『はいはーい……今出ますよー、っと』
インターホンを鳴らすと、ドアの奥からくぐもった声が聞こえた。
──居る。
自分で押しておきながら、桂兎は驚いた。
少し遅れてガチャガチャと鍵やらチェーンやらを外す音がして、玄関が開く。
「──」
赤いリボンがまず目に入った。
続けて、白い肌の女性。人当たりの良い、柔和な笑み。
細く輝く金の髪を肩口に揃えた彼女は、朱の混じったその瞳でこちらを見ていた。
「ほい、なんのご用でしょうか……って、
笑顔、驚き、そして再び笑顔。
彼女は一瞬の間に目まぐるしい感情の変化を見せると、そのまま落ち着かずに家の奥にペタペタと足音を鳴らして引っ込んでいく。「ちょうどコーヒー落ちたばっかりなんだよ〜♪ 桂兎も飲むでしょ〜?」と相変わらずの雰囲気だ。
玄関先で立ち尽くす桂兎は、変わりない彼女に安堵しつつ、靴を脱いで部屋に上がる。
「お邪魔します」
中に足を踏み入れると、女性らしい部屋の匂いが肺に落ちてくる。桂兎は自分を落ち着かせるように呼吸を深くしながら、彼女の元へと向かった。
「はい、私の特製コーヒーです! ブレンドしたのは先生だけど、作ったのは私だから……えーと、実質私特製! 飲んで飲んで♪」
リビングに入ると、彼女は素早い身のこなしで桂兎の背に回り、ぐいぐいと前に押してくる。
されるがままソファに座ると、目の前のテーブルには湯気のたったコーヒーがカップに注がれていた。
「さぁさぁ、冷めないうちにどーぞー♪ 先生ブレンドだけあって美味しいぞ〜♪」
隣に座る彼女は、わざわざ口で「わくわく♪」と音を出しながら、桂兎が口をつけるのを待っていた。
来て早々全く話を差し込む機会を見つけられず面食らった桂兎だが、いつもの事かと諦めをつけるとコーヒーカップに手を伸ばした。
熱々のコーヒーを口内に入れると、真っ黒な見た目とは裏腹に爽やかな苦味と鼻に優しく抜けるような風味が広がった。さっぱりした味わいで、クセがない。飲みやすかった。
「──美味しいよ、
そう告げると、隣の彼女──
彼女は桂兎の言葉を聞いてすぐに自分の分のコーヒーに手をつけると、「くー、美味し……!」と仕事終わりのサラリーマンのようなセリフで身を震わせていた。
桂兎は改めて彼女を見る。
淡い金の髪に、若々しくハリツヤのある素肌。赤色の混ざったその瞳は、白い肌と相まってまるでウサギのようだ。
部屋着ではなさそうだが、目の前の彼女はゆったりとしたワンピースらしき物を着ていた。その真っ白なワンピースは彼女のメリハリのついた肢体を存分に表していて、十分過ぎるほど女性的な色香を振り撒いている。
手脚の細さはもちろん、キュッとくびれたウエストや筋肉と女性らしさを兼ね備えた太もも。そして何より胸についた豊満なバストが丸々しいフォルムの膨らみをぴったりと形作っていて、お腹との間に大きなギャップを生み出していた。
桂兎はそんな彼女の姿を、目を皿のようにして観察した。
「怪我」
「……ん?」
「怪我は、してないんだよな?」
そう尋ねると、千束はカップに口をつけながら「ブイ!」とピースサインで返答してくる。この様子だと、本当に何もなかったのかもしれない。
桂兎はようやく安心すると、千束と同じようにコーヒーを味わい出した。
癖になるような苦味が桂兎の舌に広がった。
「何、心配してくれたの? ダイジョーブだよぉ、私あんまりヘマしないでしょ♪」
「あんまり、ね」
「う……いや、たまーにね、たまーに、ほんっとごくたまーに……う、はい、あの、そんな目で見られてもね、はい、その節は大変ご心配をお掛けしました……」
責めるような視線を送ると目に見えて萎縮しだす千束。
「……はぁ」
ため息を吐きながら怒ってないよと首を振ると、彼女は流れるような手つきで桂兎の手からカップを置かせて、そのままソファに押し倒してくる。
桂兎の胸板に、柔らかい感触が伝わる。
口元に鼻息が掛かるくらい、美少女の顔が近かった。
