※この作品はR-18です。

春夏秋冬姉妹と御主人様な僕。   作:赤いUFO

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今回、エロはおまけ。


歪な礎。

「そうか……空の子の眼はまだ朱くならんか……」

 

 いつからだろう。母であるこの人を畏怖を覚えるようになったのは。

 何処とも知れぬ場所で体を繋がれている。

 それを不憫に思いこの人の願いを叶えてあげたかった。

 しかしいつの頃か、母の興味は息子の空也に移り出し、空自身も母に対して煩わしさと怖ろしさを覚えるようになった。

 息子の空也は空や父の朱季のような朱い眼ではなく、普通の黒い眼を持って生まれた。

 朱い眼が縁起の良い物として崇めている古株は残念がったが、父は何処か安堵していた。

 特別な子ではなかった事に妻は残念がったが、空は正直、ただ生まれてきてくれた事が嬉しくて、母の事は考えてなかった。

 今は、孫に執着する母を見て、彼女を見る為の朱色の眼ではなかった事に安堵している。

 なのに。

 

「やはり、呼び起こすには、用意した道具が要るのう。あの小娘を生かして置いたのは正解じゃった」

 

 くつくつと笑う母が怖ろしい。

 子供の頃にたくさんの事を教えてくれた母が、なにか得体の知れない存在に見えた。

 

(そもそも、僕は母の事をどれだけ知っているのだろう?)

 

 今更ながらにそう思う。

 

「あの道具は必ず神門の下へ戻ってくる。子々孫々とお主らに尽くす為に。そして孫の眼が朱く染まった時、妾のところへ連れてきておくれ」

 

 未来の楽しみに綺麗な微笑を浮かべる母。

 しかし空にはもう、なにか良くない前兆のように思えてならなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今日も四季は悟堂の御先祖の日記に目を通していた。

 悟堂夏音が神門陸の葬儀で神門空也と会ったその日から、彼を意識するようになったという。

 そしてある日、想いを募らせた少女は神門の家で働きたいと両親に申し出た。

 両親は当然それに反対。

 まだ十になったばかりの娘を生活苦でもないのに働きに出すのに抵抗があったのもそうだが、神門の家は夏織は否が応でも過去の記憶を呼び覚ます。

 神門の外で暮らしてあの家は何処かおかしいと思うようになっていた。

 しかし夏音は両親の言葉に耳を傾けず、家出同然に飛び出して行った。

 既に神門朱季は以前のように世界や日本各地を飛び回る事は無くなり、商会の相談役にしつつ、道楽で小さな店を経営していた。

 殆どの業務を息子の空に引き継いで。

 突然やって来た夏音に過去の騒動から神門側はやんわりと断っていたらしいが、神門空也の口添えで雇われる事となる。

 神門空が仕事で家を長く空けている間にだ。

 それが、全ての間違いだった。

 神門の血による強い性衝動。

 空也にも突如それが沸き上がり、抑えきれなくなったそれが夏音に襲いかかる。

 空也が十七。夏音が十二の年齢だ。

 だだ、夏音を犯した空也に変化が表れる。

 黒かった筈の彼の左眼が朱色に変化していて────。

 

 そこまで読み進めて四季は日記を閉じる。

 悟堂夏織が後々に聞いた話を書き記していた部分。

 古い日記な為、読み進めるのに時間がかかっているが、疑問がある。

 

「まぁ、読み進めれば分かるだろうけど……」

 

 んーっと背伸びすると、ドアがノック音がした。

 

「四季様。御夕飯の用意が出来ました。旦那様達がお話もあるそうです」

 

「いま行きます!」

 

 日記を机の棚に入れて部屋から出る。

 

「夕食はともかく、話って?」

 

「わたくしは何も聞いておりません」

 

 冬雪の返しに四季は小さく息を吐く。

 正直、未だに二人とどう接したら良いのか距離感を測れずにいるのだ。

 

(特に姫子さん……お母さんがなぁ……)

 

 悪い人ではないのだが厳しい。とにかく厳しい。

 テーブルマナーやらその他の作法を徹底的に叩き込まれており、最近では食事が緊張で味がしない気がする。

 父の倫也も尻に敷かれるタイプなのか、特に止めようとしない。

 

(僕が不甲斐ないだけなんだろうけど)

 

 とにかく怒られないように頑張ろうと志の低い事を考えながら、食事に使う部屋に入る。

 そこには両親が待っており、四季は教わった通りに動いて席に着く。

 今日の夕飯は和食だった。

 食事が始まり、おかずの鶏肉と大根の煮物を食べる。

 

(今日夕飯を作ったのは春花ちゃんかな?)

