この作品は、Dead by Daylightとゴールデンカムイのクロスオーバー作品です。
※DbDのDLCキャラも登場しているので、多重クロスオーバーとなってます。(普通にビルじい登場させてたし、今後も絡ませるコラボキャラ出てくると思われます。…全く気づかなかった)
ゲーム内のメタ発言や流血、猟奇的表現が含まれますので、閲覧に注意してください。
[人物紹介]
・杉本
成長の鬼。ただし、まだ経験値は足りない。
・アシㇼパ
もろこしの葉が絶妙に目に入ってご機嫌がよろしくない。
・白石
好きで罠芸人となった訳では無い。
・ビルじい
アシㇼパ溺愛じいさん。作者はよくフック下でダウンさせる。
・トラッパー
今回も指南役。殺人鬼陣営の常識人。作者が使うとほぼ令和式
[もろこし畑で捕まえて]
霧の森に囚われ、わけも分からずに抜け出した初戦の儀式から間も空かず、待機所でよく見かけるサバイバーと少しずつだが会話もする様になった。
その中でも、初戦に世話になったビルはアシㇼパを偉く気に入った様子で霧の森についてあれこれと説明し、可愛がっている様子であった。
「ふむふむ……。ワシが暮らしていた土地にも兎なんかは毛皮を捕ったり、食したりしているぞ。この森では、腹が減らんから森の中の動物を狩ることもしないがなぁ……。」
「へぇ。この森にも生き物がいるんだね。」
今回、ビルの提案もあってトラッパーの協力の元「霧の森の歩き方講座」と相成った。
待機所で地面に描かれた図を見ながらあれこれ説明されるよりも、遥かに身になりそうだ。
一行は、焚き火の前で各々のパークの説明をビルに受けながら用意をしていった。
「樺太にいたトゥナッカイも遠目に見えたぞ。少し様子がおかしいようにも見えたが…。」
「様子?」
「トゥナッカイは群れで行動するんだ。だが、私が見たトゥナッカイは1頭だけで森に居たんだ。」
「嬢ちゃんが見たのはヘラジカかな?冬以外の時期だと1頭から数頭程度で行動しとるんだよ。」
「ヘラジカは美味いか?ビルは食べた事があるか?」
「うむ。肉も内臓も焼いて食べるのが一般的だな。ワシも何度か肉をステーキで食べた事がある。弾力があってバサバサするが、マスタードを付けて食べると美味いんだ。」
「脳ミソは?」
「……うぅむ。ワシには経験が無いから分からないのぅ。」
「ねーー、アシㇼパさぁん!そろそろ準備万端じゃぁない?ヘラジカの話は後にしようよぉ?」
「杉本、お前アシㇼパちゃんに相手にされないからって、ヤキモチ妬いてんのか?」
「は?白石何言ってんの?妬いてねーし。パーク準備しろよな?」
「えーーー?何?俺に当たり散らさないでぇー?」
焚き火の付近から離れた闇の中から、呆れ混じりの声が掛かった。
「おい、いい加減準備できたか?」
「おぉ。トラッパー…。待たせてすまんな。」
エンティティによって、広大なトウモロコシ畑が広がるマップ「コールドウィンド・ファーム」と呼ばれる場所に送り込まれた。
真ん中にぽつんと掘っ立て小屋が立っている。
「だだっ広いトウモロコシ畑だ。絶妙に視界が悪い!」
「……ッ!バッチリ葉が目に入る!!」
「嬢ちゃんだけじゃなく……、ワシらに、ちと不利なマップじゃな……。それも……。」
時を同じくして、トラッパーは生存者とは別の地点に送り込まれている。真ん中にそびえるボロ小屋を見て、「ロトン・フィールズ」と悟った。
「まぁ、コールドウィンドの中じゃあ良いマップじゃねぇか。……優しく指南役なんてしてやらねぇぞ……!」
トラッパーはボロ小屋の窓枠の下へトラバサミを仕掛けた。
外側の草で見にくい部分にも仕掛けておく。
後は……。
「板と樽の置物が点在しているこういったポジションや、板壁で囲われているジャングルポジションの草むらはトラバサミを仕掛けられ易いんだ。気を付けろよ。初戦と違って、トラッパーもしっかりキラーをやっておる。見つからないように、お前達は隠密行動を取った方が良いな…。」
「罠に掛からないように、発電機を直すのだな?……よし!」
トウモロコシ畑の中に見つけた発電機はエンティティの鎌が発電機を覆い囲う様にしている。
アシㇼパが修理をしようと近付くが、触れる事が出来なかった。
「悪いが、『堕落の介入』っつって、その発電機はまだ直せねぇぜ?小さなお嬢さん?」
