※この作品はR-18です。

ランスが女の世界で魔人アイゼルに転生〜洗脳能力と原作知識で魔王を目指す〜   作:斧池 数馬

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最後の闘神

「ピクライト、アンバー、ラピスラズリ、ルビー、解放」

 

 宝石から魔人ザビエルの使徒たちを召喚する。

 闘神MMが秘されていた玄室とも言うべき地下空間。この場には空間魔法のジャミングは施されておらず、問題なく呼び出すことが出来た。

 恐らくは空間魔法の妨害に使用していた悪魔の力の多くを、バベルの塔に残しているためだろう。

 汚染の槍も、先の戦闘よりも細く軽いものとなっている。

 

 絶大な力を持つが無敵結界を貫通出来ない闘神MMと、無敵結界を貫通出来るが力が足りないアム・イスエル。

 確かに絶大な驚異だが、相手に出来ないことはないはずだ。

 

「魔人のしもべどもを滅せよ!!」

 

「かかれ」

 

 魔導の力で転移魔法陣を展開し、城からゲンジたちを呼び出す。そして封じられし妖怪、血達磨包丁も呼び出す。帝の絶対命令権によって借り受ける形で使役しているため、制御に難があるがその巨体は壁として充分役立ってくれるだろう。

 

 オロチの力を継いだ魔人である風華の眷属たる白蛇によってこの場には妖力が充満している。

 そのため、オロチの妖力が染み込んだJAPANや玄武城のような特殊な環境でしか活動出来ない妖怪も問題なく呼び出すことができる。

 

 迫り来るマジックポーンの軍勢に対し、式部が首を刎ね、煉獄の雄叫びが呼んだ雷撃が焼き尽くす。

 この殲滅力ならば、二体の体力が保つ内はマジックポーンの増殖を抑えてくれるだろう。

 

 そして闘神MM本体とアム・イスエルにはわたしと戯骸が対応する。

 ともに不死性を持つが故に闘神MMの強力な攻撃に対応することができる。また魔人であるわたしはルーンにとって憎悪の対象であるがゆえに、攻撃を引き付けることが出来た。

 

「くすっ、闘神MMを相手に持久戦をするつもり?このままだとジリ貧だと思うけれど」

 

「そう簡単に仕留められる相手ではありませんから」

 

 闘神MMの一番の驚異は、魔力による再生能力だろう。

 いくら鋼鉄の装甲や盾を破壊しようと、その奥に存在する動力魔球を破壊出来なければ瞬時に再生されてしまう。

 そのため闘神MMを撃破するためには、一撃の破壊力ではなく、ただ一点への高速連続攻撃が求められる。

 

 呪いによって力をいくら高めようと、そこは技量の領分。連続攻撃に特化した必殺技が必要だった。

 それこそパットンの必殺技、武舞乱舞。肉体のダメージを厭わずに標的が沈黙するまで攻撃を叩き込み続けるこの技を、闘神MMの動力魔球に叩き込む。

 それがほとんど唯一の勝ち筋だと言えた。

 

 闘神MMの攻略法を知っている。これもわたしがアムに対して持っているアドバンテージの一つだと言える。

 わたしは、撃破を焦って隙を晒すことなく、闘神MM相手に遅延戦闘を行った。

 

「アイゼル様っ!」

 

「待たせたな!」

 

 そして転移魔法陣よりランスとパットンが現れる。

 ランスアタックがマジックポーンの一団を吹き飛ばし、パットンの拳が闘神MMの矛を破壊する。

 

「他のメンバーは?」

 

「魔法使い連中は浮力の杖の制御に専念してもらってる。あんたの使徒たちも汚染人間たちを大人しくさせるために残ってくれたよ」

 

「姉様たちの分まで、わたしがアイゼル様をお守りします」

 

「あんたには借りがあるわ。だから、死なないでよね」

 

 魔法使いのメンバーのうち、こちらに来られたのはナギと志津香だけだった。

 かつての確執が嘘のような姉妹の連携で、闘神MMの魔法と渡り合っている。

 

「闘神MMの動力魔球は、あの本体中央の奥に位置しています。そして、それは無数に再展開される盾によって守られている……。強力、かつ高速の連続攻撃が必要になります」

 

