「お待たせしましたー。完成でーす」
「……」
上機嫌な秋葉とは逆に椅子に座っている四季は陰鬱な表情を浮かべていた。
「いやー。四季様はこういう格好も似合うと思ってたんですよー?」
コーディネートが完成した四季を見て満足そうに頷く秋葉。当の本人は険しい顔で絶句しているが。
「可愛らしいですよー、四季様?」
「ナニコレ……」
思わず発音が不自然になるほど自分の格好が異様だった。
ロングヘアの
平たく言えば女装である。
「四季様もお嬢様も顔立ちは旦那様似ですしー。いやー、思った以上の完成度ですよー!」
一人御満悦な秋葉とは反対に四季のテンションはただ下がりである。
「僕は今日一日付き合って欲しいと言われたんですけど……」
「はいー。ですから思いきって試したかった事をお願いしようかとー」
ルンルンと上機嫌な秋葉とは反対に目がドンよりと暗くなる四季。
「さぁさぁ、手早く出掛けましょうかー。冬姉に見られたら、ボク殺されちゃいますしー」
楽しそうに立ち上がった四季の手を引く。
「へぇっ!? 外出るんですかっ!?」
「ざっつら~いと」
外に出た四季は落ち着かない様子で秋葉の後ろを歩いている。
「心配しなくてもパッと見じゃ分かりませんてー。オドオドしてたら余計に怪しまれますよー?」
「そんなこと言われても……」
四季はいつ自分が女装してると見破られるのか気が気でない。
そもそも秋葉自身がかなりの美女でその金髪で目立つのだ。
当然一緒に居る四季にも目がいく。
ヒソヒソと声が聞こえるたびに自分の事を言われてるのでは? と不安になる。
うらめしそうに秋葉を見る四季だが、当の本人はニコニコと流している。
「秋葉さん、楽しそうですね……」
「人生やりたいことをやって楽しんでこそすよー」
そんな事を言う秋葉に何故か母である美季の姿が重なり、あぁ、親子なんだなぁ、と感じる。
少し歩いていると、秋葉が喫茶店を指差す。
「あのお店に入りましょうかー。あそこ、珈琲が美味しいんですよー」
四季の意見を聞く前にその喫茶店に入る。
中に入るとそこは落ち着いた雰囲気の内装で。
四季達のような学生より、社会人が利用しそうな感じだった。
実際に客もスーツを着た人達が多くの割合を占めている。
秋葉が気を使ったのか、あまり周囲に見られない端の席を取り、ケーキセットを注文した。
注文が来る間に、唐突に昔話を始める。
「今はボク、こんな感じですけど、中学くらいまではけっこー内気で、あまり周囲と関わらない子だったんですよー」
「そう、なんですか?」
「想像つかないでしょー?」
四季の中で秋葉は姉妹の中で一番明るく、よく話す人、というイメージがある。
「中学の時に色々と考えて高校デビューした結果、見事に型が填まったと言いますかー。まぁ、最初の頃はキャラが変わりすぎて家族から戸惑われましたけどー」
懐かしそうに話す秋葉。
「小学校の高学年に上がってからでしょうかー? その頃から
自分の胸を寄せて強調してくる秋葉。
「
懐かしむように話す秋葉。
秋葉は四季の姉である姫乃の話をする時、本当に嬉しそうに話す。
注文したケーキセットが届き、一口食べる。
「中学の時にちょっとした嫌がらせを浮けていた時期もありましてー。お嬢様にはその時に助けていただきましたねー」
「秋葉さんがですか?」
どうして? と眉間を僅かに寄せて問う四季に秋葉は苦笑して答える。
「理由は大したことないですよー? ある女子が好きだった男子がボクに好意があったらしくてってわりとありきたりな理由ですねー」
いやー、まいったね、という感じで話す秋葉。
それから四季の姉である姫乃の話を続ける。
秋葉が嫌がらせを受けた時にどう立ち回ったのか。
好きな物や嫌いな物
それを聞いて、四季は秋葉が本当に姉の事が好きだったんだな、と思う。
軽食を終えて喫茶店から出たところで知らない男に声をかけられた。
「可愛いね、君達」
話しかけてきたのは、如何にもチャラそうな、成人男性だった。
ブリーチした髪に耳には幾つも派手なピアスが付けられ、ネックレスや指輪を付けている。
