※この作品はR-18です。

裏短編置き場   作:鈴名ひまり

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最終巻のエピローグ見て妄想が爆発した


乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です
金曜の夜に ──リオン×オリヴィア──


 方言って不思議だと俺は思う。

 

 同じ国の言葉なのにまるで違う言語のように聞こえて、それでいて細かな差異がしばしば可愛さを感じさせる。

 

 つまり何が言いたいかというと──リビアの方言が聞きたい。

 

 この前エリシオンのせいでリビアと修羅場になってしまったのだが、その時彼女の口から飛び出したのはいつもと違う言葉だった。

 

「いい加減にせんね!」

 

 そう一喝した直後にリビアはハッと気付いて顔を真っ赤にしてしまい、結局そのまま有耶無耶にできたのだが、あの方言をぜひもう一度聞きたい。

 何なら普段からそれで喋ってくれてもいい。

 

 こっちは男子校の新米教師として、毎日毎日問題児相手に身体を張っての授業に指導にトラブル解決の毎日なのだ。

 家に帰ればリビアがご飯を用意して待ってくれているのが、唯一の役得と言ってもいい。

 ──商社の海外駐在員みたいだな。

 

 とにかく俺の生命線はリビアで、彼女との仲が俺の活動を、引いては世界の命運を左右する。

 

 それに今日は金曜日。

 仕事上がりで、数少ない自由な時間のある日で──仲良しの日だ。

 

 結婚してもう何年か経つし、子供だって生まれたが、週に一回は必ず夫婦生活がある。

 

 リビアはその優しくおっとりした雰囲気に反して積極的で、レスの心配はなさそうだが、いつも同じようなやり方では飽きが来てしまう。

 

 なので、マンネリ化を防いで夫婦仲を保つためにも工夫が必要なのだ。

 

 そう理論武装を整えて、俺は職場を後にした。

 

 砂漠の国は昼間はものすごく暑いくせに日が暮れるとかなり肌寒い。

 

 特注品のコートにくるまり、ポケットに手を突っ込んで白い息を吐きながら夜道を歩く。

 

 煌びやかな繁華街には目もくれず、馴染みの露店でリビアの好きな焼き菓子と新鮮な茶葉を買って、アパートへと急いだ。

 

 砂漠の国特有の白い日干しレンガでできたアパートの最上階が俺とリビアの家だ。

 

「おかえりなさい!リオンさん!」

 

 上からリビアの声がしたので見上げると、リビアが階段を駆け下りてくるところだった。

 

 ベランダから俺の姿を見つけたのだろう。

 

 相変わらずの新妻みたいな振る舞いに思わず笑みがこぼれる。

 

「ただいま。リビア」

「あ、今日も買ってきてくれたんですね!」

 

 俺の持っている焼き菓子の包みを見て、リビアの顔がぱぁっと明るくなる。

 

 包みをリビアに渡して、二人で階段を上り、部屋へと帰還する。

 

 扉が閉まった直後、リビアは俺にぎゅっと抱きついてくる。

 ボリュームと柔らかさを増した胸の感触には相変わらずドキドキする。

 

「今週もお疲れ様でした」

 

 リビアが抱きしめて労いの言葉をかけてくれるだけで、疲れが軽くなるから不思議だ。

 

「ありがとう。リビアもね」

 

 いつも美味しい食事を作ってくれて、家事の殆どを担ってくれているリビアには本当に感謝である。

 

 リビアが幸せそうな笑みを浮かべたかと思うと、目を閉じる。

 

 その意味するところが分からない俺ではない。

 

 おかえりのキス──行ってらっしゃいのと合わせて毎日の習慣になっているが、金曜日はいつもよりちょっと情熱的になる。

 

 そして今日は楽しみもあって余計に力が入る。

 

「んんっ!ちゅ──はぁ、もう、リオンさん。先にご飯とお風呂済ませてからですよ」

 

 リビアが唇を離して抗議してくるが、その目はトロンとしていた。

 

 こういう目をしている時は押せば行ける。

 