「よし、俺に任せろ。武舞乱舞で全部の盾をぶち抜いてやる」

 

「パンドラ、起動」

 

 闘神MMの撃破の目算が立った、その時だった。

 絶大な魔力が闘神MMに収束する。この空間全体を埋め尽くすほど巨大な魔法陣が展開され、闘神MMの両腕が複雑な印を結ぶ。

 現れたのは黒い異形の女。破壊と破滅を齎す存在であることは疑う余地が無かった。

 

「ブラックジェット、解放」

 

 闘神MMの切り札に対し、わたしも奥の手を切ることにする。ザビエルの使徒たちを送還し、その分の魔力を転移魔法陣とその向こうに潜むただ一体の制御に集中させる。

 それは彼らの主人の成れの果て、ザビエルの魔血魂を取り込ませた魔人ムシだった。

 

 それは握り拳大の球根だった。握りしめて構えると超速で成長し、根を張りつぼみを付ける。

 そして黒い花を咲かせるとそれは一気に燃え上がり、黒い炎となって天を焦がす。

 

「黒の炎、放射!」

 

 黒の炎とパンドラの放つ破壊の光球が激突する。

 黒い植物が燃え尽きて炭となって崩れ落ちるのと、パンドラが姿を消したのは全くの同時だった。

 

 わたしの拳の中には炭化した球根が残っていた。それを転移魔法陣に戻して再び封印する。

 JAPANでの戦いであわやメディウサが復活しかけたことへの反省を生かし、生まれたのがこの技だった。

 あえて相性の悪い植物ムシにザビエルの魔血魂を取り込ませ、黒い炎を放出させると同時に燃え尽きさせる。

 本体となる球根を常に掌中に保持することで奪われるリスクを可能な限り抑え、使い捨ての火炎放射器として運用するというわけだ。

 

 当然、わたし自身も黒い炎で手に火傷を負うが、かつての魔人筆頭の攻撃を行使する代償と考えれば悪くないコストだった。

 

「魔剣、装填。射出準備完了」

 

「なっ!?」

 

 それはわたしも知らない機能だった。闘神MMの両手の間に力場が発生し、そこに一振りの剣が浮かんでいる。

 いいや、良く見るとそれはラブクラフトンの成れの果て、体液も知識も力もすべてを搾り尽くされた残骸、カルマー・レーゼツァイヒェンだった。

 かつて見たそれに黒いオーラがまとわりついて、白い刀身に黒い鍔と柄の剣に見えていた。

 魔剣カオスのイミテーション。だが悪魔の力を持つ以上、魔人を殺すことが出来る。

 

「魔剣、発射。カオス・シュート」

 

 闘神MMが発生した力場によってカルマー・レーゼツァイヒェンが凄まじい勢いで弾き出される。

 その標的はもちろんわたしだった。

 

「ぐっ!がぁぁぁ……!」

 

「おいっ!パットン!」

 

「兄様!」

 

 無敵結界を無視して、わたしを貫くはずだった模造の魔剣を、受け止めたのはパットンだった。

 手甲にクロスして構え、切先を受け止める。

 両腕の骨折と引き換えに、闘神の奥の手を防ぎ切っていた。

 

 今の一撃は、カオスの運用を想定したものに違いなかった。

 魔剣カオスには、相性が合わない者が長期間所持しているとその者を狂気に落とすリスクが存在する。

 ゆえに直接持つことなく、射出することで魔人を殺す。

 

 魔法使いであり、剣士ではないルーンにとって理にかなった使用法だ。

 

「いたいのいたいのとんでけー!!」

 

「いたいのいたいのとんでけ」

 

 シーラとクルックーがパットンにヒーリングを掛けている。

 あれだけの一撃を受けて、命を取り留めているパットンは流石というべきだが、さしもの彼も即座の戦線復帰は不可能だった。

 それは武舞乱舞という勝ち筋を我々が失ったことを意味している。

 

 いいやそれどころか、次の一撃を防ぐことも難しい。

 念動力のような力で、闘神MMの両手の間に戻ったカルマー・レーゼツァイヒェンに再び力が蓄えられていく。

 

「出でよ!」

 

 苦し紛れにわたしは黒い植物を召喚した。

 こんな盾など、あの一撃は簡単に貫いてしまうことだろう。

 

 ギャリギャリギャリギャリギャリギャリィィィィィィィィ!!!!!

