亜人である牛娘に突然求婚されて、搾乳種付けプレスで孕ませるお話 作:濁り丸
——西暦2075年
日本の領海である八丈島の沿岸沖二十キロ地点に於いて、大規模な地殻変動も無く、突如として北海道とほぼ同等の大きさの”大陸”が出現した。本当にフッと瞬きをした瞬間、元からそこに存在していたかのように大陸が現れたのである。
衛星写真を解析すると明らかに人工の建造物が多数確認され、人類史が始まって以来、初めての”知的生命体”との邂逅が現実味を帯び始めたのだ。
それだけでも世界を震撼させるような大ニュースであったが、同時刻に於いて北アメリカ大陸やオーストラリア大陸、アフリカ大陸など、その他の全ての大陸でも同様の現象が多数発生したため、世界各国の情勢は混乱を極める。
直ぐにでも厳戒な情報統制が敷かれたのだが、物理的に巨大な大陸の存在をデジタルの時代で民衆に隠し通せる筈も無く、連日連夜に渡って報道されることとなってしまう。
世論の間でも様々な憶測や主張が飛び交い、その中には”武力支配”に連なる過激な発言をする者も続出した。
本来ならば慎重な対応が求められる案件であったが、ことの重大さが分かっていない冒険者気取りの密航者なども現れる状況となってしまう。密航者達が誰一人として帰還しなかったことも重なり、民衆から事態の究明と早期解決が各国の政府に求められることに繋がった。
各国が早急な対応に追われることとなり、武装手段を持った軍による調査隊が派遣されようとした正にその時、人間に近い見た目をした”使者”を名乗る者——後に『亜人』と定義された種族中でも『幻想種』に分類される者が、厳重な警備が敷かれた各国の代表の元に訪れたのである。
彼女達は女神 ”アフロディーテ”に仕える”天使族”を名乗り、頭の上に光輪と背中に白い翼を生やした天使と酷似した美女であった。そんな”使者”の主張や要求は至極単純なものであり、得られる対価に対して出された条件は殆どデメリットが無い破格のものである。
その提示された条件とは——
『——皆様のお悩みを解決する手段と準備が、こちらにはございます。それに対してこちらの出す条件はただ一つ、貴方達の国の”オス”達との”自由恋愛”を認めて頂きますっ♡♡』
後に『亜人も人も同じ存在である』などと、高潔な理念が説かれるようになったが、実際は天使のような微笑みに国の代表達が魅了され、人類は亜人に籠絡されたのである。
斯くして人外のような美貌の亜人達による”友好的”な外交の元、各国が合意するのには最長でも一週間も掛からなかった。
同年の内に大規模な国際会議が開催され、亜人種との共生を目的とした『世界亜人種融和条約』が締結される。そんな歴史の教科書に載るような"非日常"も少しずつ"日常"へと変化していき、三十年もすれば亜人種が人類の生活の中に溶け込んだのだ。
亜人種達の当初の望み通りに人間種との結婚、出産をする亜人種も続々と現れ、人間と亜人種の子供が同じ学校に仲良く通う光景が当たり前になったのである。
そして、百年余りの年月が流れた——
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「貴方様にお会い出来るこの時を、ずっと待ち焦がれておりましたっ♡♡ 出会う前から……愛しております♡ もっと草介様のことを深く知り、私のことも隅から隅まで知り尽くして欲しいです……っ♡♡♡」
本能によって一目惚れした”亜人”の少女は、自身の”番”だと告げる人間の少年に、半ば抱き付くような至近距離で告白をした。感極まったという表現が良く当て嵌まる彼女の告白には、軽薄とは正反対の重たい感情が篭っている。
告白の後に自己紹介をするという、完全に順序が逆転した会話をしていた。彼女は宝くじの一等が当たったこと以上に、彼に会えたことに興奮しており、夕陽の光でも隠せない程に頬が赤く染めている。
「私の名前は牡丹と申します……っ♡♡ 牡丹・カローヴァです♡ 貴方様のお名前も教えて頂けませんか?」
「そっ、草介……須原 草介。ちっ、近い」
女性への免疫が強いタイプでも無いため、草介と名乗った少年はたじたじである。思わず後退りしてしまう彼に対して、牡丹は離れた分よりも更に近付く。
物理的に距離が近付いたことで彼の鼻腔には、年若いメスの甘く酸っぱい汗の匂いと種族特有のミルクのような甘ったるい体臭が入り込む。パーソナルスペースを完全に侵入した距離になっているが、彼女は欠片も満足していない様子である。
本当ならば直ぐにでも抱き付き、草介の温もりを感じたいと思っていた。その考えが口から漏れ出てしまい、牡丹は矢継ぎ早に言葉を続けてしまう。
「いいえ、遠過ぎる位ですっ♡♡ それにしても草介様……とっても素敵なお名前ですね♡ 私のことは牡丹とお呼び下さい……っ♡♡」