「ごめん待てない。今日は今すぐリビアが欲しい」

「えぇ!?──もう、仕方ないですね」

 

 やっぱりだ。

 渋々といった感じだが、頬を染めて再び抱きついてくる。

 

 そのまま寝室までエスコートして──頭を下げて頼み込んだ。

 

「お願いリビア!今日は方言でして欲しいんだ!」

「えぇ!?わ、私の方言で──あれ、好きなんですか?」

 

 困惑するリビアの手を取って情熱的に訴える。

 

「好きだよ!大好き!可愛いの極みだよあれ!」

「そ、そうなんですか?でも──やっぱり恥ずかしいです」

「そこを何とか!絶対絶対笑わないし、幻滅とかしないし、誰にも言わないから!」

 

 渋るリビアに思い切り顔を近づけて至近距離から目を見つめてお願いする。

 

 こうすれば大抵のお願いは聞いてもらえるのは経験則上分かっている。

 

 そして、それは裏切られなかった。

 

「──分かりました。リオンさんがそこまで言うなら、してみますね。──でも絶対笑わないでくださいね?」

「うんうん!ありがとう!リビア大好き!」

 

 白々しいくらい甘い台詞を吐いて感謝を伝えると、リビアは呆れたように小さく溜息を吐く。

 

 そして──

 

 

「う、うちとせん?なかよし──」

 

 

 あ、これ無理だ。もう我慢できない。

 

「する──!!」

「やん、ちょっと、強引ばい!」

 

 ベッドに押し倒されたリビアが律儀に方言で抗議してくるが、キスで口を塞ぐ。

 

 リビアは抵抗せず、やがて腕を俺の背中に回してきた。

 

 しばらく互いの唇を貪っていると、リビアが一瞬唇を離して言ってくる。

 

「一回したらご飯食べるっちゃけんね。冷めてしまうけん」

「うんうん!」

 

 ああもう、可愛過ぎるだろ。

 

 リビアの身体を横にして抱きしめてまた唇を重ねる。

 

 密着したことでまた胸の感触が伝わってくる。

 

 背中に回していた手を動かしてブラのホックを外し、こぼれた胸を揉みしだく。

 

「ん──♡」

 

 リビアが艶かしい声を上げる。

 

 乳首を探して一旦唇を離すと、リビアが引き止めてくる。

 

「だめ──やめんでぇ──」

 

 潤んだ目でおねだりされて断れるわけもなく、俺は乳首探しを諦めてまたキスをする。 

 

 だが、乳首責め自体を諦めたわけではなく、胸を揉みながら手探りで探す。

 

 手のひらからこぼれて逃げる柔らかい胸──その中に硬い部分を見つけてつまんでみると、リビアはビクッと身体を震わせる。

 

 そのまま指先でこねくり回していると、リビアの呼吸がどんどん荒くなっていく。

 

 背中に回されていた手が下に降りていき、俺の下半身に触れる。

 

「ふふ、硬うなっとー♡」

 

 耳元で愉しげに囁くリビア。

 

「そういうリビアはどうなのかな?」

「ひゃ!?ぅうん♡」

 

 手を伸ばしてリビアの股を弄ると、濡れた感触がすぐに伝わってきた。

 

 処理されていない毛を掻き分けて濡れた粘膜にそっと触れる。

 

 割れ目をなぞっていくと、すぐにそこは見つかった。

 

「リビアだっていつもより硬くなってるよ?ほら──」

「ぅあん♡や、だめぇ──♡」

 

 剥き出しになったクリトリスを指で小刻みに揺らしてみると、リビアは枕に顔を埋めて悶絶する。

 それでも手は俺の下半身から離さず、下着越しににぎにぎしていた。

 

 負けじと指での振動を更に強めると、リビアは気持ちよさに身を捩る。

 新たにどんどん愛液が溢れ出てきて、既に濡れていた彼女の股が更にトロトロになっていく。

 

 そして──

 

「リオンさん、もう、欲しかと。切なかぁ、うち──」

 

