※この作品はR-18です。

貴族令嬢の義妹に無理やり淫紋を刻み、幼馴染くんの前で見せつけエロ調教する話   作:月見ハク

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前編 可愛すぎる義妹をだまして淫紋を刻み込む

 美しいフィーネに出会い、欲情したのは、僕が成人の儀を経て十五歳になった頃。

 彼女はまだ十一歳だった。

 

 そのとき僕は、公爵家当主である父に代わり、遠い親戚にあたるエルドア侯爵家の領地の視察に来ていた。

 

 どこまでも農地が広がる光景に、圧倒された。

 領民たちはみな顔に張りがあり、健康そのものだった。

 豊穣の地エルドア。土と空気に、神々の力が充満しているのが感じ取れた。

 

 領の中心であるはずの領都は、のどかな町だった。その大通りを進んだ先、森のほとりに領主の屋敷はあった。

 

 応接室で、領主と簡単な挨拶を交わす。

 アーサー・ドゥ・エルドア侯爵。噂に聞く美丈夫で、やわらかい雰囲気を持つ男だった。

 侯爵夫人は、一人娘を産んでほどなく他界している。

 一度王都の社交界で挨拶をしたことがあるが、幼心に、とても美しい人だと感じたことを覚えている。

 

 一人娘も、それなりに美しいのだろう。

 

 ……まったく、嫌になる。

 

 昔から、女にさほど興味がない。というか、うんざりしている。

 次男という身軽な立場のせいか、すり寄ってくる女は多かった。

 

 初めて女を抱いたのは、成人の儀を済ませてすぐの頃。

 将来、世継ぎを作る際に失敗しないよう、寝所での作法を手ほどきする女だ。

 若くして未亡人となった元男爵夫人。綺麗な人で、恥じらう仕草に僕の鼓動も早くなったが。

 

 口づけをした途端、いきなり舌が絡みついてきた。

 香水と化粧の匂いがキツい。

 寝所の手ほどきは、性行為の段取りや挿入する場所など、必要最低限を教えてもらうものと聞いていたのだが。

 元男爵夫人は獣のように舌を動かし、僕の体中を舐めてきた。我を忘れて盛る様子に、引いてしまった。

 それでも貴族としての義務感から、一応挿入まではいったが。

 

「はぁんッ ウォルムさまぁ、もっと…もっとぉ!」

 

 しばらく正常位で腰を振っていたのだが、元男爵夫人は僕も仰向けに寝かせると、上で跳ね始めた。

 激しく上下前後に動かれ、その刺激に射精感が込み上げてくる。

 

「ウォルムさま、あんッ、このまま、だしてぇっ」

 

 ゾッとした。

 

 僕は男根を急いで引き抜いた。

 それ以来、僕は勃たなくなった。

 手ほどきも断っている。

 

 貴族社会において、結婚は政治カードの一つだ。

 この視察も、後継者のいないエルドア侯爵家と縁を結ぶという思惑があるのだろう。

 しかし、相手は年端も行かない十一歳の娘。

 うんざりだ。

 

 そんな心を見抜いたのか、アーサー氏が声をかけてくれた。

 

「あまりかしこまらなくても大丈夫ですよ。親戚のおじさんの家だと思って、気軽にくつろいでください」

 

 アーサー氏のご厚意は有り難かった。

 暗に、見合いだなどと気にしなくていいと言ってくれたからだ。

 だからなのか、本来挨拶の場にいるはずの侯爵令嬢の姿もない。

 居所を聞くと気まずそうに、「娘は少々お転婆(てんば)でして…」と苦笑された。

 

 まあ、別に無理に会う必要もないだろう。

 この場に、父と兄が同行しなくて本当に良かった。

 

 

 

 

 屋敷の裏手にある森を、供を連れずに散歩する。

 こんな自由は久しぶりだった。

 

 森には、力が充満していた。自身の魔力と反応させ、強い風を起こす。

 昔から、何よりこの時間が好きだった。煩(わずら)わしいことを忘れ、静かな世界に浸る。

 

 

「うわっ」

 

 

 幼い子どもの声が聞こえた。

 ふと見ると、町の子どもだろうか、簡素な服を着た少年が視界の端で尻もちをついていた。

 

