「ねえ」
「……」
「いつまで寝てんのよ!」
パシン、という甲高い音とともに太ももに痛みが走る。
慌てて飛び起きると、その拍子にバランスを崩してしまい、体が木でできた冷たい床に落下した。
「うぐっ」
「いつ勝手に気絶していいなんて言った? ねえ?」
「ご、ごめんなさ……あぐっ!」
うつ伏せになって床に這いつくばるオレの背中を、ご主人様がぐりぐりと執拗に踏みつける。
「い、いたいよぉ……」
「痛くしてんのよ! 何度言っても私の言うことを聞かないんだから当然でしょ?」
オレの背骨に当たるように踏みつけるから、体が軋みそうになる錯覚を覚える。
「あぐっ……ごめんなさい、ごめんなさい」
「はあ、どうしてこんなに覚えが悪いの? ねえ、聞いてる?」
「はい、ご主人様……」
どうしてこんな酷いことをするヤツをご主人様呼びしなければいけないのか理解に苦しむが、ぽろっと言い間違えるだけで酷い目に遭うとなれば話は別だ。自分の身を守るために、心の中でもご主人様と呼ぶことにした。
「ぅ……ううっ!」
「ふふっ、お前にはその惨めな顔が一番お似合いよ」
脱走に失敗してからというもの、ご主人様の行為はより過激なものになった。
常人ならとっくに耐えられなくなっていてもおかしくないが、この体はいかんせん丈夫すぎる。ボロ雑巾みたいにされても、しばらくすれば何事もなかったかのように回復してしまう。
そして、それが分かっているからか、ご主人様はオレの体を休む間もなく執拗に虐めてくる。
特に最近は、その傾向がさらに酷くなっている。
前までなら、反抗的な態度をとってもある程度はスルーされていたように思う。
でも今となっては、ほんのちょっと言い淀むくらいでも、お仕置きすると言いながら嬉々として体をなぶってくるのだ。
オレが泣き言を言ったりわめいたりすると、興奮してさらに責め手を強める。
プレイ内容もだんだんとハードなものになり、オレの身体的負担も一段と増す。
そんな毎日が続いたせいで、オレの心はほとんど折れかかっていた。
……いや、もうとっくに折れているのかもしれない。少なくとも、もう一度逃げようとかいう意志はとっくのとうに消え去っていた。
「うーん、やっぱりコレで躾けないとダメかなあ」
「ぅ……」
「ほら、四つん這いになりなさい! 早く!」
「……っつ!」
オレを踏みつけていた足がどいたのか、背中の重しがなくなった。
しかし、一息つく暇もなく次なる命令が飛んでくる。慌てて手足を起こすが、蓄積したダメージのせいでうまく体がいうことを聞かず、よろよろとしか動けない。
「はあっ、はあっ……」
「…………」
ぷるぷると震えながら待機するが、オレの後ろにいるご主人様は何も言わない。カサカサと何かをなでるような音だけが部屋に木霊する。
「あの……」
その異様な空気に耐えられなかったオレが声を上げた瞬間、背後から風を切るような音が鳴った。
「あ……」
体全体に鳥肌が立つ。
どうか気のせいであってくれ、と願いながら恐る恐る後ろを振り向く。
「ひゅっ……」
果たしてそこには、ご主人様が持ち手付きの束のようなものを携え、ニコニコしながら立っていた。
アレは――まあ、言ってしまえばバラ鞭だ。オレを散々いたぶってきた悪魔の道具である。
さすがに、いつぞやに使われそうになったトゲ付きのモノに比べればはるかにマシだ。アレは一目で分かるヤバさだった。数回ぶたれただけで人様に見せられないような陰惨な姿になってもおかしくない。
それを考えると、コレは随分と良心的? なものだ。何十回も執拗に同じところを叩かれれば分からないが、数回程度では血が出ることもない。
ただ、叩かれたところには赤い筋のような跡がくっきりと付く。そして、それはしばらく消えずに残ってしまう。
ふと鏡の前に立った時、体にその跡があるのを見ると、とてもみじめな気分になる。
それで泣きそうになるオレの顔を見て、ご主人様はとても満足そうな表情をする。オレの体についた跡をつうっと撫でながら。本当に最悪だ。
「さあ、たっぷりお仕置きしてあげるわ」
「そ、そんな……」
あとそれから。血が出ないとはいえ、叩かれると普通に痛い。すごく痛い。できれば……いや、絶対に回避しなければいけない。
