聖槍に選ばれたマクギリスはハーレム王になるそうです 作:生死郎
少壮気鋭の若手貴族であるレラジェ侯爵ことマクギリス・レラジェは、やや遅めの昼食をとった後、コーヒーを飲んでいた。
短い休息であるがメイドからの奉仕を受けてくつろいでいた。今も股間に顔を埋めているメイドの金髪を愛でるように撫でている。
「んぅぅんっ……ジュブぅぅ、んふ、んっ、ぢゅる、ほはぁ……はふうんっ」
テーブルクロスの下に潜り込んでいるメイドは、スローに頭を一往復させるたびに長々と亀頭に舌を絡めてから、またじっくりと肉幹を呑み込んでいく。ボンテージのようなデザインが織り込まれた彼女専用メイドは、大胆に拡げられた前面から胸元やデコルラインが見えていた。ミニ丈のスカートから伸びている脚は網タイツに包まれている。
「ソリュシャン。味わってないでイかせろ」
マクギリスが促すと、メイド───ソリュシャン・イプシロンは口内粘膜をぴっとりと張り付ける。唇の隙間を出入りする肉茎の矛先が口内の甘い唾液を激しく掻き混ぜ、卑猥な水音が部屋に響く。
ソリュシャン・イプシロンはマクギリスに仕える使い魔である。非常に整った顔立ち、長い縦ロールにした金髪の美女であり、胸元が露わになっているメイド服は豊満な胸で強く主張している。しかし、彼女の正体は
冥界でのスライムとはただのネバネバしたゲル状の生物である。スライムの中には服だけを溶かす特性を持つ亜種が存在しており、女性の体液を好む触手生物と共生関係を築いているという。
ソリュシャンはそれらスライムとは一線を画す他に類を見ない種で、人間の作家が想像した空想の神話に由来する
「羨ましい……」
部屋で控えているメイドは、荒い吐息に唇を湿らせていた。マクギリスのお手つきである彼女にとっても彼の男性器は文字通りに美味しい排泄器官で、嘗めている時の身体が蕩けそうな感覚は、思い返しただけで感動の鳥肌が立つほどだった。唇が触れれば頭はボーッとし、頭を揺らせば心地よく脳髄が甘く痺れるので、じっくりと味わいたいソリュシャンの気持ちはよくわっていた。
「ふ、うう……ありがとう。気持ちよかったよ」
ソリュシャンが身体をビクビクと震わせながら喉を鳴らし、絶頂を迎えた。その快感に綻ぶ恍惚とした顔で、マクギリスを見つめながらソリュシャンの頭がスローに揺れ、尿道の残液を啜り上げていく。
「上手くなったな」
「ふあっ、ぁぁぁッ……ありがとうございますう……」
◇◆◇
ソリュシャンの奉仕を終わった頃、
彼女はテーブルの上に置いてある一冊の本に目を向ける。
「これは?」
「先程まで来ていたディオドラから貰ったものだよ」
「ああ、アスタロトの小僧か」
マクギリスの昼食が遅れた理由は、来訪してきたディオドラの相手をしていたからだった。アスタロト家の次期当主の悪魔であればマクギリス本人が相手をしておいた方がよいだろうと彼は思ったからだった。
マクギリスの婚約者であるラティアはアスタロトの分家筋出身で、彼女にとってはディオドラは主家の長となる男だ。それにディオドラもマクギリスと同じ若手悪魔のお披露目会に呼ばれる予定の悪魔であり、彼にとっては同期にあたると言っていい。無下にはしないでおこうと思ったのだった。
「要件は我が
「王同士で折り合いが付けられれば眷属とした下僕をトレードできるというあれか」
基本的には眷属の意志は関係がなく王の意志が優先される。ディオドラはジャンヌではなく彼女の王であるマクギリスに交渉を持ち掛けたのだった。
「私としてはトレードするつもりがないと断ったのだが、先方は眷属たちの情報が載っているカタログが置いていってしまったんだ」
「お前は眷属をトレードすることには反対なのか?」
「まぁ事情や眷属にその意志があって納得すればいいんじゃないかな」
配下である眷属悪魔たちにも人格がある。押さえつけるだけでは、反発が大きくなるばかり。王の意志だけでなく眷属の同意や納得も大切だとマクギリスは考えている。名を挙げた最上級悪魔、上級悪魔たちには、そういった眷属たちの意志を無視せず重んじる傾向があると彼なりに分析していた。
「それじゃあ、ジャンヌがディオドラのところへトレードを希望したらどうする?」
「困る」
マクギリスは言い切るのでスカサハは微苦笑を浮かべる。
「それは困るだろうが王が眷属の意志も尊重したほうがいいのだろう? 話くらいはジャンヌに持って行ってもいいのではないか」