こちらはお近づきになりたくないのに、馴れ馴れしくこちらの情報を探ってくる。
舐め回すような視線と今にも触れてきそうな手が不快感を印象付ける。
「アハハー。ボク達はこれから行くところがあるのでー。失礼しまーす」
「いやいや。急いでるなら車で送るよ? 何処に行きたいの?」
「いえいえ。会ったばかりの人にそこまでお世話になる訳には~」
大きな車を指差す男性だが、秋葉は断り続けるも、相手も中々諦めない。
「まぁ、そう言わずに……」
男の手が秋葉の肩に伸びるが、その手が触れる前に四季が手首を掴む。
「こっちも急いでいますので、失礼します」
男の手を放すと、秋葉の手を握って逃げるように立ち去る。
その際に追ってこないように人の多い通りを選んで。
「ありがとうございます、四季様ー。ああいう人はどうも苦手でしてー」
「……取り敢えず、人通りを抜けて落ち着ける場所に行きましょうか。あの人
四季にしては強引に強く手を握り、早歩きでその場から離れようとする。
しばらく歩いて、デパートのビル前にあるベンチに腰掛けた。
人の場所に出て、秋葉が四季に問いかける。
「あの四季様ー。先程はいったい……」
まるで危険から急いで逃げようとする様子の四季にちょっとだけ違和感を覚える。確かに距離を取りたい相手だったが。
「僕達を送るって言った車の中に他にも人が乗ってたのに気付いてました?」
「ふぇ?」
「僕達が車の方を見た時に中で誰かが隠れるみたいに動いてたんです。たぶん男の人。だからマズイな、これって思って。強引にでも距離を取らなきゃって。手、痛かったですか?」
「アハハー。大丈夫ですよぉ。むしろ助けていただいてありがとうございますぅ。手を引いてくれた四季様、カッコよかったですよー。ボク、ドキッとしちゃいましたー」
「こんな格好じゃなかったら、素直に喜べたんですけどねぇ?」
どう褒められても女装姿ではイマイチ締まらない。
それにしても、あの男はいったい自分達に何をしようとしたのか、想像するのもおぞましい。
気分を切り換えたくて頭を振る。
「これからどうしますか?」
「う~ん。そうですねぇ。デパートの前まで来ましたし、せっかくですから少し見て行きましょうかー」
今度は秋葉から四季の手を引いた。
訪れたのは高校か大学生向けのアクセサリーショップだった。
と言っても特に何かを買う予定も無いが、こういう場所に縁がなかった四季として見ているだけで楽しい。
秋葉は医大で仲の良い友人とこういう所に来ることが多いらしく、色々と説明してくれた。
店内を一通り見て回ったところで秋葉が足を止めた。
「すみません、四季様ー。少々お手洗いにー……」
「あ、はい。ここで待ってますね」
「一緒に入りますかー?」
「入りませんよ!」
とんでもない事を言う秋葉に四季は断固拒否した。
幾ら女の格好をさせられても、女子トイレに入る度胸はないし、そんな度胸は持ちたくもない。
バレないと思うんですけどねー、と言いながらトイレに向かっていく秋葉。
「さてと……」
息を吐いてから少しだけ四季もその場を離れた。
それからデパートを出て、幾つかの店を見て回ると日が沈み始める時間になった。
「この時期、暗くなるのが少しずつ早くなっていきますねー」
あの男性に詰め寄られたのが響いてるのか、秋葉は出来るだけ四季の手を握っている。
「それじゃあ四季様ー。今日の締めに行きましょうかー」
「まだ何処か行くんですか?」
「はいー。もちろんですよー」
すると秋葉はスカート越しに四季の股間に触れてきた。
「最後はもちろん、ですよぉ?」
手を引かれるままにラブホに入ると、捲ったスカートの裾を四季に握らせて、期待から既に勃起している肉棒を舌で触れてくる。
「女の子の下着を穿かされて街を歩いた感想はどうでしたー?」
「恥ずかしくて、ずっと逃げたかったですよ」
「あららー。それは残念……」
秋葉の要望だったから応えたが、二度としたくない。
似合ってるのにー、とからかってくる。
その間にも秋葉は肉棒の竿にキスをし、エラの部分を舌でなぞる。
