「中学の文化祭って、もっとこじんまりとしたのを想像してたけど、思ったより大がかりなんですね」
学生主体のお祭りとして見れば、思った以上に時間とお金がかけられているのが分かる。
市でやるような祭りにも引けを取らない感じだ。
「ここら辺の私立中学も神門が出資してますからね。使えるお金が他所とは違います。私達もこの学校を卒業していますし」
四季の疑問に冬雪が答える。
夏海が質問する。
「それで、何処から回るの?」
「はいはーい! ボクは、春ちゃんと四季様が出演した映画を観に行きたーい!」
手を挙げてはしゃぐ秋葉に冬雪がはしたないと額をペシッと軽く叩く。
「ですが、私も興味があります。
視線を四季に向ける冬雪。
神門の次期当主としての仕事よりも、こちらの映画撮影を優先していた。
撮影が終わった後は、勿論仕事を優先させたが。
コクコクと頷いている辺り、夏海も映画の方に興味があるらしい。
「そうですか。じゃあ僕は適当に屋台でも回って──―」
「こら」
逃げようとすると、夏海に腕を掴まれた。
「一人でどこ行くの? アタシ、一応護衛も兼ねてるんだけど」
「……自分が出演してる映画とか観たくもないんだよ」
他人が出演してるならド素人の演技の映画でも楽しめるが、自分の演技なんて見返したくもない。
どう考えても恥ずかしい。この祭が終わったら厳重に封印するか、破棄してほしいくらいだ。
しかし、そんな主の主張は3人の姉妹に却下される。
「そう仰られても、妹のお願いを聞いた時から分かっていた事でしょう?」
「往生際が悪い」
「ちなみに、映画を観た後で、DVDの販売もあるらしいですよー。楽しみですねぇ」
3人とも映画を観る事に前向き。というか、その為にこの文化祭に来たまである。
結局、映画の発表をしている視聴覚室まで連れて行かれる四季。
客の整理をしていた春花は、四人を見て、一瞬嫌そうに口元を動かすが、それに気付いた冬雪が小さく息を吐く。
「お客様の前でその態度はどうかしら?」
「……だってお姉ちゃん達、目立つんだもん」
姉妹四人がそれぞれタイプの違う美人さんなのだ。
それが一緒に行動していればそれはもう目立つ。
校内で姉妹に目が行っていない方が少数派だ。
「お母さんは?」
「さぁ? あんな人は知りません」
春花の質問に冬雪がにべもなく返す。
実際、朝食を終えた後、屋敷から消えたのだから嘘は言ってない。
周囲を見回して夏海が呟く。
「結構観に来る人、多いんだね。学生素人の映画だから、あんまり人が来ないと思ってた」
「夏海お姉ちゃん、ひどいよ……」
「悟堂さんのお陰ですよ」
話に入ってきたのは、映画研究部の部長である新庄恵だった。
「初めまして。映画研究部部長の新庄恵です」
挨拶をして頭を下げる新庄。
すると彼女は夏海の疑問に答える。
「ポスターや事前パンフレット。それに文化祭のホームページでこの映画の宣伝に力を入れてくれたお陰で思ったより興味を持って貰えました」
嬉しそうに話す新庄。
それに恥ずかしそうに話題を変える春花。
「そ、それじゃあ、中にどうぞ」
「は〜い」
さっさと入って、と秋葉の背中を押す。
映画館、とまではいかないまでも、それなりの広さのある視聴覚室。
主に生徒の家族や、一応一般に開放もされているので、近所の人もそれなりに入場している。
座席が半分ちょっと埋まったところで映画が始まった。
悟堂美季は朝食を終えた後にとある夫婦を迎えに行っていた。
空港から出て来たその夫婦の男性は複雑そうに。女性は不愉快そうに表情を変える。
そんな二人に美季はクスリと笑みを浮かべる。
「そんな嫌そうな顔をしなくてもいいでしょう。久しぶりの顔合わせなんだし。ねぇ、姫子」
