この作品は、Dead by Daylightの世界にもしも杉本達が迷い込んでしまったら……?というコンセプトのクロスオーバー作品です。
※DbDのDLCキャラも登場しているので、多重クロスオーバーとなってます。
・Dead by Daylightとは?
一人の迷える仔羊(殺人鬼)が四人の悪魔達(生存者)に妨害されながら、個性豊かなフィールドで血涙を流しつつ脱出されない様に処刑する(???)非対称型対戦サバイバルホラーゲームです。
ゲーム内のメタ発言や流血、猟奇的表現に加え、カップリング要素(ほんのりBL、GL)が含まれます。閲覧は、自己責任の元ご覧になって下さい。
気分を害されましても、当方は責任を負いかねますのでご了承下さい。
[人物紹介]
杉本
霧の森にも順応してきて、少し余裕もててきた。チェストを漁って何か使えるものがないか探すのが最近のブーム
谷垣
杉本に手渡された衣装に困惑しながらもギチギチのベストを着こなす
鯉登
チェストの中身が誰かの衣装ケースだといち早く気付き、気に入った衣装はその場で試着ていて、まったく儀式に集中していない
月島
試着と言いながら色々と衣装を試している鯉登に飽き飽きしながら、どうにか使い道が無いかと取り敢えず手にしてみてる
トラッパー
エンティティのアホさ加減に、何時も以上にげんなりしている
「あれ?なんで衣装ケースに工具箱が入ってるのよ!?」
儀式開始直前のメグの悲鳴に近い叫び声がフィールドへ向かう霧の森のあぜ道に響く。
内容が奇想天外でどうしてそうなったのか理解しがたい。
メグのその先の一声に気を止めている様子の鯉登と目が合い、月島は肩をすくませてみせた。
「ただのケースの取り違えでしょう。気を止める程ではありません。」
言ってしまってから、現実ならそんな取り違えはありえない事だが、こと霧の森ではありえる話なのも事実であり、面倒そうな事になってなければいいと半分は気に掛かった。
谷垣、杉本が後を続いて歩く、二人は特に気にもとめていない様子だった。
「相手はトラッパーか。あのおっさん、終盤になってからがキツイんだよな……。」
杉本と共に一台の発電機に引っ付いて修理を進める月島だったが、相変わらずのスキチェ難民であり、リズミカルに触っては手を止めるを繰り返しながら少しづつ修理を進めていく。
「軍曹……。そのやり方いつまで続けるの?」
「俺は、どうもあのゲージを止める事が出来ない。代わりにゲージを止めなくて済む方法を見つけたんだ。文句などないだろ?」
このやり方でも不十分な部分がある。手を離すタイミングでスキルチェックが入ることがあるからだ。これを止めることは完全にスキルチェックを諦めた男月島基には不可能である。
「あ、あんな所にチェストがある!何か良いもの入ってるかな~?」
先程まで集中して発電機を修理していた杉本だが、単調な作業に飽きるのか、回りに集中が散る事がままある。
すぐ近くのチェストを開け始める杉本。蓋を開けて出てきた中身に小さく息を飲んでいる。そんな不思議なものなんて入っていないだろ?
