聖槍に選ばれたマクギリスはハーレム王になるそうです 作:生死郎
あとラティアも意外と善戦。アナスタシアはちょっと残念な状況。新サクラ大戦のキャラとしてはさくらやクラリスのほうが人気なのかな?
しかし、聖剣が魔弾ごと爆発を起こす。爆風と熱。ジャンヌは至近距離で受ける。
「きゃあぁぁぁぁぁっ!」
直撃はしなかったが、ジャンヌは片手で顔をさすっている。
二人の滅却師を相手にジャンヌが前衛、オフェリアが後衛で戦っている。
「うっ、ぐぅぅぅぅぅ……!!」
直撃したバンビエッタは悲鳴をあげ、ミニーニャも雷電に貫かれ、呻きを上げる。
それでも絶縁体を破壊する六〇〇万ボルトの雷霆を受けても生存している滅却師の頑健さに、オフェリアは驚愕する。
オフェリアは無音声通信でジャンヌに提案する。
〈あなたの
〈すみません、私にはできません。そういうのは苦手で……〉
〈ええ?〉
ジャンヌが作り出す聖剣は綺麗な剣だ。造形系の錬金術で同じように作ろうと思えば、それは極致にあると言っても過言ではないだろう。
ジャンヌの手元から精緻な意匠の施された聖剣が出現する。創造系の異能としては素晴らしいと賞賛に値する。脳内に意匠と剣の形状、刀身の材質、その他諸々、全部を設定して、剣として具現化している。それら工程を一瞬で行っている。
だからこそオフェリアはジャンヌの思考速度を高く評価して、彼女へ提案したのだが……。
〈私、多様な効果を付与するというのが苦手で、頑丈に作ることは得意なんですけど。それだけです!〉
〈……〉
〈頑丈であればいくら振り回しても曲がることも、折れることもありませんから便利です!〉
脳筋。その二文字がオフェリアの脳裏に浮かんだ。
「あったま、来たぁっ! あんたらまとめてブッ壊してやるっての! あたしの
頭に円盤、背中に翼がある天使を彷彿とさせる姿のバンビエッタは起き上がり、浮上する。巨大な瓦礫を片手で持ち上げてミニーニャも立ち上がる。
「ナメんな! 吹っ飛べ!」
バンビエッタは破壊衝動のままに大きな翼から雨霰と魔弾を放つ。ミニーニャも拳を振り上げてくる。オフェリアとジャンヌは咄嗟に連携する。オフェリアは眼帯を外して、封じていた右目を開眼する。
「────事象・照準固定。私は、それが輝く様を視ない」
宝石ランクの魔眼の視線がバンビエッタを射抜く。起こり得るありとあらゆる可能性を視ることができる。そしてオフェリアは砂粒のような無数の可能性の中から見定めて選んだ可能性をピンで留める。するとどうなるか……
「そんなっ……!」
「なぎ払います!」
「させませんよぅ」
ジャンヌは象ほども大きな剛腕の拳を聖剣で迎え撃つ。ミニーニャのパワーで聖剣が破壊され、砕け散る。彼女の手が痺れる。
「すみません、私のほうが押し切られてしまいました」
「いいえ、もう大丈夫ですよ」
オフェリアはジャンヌを魔法で援護しつつ、彼女に言った。
「マクギリスがあれを使うようです。私から離れないでくださいね」
◇◆◇
ヴァスコ・ストラーダとマクギリス。複製たる聖剣の剣士が優位に見える戦況だが、実態は違った。
ストラーダはマクギリスを追い詰めているにも関わらず、彼の魂を底まで冷たくするような悪寒を感じていた。
「まったく見事なものだ、ストラーダ。貴方を打倒するには、私も全力でなければならないようだ」
マクギリスはつぶやいた。ストラーダの末端神経にまで緊張の電流がはしるのを彼は自覚する。
「ヴァスコ・ストラーダ。貴方を倒すには通常の聖槍では及ばない。我が禁手こそ、あなたを倒すに相応しい。行くぞ、
「禁手、だと? 既に覚醒に到っていたか!」
ストラーダは警戒するも、同時に不審にも思った。
マクギリスが力ある言葉を紡ぐ。
「
「
「
「
「
「
「
「
ストラーダは世界の軋む音を聞いた。遥か遠くでありながら、すぐ近く、耳元で鳴った音。
装飾を脱がすように、絵の具を溶かすように、髑髏の兵と悪魔、天使、堕天使、魔獣やドラゴン等々、幾千幾万の魔軍が現れる。
世界の織布を突き破るように、巨大な髑髏を模した建造物が出現する。
世界はあらゆものがその在り方を失い、現れるのは死後の概念を具現化した地獄のごとき魔城。
異界に存在する城塞。その深層での戦いは出現した城によって内側から破壊されることになった。
「オフェリア、この……この禁手は何のですか!? 聞いていた
ジャンヌの表情は
「これはマクギリスが到った禁手の亜種です。聖槍によって滅びた者、この城内で死した者の魂を取り込み、不老不死の