「うちはうち! 他所は他所!」
マクギリスは眷属として迎え入れた女性たちを愛している。トレードの申し出を受け入れるのは嫌がる傾向にある。よっぽど眷属に懇願でもされない限りは……。
スカサハが何気ない好奇心からディオドラが残した本に手に取り、開く。
「ほう、これは……」
もしも視線に物理的な干渉力があれば、彼女の鋭い視線で本は斬り裂かれていただろう。
内容はディオドラの眷属である女性たちの写真、能力、特技等といったデータだけでなく、スリーサイズやカップサイズ。乳頭の色から得意な性技等のあまり声に出せないような情報まで詳細に記載されていた。個人情報やプライバシー等という言葉はディオドラの配下には存在しないようである。
「これを持ちだしてトレードを持ちかけてきたんだ」
「見せた相手によってはアスタロトの小僧は殴り飛ばされそうな内容だな」
マクギリスが対応にうんざりしている理由がスカサハにはわかった。
ディオドラはマクギリスと同じく漁色家なのかもしれないが、マクギリスは眷属の情報をまとめるにしてもこのような内容にはしないだろう。
「ディオドラのところで眷属がどう扱われているのか非常に気になるね。少なくとも、ジャンヌが望んでもやめるように止めたくなる」
「トレードで交換してしまえば、ジャンヌの扱いには口出しはできないか」
眷属悪魔の扱いについては王となる上級悪魔に一任され、眷属悪魔の待遇に関して未だこまかい法規が定められていない。家族や友人同然と扱う者もいれば、直臣として扱う者もいる。中には奴隷のごとく扱う者もいる。マクギリスのように眷属を囲いハーレムを作るという悪魔は存外に少なかった。
「レーティングゲームの選手として、あるいは直臣としての能力を示すならば、余分な情報が多過ぎるし本当に彼女らを愛しているならばここまで露骨な情報を形に残して
アスタロトとは縁があり、ラティアやアスタロト出身の魔王ベルゼブブとも交流があり、今までもディオドラと何度か会話したことのあるマクギリスだが今回の彼の行動にはうすら寒い思いだった。
「きな臭い男だ。気を付けておこう」
「そうしておけ。それにしてもアスタロトの小僧は既に眷属を一五名揃えたのか。対するお前のほうは四名か駒の空があるのか。残りの駒を与える相手は既に決めているのか? 執務室には人事ファイルや紹介状、エントリーシートが山積みだぞ」
スカサハに指摘されてマクギリスは誤魔化すように金髪を掻いた。五日前にティア・ハリベルを
「私からの提案をするならば、お前が管理している人間たちからも選んではどうだ? 本来、悪魔が作った協力者や手を出した人間に干渉するのは慎むものだが、どこかの馬鹿がお前の意思も人間の意志も無視して無理やりに眷属にしてしまうこともあり得るだろう」
「確かにそういう危険性があるか……」
眷属悪魔にすることは対象の同意は必要としない。悪魔の駒を上級悪魔が使う意思があげれば転生させることができる。つまり例え相手が嫌がっても悪魔へ転生させることができる。そして恐るべきことに遺体であっても転生させれば疑似的な蘇生が可能なのである。
相手の反発が大きければ、一度殺めてから遺体あるいは魂を駒によって眷属として転生させることもできる。
マクギリスが管理下に置いている人間には悪魔等ならば判別することができるようマーキングが施してある。しかし、他の悪魔が管理している人間への手出しを禁ずる不文律を破られたら、転生を阻止することはできないだろう。
「マクギリスが多くの人間を飼っていると、上級悪魔たちには有名だろう?」
「そういう表現は露骨過ぎるな」
「上級悪魔どもの見方がそれだというだけだ。そして人間たちの中では類稀な能力を持つ優秀な者もいることも知られているだろう」
「それならば第一候補は織姫になるかな? 能力のことは知られているからな。そういえば彼女からはエントリーシートも受け取っているな」
同じ屋敷に住み込みで働いている織姫は基本的にはマクギリスに付きっきりなので、領内から出ることが少ないためマクギリスやスカサハが危惧するような事態に陥るリスクは少ないだろうが、能力的にもっとも得難い人材は織姫だった。
「ふむ、レラジェ家の収入源ともなる