「はっ!?トラッパー!もうすぐ近くに!」
「アシㇼパさんはすぐ逃げて!!俺が気を引くから!!」
杉本はトラッパーとアシㇼパの間に入り、アシㇼパはトラッパーから距離を取るのに反対側へ走る。杉本に目標を移したトラッパーは杉本を追い始めた。
「嬢ちゃん!こっちへ……!」
ビルが木陰からアシㇼパを呼ぶ。
白石もコソコソとアシㇼパの後を着いてきていた。
「ちょっとあちらのブロックされていない発電機を触ってみてくれるかな?白石と言ったな?お前も嬢ちゃんの後に触ってみろ。」
ちょっと触って手を離すと、小さくショートしながら、修理状況が後退していくのが分かった。
「これは、キラーのパーク『呪術:破滅』の力じゃ。呪いのトーテムの力で手を離すだけで修理状況が少しずつ後退してしまう。呪いのトーテムを壊すと効果が無くなる。初戦も白石……。お前に探させて壊させたじゃろ?アレじゃ。」
「それじゃあ、ソイツを壊せば効率が上がるって事だね!」
「…まぁ、そう簡単な事じゃないだろうな……。」
視覚情報と共に、杉本がフックに吊るされた位置が赤く点灯する。
「……クソ!逃げた先に罠が仕掛けられてたのか!ぐぬぬ……!抜けねぇ!」
「仲間が救助しに来るから、自分で藻がくな。俺たちからしたら、3回藻がいて抜け出せずに耐久に入ってくれるのはありがてぇがな。
……でも簡単に救助させちゃ特訓にならねぇから、いつも通りに立ち回らせてもらうぞ。」
トラッパーはいつも通りに救助ルートの草むらに罠を仕掛け、近くの発電機へ視線を向けた。
進行度はそこまで進んでいなそうだ。
そんな頃のビルとアシㇼパ、白石は杉本の救助と破滅捜索を同時進行で行う事とした。
「ビルの話を聞いて、役立ちそうって思って持ってきておいたんだ!『小さな獲物』ってーのが役に立つんじゃないか?」
「よし、白石はトーテム探しだ。罠には気を付けろよ?
嬢ちゃんはこのトーテムに『恵み:癒しの輪』の能力付与だ。
ワシは救助に行く。」
白石は慎重に『小さな獲物』で反応した辺りを中心にトーテム探しを開始する。岩場の割れ目や、木の根元……。トラッパーに見つからない様慎重になりながら進んでいたはずだった。
(バチンッ!!)
「痛っっったーーーーっい!!!?」
慎重に周囲に気を配っていたが、足元への注意が疎かになっていた。ジャングルポジションの外角の草むらに仕掛けられていたトラバサミが足を喰らっている。
歯を脇から掴んで、開く為に目一杯力を込めた。
中々抜けず、何度か藻がいている内に罠から抜ける事が出来た。
ドキドキと心臓の鼓動を感じた。
『お、近くに来てるぞ……。ここはそっとしゃがんで様子を見よう……。』
白石はジャングルポジションから離れ、トウモロコシ畑の中に身を潜める。付近から火がパチパチと燃える様な音がする。
よく目を凝らすと、目的の『呪いのトーテム』が見つかった。トウモロコシの茎と茎の間をより分けた様にこじんまりと置かれている。
『ラッキー!トウモロコシ畑に身を顰めなきゃ、見つけられなかったぜ!』
コソコソとトーテムに近付く白石は足元への警戒をすっかり忘れていた。
またもや勢い良くトラバサミが白石の下肢を喰らう。
「いやーーーんっ!!これで二度目〜〜!」
心拍音が強くなり、トラッパーの物と思われる足音もはっきりと一直線で向かってくる気配を白石は感じとった。無我夢中でトラバサミの開閉に必死に藻がく。
既の所で、トラバサミから逃れたのは良いが、トラッパーとのチェイスになってしまった。
「うぉぉおおっ!!オレを追ったって何も得しねぇぞぉおお!!」
「お前、ビルに『トーテム探し』を頼まれてんだろ?前回もお前がトーテム壊ししてたしな。他の奴よりも、本能で盤面をよく読んでやがる。俺が困らねぇ位のチェイス基礎でも教えてやるよ。まずは、なんも無い所を走ってもしょうがねぇぞ。ジャングルポジションや板ポジションへ逃げ込め。」
「アレ?結構優しい!?」
言われた通りに一直線にトウモロコシ畑の中心にそびえるボロ小屋へ向かう。
小屋の中から窓の外へ出た直後だった。またしても、トラバサミの餌食となる。
「板と窓がある所に行けって言ったじゃあぁぁんっ!!」
「あぁ。言ったな。トラバサミを仕掛けていないとは言ってないがな。」
