「似合わねー」
髪を黒く染めたボクにお嬢様が不満そうに眉を寄せる。
「なんで態々黒に染めるんだよ。綺麗な金の地毛だったのに」
「……」
お嬢様の質問にボクはただ俯いて答えない。
姫乃お嬢様はそう言ってくれるけど、こんな髪の色で良い事なんて一つもない。
髪も眼の色も日本人離れしていて変に注目を集める。
最近は胸やお尻も大きくなって、異性からは好奇の目。同性からは妬みや嫉みなどの視線を送られることが多くなった。
姫乃お嬢様が黒に染めた髪に触れる。
「本当にもったいねぇ……」
ボクはお嬢様とは違う。
周りにどんな目で見られても平然としていられるほど強くない。
いずれ、それはイジメという暴力に変わっていく。
それが怖くて仕方がない。
「仕方ねーなー」
俯くボクにタメ息を吐いてお嬢様が手を握ってくる。
「秋葉がそんな小さな心配をしなくて良いように、私が全部それを取っ払ってやるから。もしも不安が無くなったら、元に戻せよ。な?」
お嬢様はいつも自信たっぷりで。ボクの手を引いてくれて。
そして、誰にも屈しない強い人だった。
部屋にノック音がしたのは夜の十一時を回った頃だった。
「ふぁーい?」
うたた寝していた秋葉は意識を覚醒させてドアを開ける。
するとそこには四季が立っていた。
「どうかされましかー?」
「え、と……その。相談したいことが……」
歯切れ悪く言葉にする四季に秋葉は特に拒む様子もなく部屋に招き、椅子に座らせた。
麦茶をコップに注ぐと四季に渡す。
「ありがとうございます」
「それでー? お話とはぁ?」
顎を少し上げて話を促す秋葉に四季はコップを撫でてから意を決して質問する。
「僕のこの朱い眼についてや、神門の事をもっと教えて欲しいんです」
四季の質問に秋葉は瞬きする。
んー、と悩む様子見せてから質問を返す。
「そういうことなら冬姉に訊いてみるべきではー」
「その……冬雪さんに訊いても答えてくれると思いますけど、聞きたいところははぐらかされてしまいそうで……」
四季の答えに秋葉は苦笑いを浮かべる。
「あ〜。それ正解ですよぉ。冬姉は神門の
「夏海と春花ちゃんはたぶん、この事にあまり詳しくないんじゃないかなって。それで、美季さんにお話を伺ったら、秋葉さんに訊け、と」
「あは〜。そこは嘘でもボクが1番頼りになるから〜とか。そういうニュアンスで答えてくれたら百点満点だったんですけどねー。でもおかーさんが……」
「すみません……」
思い返せば、少々失礼だったかもしれない。
秋葉は口元を指で隠してぶつぶつと考え事に耽ける。
「分かりましたぁ。四季様がそう言うなら、次のお休みにボクが教えられる範囲で」
指先を合わせてそう返してくれる秋葉に四季はホッとした。
「でもちょっと待ってください。どうせなら、ちゃんとした資料の在る場所でお話しましょうかー」
「資料?」
「はいー。ボク達の実家ですよー。あそこは、神門の貴重な資料が残ってますからー。今度の休みに案内しますねー」
「はぁ……」
話が纏まると、秋葉が四季の後ろに回って抱きついてくる。
「それはそれとしてぇ。ボクもご褒美欲しいなーって思うんですよぉ」
「ご褒美……?」
秋葉が後ろから耳を唇で噛み、舌で形をなぞってくると、分かってるくせにー、と耳打ちする。
「最近は春ちゃんばっかり構って淋しいんですよー?」
あのパパ活未遂の後から春花との時間を多く取るようになった。
それは春花が大事だからなのか、不信からなのか。
答えを出す前に、秋葉の手が四季の服のボタンに触れる。
「だからぁ。ボクも構ってほしいなーって」
後ろを振り向くと軽く唇を重ねてきた。
顔を離すと四季の前に回り、屈んでジッパーを下ろす。
「あはー。動かなくていいですよー」
おいしそー、と肉棒をスボンから取り出した秋葉は、竿の部分に舌を滑らせる。
「っ!?」
既に慣れた動きで秋葉は肉棒を刺激するが、決して射精させないようにする。
「ん……」
肉棒が大きくなったのを確認すると顔を離し、着ているシャツを捲り、ブラをズラす。
「秋葉さん……?」
「こ、こーゆうのは、お好きですかぁ?」
秋葉の大きな乳房には“四季様専用♡”とマジックか何かで書かれて居る。
四季の膝に手を乗せて顔に乳房を近付けてくる。
「文字通り〜、ボクのおっぱいは四季様の物ですからぁ。お好きになさっていいんですよぉ」
秋葉の甘ったるい声が四季の理性をクラクラと揺るがしていく。
目の前にぶら下がる乳房に手を伸ばし、鷲掴みにしつつ、乳首を吸い始める。
「はぁ……四季様の愛撫ぅ……ボク、こんなに……あっ!?」
四季の左手が秋葉の股間に伸び、履いているスボンの中に手を入れ、クリトリスを指で擦り、摘む。
「あ、やぁ……っ! そこ、いいです……もっとぉ……」
四季の指から送られる快楽に身を震わせる秋葉。
胸を吸われる感覚やかかる鼻息の全てが秋葉をより発情させる。