 やってしまった。

 

 つい魔力の放出に没頭して、巻き込んでしまったようだ。見ると、少年は膝から血を流している。強い風が巻き上げた砂利で、切ってしまったのだろう。

 すると、少年の仲間であろう、数人の男の子が集まってきた。

 

 

 ――その中に、彼女がいた。

 

 

 出で立ちは、周りと同じ。庶民が着るダボっとした一枚布のシャツを着て、膝丈のズボンを履いている。

 薄茶色――光の加減によっては銀色に見える髪は短く、格好だけを見れば少年だ。

 しかし、その髪は驚くほど艶があり、さらさらと風にそよいでいる。

 顔立ちは整い、アーモンドのように切れ長でふっくらした目は、凛とした力強さと、そこはかとない色気を含んでいた。

 頬はまだあどけなさを残すようにぷくりとしているが、幼さを感じるのはそこだけだ。

 形の良い唇は柔く弾力がありそうで、本能的に吸い付きたくなる。

 素肌は透き通るように白く、雪の妖精のよう。

 そして、膨らみかけの胸元は、この娘がまごうことなく女であることを主張している。

 

 

 ゾワリと欲望が体を貫き、一瞬で、勃起した。

 

 

 すると、少女の美しい顔が歪んだ。

 自分の劣情がバレたのかと焦ったが、そうではなかった。

 彼女の視線は、尻もちをついた少年の膝を見ている。

 

「トマ、大丈夫? すぐ治すね」

 

 少女から発せられた声に、全身が震える。

 少年のようなはきはきとした口調の中に、甘く色っぽさがある。

 その声色から、心の底から少年を心配しているのが感じ取れた。内面も美しいのだろう。

 この姿、この声で呼びかけられ、魅了されない者などいるのだろうか。

 

「フィーネ、ありがとう。よろしく頼むよ」

 

 フィーネと呼ばれた少女は少年の眼前に回り込むと、こちらを背にしゃがんで、少年の膝に手をかざした。

 

 治癒の力。それも高度に洗練されたもの。

 その力を極めた者は、聖女として教会に認定されるという。

 フィーネ・ドゥ・エルドア侯爵令嬢。その姿は、まさしく聖女そのものだった。

 

「大丈夫かい? 巻き添えにしてしまったようだ」

 

 そう声をかけながら、歩みを進める。

 少年の怪我の様子を気にかける振りをして、フィーネの近くに寄った。

 

 彼女の匂いを吸い込んでみる。

 陽光のような、濃い花蜜のような。

 心を落ち着かせ、それでいていかなる男(オス)も発情させてしまうような甘い香り。

 

 ふと視線を落とすと、屈んでいるせいだろうか、綺麗なうなじと、緩い服の襟元から膨らみかけの白い乳房が覗き見えた。

 なだらかな双乳の先端こそ下着に隠れて見えないが、それでも、このまま胸元に手を突っ込んで、そのふくらみを味わいたい衝動に駆られる。

 

 怪我をしたトマ少年からも、少し胸元が見えているのだろうか。顔は紅潮し、自分だけがフィーネに施されているという悦びをたたえ、股間が張っていた。

 

 それを見て、我にかえった。

 

 たかだか十一歳の少女に何を欲情しているのだ。

 僕には少女趣味はない。

 汚らわしい劣情を抱いてしまった自分が急に恥ずかしくなった。

 

「あの、どなたでしょうか? お客人ですか?」

 

 気づけば治癒が終わったのだろう。すっくと立ち上がったフィーネが、少し訝(いぶか) しむようにこちらを見据えていた。

 その視線に宿る強さと美しさに、つい取り繕うような笑顔を作ってしまう。

 

「失礼。私は侯爵閣下に招かれた者です。森を散策していたら、気持ちの良い場所を見つけたので、つい夢中になってしまいました。怪我をさせてしまったようで申し訳ない」

 

 早口でまくし立て、金貨を差し出す。

 

「わずかだが、怪我の治療費として受け取ってくれ」

「いりません」

「そ、そうか…」

 

 何をやっているんだ僕は、と自分を叱責しながら、はっきりとした拒否の言葉に心が落ち込んでしまう。

 