スカサハもマクギリスの考えには賛成する。織姫の神器・盾舜六花は対象に起こったあらゆる事象を限定し、拒絶し否定する稀有な能力がある。
事象を拒絶することで、何事も起こる前の状態に還す力で治癒・復元することができる。これが非常に強力で、フェニックス家が作ることができる、いかなる傷も癒せる非常に貴重で高価な霊薬フェニックスの涙であっても失われた四肢や眼球などの身体部位の欠損を戻す効果はないが、織姫ならば欠損したそれらも復元することができる。
「これまではいくら金額を積んでも治せなかった怪我でも治せると世に知らしめたのだ、あやつの力を欲しがる者が現れても当然だろうな」
レラジェ家の軍には、かつての大戦や内戦で手足を失うような大怪我を負った悪魔たちもいるが、彼らも織姫の力で治癒したことで、癒しの力の宣伝にもなっていた。
治療を受けるための料金はフェニックスの涙一つよりも高価だが、フェニックスの涙よりも治すことができるものが多く、その価格設定は適性であろう。
余談だが、受け取った報酬を山分け(マクギリスが二、織姫が八)して、織姫に渡そうとするが、彼女が受け取りを拒否して全額マクギリスに譲ろうとして、およそ五〇分に渡る報酬の押し付け合いが二人の間で起こったのだった。
「ご歓談中、失礼します! 緊急の連絡が!」
「何事だ」
使用人が部屋に駆け込んできて、大事そうに握っていた一枚の紙片をマクギリスに差し出した。それを読んだマクギリスの表情が大きく揺れるのをスカサハ見て、何事が起きたことを悟った。
「……私が人間界で縄張りとしている小さいが集落があるのだが、そのうち一つが滅びたらしい」
「滅びただと? 一体なにがあった?」
「どうやら密猟者の仕業のようだ」
「密猟者? なぜ密猟者が集落を滅ぼす?」
一九世紀頃から現れはじめた密猟者はドラゴンや魔物等の捕獲を行い、捕獲した魔物を密売したり、あるいは解体して素材として闇市場へ流したりしていた。他にもドラゴンや魔物同士を古代ローマの
「悪魔の駒が普及している現代では、密猟集団は悪魔や堕天使とも手を組むことが多くなり、彼らのシンジゲートは冥界にも及んでいる。そして、まるでシルクロードのように異なる技術や知識が交わり、密猟者は新たな獲物を求め始めた」
「まさか……」
「
「───そういうことか。なあ、このままというわけにはいくまい。悪魔は舐められたらお仕舞だろう?」
スカサハが軽やかに立ち上がる。マクギリスもこのままにはしない。人間界へ向かうつもりだった。
「当然だ。密猟者が動いているならば、奴らの後ろにいるのは悪魔か堕天使。いずれにしても私が出ていくべきだろう」
マクギリスは軽やかに笑って、しなやかな指を伸ばし、スカサハの黒髪をいじった。
■ソリュシャン・イプシロン
マクギリスの使い魔で、レラジェ侯爵家の屋敷に勤務する使用人。マクギリス専属のメイドのひとり。
非常に整った顔立ち、長い縦ロールにした金髪の美女であり、胸元が露わになっているメイド服は豊満な胸で強く主張している。しかし、彼女の正体は
性格や能力については原作とほぼ変わらず、人間への危険性も同じで人間を蔑視しており、虫けらでも嬉々として潰すタイプ。しかしながら、織姫のようなマクギリスの協力者や管理下に置いた人間は主人の所有物と認識しているため丁寧に接するし、危害も加えない。
―――――――――――――――――――――
出典:オーバーロード
身長:166cm
スリーサイズ:B83(E)/W58/H86
性別・種族:女性・
社会的地位:使い魔・下級使用人
人間の協力者
協力者となっているがマクギリスの場合は人間の愛人たち。悪魔や堕天使、異能者などには悪魔の庇護下に置かれている者だとわかる、特殊なマーキングが施されているのでわかる者にはわかる。マーキングが付けられている位置、紋様から見た目は淫紋。
織姫の神器
D×Dの世界観では回復の術式は使い手が限定されていて、魔法として最上級に属する。失った身体の一部を再生する魔法となると、尋常でない魔法力や金術を使わないと無理だとD×D原作でのアジ・ダハーカとヴァーリとの戦いで言及されている。アーシアの神器もフェニックスの涙もやはり欠損部位の再生は無理。それを考えるとBLEACH原作でグリムジョーの腕やメノリ・マリアの半身を再生できた織姫は、本作でも最高峰の治癒・再生の使い手であると位置付けにしました。