クリトリスを弄っていた指が腟内に侵入し、肉壁を擦る。
既に愛液を分泌し始めていた腟は四季の肉棒を迎え入れようと準備を調えていく。
秋葉がズボンを下ろし、四季の肩に手を乗せる。
「四季さまぁ……よろしいですかぁ?」
「僕も、もう待ちきれ──―あっ!?」
返事を待つ前に椅子に座っている四季の膝に乗って、肉棒を腟内へと迎え入れる秋葉。
そのまま腰をゆっくり動かし始める。
「あ……んっ! ハァ……四季さまぁ……どうです……?」
「最高に決まってる、だろ……秋葉が動く度にデカい胸も揺れて……すごくエロい、なっ!」
四季様専用♡と書かれた巨乳が秋葉の腰の動きと共に揺れるのは中々に絶景だ。
「秋葉……秋葉っ!?」
秋葉の尻を揉みつつ四季も肉棒を腟内に突き立てる。
互いの肉が擦れ合い、愛液と先走り汁が混ざり合って音を奏でる。
「こんな落書きして! 僕に見せるのを待ってたのか!」
「はいぃっ! 四季様がぁ、来てくれるのをずっと待ってたのにぃ! 最近は春ちゃんばかり贔屓して寂しかったんですよぉ?」
「いい子だ!」
乳首を指で持ち上げるように撫でる。
同時に、下半身に力を入れて秋葉の腟内に射精し、精液を送り出す。
「はうぅっ! あついぃっ!? あ、あ、んんっ!?」
主の精液を受け止めて声を上げる秋葉。
ドロドロとした熱い液体を迎えると余韻に浸って四季にもたれかかる。
「あ? 四季様ぁ?」
四季はそのまま秋葉を持ち上げて椅子から立ち上がり、ベッドに下ろす。
「まだ足りない……」
「あ……んっ!?」
寝バックの体勢で四季は秋葉を犯す。
容赦も遠慮もなく、秋葉の名前を呟きながらひたすらにその肉を貪っていた。
パンパンと腰を打ち付ける。
背中舐めるようにキスをすると秋葉が声を漏らして身を震わせた。
「また、射精すぞ! 今度は、外に──―」
射精する直前に肉棒を引き抜いて、秋葉の大きな尻にぶっかけた。
「ふぁ……あつい……」
陶酔した様子の秋葉。
白濁液に濡れたお尻はより一層淫靡だった。
悟堂の実家は神門の屋敷からそう離れていない場所に存在する。
「ボクはお嬢様と年齢が同じだから比較的早く神門の屋敷で暮らし始めましたけどー。本当は中学生くらいからあっちで屋敷で神門の方のお世話をするのが通例ですねー。春ちゃんも実は、御屋敷で暮らし始めたの、四季様とそう変わらないんですよー。遊びには来てましたけどー」
翌日、秋葉に悟堂の実家への道を案内されながら説明をする秋葉。
歩いて移動していると和風建築の建物が見えてくる。
洋風な神門の屋敷と違い、豪邸という程ではないが、一般的に見ればかなり広い家と土地である。
「元々神門の方はここに住んでいたんですけどー。色々と手狭になっていた事や、昭和後期の震災で家が大きく損傷した事で向こうの御屋敷に移ったんですよぉ。でも、神門の方からすれば思い入れのある家ですし、修繕後はウチの先祖に管理を任されてましてー。それからちょくちょく手を加えて維持してるんですよ~」
そうこう話している内に正面の門に辿り着く。
秋葉がインターホンを鳴らす。
「おばぁちゃーん。秋葉だよー」
『鍵は開いてますから、四季様をご案内しなさい』
「は〜い」
「お邪魔します」
門を開けて秋葉はどうぞ~、と四季を通す。
良く手入れされた庭を眺めつつ、畳の敷かれた居間へと案内される。
一歩一歩。足を進める度に何故か懐かしいような気分になる。
「あの、秋葉さん。僕、以前ここに来たことありますか? 子供の頃とか」
「? いいえー。無いと思いますよー。四季様は神門の御屋敷で産まれて過ごしましたしー。四季様のお母さんと出て行ってからは、悟堂とも関わり合いは無い筈ですからー」
「そう、ですよね……すみません、変なこと言って」
既視感を振り払いながら案内され、待っていたのは、杖をついた六十そこそこの女性だった。
背筋は真っ直ぐ伸びているものの、片足を引きずって歩いている。
側にはお手伝いさんと思しき女性がおり、秋葉達の祖母と思われる女性が椅子に座ると、奥へと引っ込んでいった。
「おばーちゃんは二年前に足首を折ってしまいましてー。あの年齢ですから完全には治らなくて、今は杖を使ってるんですよぉ」
そう耳打ちして教えてくれる。
「聞こえてますよ、秋葉。初めまして、神門四季様。私が現悟堂の当主を務めております悟堂宗子です。本来は此方から挨拶に赴くべきところをお許しください」
「い、いえ! 此方こそ秋葉さん達にはいつもお世話になってるのに、挨拶が遅れて……!」
ペコペコと頭を下げる四季に宗子は首を小さく振る。
「神門の方々の役に立つのは悟堂の者として当然の事です。どうかお気になさらずに」
その雰囲気や仕草に冬雪を連想させた。
一度咳払いして宗子が話題を変える。
「そういえば孫娘だけでなく娘も今はそちらに御厄介になってるとか。四季様に迷惑を──―かけてますね。どうもすみません」
(断言した……!)