心拍数が跳ね上がった。
「──心配させてごめんね」
彼女の囁き声が間近に聞こえる。
彼女の豊満な乳房がむにぃと胸板に潰れて、彼女の鼓動をとくとくと伝えてくる。
「──でも、こうして生きてるよ♪ まだ心配?」
彼女はその魅力的な瞳を細めると、蠱惑的な笑みを浮かべた。
「心配に、決まってるだろ」
だから桂兎は、思わず彼女の細い身体を抱きしめる。
愛する女性の肉体を抱きしめて、腰の奥底がグッと熱くなった。
でも、今はそんな人間の本能よりも、彼女が大事だった。
大切な彼女が、なによりも大事だった。
「無事で良かった……」
心の底からそんな声が漏れる。
千束は一転して揶揄うような事はせず、黙ってその抱擁を受け入れていた。
「んふふ……♡」
彼女はにんまり笑うと、すりすりと首元に頬を寄せた。桂兎は猫みたいだと微笑みながら、顎で千束の頭を撫でる。
「何、笑ってんだよ」
「んふ、んふふ……いやー、ごめんごめん、なんか幸せでさー……♡」
ぎゅーっと抱擁を返すように、彼女の手が桂兎の背中に伸びた。
「落ち着くまでこーしてあげる♪ 幸せホルモン大放出だ……♡」
「……うん」
そうして、十分も経っただろうか。
離れることもせずぴったりくっついていた二人の身体には、じわりと汗が浮き出ていた。
すっかり汗を吸った千束のワンピースは、ぴったりとそのボディラインを露わにしていた。
「……シャワー浴びる?」
「もう少しだけ」
「あ、いや、その、今のは質問というよりも強めの提案だったんですけど、その、えーと……そろそろ暑くない?」
「……駄目?」
「あぅ、そんな子犬みたいな声出されても……分かったってば、いいよ、ぎゅーしてようね……んー、でもおっぱいに汗疹出来ちゃう前にはシャワー浴びたいかな……オーケー?」
「オーケー」
結局その後更にくっついていた二人は、千束のギブアップ宣言と共にようやく離れた。
「いやー……もう見て? 汗で濡れ過ぎてピタピタ! ほら、おっぱい丸見え! え、これ乳首透けてない? 透けてるよね?」
「透けてないよ、ちょっと形浮いてるだけ」
「浮いてる……!? なんかちょっとそっちの方がエッチかも……!!」
「いつも不思議なんだけどテンションのアクセル凄いよね千束」
「そして彼女の乳見ても動じない彼氏ッ……!」
「乳とか言わない……ほらシャワー浴びないの?」
「あ、浴びます! 汗でプール作れるくらい汗まみれだからさっさと浴びます──あ、今私の汗のプールも良いな、とか思ったでしょ!?♡」
桂兎は首を振ると、「いいから早く浴びてこい」と彼女の背を押す。
しかし千束はくるりとその手を回避すると、桂兎の正面からむぎゅうと抱きしめた。
彼女の前髪が鼻に触れる。石鹸と汗と、それから千束の良い匂いがした。
「んふー……♡」
千束はわざとらしく乳房の感触を刷り込むように、むにむにと身体ごと押し付けてくる。
そして彼女の細い手が、股間に伸びた。
「ぅ、く……」
「これ、私のせいでしょ♡」
ジーンズの上からはっきり浮かび上がっていたペニスの形。千束の手がその根元をがっしりと掴む。
「これを見逃すほど酷い彼女じゃないよ──ほら、一緒にシャワー浴びよ?♡♡」
「分かった……」
桂兎はペニスを捕まれたまま、犬の散歩のように浴室に連れ込まれた。
「ん──ばっ!」
バスルームに向かうと、彼女は勢いよくワンピースを脱ぎ捨てた。
ぶるんと双丘が揺れて、彼女の裸体が目の前に広がった。
その美しさに、自然と目を奪われる。
女性らしい肩幅、丸みを帯びたフォルム。腰は細いのに、下半身は思わず手を伸ばしてしまうほどむっちりとしていて健康的だ。
何より目を引くのは豊満な乳房。片手で覆えないような乳肉の塊が二つ、たゆんとぶら下がっていた。綺麗な雫型をしていて、乳房が前にも横にもいやらしくはみ出ている。
その先端にはピンクの乳輪とぷっくり膨らんだ可愛らしい乳頭が顔を出していた。
