※この作品はR-18です。

聖槍に選ばれたマクギリスはハーレム王になるそうです   作:生死郎

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短いですが投稿します。今回でフリーイベント終了です。

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馬に蹴られて死んでしまえ

 合同特訓と模擬戦闘が終えた翌日、駒王町にある商業施設のインフォメーションセンタ―前。

 

 待ち合わせ時間である午前一一時になろうとしたとき、マクギリスはフリル付の可愛らしいワンピースを着た朱乃がやって来た。いつもポニーテールにしている黒絹のような長い髪はおろし、服装は制服ではなく年相応の服装とブーツ姿。

 

「お、遅れてすみませんっ!」

「いや、気にしないでいい。別に公務じゃあるまいし、こういうとき女性は多少遅れるものだろうが。それくらいは織り込んである」

 

 女の子扱いされて朱乃の頬が熱くなる。顔に出ていないかと気になった。

 

「で、ですがやはり、侯爵様を待たせたらよろしくないと思いまして」

「今は爵位とか気にしないで良い。プライベートで権威振り回すほど私の心は狭くはないぞ」

 

 マクギリスの口調がやや不機嫌そうになる。

 

「せっかくそれだけ……お洒落してきて、途中で転んだら台無しになるだろう」

「べ、別に特別にお洒落しているわけではないですよ」

 

 マクギリスは少しだけ笑った。

 

「時間を気にして急いでしまうくらい迷っていたことくらい私でもわかる。悪かったな、私の頼みを訊いてもらって」

 

 優しく笑うマクギリスに朱乃は兎に角話題を変えようと、自分から口火を切る。どうもいつもの調子を取り戻せないでいた。

 

「マクギリス様も珍しい格好ですよね、私貴族服ではなくて人間界の私服見るの初めてのかも」

 

 マクギリスのほうは白シャツに黒のベスト、タイを締めた、上品ながらも着崩したプレッピースタイル。それも品のいいメーカーでラインを固めてある。時計も華美や装飾過剰などではないが高級品であるし、靴も同じく高価な代物だ。

 

「買い物好きならば色々回って選ぶのだろうが、私は駄目だな。億劫なので同じ外商から買ったら合わせるのも失敗しないし、お抱えデザイナーに注文して作らせる」

「私はリアスと一緒に色々見て回って選んで買うことが多いですね。私たち、買い物も好きなので」

「女性は買い物好きが多いのは悪魔も人間も変わらないようだね」

 

 自分の眷属や愛妾たちの行動を思い出してマクギリスは納得したように言った。

 マクギリスの眷属や愛妾たちには巨乳の女性も多い。中にはサイズの問題で欲しいデザインの下着や服が手に入らないと悩む女性も多い。そのためマクギリスは馴染みの外商やお抱えデザイナーに彼女らの要望を叶えるよう依頼することもある。

 特に下着を彼女らはオーダーメイドで作ってもらいそれを身に着けている者がおおかった。

 

「それで、店は何階にあるんだ」

「あ、三階です……」

 

 分かった、と頷いたマクギリスと朱乃は歩き出した。

 他愛のない会話だが、その中身のなさが楽しい会話を朱乃はしていたがそれはマクギリスが彼女の息が整うの待っていたのだと、遅れて気づいた。

 

 

 

 駒王町の店や水族館のような施設を見て回り、昼食のためにレストランに入った。

 そして朱乃の勧めでマクギリスはカモミールティーをカップに注いで匂いを嗅いだ。

 

「色は緑茶のようで、匂いもクセのないものだな。飲みやすそうだ」

「味はどうですか?」

「そう急かすな」

 

 マクギリスはカップに口をつけた。

 

「すっきりとしていて飲みやすいな」

「それは良かったです! マフィンは食べないのですか?」

 

 マクギリスがセットメニューで注文していたマフィンに手をつけないことを不思議に思い、朱乃が訊いた。

 

「せっかく連れて来てもらったからな。最初の一杯は味を混ぜずに飲みたいんだ」

「別に……いつでも来たらいいじゃないですか。私もいつだって……」

「朱乃に案内してもらったのはこれが最初だ」

 