「……不老不死?」
「そうよ。戦奴はマクギリスさえ無事であれば彼が存在する限り不滅。たとえ死んでも何度でも蘇ることができる。この禁手は"死者蘇生"と"不老不死"の力を発揮するわ!」
オフェリアが語る禁手の猛威は彼女らの眼前で証明されていた。
バンビエッタが
「何なの……どうなってんのよ、それ……」
「バンビちゃん、私たちの力では無理みたいなの……」
ミニーニャは自分の命運が途絶えたと悟った。しかし、不思議と心は凪いでいた。契約によって縛られている現状に、ミニーニャは疲れていた。彼女を縛る契約によって戦わざる得ないが、そのは士気すでに下降の一途をたどっていた。
しかし、バンビエッタはあがき続ける。迫り来る魔軍が、自分を死へと誘うのだと知り、抗戦していた。
「何突っ立ってるのよミニー! 負けたら死ぬから、殺されるから、それが嫌だから戦ってんでしょ!」
しかし、バンビエッタの戦いは瞬く間に終わった。軍勢の攻撃に晒され、斬りつけられ、魔力光で焼かれ、地に伏せる。
「ちくしょう……あたしが……悪魔に負けるなんて……! こんなの絶対に許せるわけない……!」
マクギリスの戦績でも多くの敵がこの城に閉じ込められ、無限に蘇り、呑み込み続ける軍勢たちによって殲滅された。バンビエッタもまたその一人となった。
彼女は何かに引き寄せられる感覚を覚え、次第に意識が微睡み、ぬるま湯に浸かる感覚に包まれる。
「やだ……やめて……やめてよ……!」
自分を招き寄せる存在に怯えるが、彼女の声に応えるものはいなかった。
「これぞまさに修羅道。永久無限に戦い続ける戦狂いどもの
オフェリアとジャンヌのやり取りに入って来たのは、レラジェ眷属
魔槍で複製されて生まれたサタナエルを含め、魔物たちを屠り城へ墜落させていた。
「スカサハ! 間に合ったのですね」
「眷属である私たちも禁手が発動している際は、戦奴ほどではないが不死力が高くなっている。他にもこうして城内へ自らの意志で転移できる」
彼女の説明の通り、分散していた眷属たちが集まって来た。
「やっと見れた。…………なるほどね。これがマクギリスの禁手。あなたの覇道」
黄金の絹糸のような髪を、白い指ですきあげつつ、アルクェイドが眼前に展開される地獄を静かに眺めていた。
同じくマクギリスの禁手を初めて見たしのぶ、カナヲたちは呆然と眺めていた。
「やるぞ、我が
金髪の覇者の大号令に
「もはや戦場に呵責なし、聖なる槍の輝きをもって、ヴァスコ・ストラーダの天命に決別させよ!」
マクギリスの表情にも声にも、苛烈の気があふれた。翠玉色の瞳が闘志の奔流をほとばしらせている。
まるで長き眠りからさめた肉食性恐竜と化したような軍勢たちによる怒濤の攻勢。
ストラーダは迫り来る敵を斬るが、間隙を縫うように伏兵が迫る。裏拳で伏兵の頭蓋を砕く。
「マクギリスだけを狙う……いや無理だ。奴に集中しすぎれば、戦奴どもが私を容赦なく攻める」
包囲されて攻撃されればストラーダでも全てに対処することはできない。ましてや、死を恐れず、そして幾度も蘇る不死身の軍勢だ。
(これほどの規模と効果の禁手は長く保つはずがない。マクギリスの魔力量が多くとも、それに耐えきり彼が禁手を解けば勝機を見出せる、か)
ストラーダは口元に自嘲の笑みが浮かぶ。
「馬鹿げているな。───これを耐え忍ぶというのか!?」
この怒濤の軍勢を、そしてそれを指揮するマクギリスを相手に、なんという思い上がりか、ストラーダは自分の驕りを諫める。
「おおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
昂る士気に大気を震わせる咆哮。ストラーダの一刀が銀光を散らしながらも、軍勢とぶつかり合う。その破壊の余波だけで城内が震えだし、周囲が崩壊し始める。城は崩壊と復元を繰り返して、城主とその軍勢、それに立ち向かう老剣士のための戦場を支える。
ストラーダの鋭気に感化され、マクギリスは戦奴を引かせて聖槍を構えて迎え討つ。
「穿て、聖槍!」
キラッ、キラッと二条の白光が異界の中で閃く。聖剣は折れて、老戦士が膝をついた。
ついに禁手発動!今まで影も形もなかったディエス要素が出てきました。そしてバンビエッタが仲間になりました。(ゾンビエッタちゃん可愛いから仕方ないね)
原作D×Dのジャンヌと本作のジャンヌ(9割Fateのジャンヌ)との違いとして、聖剣創造のバリエーションは原作ジャンヌのほうが多彩です。