桂兎の股間が明確に熱を持つ。
「よい、しょ……」
千束は背後の桂兎に見せつけるようにお尻を突き出すと、赤いショーツを腰から下ろしていった。丸い尻たぶに隠れて時折お尻の穴や頭髪と同じ色の陰毛、そして秘裂が目に入った。
揉み応えのありそうな尻肉が揺れて、桂兎は見入ってしまう。
「……ん?」
熱心にそのお尻を眺めていると、前傾姿勢で桂兎を見上げる千束と目があった。
脱いだショーツを手に取って指を指すと、「欲しいの?」と自然で問いかけてくる。
ぶんぶんと首を左右に振ると、彼女はニタッと笑って上体を起こした。
たぷんと大きな乳房が揺れて、彼女がすっと寄ってくる。
「ほんとに要らないの〜?」
ちょっぴり人の悪い笑顔を浮かべて千束は笑うと、それから「怒られる前にやめとこ〜♪」と笑顔をいつもの彼女に戻して手元の下着を洗濯カゴに投げた。
「ほらほら〜窒息しちゃいそうだよ〜?♡ 早く出してあげなよ〜♡」
千束が再び股間に手を伸ばす。
もはやくっきりとズボンに浮かび上がる肉棒。その先端部分をフェザータッチで何度も触ると、やがてカリカリと爪を立てて亀頭を刺激し始めた。
桂兎の腰が疼く。
性欲が腰の辺りで爆発しそうになる。
千束の柔らかい肢体全てが欲しくて、今すぐにでも押し倒したくなる。
千束が微笑む。
かり、かり、と、亀頭を弄る手は止まらない。
「はむ……ちゅ……♡」
いつの間にか千束が首元に吸い付いていた。ぷるんとした感触の唇が、優しく押し付けられる。
「ちゅ、れろ……んはぁ……ちゅ……♡」
千束は流し目で桂兎の顔を見上げながら、誘うように空いた手で胸板に手のひらを触れさせた。
ちゅ、ちゅ、と彼女の唇が求愛の音を響かせる。
細い指が桂兎の乳首を軽くつつくと、千束はレロレロと首筋を伝う汗を舐め取りながら、耳たぶに甘いキスをする。
「ちゅ」と可愛い音が耳元で鳴った。
「我慢してるの?♡ ──今日は一日中、そのつもりだよ?♡」
──だから、エッチしよ?
桂兎の中の雄が吠えた。
ーーーーーーー
浴室の中でお互いの裸体を見せつける。
完全に全てを曝け出したペニスは桂兎のヘソの下まで勃起すると、早くしろと喚くようにひくひくしていた。
「うわー、えっぐ……♡♡」
千束がドン引きしたような声を出した。
しかし頬は紅潮し、その目線は雄の魅力に溢れた男根に注がれていた。
太さ、長さ共に平均以上。おまけに見事な反り返りとねずみ返しのようにしっかりした亀頭のカリ首。男のセックスアピールとしては満点だった。
「最後に千束と、その──」
「エッチ?」
「……したのって、二週間前だから」
「……じゃあ二週間分。溜まりに溜まってる?」
毎度の事ながら千束は我が物顔で股間に手を伸ばすと、肉棹に引けを取らないほどでっぷりと膨らんだ陰嚢に触れる。
すっかり手慣れた様子で精嚢を優しくコリコリして、手のひらに広がる玉袋の体温を感じながらふにふにとマッサージを続けた。
「んはー、こりゃあ、強敵ですなぁ、えへへ……♡♡」
千束はしゃがみ込むと、ペニスに顔を寄せた。
彼女の小さくて可愛らしい鼻の頭が、つんと亀頭に当たる。
「──桂兎♡」
金玉袋を揉みながら、千束がペニスの目の前で舌先をチロチロと出し入れする。
獲物を狙うハンターのような目つきだった。
頷く代わりに急かすようにして亀頭でぺしぺしと彼女の鼻を叩くと、千束は舌なめずりをしてそっと先端にキスをした。
「ちゅ……♡」
女子高生の柔らかい唇が肉棒に触れた。
玉袋を手玉に取られながら、ずろぉと唾液を塗しながら亀頭を飲み込まれる。
桂兎が情けない声を上げた。
「んふふ、きもひぃ……?♡♡」
「……うん」
「んふー、そんなかおひてる……かあいい……♡♡ ちゅう……♡♡♡」
彼女はほっぺをリスのように膨らませて男根を口に含むと、満遍なく肉棒をしゃぶり出した。