 

 その瞬間、転移魔法陣からドリルが現れ闘神MMを攻撃した。

 鋼鉄の装甲を容易く掘削する威力に、闘神MMも防御を選ばざるを得ず、両手に発生した力場が霧散する。

 

「ふはははははははははははは!フリーク翁よ、名乗るがいい!そして長きに渡る因縁に決着を付けるがいい!!」

 

「闘神Ω!推参!!ルーンよ、今度こそ儂がお前を止めてやろう!!!」

 

 それは、聖魔教団の礎を築いた男、フリーク・パラフィンのために造られたもう一つの最後の闘神だった。

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 時は暫し遡る。アイゼルが地上に向かい、アテン・ヌーが転移魔法陣の構築を妨害する悪魔の力の残滓の除去を開始したタイミング。

 

「フリーク翁、マリア・カスタード、リクチェル・フォン・ド・コースス、そしてアイゼルの使徒たちよ。我に策がある。聞くが良い」

 

「何?ぼくたち忙しいんだけど?」

 

 バベルの塔から拡散モルルンによって汚染された人間たちの暴動を取り押さえ、ついでに避難までさせるためにガーネット、サファイア、トパーズの三人は広域の洗脳に専念している。

 

 アイゼル本人の命とはいえ、主人よりも人間共の助けを優先させられているため、ミラクルへの反応は苛立ちが篭っていた。

 それでもミラクルの言葉を黙殺しなかったのは、人間の身でありながら自分たちすら上回る魔法使いであるミラクルへの信頼と期待があったからだ。

 

「うむ、このバベルの塔を闘神に改造する」

 

 そしてミラクルの策は、予想通り、いや、予想以上に奇想天外なものだった。

 

「な、何を言っておる。そんなのは不可能じゃ。時間も人手も足りなすぎる」

 

 闘神とは、様々な魔法兵器を搭載した鋼鉄の操り人形を魔力によって操作するものだ。

 当然、その製造にはかなりの手間暇が必要となり、かつての第一次魔人戦争では開戦までに二十四体の闘神を用意出来なかったことが敗北の一因となっていた。

 

「無論、フルスペックの闘神を作るつもりはない。闘神を倒すことの出来る攻撃力。それ以外はすべて切り捨てる」

 

「魔力はどうするつもりじゃ?儂らのも、ここのも、マナバッテリーはすでに浮力の杖の機能を維持するので精一杯じゃ」

 

「それは、余が賄う。リクチェル・フォン・ド・コースス。マハ・マーガレットにかけたのと同じ呪いを余にかけるが良い。余の計算では、それでごく短時間の戦闘に耐えるだけの魔力は確保出来るはずだ」

 

「待ってください。ミラクルさん、あの呪いを受けたら破壊と殺戮しか考えられなくなります。マナバッテリーに魔力を注入するなんて出来ませんよ」

 

「そこでアイゼルの使徒たちよ。貴様らの力が必要になる。貴様らの力で余の行動を制御してみせよ。さすれば貴様の主人を余が救ってやろう」

 

 呪いも、精神への干渉も、自分から受け入れると宣言する姿には、使徒たちも彼女の度量を認めない訳にはいかなかった。

 

「マリア・カスケード。貴様が作ったドリルが対闘神の切り札だ。あれを闘神の武装として使いたい」

 

「任せて」

 

「フリーク翁、あとは貴様次第だ。闘神を操作出来るのは貴様しかいない」

 

「……浮要塞は、闘神Ωを改造したものじゃ。もはや無用の長物というのもあったが、ルーンを、聖魔教団を裏切った儂に、あれを乗る資格は無いと思っていたからじゃ」

 

「フリーク……」

 

 親友であり、弟子でもあったルーンを裏切ったことに、フリークはずっと罪悪感を抱えて生きてきた。

 発端は魔力を持たない人間に裏切られたルーンが、蛮人抹殺命令という凶行に走ったことだが、戦争によって追い詰められた彼を支えてやれなかった後悔は、今なお消えていない。

 