余程娘に対する信頼が薄いのか、美季の名を口にして溜め息を吐く宗子。
四季は宗子に対して首を振る。
「いえ! 秋葉さん達! 美季さんにも……はい!」
慌ててそう返す四季。
「そうですか。ですがアレにはお気をつけ下さい。どう愛想よく振る舞って見えていても腹の中で何を考えているのか分かりませんから」
ここに居ない娘に対して嫌悪感を滲ませている。
何があれば実の娘に不信感を抱けるのか。
「秋葉。貴女達は四季様と上手くやっているのね?」
「えぇ。それはもぉ〜。この前もすっごく激しくって〜」
「……ごめんなさい」
二人の会話の意味を一拍置きに理解して顔を真っ赤にして謝罪する。
そんな四季に宗子が柔らかな笑みを浮かべた。
「神門にお戻りになったばかりの四季様にはまだ理解しきれないかもしれませんが、神門の方にお尽くしする事が悟堂の女の幸福でございます故に。どうかこれまで通り、孫娘達をお使い下さい」
「……」
優しい声で語られる言葉。なのに、その内容に四季は表現出来ない違和感を感じる。
それは甘い物を大量に摂取させられた後の気持ち悪さに似ていた。
「それで〜。四季様に色々とお話をしたいのでぇ。書庫に行っても良いよねー?」
「それに関しては私が口を挟む事ではないけど、冬雪は納得してないでしょう?」
宗子の言葉に秋葉が肩を竦める。
「まぁ、冬姉には頬を叩かれるくらいの覚悟はしないとねぇ。でも、当事者になる人が知りたいのに、こっちで勝手に口止めするのは違うかなーって。それにボク自身、四季様には色々と知って欲しいからー」
軽い口調なのに、そこには秋葉なりの決意が感じられた。
小さく息を吐いて宗子が好きになさいと、言う。
「では四季様ー。こちらでーす!」
「はい……」
秋葉に促されて、別室に案内される四季。
廊下を歩いていても、やはりどこか懐かしさが付きまとった。
前を歩く秋葉途中に分かれ道があり後ろを付いて歩いていると通らなかった通路にふと視線を移した。
すると、小さくパンと、手を叩く音が聴こえた。
──―鬼さんこちら。手の鳴る方へ。
──―鬼さんこちら。手の鳴る方へ。
──―鬼さんこちら。手の鳴る方へ。
手を叩く音と共に、その声が頭に響く。
不思議な事に、その声は耳からではなく、変化した朱色の瞳から聴こえているような気がした。
その声に引き寄せられるように、四季は足の方向を変える。
少し長めの廊下に足を踏み入れようと──―。
「四季様」
秋葉が四季の肩を掴んで止める。
「あ……」
「そちらは少々
「すみません……」
四季の手を掴んだ秋葉がその通路から遠ざけるようにして進む。
手を引っ張られながらも四季は、その通路の奥を何度か振り返った。
書斎に着いて、秋葉は幾つかの本を取り出す。
いや、それは本というよりも、古い日記帳のようだった。
数多くある一冊を開いて秋葉は語り始める。
「それでは、悟堂の者として、四季様にはその始まりをお話します」
普段と違い、凛とした真面目な顔の秋葉。
「神門の朱い瞳。神門と悟堂の関係。四季様が後々に挑まなければならない儀式について」
子供にお伽噺でも聞かせるように話し始める。
「御門が何故、この土地を中心に発展したのか。その始まりである神様との出会い。その、古い物語を──―」
過去編終わったら、春夏秋冬の順で個別ルートを終わらせるつもりです。
過去編も3話を目安に終わらせる予定。
お気軽に答えて欲しい女性人気投票。
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悟堂冬雪
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悟堂秋葉
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悟堂夏海
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悟堂春花
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悟堂美季
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神門姫乃
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悟堂咲子
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悟堂夏織
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縁種