 我慢できなくなったらしく、蕩けた顔で挿入を懇願してきた。

 

 今までにも何度も言われて、慣れてしまったはずの俺のものを欲しがる言葉──それが方言になっただけで、初めて言われた時のような興奮を呼び起こす。

 

 ショーツを脱がせて仰向けに寝かせると、リビアは脚を開いて手で割れ目を広げてくる。

 

「来て──」

 

 濡れた穴に先端を当てがい、体重をかけて少しずつ押し込んでいく。

 

 たちまち中の無数のひだが絡みついてくる。

 

 リビアの中は長めのひだが何重にも連なった複雑な形をしていて、しかも感じるとそれらが一斉に色んな方向にうねって凄いことになる。

 初めてした時なんて一分と保たなかった。

 

 今だって、挿れただけで締まってうねって搾り取られそうになっている。

 

 必死で堪えて奥の行き止まりまで押し込むと、動きを止める。

 

 リビアは俺の背中に腕を回してしがみつき、脚を腰に絡めてくる。

 

 少し馴染んで射精感が遠のいてきたので、少し腰を動かして感じるところを探す。

 

 一際反応が良い場所を見つけて体重をかけると、リビアが更に強くしがみついてくる。

 中の締まりも強くなり、うねりも激しくなる。

 

「うわっ!リビア、締まり過ぎ──!」

「だって気持ちよかっちゃもん──あ♡ここ、ここ、ばり気持ちよかぁ♡──締め付けてまうん止まらんの♡」

 

 両腕両足で俺にしがみついたまま腰だけ器用に動かして俺のものを貪るリビア。

 

 こんなの我慢しろという方が無理な話である。

 

「あ、だめ!もう出る!」

「うん、よかよ、イッて♡うちん中ぁ、びゅーって出してぇ♡♡」

 

 耳元で言われて必死で持ち堪えていた最後の堰が決壊した。

 

 腰が抜けるかと思うような勢いで俺は射精した。

 十代の時のように激しく、長く、頭が真っ白に塗りつぶされるような、イキ方──こんなのいつぶりだろう。

 

 そして──出したばかりなのに、俺のものはする前と変わらない硬さで漲っている。

 

 それに気付いたリビアがまた腰を動かしてくる。

 

「ねぇ──もう一回──せん?」

 

 もの足りないという目で見上げてくるリビア。

 

 断る理由がない。

 

「うん!」

 

 射精したばかりのものを抜かずに再び奥へと突き入れる。

 

「すごい!すごいよリビア!これ、最高に気持ちいい!」

「あぁん♡もっと♡もっと♡ぐちゃぐちゃにしてぇ♡もっと──イキたかとぉ♡」

 

 リビアの懇願に応えて腰のギアを上げる。

 

 さっきにも増してひだが絡みついて容赦なく刺激を喰らわせてくるが、射精したばかりの今なら、耐えられる。

 

「あ"あ"あ"あ"♡よか♡よかぁ♡リオンさん♡リオンさん好きぃ♡好きたい♡」

「俺も!リビア好き!大好き!愛してる!」

「うちもォ♡んぅぅ♡ぎゅってしてぇ♡」

「ああ、リビア!リビんッ!ちゅ──」

 

 ──やっぱり無理だこれ。

 

 リビアの背中の下に手を入れて抱きしめると、リビアも俺の頭を抱きかかえてキスしてくる。

 

 唇と舌を蹂躙され、胸を押し付けられ、下半身は全方向から締め付けられ、吸われ、舐られ、腰は脚でがっちり固められて、全身が絶え間ない快楽の集中砲火に晒される。

 下半身はまるで別の生き物になったかのように快楽とリビアの反応を求めて暴れ、気持ちいい以外に何も考えられなくなっていく。

 

 再び身体の奥から熱いものが湧き上がってくる気配がした。

 

「ちゅ──リビア、俺、またイキそ──」

「うちも♡一緒にイこ♡」

 

 その言葉で更に下半身のギアが上がる。

 