「お、お許しください、ご主人様……。どうかお慈悲を……」
声を震わせながら哀願する。
すると次の瞬間、満足そうだったご主人様の顔が一気に歪んだ。
「は? なにその言い草? せっかく調教してあげようっていうのにさあ? なんで嫌そうなわけ?」
「ひ……」
「お前は奴隷なの! 私を満足させなきゃいけないのよ! なのに勝手に気絶してさあ……。だから私がわざわざ躾けてあげるのよ。今後こんな愚かな行いをしないよう、体に叩き込んであげるの。感謝しなさい!」
「うぅぅ……」
なんだよその無茶苦茶な理屈は! おかしい、こんなのおかしいよぉ……
「分かった?」
「……は、はい」
でも反抗することなんてできない。もっとひどい目にあうことが目に見えているから。
「……じゃあ、あいさつしなさい」
「え? あいさつ?」
「うん。『ご主人様、どうか愚かな奴隷を厳しく躾けてください』って。ほら、言いなさい」
「そ、そんな……」
それはあんまりだろ! さすがにそんなこと言えるわけが――
「早くしろ!」
「に“ゅう“う“う”う“う”!」
敏感な尻尾を思いっきり引っ張られ、口から獣のような声が出る。
はあはあと息を切らすオレに、ご主人様が囁きかける。
「ほら、早くしなさい。……それとも、もっとつらい目に遭いたいの?」
「い、いや……」
「じゃあ、分かるよね?」
これは最後通牒だ。言わなきゃいけないんだろう、と確信した。
ああ、なんという屈辱だろうか。視界が涙でぼやけてきた。つっかえつっかえ、かすれそうになりながら言う。
「っ、ご、ご主人様、どうか……愚かな奴隷を……厳しく……躾けて、くださぃ……」
「……よろしい」
刹那、背中に衝撃が走った。
「あ“あ”あ“あ”あ“!!!」
「あはは! いい声で鳴きなさい!」
あたかも熱湯をかけられたかのような感覚だ。しかもそれが絶え間なく延々と続く。
「お望み通り、厳しく躾けてあげるわ! 二度と粗相しないようにね!」
「う“あ“あ”あ“あ”あ“!」
それはっ……! そっちがオレに言わせたんじゃないか……! ひどすぎるよぉ……
「はあ、いいわぁ……そそる顔よぉ」
「うぐっ……あ“、あ“あ”あ“あ”あ“っっっ!!!」
今思い返してみると、たたき起こされたときに太ももに走った痛みは、この鞭打ちの痛みだったのだろう。
もしそうなら、起きたときからすでにこうなることは決定していたのだ。
ああ、ならどうすればよかったんだろう。
「あはは! ほら、もっとよ! もっと鳴きなさい!」
「う“あ”っ……あ“……」
「……なんか反応が鈍いなぁ」
「ごほっ、ごほっ……」
叫びすぎたせいで、喉が痛い。
声が、嗄れて……
「……ぅ」
「うーん、背中はもう叩くところなくなっちゃったなぁ……。じゃあ、こっち!」
「ぐはあ“あ”あ“あ”あ“っっっ!!!」
今度はお尻に鋭い痛みが走り、嗄れたと思った喉からまた叫び声が出る。
「お、まだ元気そうじゃない。これなら大丈夫そうね! ほら、もっと私を愉しませなさい!」
「い“や”あ“あ”あ“あ”あ“!!!」
涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃになる。
もう、何がどうなっているのか全然わからない。叩かれるたびに意識が遠のいていく。
「……うん、とりあえずこんなもんかしら」
「あ“っ……あ”っ……」
「ほら、終わったから。あいさつは?」
「う“……」
「聞けよ」
「に“ゃあ”っ!」
うう、しっぽひっぱらないでぇ……
「ほら、私がせっかく調教してやったのよ? お礼はどうしたの? それとももっと痛くしてほしいの?」
「ふえ……」
あいさつ……
「あ……しつけていただき、ありがとうございました……」
「うん、よろしい」
……はっ! 待ってくれ、オレはさっき一体何を言って……。
まずい、よく分からんがとにかくまずい。このままだと取り返しのつかないことになりそうだ。
幸いにも調教は終わったから、当座はしのげるだろうが……
そう思って善後策を考えていたオレの頭が不意につかまれ、上を向かせられた。ちょうどオレの頭がご主人様の腰あたりに来るような姿勢になる。
「ふえ……?」