トラバサミから一気に俵の様に抱えられてぐんぐんとボロ小屋の地下へ続く階段へトラッパーは向かっていく。捕まってなるものかと必死に藻掻くと、羽織った法被がスルスルと擦れていくのを感じる。
『よし!このままの勢いで抜け出せるぞ!』
必死に身体を捩り続けるとフックへ掛けられる寸前で もがき逃れることが出来た。
「ヴォッッ……!!」
トラッパーは暫くその場で硬直状態となる。漏れ聞こえた呻き声は渋く、厚みがある声色であった。
不意に杉本に言っていた『元人間』と言う言葉が脳裏を掠めた白石は、離れ際に男の仮面の奥にある瞳を見つめる。
漆黒の闇を称えた蝋色の瞳には何も感情を読み取ることが出来なかった。
この怪物は、もう既に悲しい程個人の感情も、目的も失い、この森の儀式の為だけに存在している兵士だった。
そうする他、残された選択肢は残っていなかった。もう彼を支配する圧倒的存在はこの世に存在しないのだから。
「油断した……。フリップ・フロップか?ボイルオーバーもついている気がするな……。坊主頭、次は無いぞ!」
「いやいやいや、あんなゴツイ銛みたいなのに引っ掛けられるとか、絶対痛いし!痛いじゃすまないかもしれないじゃない!!痛いのもそれ以上もご免だね!!あうっっっ!!!」
もうおなじみの展開であった。白石はボロ小屋の角の草むらに仕掛けられたトラバサミに掛かる。
薄々罠に掛かるんじゃないかと思っていた杉本はトウモロコシ畑の中から白石の様子を窺っていた。トラバサミに掛かり身動きが取れない白石に近づき、一緒に罠の解除を行う。だが、殺人鬼も既に近くに接近していた。悪い事に、白石の援護に来たのは霧の森での生活3日目の一発攻撃を受ければダウンしてしまうが、回復も早く直ぐに1段階回復して起き上がることが出来るパーク『弱音は無しだ』を常時セットしている杉本佐一である。
無論、開始直後から負傷状態で始まるこのパークの効果をトラッパーが知らない訳は無く…。杉本をダウンさせ、直ぐに白石もダウンさせる……普段であれば間違いなくそうしていた筈だ。
「この状況。2ダウンは他愛無いぞ?お前の選択肢は俺に欲をかかせる様立ち回るか、無視して発電機だ。」
「あんた。中々良い奴なんだよなぁ〜……。」
「白石!コイツは俺達を甘く見てんの!悪い状況に持ってかねぇのは、これが練習試合みたいなもんだからだ!」
声を上げつつも、杉本は白石を回復する。
トラッパーはと言うと、さっさとその場を去ってしまった。
杉本救助、白石の罠地獄の合間のアシㇼパはと言うと黙々と発電機の修理を行っていた。
その甲斐あって、白石が回復しきる頃には残り2台の発電機を修理すれば良い所まで発電機は順調に進んでいた。…のだが。
「…こりゃあ、キツイのう。トラッパーと白石がボロ小屋付近から離れんで居たから、トウモロコシ畑の2台とチェイスポジから離れた1台残しか。」
「様子を見に来てみれば、じいさんが居ながら悪い発電機が残ってんなぁ。」
白石、杉本には基本的な行動選択が出来るほどにはチェイスの考え方が分かっただろう。
アシㇼパは、発電機修理の場所や状況判断の大事さを痛感していた。
「白石が罠に捕まった所でサッサとトウモロコシ畑の中の発電機を触るか、代わりに私がトーテムを探す事が出来ると良かった。」
「フン。お前も中々考えてるなチビ。まぁ、今回の所はこの位で良いだろう。儀式を重ねる内に嫌でも分かってくるはずだ。」
残りの発電機を修理しゲートから脱出してビルじいによる『霧の森講座』は終了と相成った。
サバイバーの待機場へ戻ると、見知った顔触れを3人視界に捕らえた。
怪訝そうな顔付きでジェイクを睨めつけているのは鯉登少尉、キングに絡まれている谷垣。二人と距離を保ちつつ辺りの様子を伺っている様子の月島軍曹……。
彼らもまた、エンティティによって霧の森に囚われてしまったようだ。
エンティティの遊戯盤は、更に賑やかになって一日が締めくくられた。
始めたてホヤホヤの頃にロトンでやらかしてた自分を白石に演じて貰いました。作者がトラッパー使う時は令和式(フック下罠地獄トラッパー)でしか罠に掛かるプレイヤー居ないのに、相手にするとものすごく上手い罠師に引っかかる不思議。
トラッパー使いの方、良い罠仕掛けるポイントをこの作者に教えて下さいませ。