 初めて案内してもらったから、最初の一杯は大事に飲む。当たり前のようにそう言えるマクギリスが好きだと朱乃は改めて思い知らされる。

 

「昨日君がおすすめだと言っていただけあっていいお店だな。それにしても、昨日もそうだけどかなり速く電話に出てくれるけれども、もしかして誰かに電話しようとしてたタイミングだったか? 間が悪いときならばかけ直すから言ってくれ」

「いいえ、何も問題はありませんよ。偶然、スマホが手元にあるだけですから!」

 

 魔王主導での顔合わせ以降、マクギリスから定期的に連絡があるのだがその時間になるとスマホを持っていつでも応じられるように待っていることは、知られてしまうのが恥ずかしくて朱乃は取り繕った。

 

 

 来るまでは店の話をしていればよかったし、食事中は料理の話をしていればよかった。だが、いざ食後に落ち着いてお茶を飲んでいると、いよいよデート感が出て来て朱乃は緊張する。

 駒王学園でお姉さまと慕われているいつもの彼女が持つ余裕を失っていた。

 

「そういえば密猟者たちを全滅させたらしいですね。グレモリーやシトリーのほうにも噂が伝わってきました」

「貴族の中でも密猟者と繋がっていた者はいたから注目は避けられないな」

「領地を荒らした者たちへ誅伐して、民や多くの人々を助けたとリアスやソーナさんも大変好意的に思っています。……私も、ですが」

「それは嬉しいね。密猟者の件では貴族から恨みを買うこともあったから、率直な称賛は嬉しい」

 

 悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を使い眷属とするため、強力な魔物や優れた神器(セイクリッド・ギア)保持者等を得るために密猟組合を通じて入手していた者、通常の手段では入手が難しい珍しい魔物を飼おうする者、人間界の美女美男を囲おうとしている者、それらの欲を満たすために密猟組合と通じている上級悪魔は多かった。

 

「冥界に限らず天界や堕天使などの三大勢力。他の神話体系や人間界の異能者たちとも関わりがあったから彼らの身柄は丁重に扱ったさ」

 

 抱えている情報の中には密猟者たちを口封じしたいと思う者も多く、密猟者でも組織の上位にいた者は安全を提供してもらうため、取引には積極的であった。

 謀殺を狙うのは上級悪魔や堕天使たちだけなく、天界勢力からも刺客が放たれるのだが、創作物の天使のごとく清浄とは限らないのが天界である。

 

「密猟組合の壊滅、身柄の拘束、押収品という成果には魔王様やヘクトールさんたちには感謝されたので、嫌われてばかりではないよ」

 

 朱乃には話せないが、テロリズムへ傾倒した旧魔王派が組する禍の団(カオス・ブリゲード)とも繋がっていて、彼らの武力を増強する役割も担っていた。レラジェ領の周辺にある旧魔王派の領主たちとの戦いに備えていたハリベルも警戒心を強めて、最近では代官を務める自らの領地へ戻っている。

 

「仕事が続いていたから、こう言ってはあれだが合同特訓は息抜きにはなったよ」

「レーティングゲームの現役時代だったヘクトール様の話も勉強になりました。リアスもソーナさんもヘクトール様と眷属のファンだったの喜んでいましたよ」

 

 リアスたちが生まれた当時は既にレーティングゲームから引退して、政治へ力を入れていたのだが、過去の対戦映像や記録をコピーして彼女たちは所有している。

 

「とても熱心だと思ったがそうだったのか」

「ええ、二人とも王(キング)のヘクトール様のファンなのは同じですが、リアスは女王(クイーン)の千手(せんじゅ)柱間(はしらま)様の圧倒的な力によって作戦ごとねじ伏せるストロングスタイルが好きですし、ソーナさんは僧侶(ビショップ)の千手(せんじゅ)扉間(とびらま)様のルール違反は決してしないけれども、数百ものルールの抜け道を知っていて勝つためならルール違反以外あらゆる手を尽くすという神算鬼謀さがお好きのようです」