「いやあ、シズクが勝手に気絶したせいで、さっきからずっとムラムラしててさあ」
目の前に、グロテスクな肉棒が聳え立っていた。
それが、呆然とするオレの顔をぺちぺちと叩く。
「あ、恵んでいただいたものは全部飲みなさいよ。じゃないとまた調教だから。次はもっと痛いよ~。じゃあ、頑張って!」
「え……?」
「そら!」
「うぶううううう!!!」
オレがぽかん、と開けていた口に肉棒がねじ込まれた。大きすぎて、喉の奥まで容赦なく突き刺さる。
「ん“ん”、ん“ん”ん“~~~!!?」
「あ~~、のどマンコいいわあ~~」
「ん“ん”ん“~~~!!」
こちらの事情などお構いなしに、髪を無造作に掴まれながら頭を前後に揺さぶられる。
「あれ、泣いてるの? 私にのどマンコ使ってもらって嬉しいからかな?」
「ん“ん”、ん“~~~!!!」
息が苦しい。意識がもうろうとする。
「ほら出すよ! こぼしたらもう一回調教だからね! いい!?」
「うぶ……ん“ぐう”う“う”う“う”う!!!」
「っ……! ふうぅ……」
「ん“ん”!? ん“……っく、っく」
びゅるるる、と爆発したかのような射精音とともに、とんでもない量の精液が喉奥に流し込まれる。せき込みそうになるが、また調教という言葉に恐怖して必死に嚥下する。
「んっく、んっく……っん」
「はー、ちょっとはスッキリしたかな……」
「げほ、げほっ……ひゅー、ひゅー……」
肉棒が口から抜かれ、ようやく息ができるようになる。肺が酸素を求めて悲鳴を上げる。
「ぐほっ……! はぁ、はぁ……」
「――おい」
「ふぅ、はぁ…………あぐっ!」
オレは少しうつむき加減になって息を整えていたが、無理やり髪をつかまれて唐突に顔を上げさせられた。
「なに勝手に終わったみたいな顔してんの? こっちは全然満足してないんだけど?」
「ひ……」
目の前でてらてらと肉棒が鈍く光っている。先ほど射精したばかりだというのに、もう復活して相変わらず元気に勃起している。
「ほら、もっかい口開けろ」
「う、うぅ……」
ま、またひどいことされるんでしょ……?
もうやだよぉ……
「ねえ、聞いてんの?」
「……」
「おい!」
鼻先に精液まみれのくっさい肉棒が押し付けられる。あまりに生臭くて気分が悪くなってしまった。
「ひぃ! い、いやぁ……」
…………あ。
「ふぅん? 嫌? 今、嫌って言った? 聞き間違いかな?」
「あ、あ……」
「…………なんか言えよ」
「ご、ごめんなさい! ごめんなさい!」
「……」
「ごめんなさい!!! こ“め“ん”な“さ”い“!!!」
もう、おしおきはいやなの……
いたいのいやぁ……
「こ“め“ん”な“さ”い“!!! こ“め“ん”な“さ”い“!!!」
「……口開けろ」
「っ、は、はい!」
言われたとおりに、すばやく口を開ける。
……再び口内を蹂躙されるために。
「……ふん!」
「おぼおおおぉぉぉっっっ!!!」
喉の奥がぶっとい杭で抉られる。
「ほら、もっと締めなさい!」
「んぐ、ん“ん”ん“ん”ん“!?」
オレの体のことなんか全然考えていない、容赦のないピストン。せいぜい都合のいい肉オナホくらいにしか思われていないんだろう。
「締めろ、って言ってるでしょうが!!」
「んご! んがあ“あ”あ“あ”あ“!!!」
締めろったって、そんな器用なことできない。
それでただ犯されるがままになっていたオレに飛んできた、容赦のない腹パン。たぶん、手じゃなくて足でやられたと思う。
無防備なところをいきなりやられて、大きな呻き声が出る。そして、その拍子に意図せずして喉奥を絞めてしまう。
「おお、これは……! なるほど、こうすれば締まるのね……。おら!!!」
「か“あ“あ”あ“あ”あ“!!!」
もうやだよぉ……
ゆるしてください、おねがいします……
「はは! 鼻水まで垂らしちゃって! そんなに嬉しいの?」
「んぶう“う”ぅ“ぅ”ぅ“っっっ!!!」
「そうよね、嬉しいわよね! 嫌なわけないよね! こんなにいっぱい、オナホとして使ってもらえるんだから……さ!」
……あ、もうだめ――
めのまえが、まっくらに……
「ほら、全部飲め!」
「ん……ぅ……」
あ、あつい……
せーえき、あついよ……
からだのおくまで、いっぱいくる……
