※この作品はR-18です。

聖槍に選ばれたマクギリスはハーレム王になるそうです   作:生死郎

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眷属入りさせてヒロインにしようかと思ったが、結局断念したキャラがいます。

櫻井鈴
出典:Dies Irae -Acta est Fabula-
チンピラ系ヒロイン。某所で見た黒円卓制服を改造した逆バニーガール姿が素敵で印象に残って検討しましたが、出番少なすぎて「誰?」レベルなんで取り下げ。

ユファ=ガンベルク/猛牛
出典:イース9モンストルム・ノクス
cvあやねる、常識人、豊満な身体つき。これだ!と思いましたがイースって知っている人はあんまりいないかなと懸念して取り下げ。

ラクシャ=フォン=ロズウェル
出典:イースVIII -Lacrimosa of DANA-
勝気なお嬢様でショートパンツがセクシー。イースってやっぱり……と思って取り下げ。

フェイカー
出典:Fate
格好良くて、セクシーでユーモアもあるのは魅力的ですが、型月キャラが多くて出典元に偏りがあったので諦めました。

栗花落カナヲ
出典:鬼滅の刃
しのぶと一緒にお持ち帰りもありかと思いついたのが眷属が全員揃ったときで遅すぎました。もっと早ければ、眷属の他の自作に登場しているキャラクター多い問題もある程度軽減できたかもしれない。

この子は眷属入りして欲しかったというキャラクターはいましたか?


ヴァジュラのごとく突き穿ち邪竜(おれ)を討ってみろ

 堕天使ドーナシークはかつて神の子を見張る者(グリゴリ)の下部組織に属していた。小さい組織だがリーダーは、同胞の堕天使とともに総督であるアザゼルや副総督のシェムハザに対してかぎりない希求憧憬の情を燃え上がらせ、彼らの頂に辿ることに邁進していた。

 ドーナシークは彼女ほどの情念を持てず、しかし彼女に与することにはそれなりに利があったため、従っていた。

 表向きには紳士的に振る舞うが内心は夢や野望を嘲笑し、必死になることを馬鹿のすることと、斜に構える小悪党だった。

 

 三年前の旧魔王派が起こした戦争が、ドーナシークにとっては大きな転機を迎えることになる。

 旧魔王派とは初代四大魔王の血族やその一党で構成されている一派で、当人たちは自らを真なる魔王の血族と称しており、現・四大魔王を偽りの存在として憎んでいて現在の世界を壊して初代魔王の血族が支配する新しい世界を作り出そうとしていた。堕天使など悪魔以外も戦争の混乱に乗じて利益を得ようと、新旧魔王たちの戦いに関わっていた。

 

 特に当時は神の子を見張る者(グリゴリ)を裏切ったサタナエルが魔法使いたちとともに、禍の団(カオス・ブリゲード)を結成してその対処にアザゼルたちでさえ堕天使たちの動向一切を把握することは不可能だった。

 

 そしてドーナシークの在り方を打ち壊した者こそ紅髪の魔王(クリムゾン・サタン)サーゼクス・ルシファーだった。

 たった一人で旧魔王派の拠点を蹂躙する滅びの力の前に敵は無い。魔法や武器で応戦されてもまるで意に介さず、魔王によって問答無用に消し飛ばされていく。なんて圧倒的な魔王の御業だろうか。

 偶然生き残ったドーナシークは魔王と目が合う。そこには、なにも映っていなかった。

 

(嫌だ……死ぬのは、いい。そんなことよりも……)

 

 魔王の視界にも映らないままで終わることのほうが、ずっと嫌だった。全身に走る震えは絶望の恐怖ではなく、羞恥心と自己嫌悪から来る震えだった。

 

「待て──待ってくれ、俺を……見て……くれ」

 

 この日以降、かつて内心では嘲笑っていた主と同じく、希求憧憬するものを求めはじめた。

 神の子を見張る者(グリゴリ)から盗み出したヴリトラ系神器四種を取り込み、ヴリトラの力をより高めるため、龍の手(トゥワイス・クリティカル)などドラゴンの力を秘めた神器たちを移植、心臓を竜の炉心(心臓)へ取り替えていく。

 常軌を逸した狂的な肉体改造を己の体に施し始めた。全ては紅髪の魔王に相応しい障害となるために、邪竜そのものへと変貌させていった。

 

 主からも忌避され追放されても、ドーナシークは止まることはなかった。彼女とはあくまでも互いに利があって組んでいたに過ぎない。利がないのであれば決裂も当然だった。

 そして彼は手勢を集めていつしか魔王の敵となるために牙を研いでいた。

 