育ちの良さそうな黒髪金眼の美少女が、平凡な少年を衆目のある場所で口説くという物珍しい光景が広がっていた。金髪のギャルが逆ナンパに興じるのとは、一線を画すような意外性がある。
第三者から見れば完全に美人局が少年を陥れようとしている所だが、牡丹と名乗った少女の蕩けたメスの表情を見れば、演技でないことは直ぐに分かるだろう。
彼女は口から熱っぽく荒い呼気を吐き出し、目の前の少年を絶対に逃すまいとにじり寄っていた。草介はこれまでの人生で一度も類似した経験が無かった状況に困惑し、しどろもどろと言う表現が良く似合う態度である。
それでも彼女の要望通りに名前を呼ぶのは、彼の誠実な性格が垣間見えた。
「ぼっ、牡丹さん」
「〜〜〜〜〜〜〜っっッ゛♡♡♡♡ 呼び捨てで構いませんっ♡♡ あぁ、名前を呼ばれるだけで快感を感じることを初めて知りました……っ♡♡♡」
草介に名前を呼ばれただけで、牡丹は天にも昇るような心地である。
彼女とは真逆で彼の方は極度の緊張により足元がおぼつかず、意識が消失してしまいそうな感覚を初めて味わっていた。このような危機的状況になると人間は何故か現実逃避をし易く、草介もまた普段は目にも留めない夕陽のことを考えてしまう。
(夕陽ってこんなに綺麗だったんだな。あっ、でも牡丹さんの方が綺麗だ……)
そんな夕陽の美しさも眼前に迫る牡丹の美貌に塗り潰され、草介の現実逃避は半強制的に終わりを迎える。
それどころか普段のお淑やかで奥ゆかしい見た目をした彼女の言動からは考えられない、男に媚びるような甘く蕩けるような声色でソッと囁いた。
「——濡れてきてしまいました……っ♡♡」
「————っ」
牡丹の囁きに草介の脳は棍棒でぶん殴られたように揺さぶられ、正常に戻り掛けていた思考も再び暗礁へと引き戻される。どこが濡れたのかをハッキリと明言していないが、肉付きの良い太もも同士を擦り合わせており、彼女の持つ性的な魅力を存分に見せ付けていた。
亜人と人間との恋愛では、人間側が骨抜きにされる良い例である。
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地平線の向こうに半分近く隠れた太陽が、影に入っていない建物や人、空の色まで夕焼け色に塗り潰していた。
普段は眩しくて目を細めても朧げな輪郭でしか見えない太陽が、一日の中でこの僅かな時間だけはハッキリと視認することが出来る。ビルの隙間へと消えていく夕陽自体も美しいが、その光に照らされた雑多な街並みもこの時だけは綺麗であった。
かの清少納言が執筆した有名な作品”枕草子”に於いても、四季の美しさを表す際に”秋の夕暮れ”が使用されていることから、日本人の感性には特に嵌まっているのだろう。
都市部ともなれば昔のように風流な虫の音が聞こえることは滅多に無くなったが、夕焼けの美しさは時代が変わっても同じままである。また、夕暮れ時のことを”黄昏時”と表現するように、美しさの中に懐古的な寂しさを感じるのもまた事実であった。
それは陽が昇ることが一日の始まりであるとするならば、沈むことは一日の終わりを意味するからだろう。理性的な思考とは違う本能から、時の流れの無常さを感じ取っているのだ。
温かいのにどこか寂しい光に照らされた世界に於いて、影の中では一つに重なり合う距離で牡丹と草介の二人が、人通りが多い歩道の中央で抱き合うように立っていた。
「——草介様っ♡♡ 草介さまぁ……っ♡♡♡」
彼女の発情を隠せない艶っぽい声が、辺りに響いてしまっている。
帰宅ラッシュの時間帯に丁度かち合っていることもあってか、二人の脇を通り過ぎて行くのは部活終わりの学生や買い物帰りの主婦、働き疲れたサラリーマンなど様々であった。性別や年代も全く違っている人々だが、二人に対しては同じような訝しげな視線を送っている。
草介達も平常時ならば道行く人の奇異な視線や迷惑を掛けていることに羞恥や申し訳なさを覚え、どこか人の目の少ない場所に移動しようとしていただろう。
しかし、今この時だけは他人の視線や声も気にならない程に、目の前の相手のことだけに集中してしまっている。視線すら外すことの敵わない牡丹の美貌に、草介の脳のメモリの殆どが使用されていた。
鼻先同士が触れ合いそうな至近距離、視界のほぼ全てを埋め尽くす相手の顔や瞳を見詰め続けることしか出来ていない。後少しだけ身体を前に倒せば口付けを交わしてしまいそうであり、お互いの体臭や体温、相手が吐いた息遣いすら肌で感じる距離のまま、視線がネットリと絡み合っている。
魅了の魔法に掛けられていくような錯覚を起こさせ、このまま視線を交わらせ続ければ、草介は魂まで吸い取られてしまいそうだ。