「なんか……、何時もと違うものが入ってるんですけど……。軍曹見て、これ。」
チェストの中に入っていたのは、兎の耳の様なフードの付いたジャケット。たしかこれはフェン・ミンが着ている衣装だ。
他にもフェン・ミンの衣装が詰め込まれている。
「着替えろって事かな?」
「そんな訳ないだろ」
即座に反対し、こちらに着替えろと促されることを阻止する。
「でも、このうさみみのやつ可愛いよな……。」
着れるわけが無いのにフード部分だけを頭に収めている杉本。それは女性が着ることによって可愛いのであって、お前が被ったからって可愛い訳など無い。
「馬鹿はやめて、発電機を修理しろ。」
「軍曹なら小せえから着れそうだな?」
「着ないぞ。」
「……あ~ぁ。アシリパさんが居たらなぁ~」
アシリパなら、調子良く着ていたかもしれない。が、儀式中に承諾したかまでは分からないな。
「もしかして、儀式直前にメグが言ってたのって、フィールドのチェストが衣装ケースと入れ替わってる……とか?」
「……ここでは、何が起きても驚かないよ。」
明らかに邪神の仕業だという事は分かった。今回の儀式はチェストの中身は全部衣装。儀式に必要なアイテムは入っていないのだろう。
この情報を他の二人にも共有したい所だが、多分谷垣は反対側、現在進行系で鯉登少尉殿はトラッパーとのチェイス中だ。
谷垣は、発電機の修理を終えて次の発電機を探しながらフィールドを走っていた。途中、チェストを見つけ何かあった時の為に場所だけは覚えておこうと付近の様子を見ながら移動する。
途中、追跡されていた鯉登少尉が瀕死状態へと移行しフックに吊るされてしまった。今の自分の現在地から距離は離れていないため、発電機を進めている他二人に修理は任せて、自分が救助へ向かうことにした。
草むらやフックの周辺を慎重に進む。相手の罠が仕掛けられているかもしれない。
フック周辺に(最短で通ろうとする場所に)罠が仕掛けられていた。
迂回して鯉登少尉をフックから下ろす。フック目下で回復も済ませてしまおうとして立ち止まっていると、鯉登少尉は首を横に振りその場を足早に去っていく。
「自分でなんとか出来るから、貴様は発電機を修理しろ谷垣一等卒。」
鯉登は先程トラッパーから逃げている間に見つけたチェストの中身を見て唖然とした。そこには何時も何かしら儀式に必要なアイテムが入っているはずだが、入っていたのは誰かの衣装だ。最近見た事のある衣装が目に付く。
俗に言う、テンガロンハットにウェスタンブーツだが、鯉登には物珍しいイカした服装と思っていたジェイクの衣装だ。
「ほぅほぅ、悪くはないな…!後はこのシャツを引きちぎって包帯代わりにして……!よし!これでいい!」
鯉登は悪びれる素振りもなく、ジェイクの衣装に着替える。鏡があったら自分の身振りを見つめたい所だ。
白いランニングシャツを引きちぎり、簡易包帯として体に巻き付けると、痛みはサッと引き問題なく動けるようになった。これで回復できているようだ。この余った布は持っておこう。
処置が終わった鯉登は近くの発電機を修理する谷垣の姿を発見した。合流するべく後ろから声をかける。
「谷垣一等卒。チェストの中身が誰かの衣装ケースとなってしまってるようだ。だが、衣類で簡易包帯を作って試してみたら回復自体は出来る。他にも何かに使えるかもしれん。身につけておくと良いかもしれんぞ?」
「…鯉登少尉……。その…。自分はそう…器用な人間では無いので……。」
「……っは!そうであったな!こんな事を出来るのは私ぐらいのものだっ!ふははっ!」
自慢気な鯉登少尉の様子をみて谷垣は先程見つけたチェストの中身への期待が薄れた。衣装しか入っていないから儀式に優位に働かなそうだ。この情報を杉本や月島軍曹にも伝えたほうがいいと思い二人を探すことにして発電機から離れる。
「鯉登少尉、他の二人にも共有してきます。無駄にチェストを開けるよりも、互いに協力したほうが効率がいいはずですので……。」
「ふん、それもそうだ。二人に言ってやれ!使えるものは使えとな!」
自らの服装を親指で指し示しながら自信たっぷりに応える鯉登少尉を背後に見ながら、杉本、月島軍曹を探し歩き出した。
杉本と別れ、発電機を探していると物陰から谷垣一等卒が声をかけてくる。
