ランスが女の世界で魔人アイゼルに転生〜洗脳能力と原作知識で魔王を目指す〜 作:斧池 数馬
「はぁっ、訳が分からないわ。なんであんたが法王になってるのよ!」
「珍しくデコちゃんにどーかーん。アイゼル様が司教になってるって知ってたらオズ・トータスなんて即座に切り捨てて支持したのに」
法王就任に伴う各国の首脳との面談。ムーラテストに参加する司教たちが、各国の支援を受けることもままあることを考えれば、列強の代理戦争の結果発表という重大な意味を持つ。
しかし、すでに三つの大国のうちの二つ、リーザスとゼスのトップを掌中に収めたわたしにとってはある種の余興と前座に過ぎなかった。
法王になることで得た神魔法や魔人の力のちょっとした応用で神々しさを演出して、見かけ上は厳かに終わらせ、こうしてリアとマジックを招いて本命ともいえる淫らな宴を開いていた。
つい先ほどまで、王族に相応しい豪奢なドレスを纏っていた二人。しかしその下に着けているのは生地や作りこそ職人の仕事を感じさせる高級品ながらも、乳首や性器をスリットから大胆に露出した変態的な逸品。
これを付けて首脳陣の会合に参加していたと思うと思わず笑みが溢れてしまう。
「でもあのお爺ちゃん司教の後釜がアイゼル様だったなんて。あの人の地盤は確かヘルマンだったけど、もしかしてそれが狙い?」
「あんた……、まさかヘルマンにまで手を出すつもり!?……んんっ!!……いきなり、お尻触んなぁ」
「ふふっ♡そーんなえっちな格好していきなりも何も無いわよねー♡ほらほらわたしのお尻もどうぞ触って〜♡」
まるで娼婦にでもするように王族の美姫を左右に侍らせて尻を揉みしだく。掌で感じる素肌の感触に、ショーツの布面積の小ささがよく分かる。
「リーザスの女王を屈服させた。ゼスの次期国王を堕とした。JAPANの帝を惑わせた。AL教の法王の地位を獲った。となれば次に何をするかは明白ではありませんか?」
「やっぱり♡戦力が欲しければいつでも言ってよね。誰でも送るから♡」
「すでにJAPANまで!?ああもう!各国のパワーバランスとかめちゃくちゃじゃない!」
「ええ〜、すっごく分かりやすくない?アイゼル様が一番偉くて、その次にリーザスが偉い。すっごく単純でしょ?」
「なんでリーザスが二番目なのよ!」
「ふふっ、わたしがトップなのは認めてくださるのですか?」
「なっ、違っ……ああんっ♡」
中指を性器に挿入するとマジックは驚いて言葉を途切らせた。
ヘルマンでの動きに、リーザスはともかくゼスから戦力を投じさせるのは利口ではない。復興と戦力増強に注力させるべきだ。
「となると、あの皇帝ちゃんもアイゼル様のものになるんだ。あはっ、あの綺麗な顔がぐちゃぐちゃになるの、見たいな」
「このっ♡んんっ♡へんたいっ♡どもがぁっ♡」
傀儡のヘルマン皇帝、シーラ・ヘルマン。
父母に自由を奪われ、権力の一切を利用されるだけの哀れな存在でしか無いが、その美しさだけで国民からの圧倒的な人気を誇っている。
会合の場で目の当たりにした彼女の美貌を思い浮かべながら、わたしはリアとマジックの肉体を堪能した。
◆ ◆ ◆
「へえ、アイゼルくん、法王になったんだ?」
「アムちゃんも元々あそこの法王なんだっけ?」
「そうね。だからあの子はわたしの後輩になるのかしら」
話術レベル3を持つアム・イスエルにとって新しい法王という、表には出ない情報を得ることなど造作もないことだった。
彼女にとって神の真実を知る法王は潜在的に同志とも言える。だから改めて勧誘を行うことを勘案する。
「いいえ、きっと無意味ね。彼は神の真実を知っていてなお、法王になることを選んだ。そんな気がするわ」
「ふーん?で、これからどうするの?」
アムの言葉に疑問符を浮かべながらもリクチェルはあっさりとそれを流した。彼女の目的は他者を呪って、面白おかしく楽しむことのみ。神の真実とやらに興味はなかった。
「そうね、同じ魔人の彼がいるんじゃ魔人と拡散モルルンを使った汚染の拡散は使えないわ。汚染塊を盗もうにも、バランスブレイカーの保管庫を襲うのもリスクが高いし……。やっぱりここは少しずつ賛同者を増やしていくことにしましょう」
「じゃあヘルマンに行こうよ。あそこ今色々ヤバいらしいし。きっと楽しいよ」
「そうね。救いを求める人たちがいるのならば行かないわけにはいかないわ」
こうして魔人アイゼルとアム・イスエルの激突はヘルマンに持ち越された。
腐敗した政治への不満が燻り、革命の炎がまさに燃え上がらんとするヘルマン。
魔人と導く者の介入は、そこに更なる混沌をもたらそうとしていた。
◆ ◆ ◆
「本当にありがとう、ペルエレ」
「いいのよ、そんなに気にしなくて」
姉妹のようによく似た褐色の少女が二人。一人は皇帝シーラ・ヘルマン。そしてもう一人はそのメイド、ペルエレ・カレット。
シーラは魔道具によってその姿を黒髪の少女に変えており、ペルエレの手にも同様の魔道具があった。
要するに容姿の交換。皇帝を侍女に、皇帝を侍女に。
後世に類稀なる忠義者と讃えられるメイドの機転によって、囚われの皇帝は外の世界へと飛び出し、ヘルマンの大騒動の嚆矢となった。
というわけでランス・クエスト編はここで終了です
中途半端なところではありますが自分なりにヘルマンでの導く者の暗躍を描いてみたいというチャレンジでもあります
AL教の法王となったアイゼルがヘルマンの革命の裏でどう暗躍するのか
そこに導く者はどう絡んでいくのか
楽しみにお待ちいただければ幸いです