「こっちは、貴女の顔など二度と見たくはなかったわ、美季さん」
「あら酷い」
肩をすくめる美季。
一触即発といった雰囲気に、男性が割って入る。
「なんで美季が?」
「本当なら、
ウインクする美季に男性は目元を手で覆う。
なんで態々騒動を起こすような真似をするのか。
「それじゃあ、車に乗ってくださる? 数ヶ月ぶりの我が家でしょう? 安全運転で送らせてもらうわ」
美季の言葉に男性が首を振る。
「いや。どうせなら美季の末っ子の中学校に行ってくれ。息子もそっちに居るんだろう? 少しでも早く顔を合わせておきたい」
男性の言葉に姫子が眉を顰める。
「あぁ。あなたが手を出した使用人の子供でしたわねぇ。娘しか産めなかった私への当て付けに」
妻の鋭い視線に男性は言葉を詰まらせる。
息子が出来た時に散々弁明したが、結局は今に至るまで完全に赦されていない。
今更どう言い訳しても心の芯に届く事はないし、下手な言い訳は、この仲の二人が結託して自分を責めてくると経験済み。
情けないが、謝罪を繰り返すのが唯一波風を立たせない防衛策なのだ。
姫子が美季に問う。
「それで、その子は神門を継ぐ価値のある子なのかしら?」
「まだ半年と少し。これまでとまったく違う環境に置かれても順応しようとしてるわね。娘の教育が甘いところもあって、及第点ギリギリじゃないかしら?」
美季の評価に姫子は考えるような仕草を取る。
男性の方も質問をする。
「息子の、眼は?」
「熟すまでもう少しってところ? もしかしたら、儀式も十八の誕生日を待つ必要もないかもね」
「……そうか」
複雑そうな表情で息を吐く。
「それではご案内しましょうか、旦那様」
「はぁ〜。恥ずかしかった……」
設置されているベンチに腰掛けて四季は息を空に向けて吐く。
自分が主演の映画なんて役者でもなければ見るもんじゃないと実感する。
秋葉は上映が終った後に、販売されたDVDまで購入していた。
しばらくそれでイジられるのだろうか?
冬雪と秋葉はこれから用事があるらしく、映画が終わると帰って行った。
護衛役として夏海が残ったが、偶々文化祭にやってきた中学時代の友人に会い、四季が目の届く範囲で会話に華を咲かせている。
隣には休憩に入った春花が座ってジュースを飲んでいた。
深々と帽子を被って頭を隠している。
「わたしの髪の色って目立つじゃないですか」
「綺麗だよね」
「ありがとうございます。でも、今回の映画で知らない人に声をかけられてちょっと困ります」
観賞を終えた客──―特に男性に声をかけられて大変だったと愚痴る。
映画で主演を務めたせいで望まない注目を浴びたと。
髪の色もそうだが、やはり中学生女子としても小柄で愛らしい見た目も原因だろう。
春花はうんざりした様子を見せつつも、姉が友人と話している間に距離が離れているのを感じる。
それを見た春花は四季に小声で話しかける。
「四季様。少し、二人っきりになりませんか? 校舎の奥の方は空きも多いんです」
「なんで?」
キョトンとした四季に春花が不満げに唇を尖らせる。
「鈍いです……ちょっと気疲れしちゃったから。二人で気晴らしに行きませんか?」
そう言って春花の指が四季の太腿から股間を張った。
夏海の目を盗んで校舎奥の、本来は職員が使う空き室へと入る。
それがちょっとしたスパイスになって胸が高鳴った。
扉を背にして座る四季の上になる春花。
「最近の四季様、前よりずっと性欲が強くなってますから、今も辛いんじゃないですか?」
「そんなこ──―っ!?」
春花が唇を重ねて塞ぎ、舌で口の中を舐ってくる。