「月島軍曹、ちょっといいですか?」
「どうした?発電機が少し固まり始めているから厄介だが、なんとか立ち回れる範囲内だ。」
「いえ、儀式の進行は大丈夫と思うんですが、各所のチェストの中身について共有しておくことが……。」
「あぁ、誰かの衣装ケースになっているという事だろ?杉本が近くで開けて中身は確認した。お前達にあった時にでも話そうと思っていたが、知ってるならいい。」
「把握されてたんですね。どのチェストも中身は他のサバイバーの衣装だと思いますので、開ける必要が無いかと……。」
「ん。……まぁ、ちょっと使えそうなものがあったから拝借をしている。」
そう言って、懐からギラついた上着を取り出してみせる軍曹。
「そ、それは……?」
見ると、テカついた金色のシャツのようだ。そんなものを着るサバイバーは一人しか知らない。
案の定の名前を聞いて合点がいく。
「エースのシャツだろう。他にも派手な豹柄のシャツやらパンツやらが入ってた。これなんか急に見たら目に付くはずだ。目眩ましに使えそうだと思ってな。」
なるほど。急に視界に入ったら目に痛そうだ。
共有が必要無くなったので、固まり気味な発電機状況を解消すべく、周囲を確認しながら重要な位置の発電機を見極める。
中心部の発電機の修理に取り掛かり、杉本が後から合流してきた。腰にはピンクのジャケットが巻かれている。どう見ても女性もののジャケット…。
「杉本……。何してるんだ……それは?」
「……だって、可愛かったから……!!」
渡すまいとしてなのか、腰に巻かれている袖部分をぎゅっと握りしめながら応える杉本にため息で応答した。
「谷垣は、何か見つけたか?」
「いや、そんな事よりも儀式を進行させたほうが有意義だと思うが……?」
「他のやつみたく着替えられるなら、楽しんだほうが儀式も暗く無くなるだろ?たまには良いんじゃねぇのかなって思ってさ。
アシリパさんだったら、今の状態を楽しみながら突き進んでいくんだろうなって。だから、俺もこの状態を楽しもうとしてみたんだ。」
なるほど、状況を楽しみながら進む……。大事なことを忘れかけていたかもしれない……。首を縦に振り、肯定の意思を示す。
「だからさ、谷垣。これとかお前にどうかって思ってさ?軍曹は知らんぷりしてどっか行っちゃうし、お前だったら着こなせると思うんだよ。…な?」
手渡されたのは、何やらリングに紐が通った留め具が付いた革製のベストに肘ほどの長さがありそうなグローブ、ズボンには右足の裾の部分に蛇のプリントが施されている。
「……杉本……。なんか、上着の様子がおかしくないか?布の面積が少ないと感じるが……。」
「谷垣、楽しみながら儀式を進める……そうだろ?」
「……む、むぅ……。」
反論出来ずに衣類を預かり、物陰で着替える他に選べる道はなかった。
自分の胸筋では、ベストはサイズが小さくリングの留め具がぎちぎちだ。
杉本は、樺太でのラッコ鍋事件を思い出していた。
もじもじと木陰から出てきた谷垣の姿を見て、あの時と同様に動揺している自分がいる。
『……やっぱりこのマタギ……スケベ過ぎる……!!』
自然と出る色気になんとなく敗北感を覚えた。
そんなやり取りをしている間に鯉登が修理しきった発電機で状況が悪化した。しっかりと残り一台が3箇所超至近距離で残ってしまっている。これはトラッパーの思惑通りといった所だろう。
誰かが追われている間に一斉に発電機を進める位の勢いが必要だ。
様子を窺いながら、発電機修理に取り掛かった。
月島は、見事に固まった発電機の位置を見て、逃げやすい位置を確保しながら修理を進めていた。周囲に罠が無いか確認し解除して回る。通知を受け取ったのか、トラッパーが一直線にこちらに向かってきた。
「さてさて、ここからが本領発揮って所だ。どうする?軍曹さんよ?」
先程逃げる経路を確保した方向へサッと動き出す。トラッパーはチェイスに付き合うようで後を追ってきた。
他の方向の発電機を触っている谷垣と杉本の邪魔をしないよう反対側まで引き連れたいが、そんなに甘い相手ではない。すぐに追うことを止めて、別の発電機へ圧を掛けに行く。杉本も谷垣も状況を察していると見て、トラッパーが追いたくない経路に逃げ込んでいく。その間に少しでも修理を進めようと発電機にかぶりつく。