「あ、いえ、怪我は治ったので心配はいらないという意味で…。えっと、この場所は森の力が満ちていて、私も好きです」

 

 僕が落ち込んだ様子を見せると、フィーネは一転して焦ったように表情を和らげ、笑顔を見せた。

 

 ああ、この娘は、人を悲しませることに対して免疫がない。気を許した人間に強く懇願されたら、断りきれない性格なのだろう。

 それは、いずれフィーネをモノにしようとする輩にとって、つけ込む隙になる。

 この娘は、気高く強い。

 しかしトマ少年にすら、無様に懇願されたら体を開いてしまうのではないか。

 そんな危うさがあった。

 

 僕が、守らなければ。

 

 僕はフィーネに曖昧に返事をすると、急いでその場を立ち去った。

 

 屋敷に戻るとすぐ、アーサー氏にフィーネとの婚約を打診した。

 アーサー氏の半ば諦めたような表情に、ピンときた。

 彼も、フィーネの異常な魅力を分かっていて、僕をごく自然に遠ざけようとしていたのだと。

 

 とにかく、急がなければ。

 早く、フィーネを独占しなければならない。

 

 公爵家に戻ってすぐ父に直談判し、フィーネとの婚約を認めさせた。

 その必死な様子に、兄は面食らいつつ、「そこまでいい女だったのか?」と興味を抱いてしまったようだ。

 汚らわしい。

 

 あの場に、兄が同行していなくて良かった。父ですら、フィーネを一目見たら自分のものにしようとするかもしれない。

 

 でも、もう遅い。誰にも渡すつもりはない。

 

 

***

 

 

 アーサー氏の訃報(ふほう)が届いたのは、それから一カ月後のことだった。

 外遊先で、魔獣の氾濫に巻き込まれたという。

 

 これは非常にまずい。

 唐突に生まれた政治的空白だ。

 エルドア領の統治をめぐり、近隣の領が手を伸ばすかもしれない。

 

 いずれにしても、フィーネを欲にまみれた貴族たちの目にさらすことになる。

 脂ぎった中年貴族に、無理やり服を引き裂かれるフィーネの姿を想像し、ぶるりと震えた。

 

 我ながら、そこからの動きは早かった。

 侯爵家に下る形で、エルドア領を引き継ぐことを王家に認めさせた。

 手続きを済ませ、一目散にエルドア領に向かう。

 

 

 

 

「フィーネと申します。亡き父に代わり領主となられたウォルム…お義兄(にい)様を、い、妹として誠心誠意支えて参ります。皆さんも、慣れない職場かと思いますが、一緒に頑張ってくれると嬉しいです」

 

 僕が用意した、僕の眼の色と同じブルーのドレスに身を包んだフィーネが、新しい使用人たちに挨拶した。

 領主就任と同時に、屋敷内の人事を一新したのだ。

 その場にいた全員が、フィーネの可憐な姿に息をのむ。

 もちろん、僕もその一人だった。

 

 彼女は周りを悲しませまいと、気丈に振る舞っていたが、両親を失った孤独は簡単に癒えるものではない。

 今、下心を持って婚約を打診すれば、拒否されることはないにしろ、心までは手に入らないだろう。

 彼女に今必要なのは家族だ。それも、無償の愛を注ぎ、常に安心感を与えられる存在。

 

 劣情は、しばらく封印しよう。

 娼館で発散してでも、彼女に気づかれてはいけない。

 

 領主として文句なしの統治を進め、男として、義兄として、フィーネのかけがえのない存在になる。

 そして、フィーネが十五歳になって成人を迎えたとき、正式に結婚を申し込む。

 それまでの我慢だ。

 

 僕ならできる。優しい兄を貫こう。

 

 

***

 

 

 それから、半年以上の月日が流れた。

 

 この頃にはもう、フィーネが僕にそ(・)う(・)い(・)う(・)感情を抱かないだろうことは、痛いほど分かった。

 少年に混じり泥だらけになって遊んで育ったせいか、彼女は女として見られることすら嫌がっているように見える。

 

 僕は、行き場のない情欲を娼館で発散するようになった。

 