そこからもたらされる刺激に四季は天井を向いて体をブルッと震わせた。
しばらく肉棒に弱い刺激を与えていたが、大きさが増すと、顔を離してベッドに座り手招きされた。
「……」
膝に頭を乗せると、秋葉は自分のシャツを捲ってブラを片方ズラすと、露になった乳房を差し出すように上半身を倒す。
それにしゃぶり付くと秋葉は吐息を漏らし、嬉しそうにする。
「昔は、大きな胸がちょっとコンプレックスでしたけどー。こうして四季様に喜んで貰えて、今は嬉しいんですよー」
言いながら四季のスカートを捲って肉棒を手で擦り始める。
「四季様にはぁ……ボクの全部を味わって欲しいですからー」
互いに触れ合っていく内に熱を帯び、息が乱れる。
チュパチュパと乳房を吸い、唾液を塗る音が部屋に響く。
秋葉も四季の肉棒を激しく擦り、射精を促す。
「あ……っ!?」
肉棒から精液が飛び散り、秋葉の手を汚す。
手に付いた精液を舐め取る。
「アハー。相変わらずスゴい量……くらくらしますねー」
精液を舐め取ると、秋葉は四季から一度体を離してから衣服を脱ぎ捨てる。
「四季様……きて……ボクで、気持ちよくなって……」
「うん……」
胸の位置で四季の頭を抱くと、秋葉を押し倒す。
邪魔なスカートを脱ぎ捨て、秋葉の膣内へ一気に肉棒で貫いた。
「ふ、あはぁ……っ!?」
大きく息を吐きつつ、脚を広げさせられる。
乱暴とも言える腰使いを全て受け止める。
子宮を突かれながら、乳房を手で揉まれ、乳首を軽く噛まれると、小さく首を振る。
体を上に移動させるとボンヤリとした顔で秋葉が呟く。
「お嬢……さま……?」
「え? ────んっ!?」
秋葉が四季の頬を手で挟み、ディープキスをしてくる。
膣内も先程よりずっと締め付けられていた。
脚も積極的に絡めてホールドしてくる。
キスを終えると、ただ四季を抱き締めた。
「アン……ッ!? んっ……いいっ……! アッ、アッ!?」
四季も無我夢中で腰を打ち付けていた。
秋葉! 秋葉! と何度も耳元で囁きながら。
首筋に吸い付き、触れられるところで秋葉の手を体を揉む。
そうしていると、射精感も高まってきて。
「う、んんっ……」
「アァッ!? くる! きますぅっ!? 熱いの、たくさんんんんっ!?」
膣内に収まっていた肉棒から吐き出される精液を受け止め、秋葉は甲高い声が響いた。
性行為を終えて休んでいると、四季はさっき買ったネックレスを秋葉に渡す。
「ボクに、ですかー?」
「はい。誕生日ですし。何か渡さなきゃって。気に入ってくれるといいんですけど……」
渡された箱を開けるとそこには四つ葉クローバーの形をした銀細工が入っていた。
「……」
「もしかして気に入らなかったですか?」
「いえいえー。ただ、女装がプレゼントみたいな物だと思っていたからビックリしましてー。四季様。良ければ四季様が付けてくれませんかぁ?」
「あ、はい」
ネックレスを手に取って秋葉の首にかける。
大事そうに四つ葉の部分に触れる秋葉。
「四季様ー。四つ葉のクローバーの花言葉ってご存じですかー?」
「いえ、そういうのには疎くて……」
首を横に振る四季。
可笑しそうに笑みを浮かべる秋葉。
「花言葉は幸運に約束……それと、私のものになって、ですよー」
「え?」
面白いくらい予想通りの反応をする四季に秋葉は艶のある表情をする。
「ボク、四季様のモノにされちゃいましたねー」
そう言って慌てふためく四季の反応を楽しんだ。
秋葉はその夜。
眠り続けるかつての主の横で1人話し続けていた。
「このネックレスも四季様から誕生日プレゼントで貰ったんですよー。姫乃お嬢様ー」
眠り続ける女性に反応はない。
それを承知で秋葉は彼女に話し続ける。
そうすれば、主に届くと信じて。
頬に触れる。
「待っていてくださいねー。ボクが必ず、お嬢様のお心を取り戻してみせますからー。そうしたら……」
その続きを口にせず、秋葉必要な処置を行った。
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