 そんなフリークの苦悩を知るハンティは、友を心配そうに見つめていた。

 

「じゃが……、ルーンを、止めるために必要だと言うのならば、儂はあれに乗ろうと思う。例え、ルーンに恨まれようともな」

 

「フリーク翁、貴様の決断に敬意を表する」

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 頭部と胸とドリルで武装した右腕、まともに形になっているのはそこだけだった。

 左腕は闘神の体格に対して極めて細いマニピュレーターが伸びているだけで、下半身はそもそも存在しない。

 だが、そのような姿でも一歩も引くまいという闘志を、髑髏を模した頭部は漲らせていた。

 

「おのれぇぇぇぇぇぇ!フリィィィィクゥゥゥゥゥゥ!!」

 

「ルーンよ。やはり儂が憎いか」

 

 叫びと共に砲より放たれた聖魔法を、同じ聖魔法で相殺する。

 やはりあれは紛れもなく闘神であった。

 

「引きずり落とせ……!!」

 

「腐り落ちろ……!」

 

 マジックポーンたちが組体操のようにして即席の塔を作ると、そのまま倒れ込むようにして宙に浮かぶ闘神Ωに襲いかかる。

 それに対して闘神Ωは、か細い左腕を無造作に振るった。

 それだけでマジックポーンの塔は崩れ落ちていく。

 墜落したマジックポーンを見ると、胴が腐食して抉れていた。

 

 トパーズに与えたバランスブレイカー、嘆く指輪の効力だった。

 装備した者が触れたものを腐食する力を持つが、一度装備すると外れなくなるそれを、聖魔教団の遺産であるマニピュレーターに装備することで活用していた。

 

「食らえっ!!」

 

 胸部の砲門から、爆発音と共に鉄球が放たれる。

 ハニワ砲というぷちハニーの爆発を利用して巨大な魔法鉄球を打ち出す兵器がある。

 反動が強く、魔法力も必要とするため、使える者が限られているが、闘神に搭載する分にはその制約も問題なかった。

 

 量産の効かないぷちハニーの代わりに、爆発させているのは、ガーネットに与えたバランスブレイカー、ダイナマイトだった。

 

「ええい!!余にもあれを破壊させろ!!!」

 

「ミス・ミラクル……。リラックスしてくださーい。オウッ!ランペイジはやめて下さいっ!ニップルが擦れて……♡」

 

 そして胸部の動力魔球の中にはミラクルとサファイアがいた。

 破壊への衝動を滾らせるミラクルを、バランスブレイカー、リラックスバストの力を宿す乳房を押し付けるように羽交締めにして、宥めていた。

 それでもなおミラクルが暴れようとすると、乳首が擦れてしまうのか甘い声を上げていた。

 

 最強の魔法使いであるルーカ・ルーン。彼がその魔力を以て操る最強の闘神MMに、急拵えでありながらもバランスブレイカーの力で闘神Ωは対抗していた。

 

「いくわよ、ナギ」

 

「ええ、お姉様!」

 

「「スクリューマーブル!!」」

 

 そして闘神Ωが闘神MMを翻弄して生まれた隙に、志津香とナギの合体魔法が叩き込まれる。

 黒白の魔力の奔流は、闘神MMの上半身に直撃し、バリアーで防がれながらもその巨体を押し出し、体勢を崩した。

 

「今じゃ!!」

 

「ヒマワリエンジン、フルスロットル!!!」

 

「食らうかぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 そこに闘神Ωが右腕のドリルを構えて突進する。背でダイナマイトを爆発させ、その反動で加速してドリルの先端を闘神MMの胸に差し込む。

 

「……ルーン、ドリルの素材はミスリル銀じゃ」

 

「ヒマワリエンジンは、魔法じゃない、科学の力よ!!」

 

 ミスリル銀、それは魔法を弾き返す性質を持つ金属だった。

 ゆえに闘神MMのバリアーを容易く突き破り、物理的な盾も次々と貫いていく。

 

 かつてルーンは、ミスリル銀によって造られた、本来あり得ない奇跡の闘将ミスリーによって討たれた。

 なんの因果か、今再びミスリル銀によって倒されようとしていた。

 

「させない……!」

 

「それはこちらのセリフです」

 