第三者から見れば二人が恋人同士であることに疑う余地は無く、公衆の面前でイチャイチャしていることに対して、怒りを覚える者も一定数現れることだろう。況してや牡丹が超が付く程の美少女ということであれば、嫉妬という醜い感情に心を塗り潰される者が現れて当然であった。
そんな恋人のいない者達に惨めな思いをさせている二人だが、本当に彼らは数分前まで会ったことも無い全くの赤の他人である。
お互いに学校帰りで偶然出逢っただけの初対面であり、幼い頃に遊んでいた幼馴染や親が決めた婚約者、過去に命を救った恩人などでは決して無い。しかし、牡丹の方は生き別れの兄に出逢ったかのような反応をしており、全く身に覚えの無い草介の方は困惑するばかりである。
そればかりか今までの人生で最も美しい彼女の容姿に見惚れ、正常な思考を取り戻せないままでいた。恋人同士の距離感で見詰め合ったまま固まっている二人の内、牡丹の方が興奮により震える唇を動かして愛の言葉を紡ぐ。
「ずっと、ずっと探していたのです……っ♡ 私の”番”となるお方を一日千秋の思いでしたっ♡♡♡ あぁ……っ、本当に夢のよう♡♡ 夢ならば醒めないで欲しいですっ♡」
「えっと、つがい……? ごめん、ちょっと待って——」
洪水のように彼女の口から漏れるのは、熱に浮かされたような内容であった。長い時間を掛けてドロっドロに煮詰まった番への愛情が、溢れて止まらないのだ。
亜人にとっての”番”は本能が決めた婚約者であるため、牡丹が”こう”なってしまうことも仕方の無いことであろう。
戸惑いの色が隠せていない草介は、状況を呑み込むことに必死である。これまでの人生で亜人との関わりが殆ど無く、彼女のような『獣人種』の種族特有の”文化”についても知らないため、理解が更に追い付かなくなってしまうのだ。
「もう身体の火照りが治らないのですっ♡♡ 草介様とのお仔を授かりたくて、下腹部がキュンキュンと今も疼いております……っ♡♡♡ おっ、お乳も溢れてしまいそうな程に張っているのですっ♡♡」
脳に響き思考が蕩けるような彼女の声と理解の追い付かない内容に、彼の思考は更なる負荷を受けて知恵熱すら起こしてしまいそうだ。
しかし、太陽が必ず沈むように幾ら草介が困惑していても、時間は誰にでも平等に進んで行く。彼の愚鈍な思考を遮るように、牡丹は自分の昂った感情や想いを吐露する。
「本当に一秒だって我慢するのが辛いのです……っ♡ 直ぐにでも番になるための”儀式”を行いたいと思っておりますっ♡♡ んぁ゛っ♡ 近くに”私達”が使うホテルがありますので、そちらに——」
人前では見せられない発情したメスの顔を衆目のある路上で晒している牡丹は、十五年以上に渡って探し続けてきた番とようやく巡り合えた感動に夢見心地である。本能と心が悦びに打ち震えており、彼女には世界が今までよりも色付いているように見えていた。
一方、未だ現状への理解が追い付かず戸惑いを隠せていない彼は、既に逃げられない運命に絡め取られている。彼女達”亜人”に見初められたが最後、”人間”でしかない彼が何をしても無駄なことを知るのは、まだ先のことであった——
草介の右腕は彼女の両腕に大事そうに抱きかかえられ、半ば引き摺られる形で隣を歩かされる。耳の先端まで真っ赤に染まった彼の耳元に瑞々しい唇を近付ける牡丹は、ずっと前から練習していた”呼び方”で草介のことを呼ぶ。
「さぁ、参りましょう。旦那様……っ♡♡」
「まっ、待ってっ。あぁ——」
橙色から黒へと染まりつつある景色の中、煌びやかな光が羽虫を誘き寄せる誘蛾灯のような歓楽街に向かって彼らは歩みを進める。二人が向かう先は男女の愛を育むことを目的として造られ、一人では慰め切れない彼女の火照りを発散するための場所であった。
牡丹が大胆な発言をした周囲の男達の股間は、ズボンの上から見ても分かる位に膨張している。きっと先程の彼女の蕩けた表情と甘ったるいメスの声を今夜の”オカズ”にして、自身の右手を恋人に見立ててペニスを扱き自慰行為に耽るのだろう。
道中で男達の妬みの視線に晒される草介は、視線だけで人を殺すことが出来る世界ならば、惨殺されてしまう程に妬みの篭った視線を向けられている。
それは牡丹が美少女というだけでも羨ましいのに、亜人であれば相手に”一途”であることが約束されているからだ。亜人に縁の無かった男共が、嫉妬に狂ってしまうのも当然の反応であった。
二人はバージンロードを歩くように街灯やネオン看板が光る歓楽街を歩き、彼女の先導によって目的地で中世のお城を思わせる建物に向かって足が進んで行く。そこは亜人御用達の愛を育むためのお宿であり、未成年であっても宿泊が許される治外法権の場所であった。
——この日、”亜人”と”人間”の夫婦が誕生する。