 

 ◇◆◇

 

 

「ここにヴリトラ系の神器(セイクリッド・ギア)を持つ者がいると訊いてやって来たが……そうか、俺は嵌められたのか」

 

 ドーナシークが手勢を引き連れて人間界に降り立ったとき、自分が罠に陥ったことを悟った。悪魔がはぐれ悪魔の討滅など荒事の際に使う結界が展開されたことを察知した。

 

 現れたのは蝶の翅のような羽織を纏った美女と、金髪の悪魔──胡蝶しのぶとマクギリス・レラジェだ。

 

「その通り、お前を倒すために仕掛けた罠だ。餓えた熊には蜂蜜をかけた餌は魅力的だろう」

 

 しのぶが長い時間かけて調べ続けた情報。それはドーナシークが特定の神器に固執して集めていることだ。特定の神器。ドラゴン系、それもヴリトラ系の神器を集めていることから、しのぶはヴリトラ系の神器に目覚めた人間を匿っている情報をあえて流したのだ。勿論、神器に目覚めた人間など存在しない。

 

 嵌められたと悟ったドーナシークは、嘆息しつつ襟を弄りながら億劫そうに訊ねた。

 

「わざわざ俺を狙うとは、俺は何かお前らの恨みでも買ったか?」

 

 その億劫そうなドーナシークの様子にしのぶは深呼吸して燃え上がりかけた心を鎮める。

 

「恨みを買うもあるものか、私の姉を殺したのはお前だな? この羽織に見覚えはないか」

 

 姉の形見である羽織を掴み、しのぶは戦女神(ドゥルガー)のような表情で堕天使を見据える。

 

「……そうか、俺から神器(たから)を奪うため立ちはだかったあの女か。ひ弱な蜥蜴どもに混じった、鋭い爪牙を持つ牝竜だったからよく覚えている」

 

 何かドーナシークの琴線に触れるものがあったのか、口調が荒くなり、語気が強くなり始めた。

 

「なんだ、仇討ちか? そのために悪魔も召喚するなりふり構わないというのは評価してやってもいいだろう」

「仇討ちはそうだが、これは私の私怨もあってね。君が殺めた女性は私の友だった。だからこそ、今宵、私はお前に突き立てる彼女の刃となる」

「なるほどな、そいつは厄介なことになった」

「そうなのですか? 随分と嬉しそうですけど」

「それはそうだろ、なにせ俺はこういうのを待ち望んでいたのだからな」

 

 まるで舞台俳優であるかのように、勢いよくドーナシークは両腕を左右に広げた。喜悦に歪んだ口は三日月のように裂け、牙が覗く。

 

「心火を燃やし立ち塞がる障害。それを打ち破る悦び、次なる位階へ進める期待。心が躍る。頼むから、俺を阻む壁であってくれ」

 

 しのぶの理性は静かな沸騰を開始した。帯刀していた刀を抜刀する。傍らに立つマクギリスも臨戦態勢に移る。

 

「黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)よ、来たれ。ここに光を」

 

 マクギリスの手元に現れた槍。神滅具の代名詞。神の子を貫きその血を浴びた最強の聖遺物(レリック)でもある伝説の聖槍。

 

「そうか、貴様が悪魔の血を引きながら聖槍に選ばれた男マクギリス・レラジェか! 訊いているぞ、お前はサーゼクス・ルシファーから随分と買われているらしいな」

 

 血のように赤い瞳は炯々と輝き、ドーナシークの言葉からは慇懃な衣が剥がされた。内なる衝動を抑えているように、輪郭がぶれているようになる。

 

「確かにルシファー様には格別、目をかけていただいている。お前は魔王様に何か恨みでもあるのか」

「恨みなどない。だが俺はいずれ魔王の喉笛を噛み切る邪竜となることを目標としていてなぁ!紅髪の魔王は冥界の至宝他ならない。故に障害となり立ち塞がり、彼奴を必ず喰らう。誰にも渡さぬ、俺のものだ!」

 

 禍々しい黒い炎がドーナシークから零れ出す。炎は彼を包み込まれ、暗黒の全身鎧となる。堕天使の黒い翼は腐れ落ちて、中からドラゴンの翼が現れる。

 両の腕から伸びる長い爪は邪悪な気配を垂れ流す。下級悪魔や人間が掠ればそれだけで呪い殺されそうである。

 

「……! ほう、これは……。禁手(バランス・ブレイカー)!? いや、それにしては在り方が歪だな。恐ろしい力だ」

 