「あっ♡だめぇ──一緒に──ひぐうぅッ♡くうぅうぅんッ──♡」

 

 リビアが全身を激しく痙攣させて絶頂を迎える。

 

 絶頂が身体を震わせ、その振動が更に絶頂を誘発して、リビアは絶頂し続ける。

 

 中の締まりとうねりが嵐の大波のように俺のものを蹂躙し、俺もとうとう限界を迎えた。

 

「うっ!俺も──」

「あ"あ"あ"ッ♡きとぉ♡きとぉ♡リオンさんのぉ──♡」

 

 リビアがうわごとのように呟きながらまた絶頂する。

 

 そのまま体感で十分近くも二人でイキ続けて──力が抜けて俺はリビアの隣に横向きに倒れ込んだ。

 

 二人揃って荒い息をしながら見つめ合って──リビアの方からキスしてきた。

 

 余韻を味わいながら、そっと互いの唇をついばんで愛情を伝え合う。

 

 さっきまで燃え盛っていた興奮と情欲が、安心と愛おしさへと変わっていく。

 

 漲っていたものが風船のようにしぼんで抜ける。

 

 中から溢れ出てくる前にティッシュを取って当ててあげた。

 

「とろとろになってまった──♡」

 

 リビアがティッシュを押さえて呟く。

 

「すごく気持ちよかった──あ、そうだ。ご飯食べようか」

「ん──ちょっと休まして──」

 

 リビアが俺の腕を枕に寄りかかってきたかと思うと、すぅすぅ寝息を立て始めた。

 

 釣られて俺も睡魔に襲われ、すぐに意識を手放してしまった。

 

 

◇◇◇

 

 

 深夜。

 

 エリシオン謹製の大型電子レンジが二人分の晩ご飯を温めるのを並んで眺める。

 

「ご飯結局冷めちゃったね」

「うぅ──今日んリオンさんのなかよし気持ちよすぎてつい──」

 

 リビアが両手を頬に当てて恥ずかしがる。

 

 終わっても方言が抜けていないが、指摘したらやめてしまうだろうから言わないでおく。

 何ならこのムードのまま夜食の後にもう一回戦してもらうのも──

 

 だが、空気を読まないエリシオンがここぞとばかりに姿を現し、俺の目論見をぶち壊した。

 

『そうですね!マスター、オリヴィア様両名とも体温、発汗量、オキシトシン分泌量全てにおいて過去最高値を観測しています!でしたら今後性交渉は毎回オリヴィア様の方言を伴って行うことを推奨致します!性生活の充実はカップルの仲を深めると申しますし、これはやらない理由がありませんね!』

「ちょ、ちょっとエリ君!?何を言っているの?まさか覗いていたの!?」

『いえ、覗きではありません。お二人の健康状態把握並びに生活クオリティの向上のため、データを取っていただけです』

「そういうのを覗きっていうの!メッ!です!メッ!」

 

 エリシオンとリビアが言い争いを始め、いい感じのムードは完全に霧散してしまった。

 

 夫婦生活の前後と最中にはそっとしておくことは覚えてくれたが、空気を読むことを覚えさせるにはまだまだ時間がかかりそうである。

 

「まあまあ落ち着いてリビア。ご飯温まったし、食べよう?」

「む──エリ君、後できちんとお話ししましょうね」

 

 渋々言い争いをやめて、食事をテーブルに並べ始めるリビア。

 

「「いただきます」」

 

 二人揃って手を合わせる。

 

 今日は焼き魚だ。

 砂漠の国では貴重な魚をシンプルな塩焼きにして、ご飯と味噌汁をつけた和風メニュー。

 

 米と味噌はマリエが作って送ってきたものだが、それらを料理したのはオリヴィアだ。

 俺の前世を知って、本当に好みの味を作ってくれるようになった。

 

 ああ、やっぱり──

 

「──幸せ」

 

 つい心の声が漏れた。

 

 リビアがふっと笑って言う。

 

「うちもばい」

 

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