聖槍に選ばれたマクギリスはハーレム王になるそうです 作:生死郎
話の構成をうまくいかなかったのでエロ回は次回に持ち越しです。
「まったく、酷い目にあった」
マーラとの戦いが終わったものの、マクギリスは思わず嘆息せざるを得なかった。戦いの末、聖槍で突き穿つことがマーラには致命の一撃となった。そしてマーラの頭から吹き上がる血飛沫はそのまま、マクギリスへと降り注いだ。
濃厚な魔力の宿った体液まみれになったマクギリスは、信徒たちを拘束したあとは眷属たちに教団本部の制圧を任せていた。
マーラによって洗脳された信徒たちは、マーラが消滅した後は虚脱状態で呆けていたので拘束することは容易だった。
眷属たちに仕事を振った彼は近くの公園のベンチで休んでいる。身体の汚れをきれいさっぱり落とす魔法で体液は綺麗に消えて、今はフローラルな香りすら身体に漂っている。
普段は情交の後に自分や相手に使うこの魔法をこのように使うことになるとは彼も思わなかった。
彼の護衛としてついて来た
「ごめんなさい。私たちのフォローが間に合わなかったせいで」
「もういいよ。休んだらみんなのところへ行こう」
そう言ってマクギリスは隣に座る友子の膝を枕に身体を横たえた。一九〇センチを超す長身であるため身体を完全には横たえることはできてはいなかった。
「……空が全然見えないけどこれほどの絶景はそうないだろう」
バスト一一一センチ、Mカップの爆乳で空が覆われている光景を見て、マクギリスは感嘆の声を漏らしていた。
彼はマーラの流血を浴びたときのことを思い出していた。手から放たれている魔力に意識を集中する。
悪魔が身体から発する魔力は、その個体や種族によって性質は異なる。そして分霊とはいえマーラの魔力が宿る流血を浴びたマクギリスは、マーラが持つ魔力の性質を獲得していた。
「このマーラの魔力、解析すれば何か利用できるかもしれないな」
自分の主人が何か悪だくみをしていると友子は思った。
「浴びた血で変な病とか呪いとかもらったりしてない? 医者としては気になるわね」
「さっきから身体を触っているのはそういうことだったのか。まあ、いいけど。それは大丈夫だ」
友子が自分の腹を撫でていることの理由をマクギリスは知った。
「呪いを弾き返す魔法を使ったからね。直接呪いを受けずとも観測することができるから、利用するのも問題ない」
絶景を眺めながら、悪戯を企む悪童のような笑みを浮かべてマクギリスは魔力の解析を進めているうちに、捕らえていた総大司教が意識を取り戻したと連絡が入り小休止を終わりにしたのだった。
マクギリスの仕事はまだ終わってはいないのだ。
◇◆◇
「う……ここ……は? な、なんだこれは?」
総大司教は意識を取り戻すと自分が拘束さえていることに気づいた。周囲には彼の信徒が九人、同じように拘束されている。いずれも彼が汚れ仕事を任せている者たちだ。
「よし、こうやるみたいだ。それっ」
古びた魔導書を読んでいたマクギリスは、記されている魔法を実践してみる。対象は総大司教。
「ぎゃぁああああああああああああああああ!!」
下腹部をナイフでめった刺しにされたような痛みを感じたと思うと堪らず絶叫して身悶えた。さらに痛みが全身へと侵食していき身悶えるが身体の自由が利かずにいた。そしてそれは信徒たちも同じ様子だった。
「す、凄い痛がっているけれどこれは一体……?」
マクギリスの隣に立つ歌織は戸惑った様子でマクギリスに訊ねた。
「今、尿路結石が出来る魔法、虫歯が出来る魔法、こむら返りが起きる魔法、ぎっくり腰が起きる魔法をかけたんだ」
「どれも当人でなければ深刻に心配はしないけれど激痛を伴うものばかりなのね」
「拷問は苦手なんだよ。部下にも拷問が好きな奴がいても、専門家はいないから」
ページをめくりながら目当ての魔法を探すマクギリス。
「せっかくの機会だから他にも無限に爪が生えて剥がれる魔法とか、毛が抜ける魔法もかけようと思う」
「せっかくって……」
「たしかこのページだったかな」
ドン引きしている歌織を尻目に、マクギリスは目当てのペースを見つける。魔法を行使する。
「ぁあああああああああああああああああああああああああ!!」
総大司教たちの手足すべての爪が剥がれては再生し、また剥がれを繰り返しはじめた。悶え身体が震えるほどに、総大司教たちは頭皮に鋭い痛みを感じながら毛が抜け始めた。
歌織は激痛に苛む者たちをじっと眺めている。友人の仇を捕らえたことを知らされた歌織はマクギリスに選択するよう告げられた。
はからずも無傷で捕らえることができた教団の者らをそのまま五大宗家に引き渡すか、引き渡す前に秘密裏に報復することを提案されたのだ。
友人の仇とはいえ生きている彼らを見てしまえば殺傷することに歌織は躊躇いが生まれた。しかし、そのまま五大宗家へ引き渡すこともそれで終わりなのも納得できなかった。
歌織はマクギリスに総大司教と彼が友人の殺害を実行した信徒たちに報復を行うことを頼んだのだ。
「歌織はヒールを履いているのだし、ひざでも踏んでみるかい?」
「私のヒールは武器じゃないのよ」
呆れたように歌織はマクギリスの提案を退けた。
その後、何度か身悶えを続けていると彼らも最後は、情けなく泣いて許しを請うた。傲然としていた総大司教や狂的な信徒としての面影もなくて、それを見た歌織は、ふと心が軽くなった。これ以上はもう意味がない、そう思いマクギリスに目を向けると彼は魔法を使うことをやめた。
マクギリスが呼び出した五大宗家の関係者というのは、アイドルや女優たちを見てきた歌織でも瞠目するほど美しい女性だった。朱雀と名乗る女性が部下に指示を出して教団の者たちを連れ出す様子を眺めていると自分の願いが叶ったのだと実感が伴い始めていた。
事が終わり、歌織の復讐は終わった。正直、復讐の後の事は考えていなかった。
マクギリスとの契約の対価に自分の身柄を差し出すとは言ったが自分がその後どうなるか考えていなかった。恐らく凄惨に殺されるようなことはないとは思うが……。
歌織の憂いは杞憂に終わった。マクギリスには契約を履行するには歌織を住まわせる場所を確保しなければならないので、しばらくは、彼の元にいて欲しいとの事なので、彼女もすぐに返事をした。
そう、復讐を代行してくれたマクギリス・レラジェへの契約の対価に自分のすべてを差し出さなければならない。
歌織はそれを不思議な昂揚感を覚えた。
短いですが今回はここまで。今回のエピソードを眷属追加イベントにつなげたいと思います。リクエスト希望もあって選ぶのに悩ましいキャラは多いので、アンケート調査の結果を参考にしたいと思います。