 神器の力を高めた者が到達する神器の最終到達点とされる現象とは異なる形。神器の力が活性化され、その力を無理矢理に形作った。禁手に似て非なる現象だった。

 

「悪しき邪竜はここにいる。神滅具が極めれば神も魔王すら殺すというのであれば! 金剛杵(ヴァジュラ)のごとく突き穿ち邪竜(おれ)を屠ってみせろ!」

 

 

 ◇◆◇

 

 

 ドーナシークが率いていた堕天使やはぐれエクソシストたちも放置することはできない存在である。そのために、彼らの相手をマクギリスに仰せつかったのは騎士(ナイト)の源(みなもとの)頼光(らいこう)、兵士(ポーン)である狭霧(さぎり)友子(ゆうこ)と狭霧(さぎり)耀子(ようこ)の姉妹だった。

 

 頼光に負けず劣らず、豊満な肢体の友子と耀子。一〇〇cmを超える爆乳、か細い象牙細工のような腰つき、形のよい美巨尻。このような鉄火場でなければ男たちの目を引き付け、欲情の昂りも禁じ得ない美女だった。

 

「マクギリスが相手をしている堕天使、気配がまるでドラゴンね。あそこまで一体どれだけの無理をしたのやら。恐いわね」

「無駄口はいいから、仕事をなさい。友子」

 

 戦場でも軽口を言う友子は白く長い髪を翻して戦い、彼女を諫めながら戦う耀子はうなじ辺りで一体に長い黒髪をまとめている。

 

「わかってるわよ、こんな奴らに遅れを取るようじゃ狭霧流の名が恥ずかしいじゃない」

 

 友子が軽口を言いながら、刀を振るう。妖刀が白く煌めくと、続く堕天使の首が、鎧ごと、血の尾美をひいて宙に飛んだ。

 

「さっさと終わらせましょう!」

 

 四人めの堕天使を袈裟斬りに斬り捨て、かえす飛燕の太刀が五人めを血しぶきとともに鎧ごと斬り裂く。鎧を断つのは友子が特別、膂力が強いわけではない。友子の愛刀である鬼哭神去(きこくかむさり)は刃が触れた対象の魔力や光力などの効果を打ち消す。堕天使たちが自身の力で編んだ鎧を刃はすり抜け、無防備な身体を斬り裂いたのだ。

 

 かつては法の目を掻い潜る悪党を粛清していた友子の剣技にかかっては堕天使たちが幼児のごとく無力であった。彼に従っていた者たちは下級か中級の堕天使たちだったためだ。

 

「くそっ! 上空からやるぞ!」

 

 黒い翼を広げ、飛翔しようとする堕天使たち。彼らは既に地上のはぐれエクソシストたちを見捨てることにした。

 

 上空から光力の槍を地上へ向けて投擲する。シンプルではあるが、有効なやり方だ。悪魔の翼で飛び方に慣れていない転生悪魔ならば尚更だ。しかし、堕天使たちの思惑通りにさせてやる理由を、耀子は持たない。

 

 刀身に魔力を奔らせ、耀子は妖刀を振るう。妖刀科戸風(しなとかぜ)は刀身から魔力を刃状に形成して瞬間的に伸ばすことで神速の斬撃が上空へ逃げようとする堕天使たちを斬り捨て地上へ墜落させた。

 

「失せなさい!」

 

 刃が届かない高さまで逃れた堕天使も頼光が放つ矢が銀線を描きながら撃ち堕とす。

 

 このときはぐれエクソシストの生き残りが身をもって頼光との戦いを諦めなかった戦意は賞賛に値するだろう。だが、彼らの勇気は彼らの生命を代償として要求した。頼光の剣光が閃き、はぐれエクソシストたちは血煙に消えた。




科戸風(しなとかぜ)
耀子が使う妖刀。刀身から魔力を刃状に形成して瞬間的に伸ばすことが可能。イメージ的には旋風孤月(ワールドトリガー)

鬼哭神去(きこくかむさり)
友子が使う妖刀。刃が触れた対象の魔力的効果を打ち消す。

八岐大蛇
友子が使う妖刀。極めて特殊な機能を持っている八本の妖刀。あらかじめ妖刀をあらゆる場所に仕掛け、自分に有利な陣地を作る奥義で使用する。刀同士の位置は友子の任意で入れ替えることができる。

これらの刀を作ったのは冥界に隠棲した刀々斎(犬夜叉)。慣れない冥界の暮らしで作ってしまった借金をマクギリスが巻き取って彼をお抱え鍛冶師として首輪つけた設定。
優秀な刀鍛冶キャラが彼と村正(Fate)しか思いつきませんでした。

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