この餅つきのような状態が続いたが、鯉登少尉が欲張って齧り付いていたのが良くなかったのか、瀕死状態になりそれを助け起こそうと動いた谷垣が付近に仕掛けられていた罠に掛かり、二人が瀕死状態となった。
杉本がきっと助け起こそうと駆け寄っていると信じ、私はひたすらに発電機にかぶり付く。
「軍曹はゲームの進行を良く分かってるな。発電機の手ぇ止めに来たぜ。」
トラッパーはここが畳み掛けるポイントと熟知している。ここで安々と倒れるわけには行かない。トラッパーを少しでも引き付けておいて、杉本が動きやすいようにしなくては。
トラッパーも欲張ってか、3人瀕死盤面を形成したそうで深追いをしてくれている。
この危機を好機と捉え、トラッパーを引き付けることに集中した。
それでもじわじわと追い込まれていく。先行きが危なくなってきた所に懐にあるきらびやかなシャツの存在が頭を過った。
「トラッパー…!これでも喰らえ!……ムンッ!」
勢い良く顔面にめがけてシャツを放る。反射的に腕を上げて防御の体勢を取っている間に一目散に距離を取った。意外とギラギラのあのシャツが足止めをしてくれた。
「くそっ!!何だこれは!?」
顔面に掛かった布を振りほどいている間に、月島との距離は相当離れてしまった。瀕死状態の二人の方へ戻り、助けに来ているだろう杉本を狙うことにしよう。
トラッパーはダウンさせた位置にまで戻ってきて、二人の様子を確認する。じっと動かない辺りを見ると杉本は近くまでやってきているのではないかと予測する。
「ん~~。だが、やつはここのサバイバーとは思考が違うからなぁ…。どうしたもんか。」
儀式に慣れた連中は、無視して発電機を回し続けるやつも少なくない。そっち側だとしたら、発電機を気にしなければならない。
先に助け起こそうとする気のいいやつだったらば、このまま待機していた方が分がいい。
霧の森のサバイバー達であれば、こいつならこうするだろうとヤマを張れるが、対杉本ではまだ情報が少なすぎて決定打に掛けているのが正直な所だ。
「やつは、仲間思いだ。きっと助け起こしにくるだろう。」
儀式は忍耐だ。
特に俺のような終盤の爆発に備えるタイプには忍耐が必要不可欠だ。ここぞという時に攻撃を仕掛けなければ、連鎖的なダウンに繋げられず、盤面を掌握しきることが出来なければ、それで終わりだ。
トラッパーは今がなし崩しのその瞬間だと杉本を探すことに集中する。
近場のカラスが飛ぶ。
注視して良く観察すると、ピンク色のジャケットが目についた。あれはフェン・ミンのスキンだったはずだが、どういう訳か杉本が装着している様子。そう言えば、軍曹も誰のものかは覚えていないが急に衣類を投げよこしてきてたな。
また下らないバグでも生じているのだろうと思い至り、見るだけで吐き気がする邪神の姿を思い描いた。
杉本の進行方向には罠を仕掛けてある。砥石が付いているから解除すれば傷つくし、解除しないのであれば罠に追い込めばそれで終わりだ。
追い込む為に回り込み、気付いていないふりをしながらジリジリと迫る。
見つからないようにと杉本はジリジリと前進していき、足元のトラバサミが杉本の足に噛みついた。
「ぐあっ!?こんな所にあったのかよ!?」
「ふん。詰将棋ってやつだ。残念だったな。」
これで瀕死状態が3人。……さぁ、どうする軍曹?
『……杉本もやられたか……。やはりこうなると手が付けられない。』
動けるのは自分だけとなったが、脱出するにはどうすればいいか…。おちおち助けに行って全滅するのは避けたい。
かと言って、残り一台の発電機を回しきれば居場所が特定されてしまう。
ここはひっそり隠れて一人でも儀式を出る事に切り替え、杉元たちには悪いが助け起こしに行かないことにしたい所だが……。
問題は、私の考えを察して虱潰しに索敵されることだ。トラッパーは馬鹿じゃない。必ずこちらの考えを読んで行動してくるはずだ。
何かいい方法はないものか……。考えているとチェストが目に付く。ふと使えそうな作戦を思いついた。
チェストを開けると、茶色のジャケットに暗い色のシャツ、黒いジーンズが現れる。他にも暗めの色の衣類が目についた。たしか、これはクローデットの服じゃなかったか?