 お忍びで隣領まで出向き、懇意にしている高級娼館で、フィーネと同じ栗色の髪の女の子を指名する。

 我ながら倒錯(とうさく)的だと自嘲しつつ、それでもあふれ狂う欲求をフィーネにぶつけないよう他所(よそ)で発散しなければならない。

 

 そんなある日、娼館で怪しげな男と出会った。

 流れの呪術師だという彼は見るからに怪しかったが、彼の話は僕の心を鷲掴みにした。

 

「古代の禁術に『番(つがい)の契約』というものがありましてね。私はそれを復活させたんです」

 

 聞けばこの禁術は、男女の体に紋様を刻んで「番」とし、番以外では子を孕(はら)めなくするものらしい。

 それだけでも、僕にとっては魅力的すぎる禁術だったのだが――。

 

「刻まれた紋様――これは淫紋というんですがね、性的な感度が上がるんです」

「それは、どのくらい?」

「そうですねぇ…頬を撫(な)でられただけで、体中を快感が駆けめぐってしまうくらいには」

 

 僕は、この呪術師をすぐに屋敷に呼んだ。

 貴族にして軽はずみな行動だと思うが、僕にはもう、これに縋(すが)るしかなかった。

 番の相手について詳しく聞かせろというので、フィーネについて軽く話してやると、呪術師は途端に興奮しだした。

 

「治癒の力を…ということは聖女ですかっ! 聖女はね、そもそも感度が高いんですよ! 淫紋によってどれほどの快感に襲われてしまうのか…。はぁ…絶対に、事後報告してくださいねっ、約束ですよ!」

 

 白々しい男だ。

 おそらくこの呪術師は、僕も、フィーネのことも調べ上げたうえで、僕に接触してきた。

 復活させた禁術の実験相手を探していたのだろう。

 

 まあいい。フィーネが手に入るのなら、実験でも何でも付き合ってやる。

 

 

 体中に紋様を刻むのは地獄だった。

 激痛で気が狂うかと思ったが、死ぬ気で耐えた。

 

「いいですか、ウォルムさん。番のオスは、番のメスと一定期間、性的な接触をしていないと、激痛に襲われるという副作用があります。手に入れるなら、お早めに」

「分かっている」

「メスに淫紋を刻むには、互いの盟約に基づき、合意を以て口付けをする必要があります。盟約とは――」

「約束事、つまり賭け事やゲームでもいいんだろ? 分かっているよ」

「…ならば結構」

 

 早速、体中を針で刺すような痛みが襲い出す。

 僕は、今夜にでもフィーネに淫紋を刻もうと決めた。

 

 

***

 

 

 コンコン。

 

 フィーネの寝室の扉を叩く。

 

「フィーネ、夜遅くにすまない。少し、いいだろうか?」

「お義兄さま!? 少し待ってください」

 

 トテトテと室内を走る音がして、すぐに扉が開いた。

 フィーネは、膝上丈のネグリジェに、薄手の白いカーディガンを羽織っただけという、刺激的な格好だった。成長途中の胸のふくらみや、スラリと伸びた白い太ももに、つい目が行ってしまう。

 

「どうされました?」

「ああ、ごめん。ちょっと…寝る前にどうかな?」

 

 そう言って僕は、最近フィーネと興じている盤上ゲームを見せる。

 

「ええ、やりましょう、お義兄さま」

 

 そう言って、何も聞かずに微笑むフィーネに、僕は心臓を射抜かれる。

 

(ああやはり、僕はこの娘(コ)が欲しい)

 

 彼女は優しく、そして察しがいい。

 僕が、ただゲームをしに来ただけではないことは分かっているだろう。

 それでも、何か事情があるのだろうと、気遣ってくれているのだ。

 本来は貴族の少年が興じるような盤上ゲームに、目を輝かせて熱中するところも含めて、フィーネはやはり、他の貴族の女とは違う。

 

「フィーネ、もし僕が勝ったら、お願いがあるんだ。聞いてくれるかい?」

「…はい。では私が勝ったら、私もお願いがあります」

 

 いつもはこうして、互いのささやかな希望を賭けて、勝負をする。

 だいたい僕が勝ち、たまに負けてやることもあるが…今回は負けるつもりはない。

 

 今、このやり取りをもって、禁術に必要な盟約が成(な)った。

 

 

 

 