 魔剣の擬似再現に残された力のほとんどを使っていたのだろう。

 何かをしようとしたアムは、わたしの放った炎の矢を瞬間移動によって躱すことが出来なかった。

 後ろに倒れるアムの手から、アル・アジフが落ちた。

 

 そして闘神Ωのドリルは、闘神MMの動力魔球を貫いた。

 

「ふふっ、まだよ……!」

 

 アム・イスエルの最後のカードは魔封印結界というある意味一番基本的な魔人への対抗手段だった。

 発動に必要な触媒は、あらかじめこの部屋に仕込んでおいたのか。

 

「アイゼル様っ!」

 

「ああもう!ナギっ!」

 

 以前は蛇腹帷子の巨体を以て結界からはみ出ることで無効にしたが、ブラックジェットは拳大の宝石でしかない。

 

 わたしを庇おうとナギが走り寄るも、どうすることもできず、ナギを止めようとした志津香共々、雷と光に飲み込まれてしまう。

 せめて散り散りになることを防ぐべく、二人の手を掴んだところで、雷と光は最高潮に達した。

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

「嘘……、アイゼル様っ!」

 

「待ってよ……。志津香たちはどこに行ったのよ!!」

 

 雷と光が収まると三人の姿は消えていた。

 ランスとマリアの叫びがこだまする。

 

「異次元の狭間に、封印させてもらったわ……。絶対に帰って来れない場所よ」

 

「貴様ぁぁぁぁぁぁ!殺してやる!!よくもアイゼル様を!」

 

 アムの言葉に、ガーネットが憤慨する。彼女だけではない。アイゼルの使徒たちは、皆一様に強烈な憎悪を滾らせてアムを睨みつけていた。

 

「ふん、この世に余の存在以外の絶対など存在しないことを教えてやる……。くっ……。この魔導書……、イニッチとすら比べものにならん邪悪さを宿しているな……」

 

 ミラクルは、アムの手から離れたアル・アジフを拾い上げた。

 悪魔の叡智が詰まった魔導書を開いた彼女は、苦悶の声を漏らした。

 

「ふふっ、いみじくも上級の悪魔のすべてを詰め込んだ魔導書よ。正気のまま読めるとは思わないことね」

 

 ミラクルの狙いは、アル・アジフからアイゼルたちを呼び戻す手段を見つけることだった。

 しかし、戦闘と闘神Ωへの魔力供給によって疲弊し、呪いによって精神が正常でない状態で悪魔の脳髄を覗き込むのは極めて危険な行いだった。

 

「そこまでです、ミラクル。流石のあなたもそれを屈服させるのは時をかけるべきです」

 

 それを止める者がいた。封印されたはずのアイゼルだった。

 巻き込まれて封印された、志津香とナギの姿もあった。

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

「わたしの完敗ね」

 

「約束通り、あなたのすべてを貰い受けます」

 

「ええ、構わないわ。でも、わたしは必ず神を殺す。例えここで百年や千年封印されようとも」

 

 アムを封印し、ようやく戦いが終わった。

 このまま彼女を犯したいところだったが、その前にやるべきことがあった。

 

「ルーカ・ルーン。あなたもそろそろ封印されることに飽いたことでしょう」

 

 闘神MMを破壊されたルーンの魂を、汚染を取り除きIPボディに入れた。

 正気を取り戻したルーンに、フリークが駆け寄った。

 

「ルーンよ。すまなかったな」

 

「先生……。わたしこそ、申し訳ありませんでした」

 

「いいんじゃ。たった一人で人類の命運を背負ったお主に、儂は何もしてやれなかった。お主の荷を、軽くしてやることが出来なかった」

 

「先生……。ありがとう、ござい、ました」

 

「逝くのか?」

 

「は、い……。思い、残すことは、ありません……」

 

「そうか。ではな」

 

「はい、さようなら……」

 

 こうして偉大なる魔法使い、ルーカ・ルーンはこの世を去った。




ようやく闘神MMとアム・イスエルを撃破出来ました。
次からは恒例のえっちシーン祭り。
まずは異次元の狭間という誰の邪魔も入らない場所で、ついに魔想姉妹の姉妹丼が実現します。
お楽しみに!

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