「ふぅ……。なかなかだったわね」
「……」
「ん?」
「…………」
――おちんぽ。
「え、何よ?」
おちんぽ……
「ご主人様……」
「ねえ、なんか雰囲気変わってない?」
ご主人様の、おちんぽ……
「おそうじ、させていただきます……」
唾液と精液で汚れてしまったおちんぽ様を、舌を使って丁寧に舐めとる。特にカリ首のところは汚れが溜まりやすい。注意して入念に舐める。
「シズク、あなた……」
「んくっ、んっ、んっ……」
最後に尿道にたまった精液を吸い出したら、おそうじは終了だ。
「じゅる、じゅるるるっっっ!!!」
「うぉ……」
「んっ、んっ……ぷはぁ。ごちそうさまでしたぁ……」
せーえき、おいしかったなぁ……
「……ねえ、シズク」
「ふえ? どうされましたか、ご主人様?」
見上げると、ご主人様は優しそうな目でオレを見ていた。
「よしよし……」
「ふぁ……」
あ……♡ ご主人様に、頭撫でてもらえた……♡
「いい子、いい子……」
「……♡」
「私、いい子は好きよ……。痛いこともしないし、大事に、大事に可愛がってあげるわ」
「ふぁい♡」
ご主人様の手からあたたかいものが流れ込んできて、お仕置きで痛んでいた背中やお尻、それからお腹を癒す。
「さっきはがんばったわね。だから、気持ちいいことをしてあげましょう」
きもちいいこと……♡
「ほら、寝っ転がって足開きなさい」
「っ……は、はいぃ……♡」
熱に浮かされたようにベッドに上がり、両膝を手でもっておまんこがよく見える姿勢になる。
「……? あら、もうおまんこ濡れ濡れじゃない」
「……あ♡」
だ、だって……♡
「おちんぽ様のにおい嗅いだら、びちょびちょになっちゃいましたあ……」
あんな濃いオス臭嗅いだら、オレのクソザコマンコなんて一瞬で発情しちゃうんだからあ♡
「……クソっ! チンコイライラさせやがって……!」
あ……♡
ご主人様、すっごい怖い顔してる……
「ごめんだけど、もう優しくするのは無理。煽ったのはそっちだからね! 今すぐブチ犯してあげるから」
おちんぽ、びくびくってしてる……♡
いまから犯されるんだあ……♡
おまんこぐりぐりってされて、本気レイプされちゃうんだあ……♡
「はいっ、ご主人さまぁ♡ おちんぽください♡ すぐ濡らしちゃうはしたないメスマンコしつけてくださ…………っひゃあああああん!!!」
「……っ! この淫乱メスオナホが!!!」
あ♡ あ♡ 待って、これ、ヤバい♡♡♡
すっごい奥まで来てる♡ あたまパーになっちゃうぅぅ♡
「あ♡ あ♡ んあっ♡ ああっ♡」
「っ、何これ、いままでと全然違うっ……。すごい締め付けてくるっ……!」
「はああんっ♡ そこ、いいのぉ♡ もっとぐりぐりしてぇ♡ もっといじめてくだしゃいぃぃ♡」
ごつごつした凶悪な肉棒が、オレのおまんこのイイところを容赦なく突いてくる。さっき挿れられたばっかりなのに、もう高みに昇らされる。
「あ♡ もうだめ♡ イっちゃう♡♡ イっちゃいますうぅぅぅ♡♡♡」
「んんっ……これヤバ……!」
「はあああああんっ♡♡♡!!!」
体全体が跳ね上がる。
それと同時に、おまんこがきゅうっと締まるのを感じる。
「うあっ……搾り取られるっ……!」
「あ♡ だして♡ だしてください♡ どうか、お情けを……」
「っぐ! クソっ!」
「あっ…………ん“あ”あ“あ”あ“あ”♡♡♡!!!」
あ♡ さっきイったばっかりなのにぃ♡
せーえき叩きつけられて、またイっちゃったよぉ……♡
「はあ、はあっ……一回、抜くよ……」
「んあ♡」
肉棒がゆっくりと引き抜かれる。
夢見心地のオレの耳に、ごぽぉ♡ って卑猥な音が聞こえてくる。
「――ねえ」
「…………ふぁい」
「まだ、いけるよね?」
「っはい♡ もちろんです、ご主人さまぁ♡」
おちんぽ様が、尚も雄々しく聳え立っていた。
「オレのおまんこで、いっぱい気持ちよくなってください♡ オレのしきゅー、ご主人様のつよつよせーえきでたぷたぷにしてください♡」
「っこの! お望み通り、滅茶苦茶に犯してやる!」
「はあああああんっ♡♡♡!!!」
あ♡ またピストンきたあ♡
しあわせぇぇぇ……♡♡♡
あと2話くらいで終わるはず、たぶん。