ちろちろと裏筋を舐め上げながら、抵抗なく肉棹を呑み込んでいく。思わず腰が引けそうになるが、鍛え抜かれた反射神経がそれを許さず、腰の辺りを片手でがっしりとホールドされていた。
逃げる事は出来ず、桂兎は腰を震わせて彼女に身を任せるしかなかった。
「はむ、ちゅ、ぶ……ん、んく……ちゅぅ……ずぞぞ……んっ……♡♡」
千束は音を立ててペニスを頬張る。
頭を前後させながら、口を窄ませて一生懸命に快楽を与えてくる。
上目遣いで桂兎の顔色を伺いながら、舌と唇でなんとか気持ち良くしてあげようと彼女は口を動かしていた。
それが猛烈に、桂兎の中の彼女への愛おしさを爆発させていた。
「んふー、すんすん……れろ、ぷは……ちゅ……すん……♡♡」
時折金玉袋から手を離しては前髪をかき上げる。更には何が彼女をそうさせるのか、手についた玉袋の臭いをすんすんと嗅いで、「でへー♡」と犬みたいに頬を緩ませていた。
それがたまらなく可愛くて、愛おしかった。
太い肉棒に、更に大量の血液が集まる。よりペニスが固くなる。
「ちゅるるる、ん……はむ、ん、んぅ……ちゅ、ぱ、ん、……んんん♡♡」
彼女の愛撫にもだんだんと熱が入る。
頭を巧みに動かしては、太過ぎる肉棒を余さず気持ち良くしようと桂兎の気持ちの良い部分を仕切りに舐め回す。唇を窄め、カリ首を焦らすように刺激しながら、激しく吸引してぐぽぐぽ音を立てながら肉棹を舐めしゃぶった。
いやらしい音が鳴って、形容し難い快楽に身を包まれる。
ペニスのボルテージが一気に跳ね上がる。
「ぉ、う……く……」
「んふー、んふー……ちゅぷ、れぉ、ちゅ、……れろれろれろ、ぉ、んぶ、ぢゅぷる……♡♡」
小さな口を懸命に開きながら、千束はペニスを甲斐甲斐しくしゃぶり尽くす。
桂兎は脚が震え出して、今にも限界に達しそうだった。自然に手が千束の頭に伸びて、応援するように頭を撫でる。
千束が満足げに目を細めた。
「んぐ、ぢゅぶるるるるるるっ……!♡♡」
次の瞬間、千束が一際吸引を高めて、頭をぐいと振った。
ぢゅぼっ、と浴室に水音が響く。
口内で信じられないくらい痙攣した男根が、我慢出来ずに全てを解き放った。
「んんんんんぅ──!?♡♡」
びゅぅっ、びゅ、びゅるるるっ。
「……ぅ!」
亀頭が炸裂した。
千束の口の中で、白濁液が一気に放出された。
びゅくびゅくと噴水のように精液をぶちまける。
彼女は一気にほっぺを膨らますと、その余りの量に口の端から涎を垂らし、しまいには鼻から精子をこぼした。
「んく、んぐ……ん、ん……♡♡」
それでも幸せそうに目を細めて、彼女は男根から直接精液を吸い取っていた。桂兎の腰が引けるのも構わず、ちゅーちゅーとジュースでも飲むみたいに遠慮なく吸い付く。
鼻っ柱を陰毛に押し付けながら、愛する彼女は喉を鳴らしてザーメンを美味しそうに飲み干していた。
桂兎はぽかんと口を開けながら、ひくひく腰を痙攣させていた。
「ちゅ、ん……ぷはぁ……♡♡」
たっぷり時間をかけてようやくペニスを解放した千束。
口元についた精子やら陰毛やら、或いは自分の髪を指で払うと、にっこりと満面の笑みを浮かべて桂兎を見上げた。
「気持ちよかったでしょー♡ 顔に書いてあるよ♡」
「……」
桂兎は頷くことしか出来ず、感謝の気持ちを込めて千束の頬を撫でた。
千束は猫のように目を細めて、それから顔の横にそびえ立ついまだビンビンの肉棒にも頬擦りした。
バキバキに反り返った巨根が、びくんと震える。
「もー、ほんと、立派すぎるでしょ……♡」
千束は肉棒の先端から遅れて流れ出てきま精液を摘むと、いやらしく口を開いて流し込んだ。
美味しそうに喉を鳴らしてそれを飲む。
「──桂兎」
次に目を開いた瞬間、千束の目つきが変わった。
瞳の奥にハートマークを浮かべながら、優しく亀頭にキスを降らせる。
「ちゅ──♡」
彼女は真っ直ぐに桂兎の顔を見上げていた。
桂兎はそんな彼女の美しい瞳に魅入られた。
「──千束、綺麗だ」
もはやそこにいたのは、一組の雄と雌だった。