「――負けました。やはりお義兄さまは強いです」

「いや、フィーネも強いよ。腕を上げたね」

 

 そう言うと、フィーネはいつも頬を赤らめて照れる。そして心底嬉しそうに笑うのだ。

 

「それで、お義兄さまのお願いは何ですか?」

「実は、フィーネに口づけをして欲しいんだ」

「え、無理です…」

 

 分かってはいたが、面と向かって拒否されると、それなりに、いや相当に傷つく。

 

「ああ、ごめん。少し説明をさせてくれ。大事な、話なんだ」

「わかり、ました」

 

 僕の真剣な雰囲気に、フィーネも居住まいを正す。

 

「実は、僕は強い呪いにかかってしまったんだ。政敵か、この領を狙う貴族か、誰の仕業かは分からないが、とにかく、酷い呪いだ」

 

 言いながら、僕はシャツのボタンを外し、胸元を開いた。

 

「そんなっ…!」

 

 体中にびっしり刻まれた紫色の紋様に、フィーネの顔が歪んだ。しかしすぐに真剣な表情になり、その胸元に手を伸ばしてきた。

 

「今、癒やします」

 

 フィーネの手から、温かい光が放たれる。治癒の術だ。しかし、紋様には何の変化もない。

 

「無駄だよ。僕も色々試したんだ。でもダメだった。次第に体中を呪いが蝕み、常に激痛が襲うようになった。今も痛むんだ。…黙っていてごめん」

 

 フィーネは、泣きそうな顔をしていた。

 父親が死んだときのことを思い出しているのかもしれない。

 またも家族を失ってしまうかもしれないと、恐怖していることだろう。

 

「治す術(すべ)は、ないのですか?」

「そこでさっきのお願いに戻るんだ。実は最近、この呪いには聖女の口づけが効くかもしれないと分かった。本来ならば教会に聖女を派遣してもらうところだが、僕は貴族で領主だ。呪いのことが外に知れれば、混乱を招きかねない。だから――」

「わかりました」

 

 フィーネが、真っ直ぐ僕を見ていた。

 

「いいの…かい?」

「はい。そんなことで呪いを打ち消せるなら、安いものです。お義兄さまの体には代えられませんから」

 

 ああ、まったく、フィーネは…。

 

「ありがとう、軽く唇を触れさせるだけでいいよ」

 

 フィーネはスタスタと近づき、躊躇(ちゅうちょ)なく、僕の唇に口づけをした。

 

 ちゅ…。

 

 フィーネの、柔らかい感触。

 その瞬間、全身がブルリと震え、僕の中の呪いの一部がフィーネに移ったのを感じる。

 さっきまでの激痛が、嘘のように消えていく。

 

 番の契約が、結ばれた。

 

「ん…」

 

 フィーネが可愛らしい声を上げ、僕からパッと体を離した。

 頬を上気させ、息を荒げている。

 そのあまりの色気に、股間が疼(うず)く。

 

「フィーネ、大丈夫?」

「は、はい、大丈夫です。それよりお体は?」

「ああ、痛みが消えた…どうやら本当に効いたみたいだ」

「はぁ……良かったです」

 

 フィーネは目に涙を浮かべ、微笑んでいる。

 本当に、優しい娘だ。

 

「ただ、呪いが消えたわけじゃないみたいだ。もしかしたら、明日もお願いするかもしれない。ごめん」

「明日も、ですか…」

 

 フィーネは唇に指を当て、少し俯いた。

 淫紋によって込み上げてきてしまった快感に、戸惑っているのだろう。

 

「嫌、かな?」

「い、いえ、大丈夫です」

「良かった。じゃあ、また明日。おやすみ、フィーネ」

「…おやすみなさい、お義兄さま」

 

 僕は、フィーネの寝室を後にする。

 

 廊下を歩き、自分の寝室に向かう。

 彼女の唇の、ぷるんとした感触を思い出し、顔がほころぶ。

 

 明日になったらフィーネは、自分の体に刻まれた淫紋に気づくだろう。

 呪術師の話では、下腹部のどこかに現れるらしい。

 

 これから、どうやって快楽を教え込もうか。

 あれこれ想像する。

 明日が楽しみで仕方ない。

 

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