 

 屋敷の料理は主に冬雪が。週に一、二回春花が作り、たまに秋葉も作る。

 春花は比較的甘めの味付けが特徴だとここ数ヶ月の生活で気付いた。

 夏海は冬雪曰く、とても食べさせられるレベルではないそうだが、秋葉や春花が言うに、一通りは教わっているとの事。

 

(いつか夏海の料理も食べてみたいな)

 

 そんな事を考えつつ、食事が半分くらい進んで姫子がお茶を飲んでから話す。

 

「四季」

 

「は、はい」

 

「澤木育美についてですが、近い内に貴方を刺した事や脅迫した件で裁判となるでしょう。貴方には被害者として裁判に出席する義務と権利が有ります。こちらが負ける事は万が一にもあり得ませんが。法廷での争いは弁護士に任せるとして。義務があるとはいえ、貴方はまだ未成年です。大人(こちら)に任せて欠席しても構いませんよ?」

 

 姫子の言葉全てが四季を試しているように感じる。

 

「出ます。あの人との最後のけじめですから」

 

 四季の返答に少しだけ満足そうに表情が柔らかくなる。

 

「まぁ、この話はついでです。裁判の話し合いは、あの女をどれだけ長く刑務所に入れられるか、というだけですから。本題はこちら」

 

 姫子は夏海に冊子を渡し、それが四季に渡る。

 それは、パーティーのお知らせだった。

 父の倫也から話す。

 

「年末も近いからな。近々神門の財閥グループを集めて、四季を次期当主として正式に発表するつもりだ。聞いたぞ四季、私の勧めで参加したパーティーも堂々と対応したって」

 

 肉親の父に褒められて、今まで知らなかったこそばゆさを覚える四季。

 しかしそれは姫子の言葉で冷める。

 

「えぇ、聞きましたよ。小鳥遊という男性の挑発に乗って、度の高いお酒を一気飲みして倒れたとか」

 

 冬雪にヘッドハンティングしようとした男性。

 笑みを浮かべつつも断っていた冬雪。

 四季は冬雪を守ろうとして挑発に乗せられるままお酒を飲んで倒れた。

 今思えばもっと別の対応の仕方もあったろうに。

 

「今度のパーティーでそのような醜態を晒す事は許しません。それまでに、恥をかかぬように、必要な事を学んで貰います。良いですね?」

 

「はい……」

 

 問う形だが、実質拒否権はなかった。

 父は視線だけは頑張れと言ってくる。

 四季はこれからの事を考えると憂鬱な気持ちで食事を終えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん……四季……しき……っ」

 

 夏海が刺された四季の腹部を舐める。

 まるでその傷を治すようなまじないをしているようにも見えるし、確認して自身を戒めているようにも見える。

 四季と夏海が想いを伝えあった事はまだ周りには話していない。

 話せない、と言った方が正確だが。

 

「ホント言うとね。嬉しかったんだよ」

 

「なにが?」

 

「アタシを庇ってくれて」

 

 傷痕を舐めつつ肉棒を手で擦る。

 

「だから、今はこの傷が愛おしく見えて」

 

「夏海……!」

 

 我慢出来なくなり、四季は夏海を押し倒す。

 四季も今は強く夏海を愛おしいと思う。

 

「んっ……」

 

 短いキスをして少し顔を浮かせた。

 

「好きだよ、夏海。君が……」

 

「うん……き、て……四季ぃ……」

 

 熱に浮かされた表情で腕を背中に回してくる夏海。

 片腕を外させて、恋人繋ぎで手を合わせる。

 