四季の手を制服の中に誘導して触れさせると、誘われるままに春花の胸を揉む。
「んっ……ふぅ、んっ」
一通り口内を味わうと顔を離す。すると唾液が糸を引いた。
春花の唇が今度は首筋にキスをする。
「ついこの間、あんな射精したのに、もう大きくなってます」
四季の股間に手を添えて、ファスナーを下ろし、肉棒を取り出すと、手で擦る。
「時間が無いのが残念です……」
「ん」
四季も春花のスカートの中に手を入れて、ショーツをズラして指で腟内を掻き回す。
すると、下の口からドロリと愛液が垂れた。
その反応が早く早くと四季のモノを欲している確信する。
肉棒を入れる前に、春花の額が四季に胸板にくっ付く。
「ねぇ、四季様……もしもわたしが"悟堂"じゃなかったら──―」
そこで言葉を止め、四季の頬にキスをした。
「?」
腟口に肉棒の先端を添えてゆっくりと腰を落とす。
肺の中の酸素を吐き出して腰を動かし始めた。
「わたし、が……悟堂じゃ、なかったら……んっ! 四季様と出会えなかった、です……でも、悟堂の、女だ、からぁ……っ!」
味わうような遅い動きで四季の肉棒を刺激した。
言葉の大事な部分だけが途切れる。
「ハァ……ん……ねぇ四季様」
「なに?」
セックスの最中に閉じていた目蓋が上がり、不安そうな眼で四季を見る。
「この先も、ずっとわたしを傍に居させてくれますか?」
「それ、は……どういうっ!?」
答えを聞く事を拒否するように春花の腟内が締まり、腰の動きが激しくなった。
「あんまり時間は、かけられ……っ!」
「春、かちゃっ!?」
四季も春花のお尻を掴んで腰を突き上げる。
子宮口を押し上げると、先端がよく締まった。
思えば、初めての頃に比べて腟内が四季に合った形に開発されている。本当にどのタイミングでも射精出来そうだった。
小柄な春花を抱き寄せると感じる吐息や温もり。
腟内と肉棒が擦れ合う感触が気持ち良かった。
「う、あ……」
「あ、はうんんっ!?」
強く捩じ込むように肉棒で子宮口を押すと同時に射精した。
竿の部分が脈打ち、春花の子宮に精液を流し込む。
「はぁ……」
射精が終わると、春花が体重を預けてきた。
心地の良い重みを支えていると、余韻と共に春花が呟く。
「今が、あとどれくらいつづくのかなぁ」
ずっとこのままで、と願うような響きだった。
「どこ行ってたの? 探したんだけど。
夏海と合流すると、彼女は険しい表情で仁王立ちしている。
大変御立腹な夏海に四季は視線を逸らして答える。
「ト、トイレに……」
「ふーん」
春花と二人で消えた事から何をしていたのか察したらしく、夏海の視線が更に険しくなった。
どう機嫌を取ろうか考えていると、聞き覚えのある声が届く。
「あー。居た居た。探したわよ」
「お母さんっ!?」
現れたのは、姉妹の母である美季だった。
「なんで……?」
「いやだわ。娘の学校の文化祭に母親が来るのに何か問題ある?」
「それは、無いけど……」
まさか、美季が来るとは思わなかった春花と夏海は訝しげに母親を見る。
それに対して本人は肩をすくめた。
「まぁ、用事があるのは私じゃないのよ。ある人の要望で案内しただけだから。二人共、こっちよこっち!」
美季が誰か呼ぶと、こっちに夫婦らしき二人が近付いてきた。
その二人を見て、春花と夏海は目を大きく開かせる。
男性が四季に話しかける。
「君が四季だね。あぁ、大きくなった」
感慨深そうにする男性に四季は、はぁ、と生返事を返すと、春花が呟く。
「旦那様……」
「へ?」
唐突な父との対面に四季は面食らってしまった。
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