「あの千手兄弟は昔からファンが多いな。それで、君は誰を推しているんだ?」

「私はヘクトール様ですね。イリアスの時から好きでしたし、実際のレーティングゲームの変幻自在な手腕が見ていて好きです」

 

 お茶も終わり、店を出るとマクギリスが口を開いた。

 

「どうする、この後」

「え、どうするとは?」

「まだ一四時だし、せっかく休みでこのまま帰るのは勿体無いだろう。映画でも観るか?」

 

 このまま帰ることになるのかと思っていたので朱乃は、普通のデートのような提案が意外だった。

 マクギリスが朱乃と過ごす休日を切り上げるのを惜しいと思ってくれるのであれば、それは嬉しかった。

 

「は、はい! 是非!」

「趣味は」

 

 マクギリスがスマホで上映情報を検索に入ったとき、彼に男が近づき

 

「マクギリス・レラジェ、死ねぇっ!」

 

 男がマクギリスめがけて魔法を放つ。破壊的エネルギーを持つ魔力光。だが、マクギリスは朱乃を庇いながら防御魔法を展開して防ぎ切った。マクギリス程の実力ならば刺客の不意討ち(アンブッシュ)は痛痒(ダメージ)を負うこともなく対応できた。

 

「俺の魔法が防がれた!?」

「何者だ……?」

 

 胡乱げに男を見ながらもマクギリスは打ち倒して素早く魔法で拘束した。

 

「助かる。ありがとう」

 

 朱乃は手早く暗示と幻術で周囲の人間の認識からマクギリスや刺客を除外させているので、彼からは心遣いに感謝された。

 

「私はリアスや魔王様たちと違い、人間界の表社会では本来の姓は使っていない。それなのに本来の姓で呼んだこと、そしてお前が悪魔であることを考えればお前は冥界関係者か」

 

 朱乃とのデート中とはまったく異なる冷ややかな詰問する声だ。

 

「恨まれる理由は心当たりがあり過ぎて困るのだが、何故こんなことをした?」

「真なる魔王の血族を歯向かう下等な雑種風情が! 貴様に話すことなど何もない!」

 

 その言葉にマクギリスはこの刺客が禍の団(カオス・ブリゲード)に所属していることを察した。

 デートは終わりか、そう思うとマクギリスは名残惜しさを感じた。

 

「まったく、馬に蹴られて死んでしまえ」

 

 

 その日、マクギリスに忠誠を誓った穏健派旧魔王派の領地で禍の団(カオス・ブリゲード)の襲撃が起こったという連絡が、マクギリスのもとへ届いた。




胡蝶しのぶ
模擬戦闘でスピードが特に秀でていると設定公開。原作でも敏捷さは柱でも随一だったので本作ではスピードキャラに。
言うなればAGI(敏捷性)+100を与えた木場。悪魔となって体得した能力や戦闘方法についても今後は書きたいと思います。

姫島朱乃
マクギリスが年上男性ということもあって対一誠と違いお姉さま感が薄く、少女ぽさを強調して書きました。
早起きしたけれども服装と(ワンチャンあるかなと)勝負下着を選ぶのに時間を使い過ぎた。

千手柱間
ヘクトールの眷属である女王(クイーン)。多くの上級悪魔や眷属たちの心折ったトラウマメーカー①。
悪魔たちにはよく柱間とグレイフィアは冥界最強の女王(クイーン)は誰だという議論の種となっている。

千手扉間
ヘクトールの眷属である僧侶(ビショップ)。消費した駒は1つ。
準神滅具(ロンギヌス)所持者であるハーフヴァンパイアのギャスパーが変異の駒を消費していたので、元人間の扉間は駒1つが妥当かと思います。
多くの上級悪魔や眷属たちの心折ったトラウマメーカー②。綽名は卑劣様。
卑の意思を継ぐ彼のファンは多く、新規を沼らせる方法を色々やっていてレーティングゲーム布教にも貢献している。

現在判明しているヘクトール眷属
王:ヘクトール
女王:千手柱間
僧侶:南宮那月
僧侶:千手扉間
他の眷属も決めなければ……
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