「ん、はぁ……!?」

 

 肉棒が夏海の膣内に入れられる。

 夏海の膣が四季の肉棒を程良く締め付ける。

 亀頭が子宮口をノック、或いは抉じ開けるようにグリグリと突いてくる。

 

「ハァ、ハァア……ッ! 夏海夏海!!」

 

 名前に反応して膣内が動き、締め付けの強弱を変えて刺激してきた。

 

「うん! うん……! きて、四季ぃっ!?」

 

 許可を得ると共に四季は夏海の膣内に精液を解き放つ。

 

「あふ……んっ!? あつっ、はぁ……っ!? すきぃ! 四季ぃいいいっ!?」

 

 射精し、溢れても腰の動きを止めずに夏海を犯した。

 精液を吐き終えると夏海を抱き寄せたまま隣に体を倒す。

 小休憩を挟むと四季が話しかける。

 

「その内、さ。夏海の料理、食べてみたい」

 

「……どうしたの、急に?」

 

「なんとなく。夏海の料理も食べてみたいなって……」

 

「あんまり料理、自信ないから」

 

「うん。だから夏海の気が向いたら。その内……」

 

 そう言って笑う四季。

 夏海は拗ねたように視線を逸らした後に四季と上下を入れ替えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうして、もっと早く教えてくれなかったんてすかっ!!」

 

 悟堂夏織は詰るように自分の怒りをぶつける。

 その怒りに神門朱季は申し訳なさから頭を下げた。

 

「……どうして旦那様はあの時に私と空様の御結婚を許可なされたのですか? 私と空様────神門の間に子を産めないと知っていれば、身を引いていました! それに娘だって……っ!!」

 

 力づくでも連れ戻していたと。

 夏織は全てを知った。

 自分の結核が何故治ったのか。

 その結果、神門と悟堂の間では子が生まれない事も。

 朱の眼や、空と陸の母である"神様"の事も。

 

「言い訳にしかならないが、私自身半信半疑だった。ただの狂言なら良いと。もしも子が出来ずとも、二人が仲睦まじく過ごしてくれればと。それに、こんな話を信じてもらえるとも思ってなかった」

 

 だが朱季自身、今はそれが酷い逃げだと自覚していた。

 

「旦那様は私達にこれから子々孫々神門の慰め物なれと……?」

 

「そんなつもりは無い。今更何の償いにもならないが、な」

 

 罰は受ける。好きにしてくれて良いと言う朱季。

 それに空がなにか言おうとしたが、隣部屋の襖が開かれる。

 

「夏音っ!?」

 

 夏織が娘を抱き締める。

 

「帰りましょう、夏音。ここに居てはいけないわ」

 

 ここに居たら自分達は神門の道具として消費される。

 そんな事を認める訳にはいかない。

 しかし、夏音は意味が分からないと首をかしげる。

 

「お母さん。わたしは帰りませんよ。神門(ここ)に居ます」

 

「夏音……あなた何を……」

 

「幸せでした」

 

 十二の娘とは思えない艶のある表情で語る。

 

「空也様に押し倒されて感じたあの重み。空也様の匂い。わたしを貫いたあの痛みも全てが幸福でした」

 

 陶酔した女の顔。

 その表情に本人以外は絶句する。

 

「それに、辛そうだった空也様のお顔が楽になった時、本当に嬉しかったのです」

 

 母の腕を振り払い、一番後ろに座っていた空也の頬に手を触れる。

 

「夏音……」

 

「わたしを傍に置いてください、空也様。あなたの妻になれなくとも、わたしが……いいえ、将来のわたしの子らが神門の人が抱える苦しみの全てに寄り添いましょう」

 

 子供の一途さと純粋さ。

 男を知った女の色。

 様々な感情が混ぜ合わされた表情で微笑む悟堂夏音。

 

「お慕いしております、空也様……」

 

 確かなのは、これが神門と悟堂の本当の関係の始まりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




大体過去の事情は書き切ったつもりです。
次回から本格的に四季と夏海の進展を書けたらなーと思ってます。

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