吸いベッタンによる猛攻はいささかも衰える様子を見せない。
それどころか激しさを増しているようにも見えた。元よりあのような重量のある武器は両手に持って振るうものではない。
全身を連動させて、遠心力を稼いだ一撃は明らかに威力が増している。
「くっ……」
「ふふふ、血……、もっと啜らせてちょうだい」
掬い上げるような軌道で振るわれたハンマーが地面に落ちた血吸いギーコを弾き飛ばす。意表を突いた攻撃で浅く腕を切り裂かれる。
鋸の刃でもたらされた傷は燃えるような熱と痛みを持っていた。
「無敵結界を貫通している……。それにこの痛み。悪魔の力をより強く引き出しているということか」
ヒーリングで傷を塞いでも苦痛は引かない。この痛みは猿の手を取ったときのものと似ていた。
悪魔使いとでも言うべきか。ただ血吸いベッタンやギーコの呪いのままに武器を振るうのではなく、そこに宿る悪魔を使役し、一撃に呪いを付与している。
ジェイコプスに憑依された経験がこのような才能を開花させたのだろうか?
「面白い。その力、我が物とさせてもらいましょう」
「そんなもの、効かないわ!!」
妖眼が輝き、精神を支配する力が放射される。しかしナギの動きが止まることはない。むしろわたしの顔を叩き潰さんとばかりにハンマーを振り回す。
魔法で精神をガードしている。腰を据えてじっくりとやるならともかく、戦闘中に洗脳することは難しいようだ。
「ならばこちらはどうでしょうかね?“止まれ”」
「誰があなたの命令なんか!!──なっ!?どうして!どうして動かないのよ!!」
「ふふ、悪魔には階級というものがあります。下の階級の悪魔は上の階級の悪魔には絶対服従。ただそれだけのことです」
猿の手は剣の形をした悪魔と言ってもいい。その力をより強く引き出すと悪魔の如き膂力がこの身には宿る。
それはつまりわたし自身が悪魔に近づいているということでもあった。
ナギは血吸いベッタンと血吸いギーコの力を使うために武器に宿る小悪魔と人格が融合している。
精神防御の魔法も、悪魔のルールそのものによる絶対服従を防ぐことは叶わなかった。
「殺す殺す殺す殺す殺す」
もはやナギに出来るのは呪詛を吐き続けることだけだった。
「さて、ようやく大人しくなりましたが……。魂の汚染がかなり進んでいますね。悪魔と融合しているのだから当然ですが。これを浄化するのは大仕事になりそうです」
それはつまり手間暇かけてナギを調教するということだった。
期待感に胸を高鳴らせながら、わたしはナギの身柄を自身の領域へと連れ去った。
◆ ◆ ◆
「おはよう、ナギ」
「んん……?お父、様?」
心地良い温もりと共に目を覚ます。何故か、ずいぶんと久しぶりな気がした。
優しい声に気づいて視線を向けると
(何故、かしら。何だか変な感じがするわ)
「気分はどうですか?どうやら悪魔の憑依でずいぶんと消耗していたようですね。可能な限り浄化しましたが、記憶や意識に影響が出てしまっているかもしれません」
「……気分は悪くありませんわ、お父様。ご迷惑をおかけして申し訳ありません」
「それは良かった。しかし、大事を取って休むといいでしょう。疲労そのものもかなり貯まっていたようですし」
「はい、ありがとうございます」
お父様がわたしを労ってくれているということに、また違和感がする。
「お父様、あの子の容体はどうでした?」
「お姉様……」
わたしと近い歳の頃の、癖のない長髪の女性。わたしの姉で、名前は──。
「ガーネット、ちょうど意識を取り戻したところです。少し休めば回復することでしょう」
「良かった、目を覚ましたんだね。早く元気になってよね。ぼくら、使徒のお役目を果たすためにもさ」
そう言ってお姉様、ガーネットはお父様に抱きついてその頬にキスをした。お父様の手が彼女の臀部に伸びて揉みしだいている。
羨ましい、わたしもして欲しい、そう思ってもお父様から休むように言われている以上、おねだりは出来ない。
「ガーネット、休まなくてはならない人間の前で、そう刺激的なことをするものではありませんよ」
「えへへ、ごめんなさい。でもそれを言ったらお父様も良くないと思うな。お父様に全身をじっくり見られて、触られて診察されたらぼくだったらドキドキして眠れなくなっちゃうよ」
「ふむ?まあ一人の方が気も休まるというものでしょう。ガーネット、戻りますよ。ナギ、何かあったらすぐに呼んでくださいね」
「はい、お父様」
そうしてお父様とお姉様は部屋から出ていった。
しんとなった部屋に何故だかとても寂しさを感じてしまう。まるで
それを紛らわせるためにお父様のことを思っているとつい気持ちが昂ってしまう。
「気持ちを鎮めてからの方が、よく休めるわよね。だ、だからこれは仕方のないこと……」
強い背徳感を覚えながら、指を股間に伸ばして、絶頂を迎えるまで性器を弄ってしまった。
その後はやはり、疲れていたのだろう。自慰の後始末をする余裕もなく、意識は微睡みへと落ちていった。
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