暗めの服装を選び、その中にチェストの中の他の衣類を詰め込んでいき、簡易的な人工模型を作った。
模型に細くちぎった布をつなぎ合わせてロープとして、模型に片側を繋いだ。発電機の陰に模型を置き、自らはロープの先端を持って離れた草むらへ身を隠す。
トラッパーが近づいてくるのを待つ。あの模型を私と誤認して、気を取られている間に移動出来ればもしかすると3人を助け起こせるかもしれない。
ごくりと喉を鳴らしながら、ナタを持った大男の登場をじっと待った。しばらくすると、考え通りにトラッパーが現れた。発電機裏の陰に気付いた様だ。よし、そのまま近づけ……もう少し。あと少し。
覗き込む瞬間、握っていたロープを引く。簡易模型は引かれた反動で引かれる方向に動く。反射的にトラッパーは模型に向けてナタを振り下ろした。気を取られている間に月島は草むらから離れ、3人が倒れている方向へ向け動こうとしたその瞬間。
「俺はァ!! 不死身の杉元だァァァ!!!」
不滅のパークを所持していた杉本が立ち上がり、回りの谷垣、鯉登少尉を助け起こしている。
土壇場で思いついた計画が一気に機能不能だ。トラッパーも叫び声を聞きつけ、杉本達の元へ戻って行く。
取り敢えず、杉本に気を取られている間に発電機の修理をしてしまおう。
3人は三者三様、散り散りに別れて行動したようだ。杉本はトラッパーに追跡され、罠に気をつけながら逃げ回っている。
鯉登少尉は付近の発電機の修理を行い、その付近の罠探しにこそこそと足元を気にしているのは谷垣だ。谷垣は流石マタギといった所か、罠の位置を的確に見つけるのに秀でている。
杉本がダウンした頃には、私の発電機の修理進行度はあと少しで修理完了出来る所まで向かっていた。鯉登少尉がその後まもなくダウンする事となったが、それでもそのダウンの時間で通電させる事が出来た。
『あとは、脱出するだけだが……。どうするか……。』
もう杉本は自力で起き上がることは無いし、鯉登少尉は這いずり時間が多かった所為で出血死が近い。
谷垣が隙を付いて助け起こそうと鯉登少尉の付近まで移動しているが、トラッパーもおちおち起こされる様なマネを許すつもりは無いらしく、鯉登少尉の付近で周囲を警戒している。谷垣は諦めて警戒の薄い杉本を起こす事にしたようで慎重に移動し始めた。なるべく杉本の位置に近い方のゲートを開けようと谷垣とは別ルートで脱出ゲートへ急ぐ。
ゲートを開け始めるのと同時に、谷垣は杉本を助け起こし、お互いの傷を回復し合い始めた。鯉登少尉は残念ながら出血死が近い。3人で脱出するのが現実的だろう。ゲートを開き、3人は鯉登少尉を残し儀式を脱出した。
待機所に戻ると自動的にチェストも持ち主に戻った様子だった。それも儀式で追ったダメージと共に……。
「……あ、あの私の服ズタズタなんだけど……。」
「オイちゃんのイカしたシャツが泥でドロドロなんだけど!?グンソー何に使ったらこんな事になるんだよ!?」
「私のシャツがボロ布の様になっているんだが、何に使ったのかだけでも話してほしいんだが……。」
各所からサバイバーの文句が聞こえてくる。私は我関せず無視を決め込みさっさと横を通り抜けた。
鯉登少尉はジェイクに睨まれながら今着ている服装について不服を訴えられ、谷垣はキングに執拗に絡まれている。
杉本はフェンミンにものすごい嫌な視線を浴びせられながら、ジャケットを返却していた。
邪神が悪びれもせずに待機所に現れる。
「ごっめーーーん!チェストの中身が君等の衣装ケースの中身と入れ替わっちゃった☆ダメージを追ったものは、後でエンティティが新しいものと交換しておくね☆」
「貴様!エンティティ!私たちはお前の所為で散々な目にあったんだぞ!?そろそろここから出したらどうだ!?」
「ふーーーんだ!それとこれとは別だよ!」
勢い良く空気が渦巻き、エンティティは消えてしまった。
まだまだ、この森からの脱出は不可能であるようだ。